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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「上海血華」沙野風結子 (ラヴァーズ文庫GREED)



たとえば淋が自分の幸せだけを考えたのならば。
もっと楽に生きられたんだと思う。
けれども。
彼が重きを置いたのは殺された兄の復讐。
それを果たしたところで幸せになんてなれないことは、
先の未来が思い描けなかった時点で思い描けたであろうに。
自分を責め、兄の仇を憎み、意に反した行為を強要される中で生じた複雑な愛情。
兄を殺した英冥が自分の命を救った相手でもあったことが
二律背反を生じた一因。
故に殺すことと愛することが矛盾なく両立する……のかな。
いつか、愛の方が勝ればいいな、と思いつつの読了。


英冥サイドの心情がもう少し掘り下げられていたらもっとのめり込めた気がする。
設定は好みなだけに、ちょっと残念。
そして自分がそこまで誰かを憎んだことがないからか、
淋の想いに同調できなかったのも、残念。

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