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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「あと少し、もう少し」瀬尾まいこ (新潮文庫)



同じ年代の仲間たちと一つのことに打ち込んで、
ひたむきに勝利をめざす。
長い人生の中で、そう何度も経験できることではないだろう。
六人で襷を繋ぐ駅伝大会に挑むことになった彼ら。
一筋縄ではいかなかった大会出場への道程。
一人一人の姿を丁寧に描くことによって、
彼らが心の内面に抱えた葛藤が浮かび上がってくる。
支えになったのは互いを思いやる気持ち。
限界を突破してもなお湧き上がる力の源は、仲間たちへの想い。
彼らを見守り続けた教師や家族の姿も心強く、
彼らと一緒に笑ったり涙ぐんだりしながら、ドキドキのラストスパート。
楽しかった。

あと少し、もう少し。
彼らの姿を見ていたかった。
そんな思いを引きずる読後。
ひたすら子どもたちが眩しかった。






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「僕はここにいる」飯田雪子 (講談社X文庫ホワイトハート)



【再読】
姪っ子ちゃんのクリスマスプレゼントに笑える話と、胸に響く話と。
二つ選ぼうと思っての、じわっと響く系候補。
……と思ったら絶版。
え~~。素敵な作品なんですけどー。
哀しみは誰の元にも訪れるもの。
と同時に、誰もが乗り越えていかなければいけないもの。
哀しくて、苦しくて、どうしようもない時に、そっと手をさしのべてくれた彼。
寄り添ってくれた彼のやさしさとあたたかさに身をゆだねてしまいたくなるけれども。
その手を放すことを迷わず選んだ涼香に、切なさと安堵で泣き笑い。
うん。
大丈夫。
貴女の笑顔は周囲も笑顔にする。きっと。

ちなみに。
じゃ、こっちは!?と思って調べた本も絶版だった。
う~~、なんかいろいろ残念だなぁ。

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「林檎甘いか酸っぱいか[黄] 雪よ林檎の香のごとく」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



『ぐりとぐら』の解釈に衝撃を受ける。
なんだかとっても斬新だった。
絵本を読み返そうと思ったけど、斬新な解釈に上書きされそうで自粛。
ぐりぐらはほんわり楽しいままでいい。
総集編第三弾。
彼らの日常はどこまでいっても、好きの想いが薄まることがなくて。
ドキドキとときめきの連続。
この二人はこうやって年を重ねていくんだろうなぁ、
と確信が持てる言葉の数々が本当に印象的で胸に響く。
そして刺さる。
妹や父と母。
志緒の家族との向き合い方も好き。
彼らの旅の終わりとともに、この作品も終幕。
ふたりのやりとりに幸せをかみしめての読了。


別府もまたゆっくり巡りたいし、阿蘇もまたドライブしたい。
九州も何度行っても楽しい場所です。
というか、どこもかしこも何度行っても楽しい。(笑)
自分が行って楽しかった場所を作中の彼らが旅をしてくれると、
その風景がリアルに浮かんでより楽しくなります。

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「雪よ林檎の香のごとく 林檎甘いか酸っぱいか~赤~」一穂ミチ(新著館)



恋をしている。
付き合い始めてから10年経っても、想いは褪せることなく。
むしろ、より深みを増していて、ひたすらに愛おしい。
そんな想いが随所に溢れていて、こちらも甘酸っぱい気持ちになりながらの読了。
高校生から大学生、そして社会人。
積み重ねた時間を、彼らは間違いなく共に生きていて。
周囲の人たちにも結婚や進学等の変化がある。
始まりは一冊の文庫本。
だけど、彼らは一穂さんの中で着実に時を重ね、関係を進展し、成長していっている。
物語を紡ぐ作家さんってすごいなーと思う瞬間。
左と右。
触れ合う指輪。
とても印象的。
こういうとこ、一穂さんらしいってつくづく思う。

新刊で買って、積むこと7年。
そんなに経っていたことにひたすらびっくり。
え~~。

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「狼の紋章【エンブレム】〔新版〕」平井和正 (ハヤカワ文庫JA)



独りよがりな身勝手な主張があちらこちらで鼻につく。
あなたのため、我々のため、お前と決着を、殺してやる云々。
何が自分のためなのかを決めるのは自分であって、他人ではない。
決着以前に喧嘩にもなっていない。
自分が他人に与える影響を知っているからこそ、
人との距離を置き、関わらないように努める犬神明。
だが、その気高い孤高故、人は彼に関心を抱くのか。
いや、引きずり下ろしたいのかな。自分と同じところに。
どっちにしても大迷惑。
降りかかった火の粉を払うために迸ったのは血の雨。
もはや害獣駆除。
令和の時代には出版できなかった本な気がする。


