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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「血と愛」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



究極の合わせ鏡。
誰よりも理解しあいながら、相対的な世界に属する二人。
相容れないことを理解した上での尊敬と敬愛。
心に秘めた二人の想いは決して言の葉に乗せられることはないと思っていたけれども。
ナルチスの告白に泣いてしまった。
あまりにも尊い友情、そして愛の形。
解き放たれた小鳥は流浪の旅を経て、豊潤な感性の泉を携えて戻ってきた。
「愛するというのは彼にとっては自然な状態ではなく、奇跡だったのだから」
愛を享受できた彼は幸せだった。
そして、帰る場所を得、芸術を生み出した彼も幸せだったに違いない。
この作品に出会えた私も幸せ。

奔放な経験による感性。
清貧と思索による知性。
いや、女ってそんか簡単じゃないよ?と、ちょっと思いつつ(笑)。
年の瀬にとても素晴らしい作品を読みました。

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「34丁目の奇跡」ヴァレンタイン・デイヴィス(あすなろ書房)



あたたかくて優しい気持ちを抱きしめて、
汗だくのトナカイを愛しく思いながら、ちょっとした奇跡に心を躍らせる。
サンタの存在を証明することはできないけれども、
存在しないことも証明できない。
だったら、信じていたい。
少なくとも、わくわくした気持ちや豊かな想像力を育むことができるから。
現実的に生活を見据えることは大事だけど、
だからこそ、心のゆとりというか遊び心はいつでも抱えていたい。
イマジネーションは自由。
どこまでも羽ばたいていける。
幸せな想いは笑顔の源。明日への活力。
メリークリスマス♪


奇しくも『評決のとき』を読んだあとだったので、
アメリカの裁判の様子がイメージしやすかった。
これは映像で見てみたいなぁ。
私もサンタに手紙を書いたことがあります。
手作りケーキも作りました。
朝起きて、空になったお皿を見て、
ちゃんと食べてくれた!と大喜びした無邪気な子供時代。

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「空が青いから白をえらんだのです ―奈良少年刑務所詩集― 」(新潮文庫)



吐き出された想いは「言葉」という形を持つことで、
誰かの心に届く。
或は、自らの心を解き放つ。
奈良少年刑務所の受刑者たちが「社会性涵養プログラム」の授業の中で綴った詩集。
彼らがどういう経緯でそこにいるのかは、ここでは論じられることはない。
今、ここにいる彼らによって紡がれた、まっすぐな言葉に耳を傾ける。
胸の内を綴った飾らない言葉がストンと響く。
とりわけ、母親に対する情愛の深さと、悔恨、
そして、愛に渇望したあまりにも寂しい訴えに、抉られる。
なかなか伝えることのない「ありがとう」の言葉を
心の中で母につぶやいて、本を閉じました。

明治41年(1908 年)に竣工した奈良少年刑務所。
今年の3月に閉鎖されたんですね。
改装後、2020年に監獄ホテルとして展開されるとのこと。
建物写真がとても興味深いものだったので、行ってみたいなぁ。





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「肉食上司のトラエかた 」砂床アイ(ビーボーイノベルズ)

同じ職場はともかく、同じ部署、近い立場での社内恋愛はきついわーと、
思ってみました。
でも、公私を懸命にコントロールして、有城は頑張っていたと思う。
その「懸命」な部分が自分だったらキツイ。←聞かれてない(笑)
タイトルから連想すると、恋愛に対してもっとガツガツいきそうな九条の
臆病さと揺らぎが個人的には萌。
時折垣間見せる独占欲もイイ。
情事の時の色っぽさも素敵。
そして、有城のまっすぐさも好き。
心の中のもやもやをちゃんと話あえる関係っていいよね。
絡み合った糸も解れ、過去と決別し、未来へ向かって歩を進める決意をした二人。
お幸せに☆


これからエッチって時に出てきた例えが「あんかけ豆腐」って!
更に山椒魚って!!有城の発想に顎外れるかと思いました(笑)







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「評決のとき 下巻」ジョン・グリシャム(新潮文庫)



一人一人の人間模様を描いた物語。
と捉えれば、楽しめる。
だけど、最終的には感情論に寄ってしまった裁判の在り様には、やっぱり首を傾げてしまう。
これは、私が日本人で著者がアメリカ人だから?
そして、家を燃やし、人を殺し、やりたい放題やらかして去って行った
クークラックスクランがお咎めなしなところもすっきりしない。
そもそも、白人の報復殺人は容認される、というスタート地点からクエスチョンマークだった私は
最後までおいてけぼり感満載でした。
百歩譲ったとして二人が無罪判決出された後ならともかく、
やっちゃいけないことは、やっちゃいけないんだよ。


久々に楽しく、ではなく、がんばって読んだ本。いいとこ探しができなかった。
【ガーディアン必読 60-2/1000冊】



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「進撃の巨人」諫山創(マガジンコミックス)




別の視点から語られる、物語の始まりの時。
一巻を読んだ時の衝撃を思い出し、その時とは違った想いが胸を過る。
大人は策略を巡らせ、過去もそして現在も、
国を背負って戦うのが子どもたちだということが、やるせない。
潜伏は彼ら自身の意志。
目的のために積み重ねられた嘘。
交わらない二つの正義。
だけど、共に過ごした時間は嘘じゃない。
だからこそ、そこでかわされる会話が痛ましい。
そして、邂逅。
ここでか!と、鳥肌が立つ。
漸く交わった時間軸。
四年の時を経て、彼らは何を語る?
進み続けた者たちの見る未来は希望か、さらなる地獄なのか?

