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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「貴公子司書の溺愛ライブラリー」伊勢原ささら (幻冬舎ルチル文庫)



フリーターだった愁が好きと適性を活かした図書館司書になり、
成長を遂げていく物語。
そのきっかけを与えてくれたのは図書館館長の都築。
この都築が私視点ではダメ男でした(笑)
仕事を一生懸命覚えて自分なりにこなしていこうと頑張っていた愁の態度は好印象。
与えられたチャンスをモノにしたのは自分自身の努力の賜物。
だからこそ、一社会人として
「公私混同しても無理はないだろう?」の台詞に「いや、ダメっしょ」と突っ込み、
ペーパーの「君を養わせてくれ」には「いや、違うっしょ」と言いたい。
本に対する愛情が溢れんばかりに伝わってきたのがとても嬉しい。

「美形司書たちが女性客を接待する執事カフェのような民間図書館」
なんだそれ??な帯だけど、まさにその通りの世界が展開されていました。
上手いなーとは思ったんだよね。
残念ながら私は図書館には行かない人なので、行きたい感は皆無でしたが(笑)

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「逆説の日本史5 中世動乱編」井沢元彦(小学館文庫):



鎌倉幕府の成立から滅亡まで。
何故源氏と平家は戦うことになったのか。
それは「源平の争乱ではなく独立戦争である」とする論拠を
展開していく著者の考察がとても興味深いし、頷いてしまう。
戦略に重きを置いた頼朝と、
戦術に長けた軍事の天才の義経。
共闘からの離反。
東北人だから義経贔屓になるのは致し方ない。
それを差し引いても頼朝にイラッとしながら読み続けたけど、
最終的には彼の在り様に納得してしまった。
時代の先読みができた北条氏。
そして、承久の乱を経ても朝幕が併存してきた要因は、
日本人であるが故に理解できてしまう。

情報量が膨大過ぎて、知識を定着させるためにすぐさま再読したくなる。
著者曰く・義経は日本史上初のアイドル。
私曰く・義経イメージは滝沢秀明。
著者曰く・頼朝と秀吉は「バカツキ男」(ツキがある男)。
友だち曰く・頼朝と秀吉は大っ嫌いな歴史上の人物。
友だちが二人の名前を出した直後に読んでいる箇所に二人の名前が出てきて、
更に別な友だちが修善寺温泉の話をした直後に読んでいる箇所に修善寺が出てきた不思議。
引きあうものってあるんですね~。
■行った場所:鶴岡八幡宮/中尊寺
■行きたい場所:屋島寺(香川)
■読みたい本:『義経』司馬遼太郎

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「弁護士は恋を自白する」榎田尤利 (SHY NOVELS)



プロのダンサーを目指して単身NYに渡った潤也と、
そこで出会った弁護士のアシュリーとの物語。
セオリーだったらこういくんだろうなーという想像を軽く飛び越えた、
想定外すぎた展開がおもしろかった。
すべての流れを良い方に導いたおばあ様のお言葉はとても素晴らしい。
後半はダンサー仲間のリックとショーンの物語。
考えが足りないなりに実は一生懸命考えているショーンがとても可愛いし、
臆病さを捨て、恋愛にのめり込んだリックは溺愛系で素敵。
こちらは王道展開。
ガツンとしたインパクトも王道も堪能できるお得な一冊。
共通項は勿論ラブ☆


アシュリーのメンタルが安定してなさそうだなーとは思ったけど。
それにしたってまさかの行動にびっくりよ。
一方で、単身でNYに移り住んできただけあって、潤也の肝の座り方は爽快だった。
現場に乗り込んだシンとジェレミーの誤解しまくった二か国放送も愉快。
潤也が英語を理解していないと思い込んでのアシュリーたちの会話と
それに対する潤也の突っ込み等々の、通じ合っていないやり取りも楽しい。
日本語と英語の使い分け(全部日本語表記だけど)がうまいなーと思ったし楽しかった。





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「親不孝通りディテクティブ」北森鴻 (講談社文庫)