中学生だった自分はなんでこの本を読もうと思ったんだろう?
と、ふと思ってみました。
今みたいに身近にブックオフがあったわけでもないので、
普通にお小遣いで買って読んでたんだよね。
ロマンスよりバイオレンス。

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「モニュメンツメン・マーダーズ」ジョシュ・ラニョン (モノクローム・ロマンス文庫)



略奪された絵画を巡る捜査。
ジェイソンの気持ちはわからなくはないけれども。
職務上のルールは守るべき。
違反した自覚があるならば、そこに他人を巻き込んではいけない。
ルール違反をしたことを理解してくれるだろう、というのは、
サムに対する甘えでしかない。
サムの怒りは最もで、逆に、ジェイソンを失いたくなくて葛藤した彼に、
二人で育んできた愛が、たしかにそこにあるんだな、と思わせてもらったよ。
戦ってでも手に入れたいものがあるならば。
ボロボロになるまで足掻けばいい。
何もせずに諦めてしまったら、そこには後悔と未練しか残らないだろう。
だから。
二人の選んだ道に安堵する。
そして迫りくる脅威が気になって仕方がない。

狙ったわけではまったくないのですが。
明日フェルメール展を鑑賞しに行く!という絶妙なタイミングでの読了。
いろいろ豆知識をインプットされました。


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「エイリアン通り 8」成田美名子 (花とゆめCOMICS)



最終巻。超傑作。
とてもとても楽しかった。
拉致されたシャールを救い出すために、
学生ということを逆手に取った奇策。
うまくいってよかった。
先のことはわからない。
それでも。
会いたい、と思えば、
共に在りたいと願えば、会うことができる。
現状が変わることを一番恐れていたシャールの、
「望めばいつでも帰ってこれる」
その言葉が頼もしい。
同録のシャール出演映画「フィリシア」は嬉しい特別編。
オーディションのシーンが浮かんだし、何よりストーリーがとてもよかった。
本を開けば、いつでも大好きな彼らがそこにいる。
とても楽しい読書時間だった。

ホント好き。大好き。
と、改めて思った作品。
年季の入った単行本だけど、今度姪っ子ちゃんにも読んでもらおうかなぁ。
一時期ブームになったけど、今の子たち、エリマキトカゲって知っているのかしら?
と、ふと思ってみました。

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「エイリアン通り 7」成田美名子 (花とゆめCOMICS)



シャールがみせた、年相応のやきもち。
可愛らしいけど、振り回された周りが大変。
翼は母と2年ぶりの再会を果たし、
彼らの日常に少しずつ変化の兆しが見え始める。
そんな中で生じた政治的な陰謀に、彼らは巻き込まれることになる。
自分たちの要求を通すために、
何故誰かの命を犠牲にしようとするのか。
一方が武器を手にしなければ、
もう一方も武器を握る必要なんてないのに。
……と、昨今の世情となんだかリンクしてどよーんとなりました。
残すところあと一冊。
もう少しこの世界に浸っていたいと思いつつ、いきまーす。→


巻末のキャラクターたちのチョコレート数集計表。
ずらりと並ぶ面々を見ていると、成田さんの他作品も再読したくなりますねー。
危ない危ない。

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「エイリアン通り 6」成田美名子 (花とゆめCOMICS)



相当お久しぶりに再読しているわけだけど。
ジェル父の存在をすっかり忘れていた自分にびっくり。
重要なキーマンだよ?
まぁ、すべてを覚えていられるわけじゃないから
何度読んでも面白いんだよね。
そのジェル父とシャールの父の存在感が際立った6巻。
子どもはいくつになっても親に振り回されるし、
逆もまた然り。
それでも、愛情が感じられる関係性を続けられれば幸い。
いつかは必ずこの場所から離れ離れになってしまう。
だからこそ、「今」に固執したい。その気持ちもわかる。
だけど、それでも変わらないものもある。
そう思えるだけ歳を重ねたんだなぁ。

このシリーズを読んでいると、アメリカに……とうか、L.A.に行きたくなる。
まぁ、そう簡単に行ける場所ではないのだけれども。
尻込みするのは距離よりも言葉の壁の方が大きいなぁ。

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「エイリアン通り 5」成田美名子 (花とゆめCOMICS)



この巻を読み切って、表紙を改めて見て。
腑に落ちて、ああ、となる。
関係性が変わり、それと同時に変化した立ち位置。
改めて自分の存在をどう認識してもらいたいのか。
影に徹してきたセレムの葛藤。
同じくシャールたちも彼との在り方と改めて向き合うことになる。
芽生えた気持ちに蓋をして、みなかったことにして過ごしたなら
どこかで大きな歪が生まれたかもしれない。
だから今、悩んで悩みぬいて、答えを見つけることができて。
良かったんだと思う。
抱えた将来に向けての壮大なビジョン。楽しみだね。







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