きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「岳飛伝 17 星斗の章」北方健三 (集英社文庫)
「ほかに何が見えますか?」「湖寨が」
やばい。泣きそう……と思ったら、作中で語ってた人も泣きそうになっていました。
ですよねー。
やっぱり原点はそこにある。という思いが込みあげて感無量。
なんでそこまでして戦わないといけないのかな?と思いつつ。
それ以外の選択肢を持ち得なかった漢たち。
いや、今回梁山泊は無理やり引きずり込まれた戦いだった。
それでも軍人の彼らも文官の彼らもよく戦ったと思う。
岳飛も全力以上のものを出し切った。
そして、三つ巴の戦いから弾き出された男が、次の物語を繋いでいく。
私の生死感の核となっている物語は、豪傑の笑いで終幕。
程雲はサッカーで例えるならドイツっぽい。
童貫はフランス。
兀朮は私の中では童貫より格下なんだけど、雰囲気的にはブラジル。
と、最後の最後で意味不明なことをぼんやりと思う。
思えば2006年からの付き合いだったシリーズ『大水滸伝』。
いつかまた、彼らの人生を最初から辿りたい。
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「岳飛伝 13 蒼波の章」北方謙三 (集英社文庫)
金国の戦いを臨む姿勢にどうしても納得がいかず。
自国におとなしくひっこんどけよ、と思ってしまう。
誰も戦うことなんて望んでないんだよ?
史進が王母の墓の前に立つシーンでは思わず涙が溢れてしまった。
そしてやっと心の赴くままに北に向かったのに、間に合わなかった李俊。
10日のすれ違いがやるせない。
最古参の二人が全力以上の力を出して戦いに挑み、
二世たちも守るべきものを守るために戦いに向かう。
金、大迷惑。
そして兀朮の口から「剣」に纏わる言葉が。
それぞれの国、それぞれの立ち位置にいる彼らがこの先どう動くのか。
ドキドキしながら次巻へ。
骨郎(猿)がハードボイルドに思えてきて、
そのうちなんかキザなセリフを語り出しそうなんですけどー。←語りません。(笑)
「みやぎから、」佐藤健、神木隆之介(NHK出版)
健くんと神木くんが旅をした宮城が、
たくさんの写真と出会った人たちとの対話で綴られている。
震災抜きに東北を語ることはできない。
だけど、東北は立ち止まってはいないんだと。
あの地震からちゃんと前に向かって進んでいるんだと。
そんな力強さを感じることができる一冊。
マイナスイメージの3Kを「カッコよくて・稼げて・革新的なことをする」と謳い、
漁業を活気づけようとしている長谷川さんの言葉が目から鱗。
馴染みの深い場所も多々あって、また行きたくなったり、
逆に訪れたことのなかった場所に興味津々になったり。
うん。何度でも行くよ。
だるまの目入れって一度やってみたいなーと思ってるんだよね。
夏にちびっ子たちと一緒にやってみようかなぁ。
でもだるまを飾るのにふさわしい場所がない気がする(笑)
獲れたてを食べて魚介の苦手を克服したという話にはわかりみしかない。
私も食べられなかった牡蛎が、食べられるようになりました♡
「傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (3)」野原耳子 (アンダルシュノベルズ)
ラストは無難にまとめてきたなぁ、と思うものの、
そこまでに至るまでの展開は思った以上に壮大で、面白かった。
状況描写もさることながら、
「今」に至るまでの個々の心情や過去の経験等が丁寧に描かれていて、
納得したり理不尽を感じたり。
個々の抱えた問題を乗り越えた彼らの
人間的な成長が垣間見れたのも良かった。
根本的なところでは神の信託等々に左右される世界でありながら、
思い惑い、そして決断するのは人間である彼ら自身であったからこそ、
ハラハラドキドキしながら楽しく読了。
2/3が本編で、残り1/3はお遊び的な番外編。
個人的にはカプ固定じゃなきゃイヤ!というわけでもないけど、
IFストーリーをここに同録されると余韻ぶち壊しになるので、
これはなくてもよかった。
さすがに節操なさすぎ。
「岳飛伝 12 瓢風の章」北方謙三 (集英社文庫)
李俊や史進が年老い、そして北方も同じように年を重ねた。
「死」に対する描写に、そのことが感じ取れる気がする。
だけど、それは悪いことではない。
人は誰もが年を重ね、そして死んでいくのだから。
だからこそ。
「死に場所は求めぬ。新しく生きる場所を求めるために、闘おう」
彼のこの言葉に嬉しくて震えた。
燕青と李師子の二人の醸し出す雰囲気がとても好き。
艶っぽくも慣れ合わない二人の空気感が好き。
全てが彼自身が納得ずくの行動だったことが嬉しくて、悲しい。
そして秦容無双。
胡土児がこの先梁山泊組とどう関わってくるのか。気になるわ。
昨日の「山カフェ」(ラジオね)でサトウキビで作ったラム酒の話をしていて。
ああ、まさにまさに!今小梁山でそれ作ってる~~!と、
朝から一人テンションが上がった私です。
以下ネタバレ気味。…………彼自身、納得の最期だったんだと。私も納得。
とはいえ。
思えば『水滸伝』からここまで。
よくぞここまで。と、やっぱり寂しい。
残る古参組は二人。
心して見届けます。
「傭兵の男が女神と呼ばれる世界 (2) 」野原耳子
【再読】
読んだ本の内容を完璧に覚えていられた方がいいのか、
薄らぼんやりしていた方が再読したときのお楽しみが増すのか。
出来れば完璧に覚えていたいけど無理。
というわけで、新刊を読む前の予習復習的な準備万端。
自分を必要としてくれる誰かがいる。
自分の命を預けることのできる誰かがそこにいる。
孤独と絶望の中にいた雄一郎とノアとテメレアの三人のバランスが心地よい。
他国からの干渉をはねのけ、
自らの国を守るために、前線で戦いに臨むことを選んだ彼ら。
現実世界の出来事を鑑みて思わず唸ってしまう。
彼らの幸いを願って、最終巻へ。
読む気は満々なんだけど、オーダーした本が届くのが来週。
他の本とまとめての発送にしちゃってるからだけど、今すぐ読みたい、
と、気持ちが逸る。