きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「パパと親父のウチご飯 3」豊田悠 (BUNCH COMICS)
シングルファザーふたりの同居。
「うちはへんだけどちょーたのしいもん」
お友だちにそう言い切ることのできた四歳児。
それは家庭内でのきっちりしたコミュニケーションの賜物。
彼らは彼らなりに日々頑張っている。
子ども参加型の昼食作り。これは楽しい。
生地からのピザ作りはハードルが高いけど、ウチは手巻き寿司とかめっちゃ盛り上がった。
息子を心配する清一郎の母の危惧するところはわからなくはないけれども。
もう少し頑張ってる息子を信じてあげてほしい。
千石の過去はなかなかにハード。
人生は一期一会。
正しい道を示してくれる師匠に出会えてよかったね。
生の鶏肉を初めて食べたのは、宮崎だった。
そして生の豚肉を初めて食べたのは、なぜか地元仙台だった。
料理がめっちゃおいしい居酒屋なんだよね。
また行きたいなー。
PR
「パパと親父のウチご飯 2」豊田悠 (BUNCH COMICS)
美味しいものを食べた時に、自分がいま食べているまさにそのものを
誰かにも食べさせてあげたい、という感覚がとてもいとおしい。
その「誰か」は間違いなく大切な人。
お弁当にから揚げは鉄板。
大人になった私は、わざわざ自分でお弁当作って持って行って外で食べるより、
お店の美味しいものを食べたーい!と、
連れとお出かけする際にお弁当を作ることを嫌がりましたが。
学生時代はちゃんとお稲荷さん作ったり、具材を何種も取り揃えてサンドウィッチ作ったりしてたなーとちょっと反省。
でもせかっくお出かけするなら…以下同文。(←反省どこいった)
……というわけで、美味しいご飯は家で全力で作ります。
あ、でも美味しいお弁当を作ってもらうのは大歓迎です♡←誰に言ってる?
「パパと親父のウチご飯 1」豊田悠 (BUNCH COMICS)
生まれた時から知っていて、頻繁に抱っこしたり、遊んだりもしていて。
だけどそれは常にその子の母や祖母がいる状況下で、
ある日突然私一人に「一日預かっていて!」と、5歳児を預けられ「え、無理!」と困惑した思い出。
どうにかやり遂げて魂ぬけるかと思いました(笑)
子どもと触れ合ったことのない男親に幼稚園児を預けられる大変さは、
多分私のソレを上回るかと。
だけど、ひとりではどうにもならないことでも、ふたりで力を合わせればなんとかなる。
そんなシングルファザーと子どもたちの物語。
料理できることがどんなに大事か、改めて思う。
『チェリまほ』を読んでてうっかり気になった作品。
勢いで思わず全巻揃えてしまったけど、悔いなし!
むしろ、集めた自分を褒めたたえたい(笑)
「彼等のワンピース」菅野彰 (ウィングス文庫)
呼吸をするように軽やかに人生を渡っていく人もいるし、
進むべき道筋を見失って迷子になる人もいる。
自らの行いを正しいと、背を伸ばして言い切ることができる人もいれば、
誰かに迷惑をかけていることに気づかない人もいる。
躓きなく生きていくことは、多分とても稀で、
誰もがどこかで何かに躓き、大なり小なりの生き辛さを感じる世界。
だけど。
明日、未来が拓ける気づきがあるかもしれない。
友と呼べる誰かに、出会えるかもしれない。
大きな喪失を忘れることはできないけれども。
少しずつ、でも着実に前に進もうとする、とても繊細な人たちの物語。
コミック『ぼくのワンピース』のその後を描いた小説。
向き合うためのエネルギーが必要な作品……かな。
多分私は彼らのように複雑で繊細な思考は持ち合わせていないけれども。
引きずられて引っ張られて。
どっぷり浸かって一気読み。
「完璧な母」まさきとしか(幻冬社文庫)
さらっと読み終わってしまったけど、内容はなかなかえぐい。
いや、逆か?
内容的にえぐいんだけど、さらっと読み終わってしまった。
描かれる三組の家族。
共通しているのは、母親に振り回される子供たちの姿。
子どもは母の意のままになる所有物ではないし、
放置して許されるものではない。
歪んでしまった子どもたちの人生の責任の大半は、母親にある。
いや、父もだ。
浮気する父親は最低だし、虐待は本人に同じことがはね返ればいい。
それぞれをもっと掘り下げたら、鬼気迫るものがあったのだろうか?
