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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「皸・別れの稼業」北方健三 (集英社文庫)



別れるにしても、相手の行動を探るにしても、
いろいろめんどくさいなーと思う、人間模様。
もっと単純でよくね?
いや、でも単純に考えられないから探偵が必要になるのか?
そのめんどくさい人たちの依頼に巻き込まれ、
時に拳を繰り出され、傷を負う探偵、浅生。
だけど、その探偵もめんどくさい。
時に依頼を飛び越したことをやらかして、誰かに殴りかかっている。
おいおいおい。
だけど、それが彼のスタンス。彼の生き様。
そう納得させるだけの筆致が北方にはある。
まだ青臭さの片鱗が残る浅生。
成熟した年齢に達したとき、どんな男になっているのか。
興味あるなー。


悔しいとかつまらないとか、そんな感情を混ぜ込んで煮詰めた鍋って……鍋って……怖いよ!
鍋に込める思いは「おいしくなりますように☆」でいいよね?いいよね??
なんか強烈でした。

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「ライオンのおやつ」小川糸(ポプラ社)



こんなホスピスがあったらお世話になってみたい。
だけど、それは私がひとりぼっちだったらの話。
できるなら、最後まで家族と一緒にいたい。
そう思える自分が、幸せだと思う。
生きることの執着地点は死ぬこと。
その定めからは逃れられない。
「泣いても笑っても同じ人生。だったら最後まで笑っていきましょう!」
自分が心に抱え続ける言葉はこれしかないかな。
多分笑っていられる。
だけど、小さな子どもが闘病している姿はほんと辛くて、
彼らに向けて同じことを言えそうにはない。
これから誰かを見送るときは「良い旅を」と。
心の中で語りかけようと思ったお借り本。

QOL。
大事だよね。
この先また抗癌剤治療をするかしないかの二択に迫られることがあったとすれば。
まずは脱毛の有無を確認しよう。
そして食事ができなくなるほどの嘔吐感の有無。
この二つがなければ投薬を前向きに検討してもいいかな?
じゃなかったら本気で悩むなぁ。
100%完治する!というのでない限り、むしろやりたくない。
抗がん剤治療をしながらもやりたいことをやりきった
(沖縄に行き、コンサートにも行った)私ですらそう思います。

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「潜入捜査~美しく淫らな男たち~ 」松雪奈々



「潜入捜査」はタイトルに偽りなし。
副題の「美しく淫らな男たち」は……ん?どちらさま??と、クエスチョン。
だんだんグーデリアン(@サイバーフォーミュラ)にしか
見えなくなってきた陽気なアメリカ人と
生真面目さが可愛い初心でちょろい(褒め言葉ね)日本人男子が
仕事を介して出逢い、惹かれていく物語。
CIAと公安。
それぞれの立場でのお仕事シーンは読み応えあったけど、
美しさも淫らさも何処にも落ちてなかった(笑)
副題に則った最初の先入観に最後まで引きずられ、
なんか違う感が拭えなかったのは自分の妄想力のせいかな?

このタイトルにこの副題だったら山藍紫姫子さんに是非!
と思ったけど、それ、『背徳の聖者たちシリーズ 』に近いモノがあるうんじゃない?
と、気付いてみました。
あっちは「目には目を、歯には歯を」で
ハンムラビの補足に則って暗殺を請け負う物語。
「美しく淫ら」の看板に偽りなし!

