きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「つないで イエスかノーか半分か番外篇4 」一穂ミチ(ディアプラス文庫)
それが本当か嘘かということと
正しいか正しくないかということはイコールではない。
ないんだけど。
真実に反しているとわかった時点で糾弾される。
そのリスクを負う覚悟があるのか。
バレなきゃいいという甘い考えで手を染めるのか。
そもそもバレないと思っているのか。
各々で負う負債の大きさとその後の対応の仕方は変わってくるんだろうね。
仕事に対する熱意は自分の内から湧いてくるもの。
だけど、そこに外的要因が加わったらより楽しく頑張れる。
素直になりきれない栄が可愛くて仕方ない設楽。
ゆっくりじっくり熟成させていく恋模様。
「炎と書いてジェラシーじゃん」という台詞を
「炎と書いてミラージュじゃん」と読んでしまい、
ん?何言ってんの?と台詞を二度見した自分の闇(?)は深いと思ってしまった(笑)
仕事を頑張るのも流すのも自分次第。
私は……今の状態で適当に流したい。←ダメ発言(笑)
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「赤と黒(下)」スタンダール (新潮文庫)
作中の人物たちの想いに全く共感できないので、
途中までは読み進めるのが苦行。
ジュリヤンとマチルダの恋愛は
「自分のための恋愛」という感覚が全面押しで
恋愛というよりもはやどちらがより優位に立てるかの勝負。
強烈な自尊心の根底には、相手に対する情愛がしっかりと宿っていることが
確信できるのは、色々なことが手遅れになってから。
そして決して尽きることのなかったレーナル夫人とジュリヤンとの絆。
彼のために最後まで尽力した親友のフーケ。
彼らの悲痛な想いと運命を受け入れる覚悟を決めたジュリアンの心の凪が伝わってきて、
最後は切なくなっての読了。
苦行を抜けるまでが長かった……
もうちょっと時間がかかるかと思ったけど、何とか週末前に読了。
ジェロニモと言えばキン肉マンを思い浮かべていた子ども時代。
今はジェロニモと言えば天草四朗。
見聞したものに影響されまくりの連想ゲーム(笑)
【ガーディアン必読99-2/1000冊】
「愛しのニコール」凪良ゆう(ショコラ文庫)
悩んで苦しんで立ち止まって。
一歩を踏み出そうとして停滞して、やっぱり悩んで。
人生ってそういうものよねーと、いう想いを
長い年月をかけて彼らと一緒に追えたお借り本。
一度は尽きかけた情熱。
そこからどう持ち直すのかな?と思ったけど、
日常の積み重ねの上に新しく芽生えていったやさしい熱情。
何処かのタイミングでどちらかが諦めてしまっていたら決して成就することのなかった恋。
この二人のこれまでの経緯を思えば、一直線にうまくいくよりも説得力があった気がする。
二人を育んだ故郷にずっとずっと一緒に帰省できるといいね。→
ニコールが一番最初に出逢った二丁目の人がマスターで良かったと
心底思ったお借り本。
心からくつろげる癒しの場って大事だよね。
そこでリフレッシュできるからこそ、明日からの日々を頑張れる。
私の場合はお部屋で読書が十分な癒しタイムになっているのです♪
「赤と黒」スタンダール(新潮文庫)
これはロマンなのか無謀なのか?
若気の至り、と言うにはレーナル夫人は年を重ねすぎている。
が、遅れてきた初恋、と言えば、まぁ、あり……なの!?
いや、子どもがいる時点でなしでしょ。
そしてジュリヤンの想いも純然たる恋、というよりも、
手に入らないものを欲する子どもじみた独占欲のようにも感じられる。
……と言っても、彼はまだ子どもか。
その行動が迂闊に過ぎるレーナル夫人と、
野心をその胸に抱くも、極端にその視野が狭いように思えるジュリヤン。
足りないのは経験値?
なんだか色々危なっかしい。
勝手にやってよ……と言いたくなりつつも、
行く末が気になるので下巻へ。
付きまとう閉塞感は時代にもよるのかな?
ジュリヤンが夫人を悪魔的に魅了する話だと勝手に思っていたけど、
読んでみるとそうでもなくて、思い込みをリセットするのにちょっと時間がかかった。
ifに意味はないけど、
この子が親から愛された子どもだったら、その将来は全く違っていたんだろうね。
「モデルになった実在の事件」がどういうものだったのかが気になってみたけど、
調べている暇があったら下巻を読むべし(笑)
【ガーディアン必読99-1/100冊】
「2119 9 29」凪良ゆう (ショコラ文庫)
この世界に生まれ落ちたからにはやさしくしたいし、やさしくされたい。
大切な人と一緒に天寿を全うしたい。
例え目の前にどんな困難が立ちはだかっていたとしても。
誰かと共に歩む幸せな人生を描ききった物語。
やさしさと愛情深さが読み進める程沁みてきて、胸が震える。
阿部ちん、オトコマエだったよー。
そして、自力ではままならないことも、
誰かの力を借りれば突破できることも思い知る。
タイトルの意味は途中で知れる。
じゃあ、どうやってその時をむかえるの?
