きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「薔薇の名前 下」ウンベルト・エーコ(東京創元社)
一人の僧の死から次々と発生した殺人事件。
闇の中に身を潜め、事の真相を知っていた彼は、何を望み、何を畏れたのだろう?
知識の流布を蛇蝎のように嫌った彼の主張は、
あまりにも独善的で、あまりにも身勝手だ。
殺人が殺人を呼び、僅かな綻びから手繰り寄せられる真実。
そして、決着は文書館で。
ひとたび明るみに出た謎は、その時点で秘匿性を失い、
白日の下にさらされる。
それを、身の内に喰らってまで阻止しようとした彼の、
結局は思惑通りだったのか?
少し先の時代に印刷術が発達することを想えば、答えは否、だ。
謎解きをするウィリアムとアソドの師弟関係がとても微笑ましかった。
さて。
ぶっちゃけトーク!
君たちはいったい何をしにそこへ?と、その瞬間、唖然としてみました。
ひっかきまわすだけひっかきまわして何もかもを灰燼に帰した感が否めない。
いや、その責任が彼らにあるとは言いませんが。
そしてとってもとっても一生懸命だったのもわかるけど。
なのに、どうしてあんなことに……
古代から伝わる数多の本たち。
印刷技術が発達する以前の時代には人の手によって書き写され来たという事実を
改めて思い知り、なんだか圧倒されました
内容(「BOOK」データベースより)
中世、異端、「ヨハネの黙示録」、暗号、アリストテレース、博物誌、記号論、ミステリ…そして何より、読書のあらゆる楽しみが、ここにはある。全世界を熱狂させた、文学史上の事件ともいうべき問題の書。伊・ストレーガ賞、仏・メディシス賞受賞。
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