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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「キル・ゾーン3 破壊天使」須賀しのぶ(コバルト文庫)



ラファエルとシドー。
二人の少年の過去が垣間見られる巻。
生い立ちを知ると今の彼らの在り様の裏付けができて、深みが増すね。
個人的にはエイゼンの過去に興味津々。
息詰まるようなジャングルの中での戦い。
所持する武器の差で生死が決まるのは残酷な現実。
でも、それを凌駕しかねない「生き物」の存在は、
物語にどう影響してくるのかしら?
生命の危機に直面しての本能の解放は桁違いに凄まじかった。
その神秘の根本的な謎解きはもう少し先になりそう。
圧倒的不利な状況下で、彼らはこの危機をどう乗り越えるのか?
次巻はエイゼンが表紙なのでとても楽しみ。

後書きでダッハウの強制収容所にチラッと触れていて、
須賀さんの今後の作品につながる素地が垣間見えた気がしました。
史学科って記載があるけど、専攻も西洋史だったのかな?
ぐいぐい引っ張られて読まされる感覚、なんだかデジャヴ……と思ったけど、
『デルフィニア戦記』読んでた時の感覚に近いことに思い当ってみました。

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「キル・ゾーン2 戦場のネメシス 」須賀しのぶ(コバルト文庫)



泥臭くて人間臭い感情の発露。
理解できるだけにイラっともする。
まぁ、成長物語だと思っているからそこは許容範囲。
甘やかさず突き放さず。
頭の冷える言葉をくれるエイゼンの存在感、大きいなぁ。
彼女の身に起きたことを考えれば、怒りと憤りを抱き続けることは必然だと思うけど、
彼の父親が殺されたことは完全にスルーなのね?と、俯瞰してしまう視点に
10代の頃の感性とは違うなー、私、と(笑)
「生き抜く」意志のある人は強い。
「守る」ものを抱えた人も強い。
容赦ない戦場の日々の中でも育まれる絆や想いがある。
この先の彼らの行く末は?


対峙する地球、月、火星。
舞台はいずれ熱帯のジャングルから宇宙に移行するのかしら?どうかしら?
地球から宇宙に人々が移り住む……というワードからは
銀英やガンダムを連想。
先の展開の予測がまったくつかないだけに、続きが楽しみで仕方ない。



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「キル・ゾーン1 ジャングル戦線異常あり 」須賀しのぶ(コバルト文庫)



規律は?秩序は?効率は?
と思ったけど。
そもそも、素性不問の寄せ集め治安部隊。
そんなものはあるはずがなかったのである。
正義のためでも、大義のためでもなく。
ただ生きるためだけに戦う。
ここまで生き延びてきたのは、己を鍛え、それだけの技量を身に着けてきたから。
強い意志があったから。
死と隣り合わせの世界で仲間と笑いあえるのは、そんな自分を肯定しているから。
著者の初期作品。
文庫二冊目にしては十分許容範囲な粗削りさ。
人物紹介的な巻でありながら、興味をそそられる世界観。
この先ゴールまであと19冊。
楽しみっ!

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「サムデイ 警視庁公安第五課」福田和代 (幻冬舎文庫)



三つ巴かと思ったら、まさかの共闘!
そして、前二作でもやっとなった事はオールクリア。
ああ、すべてはここにつながったのね、と。
やばい。
メッチャ面白かった。
『標的』『ゼロデイ』『サムデイ』
この三部作はどれが欠けてもダメ。
この順番ですべて読んで完璧な物語です。
全体主義を想起させられる描写に『1984年』を連想したけど、
やっぱり作中で言及されてました。
受け入れちゃダメな社会。
だけど、知らないうちに浸透してしまったら気づかなそうで怖い。
それを見事にぶっ壊してくれた爽快な物語。
私も彼らが再び交わることを期待しつつ読了!また会いたい。

このシリーズで福田さん初読みだったけど
他の作品も俄然気になってきました。
ちょっとずつ集めていこう……ん?減らない積読(笑)
ストーリーも面白かったし、
どのキャラも魅力的でとても楽しかった。

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「最凶の恋人(14)―跡目・柾鷹―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



中編2編。
前半は柾鷹視点の過去振り返り。
抱え続けた遥への想い。
早すぎた父親=組長の死で一転した生活。
そして汚れた手。
掴んだ幸せ。
ヤクザ稼業をやってる柾鷹はやっぱりカッコいいんだよなー。
逆に言えば、遥といるときは完全にリラックスモードでいられるってことなんだよね。
後半はままならない想いに決着を付けようとしている当事者は必死にもかかわらず、
勘違い炸裂した柾鷹のお陰で大混乱になったラブコメ。
爆笑のドタバタ劇。
問答無用で面白かった。
梓の想いが叶って私の脳内ファンファーレ。
亭主関白な小野寺も悪くない。
お幸せに!→