勝手な感想だけど、もっとガツンとくるものが欲しかった。
がっつりした手ごたえというか読みごたえがあると思って挑んだ結果、
あっさりしていて肩透かし。
これは私の期待値が高すぎたのか、著者がもともとそんなことは意図していなかったのか。
「見えないほどの遠くの空を」榎本憲男 (小学館文庫)
綺麗な作品ではあったけれども。
自分的な読み時というか、「旬」を逃した作品だったなぁ、というのが第一声。
彼らと同世代の時に読んだのであれば、いろいろ刺さったのかもしれない。
揺らいで迷ってぐるぐるして。
自分の在り様を懸命に模索していた時。
もちろん今でも立ち止まって悩むことはあっても、
あの時みたいな自分の居場所探しをする感性は、たぶんもう、持ち合わせてはいない。
これまで積み重ねてきた時間があってこその今だと思っているから。
「ここに在る」ことに対する揺らぎはなく、地に足はついている。
多分ね。
これで榎本さん作品はコンプ。
うん。
やっぱり『真行寺シリーズ』が好き。
必然的に『DASPAシリーズ』も大歓迎。
ついでに黒木の話もよろしく!←誰に言ってる?(笑)
「隷属の定理」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
主役の二人以上の存在感を放った式見槐、マジ天使!
狂気を宿した乃木と対峙して圧倒的に打ち負かしたその姿に惚れ惚れする。
暴力じゃなくても、人を屈服させることってできるのよね。
そしてうっかり本業を忘れてしまうくらい、式見のボディーガードが板についた貞野。
チラチラと垣間見せる嫉妬心がまた良き。
前作のタイトルへと見事につながった本作は、
一人では生きることがままならなかった二人が、
強烈な破壊を経て見事な再生を果たす物語。
乃木がいい意味で想像を裏切ってくれたかな。
オラオラかと思ったけど、メンタルは一番繊細だった。
特典ペーパー。
タイトルから私が想像したのとはちょっと違って、
とても穏やかな空気感が醸し出された作品だった。
だって、4人っていうから……ごめんなさい。(笑)
「盤上の向日葵(下)」柚月裕子 (中公文庫)
結局。
成功を収めても、名声を手に入れても。
心に空いた虚を埋めることはできなかった。
理不尽を強いられ、衝撃的な真実を知らされ、絶望の淵に足をかけた状況にあったとしても。
彼のその選択は、誤ったのではなく、強要されたのでもなく、自らの意志で選んだ結末。
回避する瞬間はあったはずなのだから。
だから、読後に抱く思いはやるせなさではなく、諦念。
仕方ないよね、と。
どこかでそうなることを望んでいたんだよね、と。
真実を地道に積み重ねていって真相にたどり着く刑事たちの姿は頼もしい。
あの後、始末書(的なもの?)書かされたのかなぁ……
下巻を読みながら読みたくなった漫画は『兎・野性の闘牌』。
こちらは命がけの麻雀の話。一度手放して集めなおした好き作品♡
もちろん、柚木さんの作品も大好きなのです。
「盤上の向日葵(上)」柚月裕子 (中公文庫)
率直な思いは。
レビュー書いてる場合じゃないんだよ!続き読みたいんだよ!とウズウズ。
上巻だけでは気になることはなにひとつわからない。
だけど、不穏な予感はヒシヒシと。
このままの流れで決着するの?
それは嫌だなぁ、と思った時点で、作品世界にどっぷりハマってるよね。
親子の問題に他人が介入することは本当に難しい。
子どもの幸せを願う善意でも血の絆には太刀打ちできない。
一度は砕かれたかと思った未来。
だけど。潰えなかった道。
桂介が自分の手で道を切り拓ける子で良かった。
この先、誰がどんなふうに関わってくるのか。
めっちゃドキドキする。→
この作品を読みながら無性に読みたくなったのは
『3月のライオン』ではなく、なぜか『ヒカルの碁』。
好きすぎて因島まで行ってしまったんだけど、
ちょうど吉川英治文学新人賞と本屋大賞を受賞した直後の
『村上水軍の娘』が大盛り上がりだった。
「僕が殺した人と僕を殺した人」東山彰良 (文春文庫)
それぞれが家庭に事情を抱え、大人の事情に振り回される子どもたち。
それでも、彼らは友情を育み、大いに笑い、全力で駆け回っていた。
生命力にあふれた少年時代。
13歳の少年にできることはとても限られていて。
だけど、時に、思いもよらない発想で行動を起こす時がある。
他でもない、友のために。
30年の時を行き来しつつ語られる物語。
一人称の彼が誰なのかを理解した瞬間の痛みを何と言えばいいのだろう。
大きな重荷を抱えて大人になった子どもたち。
一人、大人になり切れなかった彼が引き起こした惨劇。
突き放さなかった彼らの想いが痛々しくていとおしい。
後から悔いるから後悔。
そして、リセットできないのが人生。
もう少し年嵩だったらもっとうまく立ち回れたのかもしれない。
だけど。
あの時の彼らはああすること以外できなかった。