きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「ミントのクチビル」崎谷はるひ(ルチル文庫)
砂糖菓子みたいにふわふわした桜哉と見た目は王子様だけど、意外と短気で喧嘩っ早い邦海。
ロクでもない男を好きになったという共通項も、
そのおかげで出会えたと思えばマイナスにはならないよね。
桜哉が徹底的に甘やかされる、糖度マックスなお話でした(笑)
いや、もう、ホント甘々。
そして邦海が正しく美形王子様。
ショートで入っていた伊勢と昭生の話良かったなー。
この大人カプ、やっぱ好きだわ。
内容(「BOOK」データベースより)
夢見がちな姫路桜哉は、初恋の人・徳井にはじめてを捧げた朝、当の徳井から心身ともに傷つけられる。そこへ颯爽と踏み込んでかばってくれたのは、その瞬間まで徳井の恋人だった小島邦海。彼は徳井に絶縁を突け付け、桜哉には優しいキスをくれた。王子様のような邦海から大切にされ、自分がいかに酷く扱われてきたかを思い知った桜哉は、まずはお試しで邦海とつきあうことになり…。
「午後からはワニ日和」似鳥鶏(文春文庫)
登場人物が個性的で魅力的。
桃君と服部君は二人セットの会話が面白い。
鴇先生のかっこよさは憧れるなー。
とはいえ。
他人様の家にピッキングして勝手に上り込むのは無謀極まりないと思う。
不法侵入だし、何より相手が悪人なら危険極まりないわけだし。
感情的には動物は盗まれるより殺される方が罪が重いと思ってしまうけど、
法律的にはそうじゃないんだね……
日常の中でこんなふうに知らないことってたくさんあるんだなーと
自分の知識不足を顧みてしまった。
飼育員さんたちの動物たちに対する愛情があふれている作品でした。
内容(「BOOK」データベースより)
「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。
「冬の旅」立原正秋(新潮文庫)
とても美しい日本語を紡ぐ作家だと思います。正統派な美しさ。
10代の頃に読んだ時は完全に主人公・行助に傾倒し、彼に対する扱いを不当だと感じ、
ひたすら憤り、彼のたどった運命にやるせなさを感じて号泣しました。
改めて読み返してみると、あまりにも凛とした精神は、
時に他者を追い詰めるものなのかもしれないと、
また違ったやるせなさを感じて胸が痛くなりました。
とはいえ、彼は間違ったことはしていない。
それなのに、何故?と、彼の運命のあまりの理不尽さにやりきれなくなるけれども、
彼は自分の生き方に決して後悔はしていない。
運命を受け入れた彼の在り方もまた、静謐にすぎるほどで、なおさら胸が痛くなる。
できれば若い方に読んでいただきたい本。
自分の内面を見つめ直す、良いきっかけになる本だと思います。
内容紹介
美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。
「ヒマワリのコトバ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
【ひとは、間違う。でも、反省してもう一度やっていくことは、
やり直すことは、自分がそうと決めていればできるはずだから。
あきらめさえしなければ】
こじれてしまった関係は切り捨ててしまうのが一番簡単で、
けれどもバッサリと切ってしまえないところに深い情が絡む。
だから苦しいし、傷つくし、やりきれない。
本当に壊れる寸前までこじれた伊勢と昭生の関係だったけど、
きちんと相思相愛になれてよかった。
諦めないでずっと昭生の傍に居続けた伊勢に、
何故か私もありがとうと言いたくなりました。(笑)
喜屋武はギリギリのところで道を踏み外さずにすんだけど、
周囲に恵まれずに転落していく人もいるんだろうなぁ、と思うと、ちょっと悲しい。
ああ、そして、滋さんもまた報われない人だった><
内容(「BOOK」データベースより)
カフェバー「コントラスト」のマスター・相馬昭生と弁護士の伊勢逸見。高校時代、恋人同士だった二人だが、伊勢が昭生にとって自分は“誰かの身代わり”なのではと疑ったことから徹底的に破局してしまう。以来十年、伊勢を許せずにいるのに体は繋げ、微妙な関係を続ける昭生。そしてそんな昭生のそばにいる伊勢。すれ違ったままの二人は…。
「オレンジのココロ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
致し方ない部分はあるよねぇ、と、前置きしたうえで。
相馬家の大人、子供ほったらかしてイロイロダメすぎでしょ!
