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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「経理部員、恋の仕訳はできません」栗城偲 (ディアプラス文庫)



スピン元が好き作品なのに加えて、
読み応えのあるお仕事BL超ウェルカムなので、とても楽しく読了。
実際に倫理みたいなタイプの人と仕事でつきあうことになったら
私もめんどくさいなぁ、と思うかもしれないけど。
彼は一言だって間違ったこと言ってないんだよね。
なんか不憫。
それでも自分を変えることのなかった倫理を
好ましく受け止めてくれる染谷との噛み合っていない会話がとてもほのぼのしい。
そして甘い意地悪を口にする染谷がツボった。
声には出されなかった彼らの心の声がとても好き。
倫理の心の声がペーパーではダダ洩れていたのに笑った。


『社史編纂室で恋をする』のスピンオフ。
同じ事件を別視点から追っているので、スピン元とあわせて読むことをお勧めします。
私の平日のルーティーン……6時48分にダッシュでバス停に向かう。
走らないで行ける時間に出ればいいんじゃないの?と言われますが。
違うの。
主はバスに間に合うことではなく、走って坂を駆け上がることにあるのです。
唯一の運動(笑)

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「岳飛伝 6 転遠の章」北方謙三 (集英社文庫)



西へ、南へ。
或いは、海を越えて東へ。
じわじわと広く根を張っていく漢たち。
静かにそして着実に、蓄えられて行く力。
活動域が広がれば、思わぬ人との邂逅も待っている。
別々のことに尽力していても、離れた場所にいても、
彼らの在り様は「梁山泊」なのである。
そしてここでまさかのゼロリセットとなり、
人生のリスタートをきることになった漢がひとり。
いや、びっくりしたわ。
え?そうくるの?という想定外の展開。
この先が楽しみで仕方がない。
岳飛と蕭炫材、燕青と李師師が向き合うシーンがとても好き。
そして私は秦容の今後がとてもとても気になります。→


『水滸伝』『楊令伝』を共に読み、同じく『岳飛伝』で足踏みしていた友だちに
「岳飛伝読み始めたよ~(だから一緒に読んで読んで)」と報告(&催促)をしたら
「いいよね。あんたのダーリンまだ生きてるから」
と言われてみました。
はい。
私のダーリン(笑)は、まだまだ現役で渋く活躍中です。
ちなみに彼女のダーリンは林冲。
そして彼女からは「アルスラーン戦記読み終わったけど?(そっちこそいつ読むの?)」
と返ってきたので「来年ね」と答えておきました。
時間が全然足りないww

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「Story for you」講談社



コロナ禍の夏休みにWebで掲載されたSSを1冊にまとめたもの。
「読む」というより「捲る」という感覚。
と、気軽く読んでいたらまさきとしかさんの作品が刺さってしまい、
思わず涙ぐんでしまった。犬……。今読み返してやっぱり泣きそう。
ぎゅーって抱きしめたい。
今村翔吾さん、新たな鬼ヶ島伝説。『三匹のかわいいおおかみ』的な逆転劇。
青鬼いないなーと思ったら、そうきましたか。
一穂ミチさん。視点というか、比喩的な表現の仕方がホントにうまい。
しっかり野球を絡ませてきた須賀しのぶさん。
辻村深月さん。彼らの気持ちがあたたかくてやさしくて、思わず笑顔になる。

62人の作家さんのうち、実際に著作を読んだことがあるのは9人。
一つ一つの作品は短いながらも、それぞれのカラーがしっかり作中に表れていたと思います。
自分が読むために購入したけど、これ、姪っ子ちゃん(小6)も読めそうな気がするな。
夏に遊びにきたら渡してみよう。


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「ぼくのスター」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)



つるむ仲間のグループ化が確立される高校生活。
その枠からすら外れ、自分の殻にこもって学校からも遠ざかりがちだった侑志。
そんな彼の世界に突如飛び込んできた航輝。
その介入の仕方がインパクトありすぎて圧倒される。
あのエネルギーはすごいわ。
全く嚙み合わないながらも二人の会話が成立するのは、
互いが互いを尊重しているから。
二人に限らず、羽山も久住も、
根本的なところで他人を否定しない彼らの在り様がやさしくて心地よい。
そしてキーマンとなる10代のアイドル、ほたるんの在り様がかっこいい。
新しい一歩を踏み出した彼らに幸あれ。

線香花火の件がとても好き。
そしてホテルで「完ぺきじゃん」と(多分)どや顔する航輝に笑う。
大学生になった彼らが、これからどんな人生を歩んでいくのか。
どこかでふと出会えたらうれしいなぁ、と思える二人だった。

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「セクシー田中さん (5) 」芦原妃名子(フラワーコミックスα)



ちょっとどうなるの~!?というドキドキする引きから、待つこと8か月。
ごめん。
私も朱里と同じく悪い方に心配しすぎたわ。
ラスト、爆笑して読了。
すっごく楽しかった。
生きてきた年数分だけ、人生いろいろある。
それは進五も例外じゃなく、この人もいろいろ抱えてたんだなぁ、と。
だけどやっぱり朱里に対する態度は誠実じゃなかったと思うけどね。
女の子の友達が遊びに来る、と、そわそわする田中さんが可愛い。
彼女の変化は見ていてとても勇気づけられる。
笙野の失礼だけど一生懸命なフォローに笑う。
笙野も良い方に変わった。
生きるのに一生懸命な作中の彼らがとても好き。→