そう思って読み進める程にいろんな思いが溢れて泣きたくなり、
読んでいる間も読み終わっても幸せだった。
読めて良かったお借り本。
個人的にリョウと芝のアメリカでの暮らしぶりも気になる。
「ショートケーキの苺にはさわらないで」凪良ゆう (ショコラ文庫)
やさしくてやわらかくて。
哀しくてあたたかい、とても綺麗なお伽噺。
単純に恋愛っていうだけじゃなく、
誰かを幸せにできる大きくて深い愛情のかけかたって、
こういうことなんだろうなぁ、と心から思える。
与えるだけじゃなく気づきがあって、
お互いに受け止めあう想いの純粋さが眩しい。
南里と出会ってからのシンはそうやって「幸せ」の意味を教えてもらって、
南里の周りには彼を理解して力を貸してくれる仲間がいた。
人の営みってそういうもの。
悩みながらも幸せをみつけて
一度きりの人生を一直線に歩んでいく。
終着点は「死」。
だからこれは幸せなお伽噺。
「何のために生きているのか」を
吐きそうなほど考えてハイティーン時期を通過してきた身としては、
なんとなく釈然としない結末で、カテゴリーとしては良質なファンタジー。
悶々としていた頃の自分を懐かしく思い出したお借り本。
ちなみに。
『銀河鉄道スリーナイン』は私の殿堂入りアニメベストスリーの一角です。
「八月十五日に吹く風」松岡圭祐 (講談社文庫)
十分な補給も与えられないまま、戦場で放置。
痩せ細ったその体でどう戦えと?
与えられた道筋は玉砕。
は?
ふざけんな。
と、当時の人たちは言えなかった。
言える風潮でもなかった。
人ありきで国がある。
人命は消耗品ではないのに。
そんなことも考慮されなかった戦争。
けれども。
北の地で孤立した五千人の兵たちを救出すべく力を尽くした男がいた。
彼に指揮権をた与えるべく尽力した男がいた。
正しいものは正しいと、叫んだ男がいた。
曲解された日本人像を正そうとした男がいた。
奇蹟は待っても起きない。
だから彼らは動いた。
たくさんの人に知ってほしい真実がここにある。
途中で脳裏を過った名前はヤン・ウェンリー。
彼も同じことをしたんだろうなぁ、という思いと、
彼にもこんな上官がいたら、という思いと。
泣きたくなった。
学生のころに読んだ『きけ、わだつみのこえ』を思い出し、
やっぱり泣きたくなった。
そして、作中で語られる彼らの言葉に涙。
うん。
戦争はやっちゃいけない。
「罪の名前」木原音瀬
場当たり的に嘘をつく人は、それを「嘘」と認識しているのか?
少なくとも「後ろ暗いこと」だという認識はないんだろね。
だから平気で嘘をつく。
作中の嘘つき二人はどちらも質が悪い。
が、より醜悪な嘘つきがどちらかは明白。
その性根が気持ち悪い。
人の命をなんだと思ってる?
と彼に尋ねたところでまともな答えが返ってくるとは思えない。
一対一でついた嘘は、押し通せるかもしれない。
だけど、複数からの視点で見られれば、その嘘は破綻する。
何で気付かないんだろう?と彼女に問うのは愚問かな。
少年が衝動に負けて彼を噛み千切ってしまいませんように。
濡れた布を被せての窒息は私のトラウマ。
『ラストエンペラー』で西太后がやらせているのを見て、恐怖で寝られなくなった少女時代。
木原さん、つるっとしたカエルを口に含んだことあるのかな?
と、ふと思ってしまった。
私にはモグラを咥えた経験のある友だちがいます。
ビロードの感触が大好きで、
ビロード生地のものを何でも口に含んでいた延長で何故かモグラ。
幼少期の話で親が悲鳴あげたって言ってたけど、そりゃそうだ(笑)
料理したカエルは美味しく食べられるけど、生きてるカエルは……うん。無理かも(笑)
「破廉恥なランプ」中原一也 (シャレード文庫)
もう、二度と会うことはできないあなた。
だけどずっと愛している。
イシュタルの過去と現在。
そして匡の仕事事情。
点と点が綺麗につながる展開に喝采。
そして、おふざけとシリアスの緩急が素晴らしい。
戦闘クライマックスのどシリアスシーンで
まさか股間が光るとは思わなかったよ。
永遠の刻を生きる魔物と有限の刻に縛られる人間。
自ずと生じる苦悩があるわけで、
切なくて匡と一緒にキリキリしながら、
キファーフの想いの深さに包まれてほっこり。
ワンルームに人間1人とランプの精が4人。
これはぜひお引越しした彼らの日常も読みたいわ。
下ネタ比喩は後半になっていくにつれ
もはや意味不明になってきたけど、
個人的に「真っ赤なランボルギーニカウンタックがピットイン」がベスト。
身近にランボルギーニ乗りがいてびっくりしたことがあったけど、
私が乗りたいのは真っ赤なカマロ。