まさか読後にこんなにやるせない気分になるとは思わなかったわ。
中洲の屋台を起点とした6編の短編連作。
本職は屋台のバーの経営者・テッキと結婚相談所の調査員・キュータが
事件に係り、その事件に纏わる人と係り、
最終的には自らの人生が大きく変わってしまう物語。
や、一方的に悪意を向けてきた過去と一本につながった必然……
と言ってしまうのはやっぱりやるせないし理不尽。
悪徳刑事もいい味出してたよ。
人間の弱さ、ずるさ、やさしさ。
人生のままならなさ。
コミカルな展開の中からじわっと滲んでくる。
「帰りたい」の言葉に抉られて読了。
うん。みんな待ってる。
でもキミはそこから動けないんだろうなぁ。



「これメニューね」とカクテルブックを渡されたバーが印象的。
「ここに載ってるのは何でも作れるから」とにこやかに笑う店主。
出てきたお酒は予想外にちゃんとしてて(ごめん・笑)美味しかった。
或は。
「XYZ」というオーダーに対して「すみません。作り方がわかりません」と
頭を下げたバイトの子。
このお店も好印象。
あー、バーに行きたくなったわ。




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「リーガルトラップ」水壬楓子 (リンクスロマンス)



一途で健気で強面なのに可愛げのある羆×肉食で毒舌で天邪鬼な女王様気質の豹。
もとい。
ヤクザ若頭・佐古×弁護士・征眞。
女王様受を推奨する私としてはっ!
戦える男が大好きな私としてはっ!
好みドストライクな……と言いきるには若干惜しい!ってなるのが、
征眞に対してだけ発動される佐古の可愛げ。
でもそこが佐古の良さでもある。
強制的に言わされた彼曰くの「甘い言葉」に私も吹きました。
でも、意識せずに口にした心からの言葉がカッコよすぎて、
さすが若頭!ってなるのです。
振り回す一方だと思っていた征眞の心の内にデスヨネ~と納得☆

お見合いを破壊しようとコソコソ頑張る32歳若頭。
レストランに置き去りにされる若頭。
可愛いなぁ。
おかしい。
私は女王様が大好きな筈なのに、若頭語りになってる(笑)
シリーズからのスピンだけど、この作品が一番好き。
女王様に攻められている若頭の健気さがとてもいい。
いや、だから私は女王様が(以下同文……


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「風の中の女」北方謙三 (集英社文庫)



作者の作り出した世界の中で、間違いなく彼らは生きている。
あれから二年半。
過ごした時間の中で成長した彼ら、相変わらずな彼ら、
そして何かを失ってしまった彼に出会った。
ここから先の時間を彼女と共にしていく男にも。
カッコイイじゃないか、野崎。
小さくても一国一城の主となった美有。
順調に仕事を手掛けていく中で、降りかかる不穏な火の粉。
戦うために立ち向かう彼女の姿は前作同様カッコイイ。
と同時に彼女が戦わなければならない理不尽が許し難い。
だけど、彼女は理不尽を誰かのせいにしない。
男たちも然り。
だから心が震える。


前作に輪をかけて面白かった。
そして、リンク作の面白みを存分に味わった。
もう少し先の彼らを知っているから。
だからこそ、また野崎シリーズを読みたくなる罠(笑)
やっぱり北方好きだわ~。





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「RDC ─メンバーズオンリー─ 」水壬楓子(リンクスロマンス)



シリーズ最終巻は14年間の愛の軌跡。
冬木の高埜の囲い込み方がスマートで素敵。
高埜のプライドを傷つけず、気持ちを尊重して、
そうとはっきりと気づかせずに自分の保護下におく。
経済力と気持ちに余裕がないと、できないよね。
「高埜」って名字だと思ってたけど、実は名前だった理由に、
ああ、うまいなーと。
公私の区別が難しい仕事をしてるけど、
高埜はもう少し冬木にデレてあげてもいいと思うの。
一堂に会して恋人ののろけ話をするオジサマ方がなんだか可愛い。
どのオヤジも恋人のことになると途端にデレてネジが外れるところが萌えツボ。
オヤジにねこ耳でもありだと思った私です。

