きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「プラスチックとふたつのキス 魚住くんシリーズ2」榎田尤利(クリスタル文庫)
人は、大なり小なり傷を抱えて生きているのだということを、
つくづくと思い知らされる。
その傷が、癒える方向に向かえばいいのだろうけれども。
呑み込むのか、消化するのか、忘れるのか。
或は、血を流し続けるのか。
傷との向き合い方は人それぞれ。
でも、癒えない傷の苦しさに他人を引きずり込むようなことをしてはいけない。
死神の誘いを振り切った魚住。
魚住を呼んだ久留米の声が、健全な生命力を伴って響いたことが嬉しい。
流れる日常の営みの中で、ゆっくりと近づいていく久留米と魚住の距離感がとても心地よくて、
だけど、時々差し込まれる痛みに泣きたくなる。
溜息を呑み込んで、次巻へ。
私の中では魚住くんシリーズと言えば茶屋町さん。
イラストの醸し出す空気感がたまらなく好き。
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