……というわけで、やっと最新刊まで追いつきましたー!
読むのに長いことかかったイメージだけど、実際は2か月半くらい。
あれ?意外と短かった。←長かったのは積んでた期間。(笑)
1巻の柾鷹が最悪で、だけどそこで辞めちゃうのはもったいないシリーズなので、
1巻を読んで乗らなかったとしても、2巻には手を伸ばしていただきたいなぁ、と思います。

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「鍾愛のスーヴェニール 」天王寺ミオ/崎谷はるひ



「崎谷さん」と言うワードから受の人物像をある程度想像して読み始める。
ところが!
何このオトコマエな子!
と、予想と真逆だった一斗の腹をくくったカッコよさにときめく。
戦える強気受大好物です♡
一見スパダリなラナルドが確かにかっこいいんだけど、
一斗に対しては大型わんこみたいなのも面白い。
オーラが支配的とか言われながらも、ガツガツいかないところが紳士だわ~。
というわけで、最初から最後まで楽しく読了。
崎谷さんの書き下ろし小説。
外国人と日本人という立場での言葉の意味の伝わらなさがうまいと思った。
この作品、崎谷さんも小説で出してくれないかしら?

それにしても……
『鍾愛のスーベニール』
全く意味がわからず調べちゃったよww






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「ゼロデイ 警視庁公安第五」福田和代(幻冬舎文庫)



今回は公安vsテロリスト集団・クーガ。
そして語られる警備会社・ブラックホークの成り立ち。
一作目同様、途中までは可もなく不可もなく的な感じで読み進め、
中盤以降、もしかしてそういうことなの?と、
色々と推測しながらのめり込み、
ラストは嘘でしょ?という衝撃があって、
前作同様にちょっとーー!続きーー!と、吠えました。
ジェットコースターに乗りっぱなしで放置された気分。
え?
貴方、どういうことですか?
今回はクーガの幹部たちが生き生きと魅力的に描かれていて
ちょっと困ってしまう。
やってることはガチで犯罪なのにね。


次巻は警察vs警備会社vsテロリストの三つ巴になるのかな?
広げた巨大な風呂敷を最終巻となる三作目でしっかり畳んでくれることを期待します。

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「最凶の恋人(13)―境界を越える男―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



シリーズ13作目にしてこういう展開をぶっこんでくるとは!
飽きずに読めちゃうよねー、という構成のうまさ。
事件あり、駆け引きあり、アクションあり。
個人的にはこの路線で進んでもらいたいけど、
たまにだから新鮮でわくわくするんだろうなぁ。
柾鷹がヤクザの組長らしく……いや、
組長らしからぬ勢いで身体を張って戦った巻。
彼の行動原理は遥を守るため。
そして遥もまた、柾鷹のことを慮る。
わかってたけど!という二人の絆の深さを再確認させられた巻でもある。
ラストの遥の言葉に感無量。
ここまで読んできてよかったとしみじみ思う。


そしてしつこく文句を言う。
表紙!
遥が露出狂みたいになってる一連の表紙がどうにもこうにも気に入りませんっ!
口絵も何なのっ!?

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「標的」福田和代 (幻冬舎文庫)




舞台は少々近未来。
VIP専門の警備会社vsテロリスト集団。
一癖も二癖もある警護対象者。
それ以上に興味深い経歴を持つボディーガードたち。
更に曰くありありなテロリスト。
おもしろい。
おもしろいけど、あと一味足りないかなぁ?と思っていたのは途中まで。
読了直後は、ちょっと続きーー!と吠えていました。
かつての親友が今では宿敵。
相反する正義のもとに行動する彼ら。
どちらの言い分も間違ってないかもしれないが、
法を犯している時点でそれは正義ではなく犯罪だ。
「俺は正義を疑い続ける」
惑うな。
いや、すでに彼は迷ってはいない。
だからこそ、続き~~!→

……というわけで、こちらの作品は
『標的』(旧題・『特殊警備隊ブラックホーク』から改題)『ゼロデイ』『サムデイ』の
三部作となっています。
そしてどうやら『ゼロデイ』は『標的』の前日譚らしい。
ということは!
気になる続きは『サムデイ』までお預けなの?
でも『ゼロデイ』も美味しそうなにおいがするので、鼻息荒く、二作目行きます!

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「最凶の恋人(12)―極道と俳優―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



メインの二人から外れて
狩屋の話と前嶋の話が1本ずつ。
とてもよかった。
特に狩屋の……というよりも、
ケイ視点での狩屋たちの話が好き。
ラブには発展しないけど、甘酸っぱさが漂う余韻も良い。
第三者視点での若かりし頃の
彼らの生活ぶりが伺えたのもとてもよかった。
前嶋は組の金庫番、奏との恋物語。
失恋して通りすがりの男に身体を投げ出すってどうなの?と思いつつも
あの状況で前嶋に出会ったのは行幸としか言いようがない。
嫌いではない相手と繰り返し身体を重ねれば情も沸く。
始まりが歪だっただけにちょっとすれ違ったけど、互いの想いが伝わってよかったね。

そして無双の5歳児、千紘。
欲しがるお土産、おかしいから!

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