きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「薔薇の名前 上」ウンベルト・エーコ(東京創元社)
濁流のように渦巻く膨大な情報量に翻弄されながらも、
気付けば物語世界に迷い込んでいる。
時は中世。
北イタリアの僧院の、薄暗く神秘的な迷路の中を彷徨っている。
神に仕える者たちの棲まうその場所は
決して人には語れぬ秘密を抱えた者達の潜む魔窟でもあった。
印刷技術の発達する少し前の時代。
書物を管理し、知識の流布を恐れた件は、
いつの時代にも起こり得る情報の統制を想起させる。
文書館にはどんな秘密が隠されているのか。
持ち去られた書物には何が記されていたのか。
そして、このタイトルの意味は?
現代では考えられない程、ゆったりと流れる時。
手がかりのカケラ得られない私は、逸る気持ちを抑えながら次巻へ。
メガネ薀蓄
・メガネの発明は12世紀の終わりごろ(作中記述有)
・メガネを日本に初めて伝えたのはフランシスコ・ザビエル(勝手に調べてみた)
調べ物をしていると、遭遇する率が高いザビエル。
「カッパ」を検索して「ザビエル」と出てきたときの衝撃(笑撃?)と言ったら!
確かに、老眼や近視は昔からあるわけで、矯正するもののなかった時代の人たちは
さぞ不便だったろうと。
メガネやコンタクトがないと生活できないわが身に置き換えてしみじみ思いました。
内容(「BOOK」データベースより)
迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。バスカヴィルのウィリアム修道士が事件の陰には一冊の書物の存在があることを探り出したが…。精緻な推理小説の中に碩学エーコがしかけた知のたくらみ。
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