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「カッコーの巣の上で」ケン・キージー(冨山房)



笑うことを忘れ、思考を停止させ、
管理された時の中で生きるウサギたちに
人間らしく在ることはどういうことなのかを
知らしめた男がいた。
その状況に疑問を呈し、従うことを諾とせず、
抵抗を試みた男がいた。
彼に触発され、感情を取り戻していく男たちの描写からは、
その賑やかさが聞こえてくるようだ。
けれども。
立ち向かうにはあまりにも強大だった権力。
え?これはSF?と言いたいところだけれども。
こんなことが実際に行われていた時代があったことに戦慄する。
偽りの屈服を良しとしなかった彼。
その志は伝わっている。確かに。

個を個たらしめているもの。
それを抜き取られてしまったら、
それはただの有機体。
彼はもう、そこにはいない。
『カッコウはコンピューターに卵を産む』とごっちゃになって、
あれ?これ何の話??と混乱した読み始め。
読後にまさかこんなにやるせない想いを噛みしめるとは思わなかった。
読めて良かったです。
【ガーディアン必読101/1000冊】

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「彼岸過迄」水城せとな (Be×boy comics)



短編四編。
『彼岸過迄』「対価」という言葉が頭を過る。
彼が切り捨てたもの。そうすることで手に入れたもの。
要求されたのが右目だったとしても。
彼は多分、差し出したんだろうなぁ。
『ブレックファスト』
鱗平の愛の深さに涙。
発病していることをおくびにも出さずに守谷の傍に寄り添い、
決して破ることの出来ない約束をやさしく刻みつけるように取り付ける。
その状態で恋しい人に会いにいける彼が、ただ尊い。
『指輪物語』
けじめの選択。大人だね。
『Honey β』
さぞかし美しく、そして禍々しい花が咲くのだろう。
見たいような、見たくなうような……



プロフィールに「チョコレートを主食とする」って書いてあって。
このときからせとなさんの道筋は『失恋ショコラティエ』に
繋がっていたんだなぁ、としみじみ思う。
「不幸せに慣れたりしたら本当の幸せがわからなくなる」
『彼岸過迄』の鈴呂の台詞。
ここから連想したのが『俎上の鯉は~』での恭一のこの台詞。
「幸せに難癖をつければいくらでも不幸になれる」
こういうのは作家読みする醍醐味。

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「スリィピングビューティ」水城せとな (ビーボーイコミックス)



この頃のせとなさんの感性がとてもとても好き。
彼らの気持ちやその顚末が抉られるみたいに刺さるんだけど、
それがいい。
そして一冊の中でまとめ上げられている世界観の素晴らしさ。
突っ込みどころはあるけど、
そんなことは気にならないせとなワールド。
彼女にしか紡げなかった物語。
知りたかったのは情熱の行方。
欲したのはそのぬくもり。
抱えた覚悟は自分だけのもの。
そう思っていたけれども。
計り知れない愛を与えられていたのだと。
気付いた瞬間の切なさは言葉にできない。
至上の愛。
永遠の苦しみ。
「夢のつづきはここにある」
読み返すたびに涙。


元は同人誌での自費出版。
イベント会場で購入してそのまま直行した友だち宅で読んで、
友だちのベッドを占拠して声をあげて大号泣した想い出。
友だちもそんな私をどうしていいかわからず、泣きやむまで放置されました。
そりゃそうだ(笑)
商業で出版するにあたって作中の人たちの名前が変わってしまっているけど、
私の中での呼び名は今でも当時の彼らのままです。



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「天水桃綺譚」凪良ゆう (プラチナ文庫)




人間に恋をした天のモモ。
手の届かぬ桃を一途に想い続けた亨。
天の神に恋をしたみそっかすのコモモ。
小学生か!と突っ込みたくなる、愛情が分かりずらい白虎。
抱えたそれぞれの想い胸に刺さる。
ピュアすぎる気持ちが切なくていとけなくて滲む涙が止まらない。
そして、健気に慕う相手を想い続けた彼らが手にした幸せに心から安堵する。
そんな素敵な物語。
読めて良かったお借り本。
別作品でも思ったけど、凪良さんの「生きる」ことに対する対峙の仕方には心から共感。
他力に縋らないところが潔くて好き。
と同時に「明日も頑張ろう」という気持ちになれる。