なんだかんだオジサマびいきのワタクシですが。
イチオシオヤジは若頭。
若い子のイチオシは鉄朗。
総括すると、ステータスのあるオジサマ方が歳の離れた恋人を溺愛するシリーズ。
楽しく読了。

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「雨は心だけ濡らす」北方謙三 (集英社文庫)



インテリアデザイナーという仕事上、
本来は在り得ないようなゴタゴタに巻き込まれていく美有。
けれども。
「すべては自分で選択してきた」
こう言い切れる彼女がとてもカッコイイ。
決してスーパーウーマンな訳ではなく、
傍らにいる男たちの手を借りながら、
自らにできることを必死で考え、戦い抜いた彼女。
男たちもまた、スーパーマンではなく身体を張ってボロボロになりながらも
依頼された仕事を全うした。
吉尾。水田。氏家。津井。ついでに川辺サンも。
皆かっこいいなぁ。
ラストは路子の一本勝ち。
心の雨がカラッと上がったかのような読後感が秀逸。


服装。持ち物。車。バブル絶頂期の雰囲気がプンプンと。
わかりやすくて楽しい。
北方現代物って女子の口調で時々「ん????」ってなることあるんだよね。
いや、その流れで「ですわ」とか「ですの」とかはない、と突っ込みたくなる。
ま、それもご愛嬌(笑)
津井の職人気質が全面に出た仕事の仕方がとても好き。
吉尾と水田のコンビも好きだわ~。

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「RDC ―レッドアラート―」水壬楓子 (リンクスロマンス)



やり手の会社社長・江波とその会社の企画部に勤務する鉄朗の物語。
恋愛に舞い上がった江波はとても愉快なオヤジでした。
資産数十億のオヤジにジワジワと囲い込まれ、愛人契約を交わしても
常識的な感覚を持ち続けた鉄朗が好ましい。
一緒に暮らしていく上で価値観が共有できるのって、歳の差は関係なく大事。
同じ感覚で遊べるんだから、一緒にいて楽しいよね。
とは言え、この江波も到底一筋縄ではいかない腹黒オヤジ。
大嘘をぶっこんだプロポーズ。
ばれた瞬間に白目剥きたくなったであろう鉄朗が大変お気の毒。
でも、晴れて入籍できるわけだから問題ないよね。しかも溺愛。
お幸せに☆

社長の名前が「飛鳥」
会社が「斑鳩」
暗証番号が「壬申の乱」
『逆説の日本史』古代編を読んできた私にとって、
良いタイミングで読めたなぁ、と。
まぁ、記号的な感じで出てくるだけで、本書の内容とはまったく関係ないのですが(笑)



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「RDC―シークレット ドア-」水壬楓子(リンクスロマンス)



弁護士の公春と、血の繋がらない養いっ子・祐弥の恋愛模様。
歳の差カップルの両片思い。
祐弥の為を思って一度は手元から放すことを決意した公春だったけれども、
一途に彼を想い続けた祐弥の想いを受け止めることに。
そこからのダメオヤジへの転落振りが愉快だった。
会沢に制裁を加えた公春はカッコよかったんだけどなぁ。
祐弥以外のことに関してはクールに腹黒く立ちまわれる公春が、
祐弥に関してはぐずぐず。
公春に逆らえない祐弥もとばっちりを喰らってぐずぐず。
色ボケて遅刻や仕事の手抜きは社会人としてNG。
上手く立ち回ってシャンとさせた征眞の手腕はお見事でした。

これで『リーガルトラップ』を読む準備完了☆
『リーガル~』を最初に買ったら、こちらの『RDC』シリーズのスピンだと知り、
『RDC』を全部揃えるまでお預けに……。
ホントにお願い。
シリーズ物にはスピンも含めて通し番号をつけてほしいわ。←シリーズ物は最初から順番に読んでいかないと気が済まない人なのです。だから途中の巻だけ買うってできない(笑)





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