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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「天国に手が届く」夕映月子 (ディアプラス文庫)




かつて、一度だけ交わった点と点。
そんな彼らの数年後の邂逅。
小田切に出逢えた喜びを隠せない佐和と、
頑なに佐和を拒んだ小田切。
彼が心の奥底に抱えていた孤独がやるせない。
いまはもう、この世界のどこにもいない叶。
二人を繋いだ叶の存在が大きくてやさしくて、あたたかい。
叶を介してお互いの存在を意識していた二人が実際に出逢い、
動き出した心。
次第に小田切に惹かれていく佐和の心理描写がストンと胸に落ちてくるだけに、
小田切サイドの視点でも読んでみたかったという思いが募った。
山の描写が雄弁で美しいお借り本。
チャンスがあれば、また登りたい。

ほぼ山未経験だった自分が槍ヶ岳に登れたことがいかに奇跡的な出来事だったのか。
こういうのを読むとつくづく思う。
あの時見た景色は一生忘れない。
滑り落ちたら怪我だけじゃ済まないような場所を必死で越え、たどり着いた山頂。
眼前に広がるのは、筆舌に尽くしがたいほど美しい非日常な風景。
これが見れるなら、また登りたい。
そう思わせてくれる世界がそこにありました。

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