前巻の胃が痛くなりような続き待ちから、
今回は彼の叫びにわくわくしながらの続き待ち。
ああ、楽しい。
この後どうなるのかしら?
友だちとお楽しみを共有したいので、明日速攻で送ってしまおう。←タイミングよく荷物を送るついでがあった(笑)




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「マネーの魔術師-ハッカー黒木の告白」榎本憲男 (中公文庫 )



デジタル技術の最前線でトップを走れる男が語る、
伝統工芸品に目を向けた意味。
終わることも戻ることもできない世界が前に進み続けた結果、
そこに描かれる未来はどんな姿をしているのだろう?
希望、というよりも、少しだけ怖い気がするのは、今の東欧の情勢が頭を掠めるせいなのかな?
お金の流れ、資産形成の在り方、そういった諸々の件は
頭にスルッと入ってくる、相変わらずの説明のうまさ。
語り手が誰なのかが分かった瞬間の高揚感。
やっぱり~!
違和感を覚えた一人称の説明は、なるほど~!
そこからの視点の切り替えはお見事。
楽しく読了。

真行寺道弘シリーズと吉良大介シリーズのスピンオフ。
両シリーズがきれいに融合しての本作。
私が熊野古道に行った時も雨だったけど、
那智の滝に行ったときは雨はあがっていました。
とても楽しい旅行だったけど、
結局熊野本宮大社まではいけなかったし、熊野古道もまわりきれなかったので、
また行きたいなぁ。



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「アロー」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)



気持ちの温度で例えると、低めに進行する物語。
だけど、その熱くない感が心地良い。
関わる人たちの気持ちがあたたかくて、
だけどベタついていない距離感がやはり心地良い。
そしてサラリと放り込まれるいくつもの印象的な出来事。
金子、いい人だよー。
金子がいてこそつながった草と麦。
つながったからこそ、柵から解放された二人。
一人では変わることのできなかった二人の心情の変化の丁寧な描写から、
フラットだった感情の起伏が伺えて、互いに芽生えた想いに安堵する。
表紙とタイトルを改めて眺め、統一された世界観に浸れる読後。
作中の人たちの会話がとても楽しくて好き。

「底までついたらあとは浮上するだけ」って激しく共感。
中途半端なところで踏ん張ってるから苦しい。
だったらいっそ底まで落ちてしまおう。
上に行く以外、行き場がないのだから。
そう思えるようになった瞬間、楽になったかつての私。
ああ、だけど果てしなく穴を掘る夢を見てうなされたこともあったわ~。(爆笑)

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「われらの狂気を生き延びる道を教えよ」大江健三郎 (新潮文庫)



た、楽しくない!
言い回しが小難しい上に、偏執的なエロ描写が不愉快。
何か抑圧されたもの、抱えてますか?……と思ったけど、
作中に色濃く投影されている著者のバックボーンや思想を改めて知ると(読了後調べた)、
全体的に違った読み解き方ができてくる。
事前の私の知識不足。
とはいえ、今は読み返す気力はない。
鬱々とそして淡々と語られる「僕」たちの抱える狂気。
そこに理解も共感性もまったく見出すことができず、
頑張って読み切った感満載の読後感になってしまった。
久々にストレスフル。


作中の表現から沖縄返還前の作品だということが知れる。
もうすぐ本土復帰50周年。
反射的に北方領土のことを思ってしまった。
この作品がガーディアンに選出された理由ってなんだろう?
英訳で読んでもこの雰囲気を忠実に引きずっているのかしら?
読後の私のクエスチョン。
【ガーディアン必読115/1000冊】

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「くぐもったドラム 」英田サキ(ハーレクイン・ラブシック)



どちらが悪いわけではない。
わかってる。
わかってるけど……ばかー!と、叫びたくなる。
人生を賭けた約束を果たそうというその日に二人が見舞われた悲劇。
幸せの明日を迎えるはずが、マティアスは失意の底に。
そこからは傷つき、傷つけあい、或いは負った傷を押し隠しての二人の旅路。
マティアスの本当に健気な強い想いがあってこその再生。
ああ、もう、ルドルフ!なんでそんなときに頭打ってるの~~!?←戦争だからです。
欠けた記憶が生み出す誤解と混乱。
まっすぐゴールできたところをアクロバティックに紆余曲折して、
……あれ?結果的には予定通り?

時代設定が1866。
南北戦争を想起しそうな時代に
普墺戦争が舞台ってなかなかレア……と思ったら、
メインはそこじゃなかった。(笑)
英田さんではなく、だけど、英田さんでもある。
超訳のおもしろさがちゃんと伝わった作品になってるんじゃないかな?

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「彩恋 リンクスノベルス アンソロジー」(冬幻舎)



4作品の番外編アンソロジー。
既読のかわいさんの『平河寮シリーズ』と水壬さんの『エスコートシリーズ』のみ読了。
このボリュームでオールキャラ総出で楽しませてくれる筆力は、お二人ともさすが。
シリーズ全編を再読して臨んだかわいさんは、日常の延長的に楽しんだけど、
間隔がだいぶ空いた水壬さんのシリーズはみんな久しぶりー!とテンションが上がった。
『エスコート』シリーズ以外のキャラも出ていて、想定外なだけにますますテンションが上がった。
こういう企画物、楽しくて良い。
小冊子もお得感満載。
未読の2作品も機会があったら読んでみよう。

『エスコート』シリーズは、さすがに再読できるボリュームではなかったので
自分の感想を読んで復習。(笑)
読メお役立ち。
私はノベルズ版で持ってるけど、文庫だと書き下ろしがあるんだよね。
再読するならそっちにしようっかなぁ。

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