きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ビッグ・ノーウェア 下巻」ジェームス・エルロイ
【友人がいるってのはいいものだが、
ひとたびその友人たちに嫌われたら地獄だよ】
読後に胸を占めるのは、やはり悲哀。
そして、少しの安堵とやるせなさ。
動機は出世欲だったとしても。
彼はただ、事件を解決しようと懸命になっていただけだったのに。
どうして?と、問うことは愚問だろうか。
奪われた幾つもの命。
残酷な事件の根底にあった醜悪な真実。
真実が浮かび上がっていくその様に、
息をつく暇もないくらいぐいぐいと引き込まれる。
志半ばで倒れた彼。
そんな彼の遺志を受け継いだのは、私にとっては意外な人物だった。
自らの危険を顧みなかった彼は、ある意味、とてもきれいな幕引きをした。
仲間たちに手向けの業火を。
そしてエルロイには喝采を。
正直、思想的な場面は読み進めるのが大変でしたが、
そこを乗り越えた先の事件の顛末にドキドキしました。
何故かミッキーに愛嬌を感じるのは私だけでしょうか?
ずっしりとした重量感のある読後感。
幾つかクッションを置いたら、次作『LAコンフィデンシャル』にいきます!
内容(「BOOK」データベースより)
残虐な殺人者と共振するように事件に没入するアップショー。その粘りを買って、コンシディーンは彼をアカ狩り捜査班に加える。だがアップショーの執念の捜査が一つの事件を結ぶカギを探り当てたとき、闇にひそむ悪辣な罠が動きはじめた―「LA四部作」中、もっともヘヴィな余韻を残す現代ノワールの傑作。
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