伊勢弁護士。守秘義務どうした?
と、突っ込むところ、ざっくり二点。
とはいえ、お話は楽しく読めました。
ギリギリまでひとりで踏ん張っていた朗のことをちゃんと見ていてくれた栢野がいて。
全力で助けてくれる友達がまわりにいて。
ひとりじゃないんだよ?ひとりで頑張らなくていいんだよ、ということを
朗に気づいてもらうことができてよかった。
個人的に「先生も冲村と同じ人種ですか?」っていうシーンがすごく好き。
冲村が犬なら栢野は虎とか豹のイメージ。
カテゴリー違うけど、なんとなく(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
総合美術専門学校に通う相馬朗は、デザイン科イラストレーション専攻の二年生。アイドルのような可愛い顔に小柄な体、しかし気は強い相馬はまだ恋を知らない。そんな相馬が気になるのは、爽やかで学生からも人気の高い担任講師・栢野志宏。相馬の就職のことで意見がぶつかりながらも、過去に何かを抱える栢野が気にかかり…。
「不夜城」馳星周(角川文庫)
【おれはおまえを連れていきたい。おまえが望む場所にだ。
だけどな、そんな場所はどにもないんだよ】
愛しさを感じた女を信じることができなかった男。
助けを求めてすがった男を信じられなかった女。
唯一の拠り所は自分自身。行きつく先は、喰うか、喰われるか。
常に一手先を読み、保険をかけておかなければ明日につなぐことのできない命。
それでも信頼に値しない相手。掬われる足元。
裏切りと計算の渦巻く殺伐とした世界に身を置く者たちの末路は憐れでもあり、物悲しくもある。
彼らにとってのやすらぎとは、愛情とは、いったい何なのか。
問いかけてみたところで返ってくるものは、空しさだけだった。
内容(「BOOK」データベースより)
新宿・アンダーグラウンドを克明に描いた気鋭のデビュー作!おれは誰も信じない。女も、同胞も、親さえも…。バンコク・マニラ、香港、そして新宿―。アジアの大歓楽街に成長した歌舞伎町で、迎合と裏切りを繰り返す男と女。見えない派閥と差別のなかで、アンダーグラウンドでしか生きられない人間たちを綴った衝撃のクライム・ノベル。
「アオゾラのキモチ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
冲村の愛情表現がものすごく好きだった。
迷いなくまっすぐで、揺るぎなく、そして強い。
ぶつけるような感じじゃなくて、包み込むような感じ。
うん。好きだわ~。
そして独占欲の表し方がなんだかとっても可愛い。
人の価値観はそれぞれで、自分が是としたものを相手も是とするかはわからない。
でも、それはあたりまえのことなんだよね。
例え、否と言われても。
それを頭から否定するような人間にはなりたくないなぁ、と、改めて思いました。
相手の「好き」を否定しない。
自分の「好き」を主張する。
感想とはまったく関係ありませんが、私のモットーです(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
同じ専門学校ながら、ファッション科とアニメ科はまるで異文化。アニメ科の北史鶴とファッション科の冲村功は、ある事件をきっかけに親しくなる。史鶴は、最初の恋が最悪の結果となり、次の恋も同棲までした恋人に裏切られ、恋愛に消極的になっていた。冲村に惹かれながらも三度目の恋に臆病になった史鶴は、あきらめようとするが…。
「インクルージョン」崎谷はるひ
仕事に真剣に取り組む日常の中で芽生える恋愛……という話は大好きです!
懐が広くて包容力のある攻と、気が強くて自分で戦える受は大好きです!
そんな攻が、実はストレスで発熱する……という繊細さを持ち合わせているギャップもイイ。
大学に入って目的意識を失ってしまうっていう気持ちはものすごくよくわかる。
迷走して考え続けた存在意義の答えや、自分の理想がそこにあると思って大学にいったところで、
そんなものは都合よく転がっているわけじゃないんだよね。
自分で見つけないといけないもの。
自分を見失いかけていた時に、不幸な偶然とはいえ、照英に出会えた未鉱は幸せだと思う。
照英と未鉱、そして久遠をまじえた会話がすごく好き。
楽しく読ませていただきました!