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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「背徳のマリア 下巻」



上巻に引き続いて黒崎兄弟の話かと思っていたけど、これは彰の物語。
「人の核を成しているのは感情」というフレーズがあるけれども。
彰の核は圭介に向けられた「感情」。
それが自己完結してしまったが故の暴走と悲劇。
安藤の涙が、それが悔し涙であることが、とてもつらい。
内なる世界で時を止めた彰が安息を得たと納得した圭介。
いいの?と思う気持ちもあるけれども、飲み下さなければただ苦しい。
彰は笑ってそこにいるのだから。
手を伸ばせばそのぬくもりに触れることができるのだから。
幸せってなんだろうね? 答えは十人十色。
これからの彼らが穏やかでありますように。

抱え込む前にもうちょっと話し合えなかったのかな?
というのは、彰の抱えた恐怖と執着に同調できなかったが故の愚問なのかな。
彰にとっても、圭介にとっても、そして黒崎兄弟にとっても
安藤の存在が大きかった。
ああ、本当に彼、カッコよかった。
というわけで、ガッツリ鷲掴まれた綺月作品でした。
関連シリーズはこれで読了☆
引き続き読んでいきたい作家さん。



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