というわけで、やっと購入できました。
期待通り、ぐいぐい読んでしまう面白さでした。
予告が不穏で仕方ないんですけど!

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「肉食上司のシツケかた 」砂床アイ(ビーボーイノベルズ)



「なぜ信用した?」の問いかけに対する
「あんたが好きだった人だから」という答えがとても好き。
まぁ、信用した相手は最悪だったけど。
想いが錯綜すると、人ってとんでもない行動に出るものなのね。
あんなふうに他人を傷つけて貶めて良しとする……どころか、
離れた相手の心が自分に戻ってくるって思える心理が理解できない。
散々な目に遭いながらも、後ろ向きにならなかった有城の強さと潔さが好き。
むしろ今回は九条の方が余裕なかったかな?
最後のセックス、やさしくなーい!って思ったけど、
「幸せ」発言でプラマイゼロです。
とはいえ、不穏な雰囲気も立ち込めつつ……次巻へ。

「報酬が絡む以上、仕事として成立しなければ意味がない」
はい。この言葉、しかと受け止めました。
このシリーズは『アイしかた』→『シツケかた』→『トラエかた』
ナンバリングがないからわかりづらいけど、この順番で。

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「評決のとき 上巻」ジョン・グリシャム(新潮文庫)



娘を凌辱された父親の行動を、感情的には全否定はできない。
だけど、犯人を裁くのは法律のはず。
そもそも、裁判が始まる前に父親自らが銃を手にして犯人を射殺し、
最初からそれを無罪だと声高に主張できる社会がアメリカ?
人種問題以前の部分で、報復殺人が当たり前のように囁かれていることに、
首を傾げてしまった。
アメリカの法制度が詳細に書かれていて、その点は勉強になる。
弁護士や検事も慈善事業でやっているわけじゃないから、
顧客獲得や知名度をあげるために様々な工夫(?)をしていて、
その辺りも人間味があっておもしろい。
思うところ色々ありながら、下巻へ。

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「ゆきうさぎのおくりもの」レベッカ・ハリー(世界文化社)




冬は元気に雪遊び!
ところが、うさぎのピートくんのおともだちは、
みんな寒さに震えて早々に家に帰ってしまいます。
それは、クリスマスの前日の出来事。
そんな彼らにピートくんからの気持ちも身体も暖かくなる贈り物。
でも、彼らはピートくんに贈りものをなにも用意してなくて……
申し訳なく思うどうぶつさんたちに対するピートくんのこたえがとてもすてき。
最初のページから最後のページまでふんだんに散らされた
キラキラ光る銀の箔押しが、クリスマス気分を盛り立てます。
目に鮮やかで、読んで気持ちがあたたまる本。

姪っ子ちゃんのクリスマスプレゼントに☆
喜んでもらえるといいな~♪

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「肉食上司のアイしかた 」砂床アイ(ビーボーイノベルズ)

※画像出てきませんでした。


身体を壊してまで働くに値する会社?
気持ちを殺してまで忠誠に値する上司?
中にいると、なかなかクリアに見えなくて、
ただただ自分がすり減っていく。
転職に踏み切るか否か。
その決断のしどころは、年数を重ねる程難しい。
でも!
駆け引きしたり、弱みを逆手にとって縛ろうとする上司は
踏んづけていいと思います!
日々追い詰められていた有城をヘッドハントしようと近づいた九城。
強引だけど利己的ではなく、積極的だけど引き際を知っている。
何より、振る舞いが紳士且つカッコいい。
そして、ただ流されなかった有城のケジメのつけ方もカッコよかった。

お仕事部分に特化した一巻目。
それはそれで楽しいしおもしろかったけど、
次巻は二人の関係がどう進展するのか……ってところに期待していいかな?
楽しみ~♪
私は転職経験者だけど、転職の瞬間はホントエネルギーいるなーと振り返って思うわ。
若かったから勢いで方向転換できた部分もあったかな?
でも、一社目で引き受けざる得なかった仕事量が半端なくて、
今の会社はどんだけ忙しくてもそこまで忙殺されることってないから、
楽だな~と。
ブラックな比較対象があると、いいことあるね(笑)
あ、一社目の会社の人たちとも、今も仲良くやってますよ~。

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