きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「マイ・ディア・マスター」 (モノクローム・ロマンス文庫)
19世紀のロンドン。
同性との交わりが禁忌とされたその国で、アランが最後の一夜と決めたその夜に出逢った二人。
明日に光を見いだせず、自らの手で人生を終わらせることを決意したアランの再生。
そして、社会の底辺にありながらも、快活に笑うことを忘れていなかったジェムの再出発。
傷が癒えていく様、そして二人が惹かれあっていく様、が丁寧に描かれ、
危機を乗り越えた彼らの行き着いた愛の形がとても素敵。
特に、自死まで決意したアランが再生していく様が本当によかった。
それはジェムの存在があってこそ。
「お前をどうしてくれようか」に対するジェムの答えに満面の笑みで読了。
ラスト、事件の後のアランのけじめのつけ方がカッコよくて惚れ惚れ。
散りばめられた言葉遊びの部分は、
原書で読めたらもっと楽しかったんだろうなぁ。
たどたどく書かれたジェムの言葉の訳し方(?)がうまいなぁ、と思った。
時代的には交わらないけど、『モーリス』鑑賞後のイギリスが舞台のMM小説。
良いタイミングで楽しめました!
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