きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「華の闇」榎田尤利 (SHYノベルズ)
「幸福になる勇気」という言葉が刺さる。権利ではなく勇気。
吉原で暮らす遊女たちの生き様はあまりにもやるせない。
男遊女として吉原に身を置く華嵐とかつて想いを寄せた貴師との再会から始まる物語。
離れ離れになってもそれぞれの心に熾火のように残っていた想い。
立場の違いも相俟って、
歪にゆがみ、素直になりきれず、露悪的に振る舞って強情を張る。
そんな二人の想いが次第に浄化されて濁りのないものになっていき、
ただ純粋に愛しさ吐露して永遠の愛を誓う。
そこに至るまでの二人の在り様が見事に描かれていた。
雪の中での貴師の告白、良かったなぁ。
ああいった形での男の弱音の吐露。
胸キュン以外の何物でもない。
一度読んで手放して、買い直しての再読。
内容全く覚えてなくて、どんな読み方してたんだ?自分?とガッカリというか、びっくりというか(苦笑)
おかげで楽しく読めたのは……いいことってことにしておこう。
宮木さんの『花宵道中』が読みたくなる。
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