きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「蒼穹のローレライ」尾上与一(Holly NOVELS)
【生きて。生きて。生きて。どうか生きてほしい】
多分、彼は、幸せだったのだと思う。
大切に慈しまれ、愛される喜びを知ることができて。
存在の肯定。
自分が自分のまま、ここいいていいのだと。
ありのままの自分を認めてもらえることほど、
彼にとって心強いことはなかったと思う。
「ローレライ」
死を運ぶ魔物の鳴き声。堕とすための咆哮。
けれども、その声が愛を叫ぶ魔物の鳴き声に転じた時、
その叫びは祈りに変わる。
殺す為ではなく、守る為に。どうか、と。
三上に伝わったメッセージ。
それは、三上が教えてくれた生きる喜び。
知ることができて、本当によかった。
命はとても尊いものなのだと、改めて教えてもらいました。
小野が運んでくれた言葉に、既に溢れていた涙が止まらなくなりました。
三上の本当の意味での終戦は、その瞬間だったのかなぁ、と。
特典ペーパーも胸に沁みる話でとてもよかった。
内容(「BOOK」データベースより)
戦後十八年目のある日、三上徹雄を病死した旧友・城戸勝平の息子が訪れた。三上へ一通の封筒を預かったという。中には、戦死した零戦搭乗員・浅群塁に関する内容が記されていた―。太平洋戦争中期。整備員の三上はラバウルに向かう途中、不思議な音を響かせて戦う一機の零戦に助けられる。着任後、命の恩人を捜していた三上は声の出ない碧い目の搭乗員に出会う。彼こそが三上たちを救ったあの零戦乗り、「ローレライ」と呼ばれる浅群塁一飛だった。整備魂に燃える三上は、「敵機を墜として俺も死ぬ」と言う浅群をどうしても許せず…。
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