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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「異邦人」カミュ(新潮文庫)



彼の言葉を追いながら、平行世界を浮遊しているかのような、そんな錯覚に捕らわれる。
真っ正直に過ぎた彼の言葉。
そこには、打算も保身もない。
だが、残念ながら、この世界の理に相容れなかったムルソー。
故に「異邦人」。
殺人は容認できない。
だけど、母の葬儀で涙をみせなかったことがそんなにも責められることなのか?
問い詰められなければ核心を外れ、
彼を置き去りに進行する裁判の過程を追いながら、
何故か泣きたくなった。
そして、彼の行き着いた望みに、哀しみと戦慄を覚える。
それを幸福と呼ぶのもまた、ムルソー自身の理。
再読必須の良書。

カミュは初読みなんだけど、よく知っているとても馴染んだ雰囲気。
何故かはすぐに気付いた。
初期の頃の中村文則を彷彿とさせられるが故の既視感。
気に入るはずだよね。
他の作品も是非読んでみたい。

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