この表紙を眺めていると、桃狩りに行った時のことを思い出す。
四方八方桃桃桃……
楽しくて美味しかった♡
良質なファンタジーと藤さんのイラストは抜群の相性だと思う。
そして白虎と言えば四神。四神と言えば平安神宮の御朱印帳!
いつか頂きに!!という野望を抱えたまま何年経っただろう?
うん。いつか、必ず☆

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「GIANTKILLING 56」ツジトモ(モーニング KC)



読み終わって改めて眺めると、この表紙、辛い。
怪我にはフィジカルな負傷とメンタルの負傷とがあると思うんだよね。
無傷で選手生活を終えられればそれは幸い。
だけど、怪我は誰しもが直面しうるもの。
抱えた苦悩は自分で乗り越えていくしかない。
椿、潰れんなよ。
試合後のブランのコメントは私、とても好き。
負けたからって悲壮感ばっかり出す必要はないと思うんだ。
精一杯戦った彼らに拍手を。
そして!待ってた!とても待ってた!というわけで、舞台は日本へ。
ETUメンバーがそこにいることが嬉しい。
彼ららしい試合展開。
達海に対するモノローグに泣きそうになったけど、達海の方が上手だったわ。

スポーツの世界は厳しい、というシビアな現実を
色んな意味で突きつけられる。
むー、そしてシビアな現実と言えば、今年のウチの地元チーム!
がんばって~~!

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「スミソニアンの王冠(下)」 (シグマフォースシリーズ12)ロリンズ(竹書房)



蜂の攻撃描写がホント嫌。
というか、小さな虫に全身に張り付かれてジワジワ食いちぎられるのは
マジ勘弁してもらいたい。
忍者、もっと頑張れよ、というのと、
え~、そこ共闘しちゃうんだ!という個人的不満もあって、
上巻がとっても楽しかった割には下巻でプラマイゼロ感。
つまり、いつも通りの満足度に落ちつきました☆
陰謀やアクションメインにストーリーが展開しても、
恋愛や家族等々の生活感漂う描写が差し挟まれるから、
彼らがより身近に感じられる。
グレイとセイチャンの間に生じた変化は
今後の彼らにどう影響するのか?
気になりつつの読了。


蜂に関しては百田氏の『風の中のマリア』と
鉄腕ダッシュで色々と学びました!
多分、間違ってないと思う(笑)
作中で和歌が差し挟まれるけど、
五七調の和歌が英訳されると、どんな感じになるんだろう?
と、ちょっと気になってみました。

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「スミソニアンの王冠(上)」 (シグマフォースシリーズ12)ロリンズ(竹書房)



ワンパターンを脱却して、
ここにきて面白さのギアをあげてくるシリーズ。
監視なのか護衛なのかよくわからないお付の人たちを伴っての
グレイとセイチャンのバカンス。
彼らに向けられたのは白寿間近の男が胸に抱き続けた恋の恨み。
そして、彼らの過去が招きよせた大いなる危機。
アメリカン・エンターテイメントらしく日本の影の組織の呼称は「忍者」。
「忍刀」「鎖鎌」「手ぬぐい」の用語が飛び交っているのには思わず笑ってしまった。
ああ、だけど忍び寄る脅威の正体はもはやホラー。
気持ち悪い!そして怖い!でも気になる~~!
と読み進めて、最後の最後で衝撃的な爆弾がセイチャンの口から放たれました。
ちょっと、どうなるの!

『悪魔の花嫁』で蟻の卵を人の身体で孵化させて……という話を
小学校の時に読んで半泣きになって以来、その手の話は軽くトラウマ。
想像するだけで気持ち悪い。怖い。でも気になるし!!!
と、ゾワゾワしながら読んでました。
セイチャンは多分、大丈夫だと思うんだ。
ああ、そしてパル。最後まで無事でいてね。
私にとって「ハワイ」と言えば「鉄腕DASH」。
深夜枠は神がかって面白かった。

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