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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「背徳のマリア 上」綺月陣 (ガッシュ文庫)



3篇+描き下ろし。
1作目のモチーフは人魚姫。
だけど、ファンタジーの枠に留まらず、
これなら在り得るかもしれない、というリアルがさすが。
彰の恋はああすることでしか成就し得なかった。
逆に言えば、あそこまでして圭介の傍にい続けようとした彰の情の在り様が痛々しい。
でも、死ぬ気で欲したものを手に入れようとしたら手段なんて選んでいられない。
だから、彰の選択は間違っていないと思う。
それを受け入れるか拒絶するかは圭介の選択。
捨て身の賭けであったことには違いない。
表題の物語の感想は下巻へ。
同じだけの狂気を宿していないと、受け止めきれない結城の妄執。
和己の雁字搦め感が半端ない。怖いな。

描き下ろしは会話として成り立っているのに、
まったく噛み合っていない圭介と彰の心情。
彰サイドに寄ってしまえば、とても切ない。
口は悪いし、乱暴だし、ガサツだし。
だけど、やさしくて困っている人のことは放っておけない
安藤先生、とてもいい人。
懐は広いし、意外とまともなこと言ってるし、
何より彼の抱えた切ない恋情と、純粋な友情がいい。
前半2編の主役カプは安藤に存分に感謝するしかないよね。


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