きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「望郷」北方謙三(集英社文庫)
「あの焼け野原に帰りたい」
それは叶わぬ夢だけれども。
切に願った。
ふたり、共に生きたあの日々へ、と。
老犬トレー。ゴロワーズ。ロンソン。
きちんとしたスーツ。磨いた靴。そして刑事であり続けること。
日常の中に見え隠れする幸太の存在。
そして、因縁としか言いようのない邂逅。
獣の子は獣。
和也に出会った高樹は生き急いだのか、死に急いだのか。
事件解決の糸口を辿ったその手法は褒められたやり方ではない。
疑問だってある。
だけど、そう在ることしかできなかった。
獣を胸の内に飼いつづけたた高樹の人生には、
どこまでも幸太が寄り添っていた。
高樹の幸せはどこにあったのかな?と。
考えるとなんだかやるせない気持ちになってしまう。
『眠りなき夜』→『老犬シリーズ』ときたので『夜が傷つけた』で一段落に
しようと思っていたのですが。
ここまできたら『挑戦シリーズ』も読まないといけないような気がしてきました(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
「因果な癖だ。臭いものには必ず首を突っ込む」高樹はつぶやく。平凡な事件だった。やくざの抗争、男が殺され、犯人は自首。だが、定年間近な『老いぼれ犬』高樹警視は、そこに不審な影を見る。大胆な捜査と周到な罠。やがて飛び込んで来る獲物を待つ…。老犬シリーズ3部作、堂々の完結。
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