きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「銀の雫の降る都」かわい有美子 (リンクスロマンス)
陽光を浴びて美しく輝く青い海。
やさしく肌をなぞる心地よい風。
揺らめく布の薄く軽やかな質感。
緻密に綴られる描写に、あたかもその場に佇んでいるかのような気持ちになる。
発達度合いの全く異なる文明の混在したその世界で、
静かにゆっくりと育まれていく穏やかな愛。
降り注ぐ光のように惜しみなく与えられるユーリスの愛情に、
愛を知らなかったカレルの頑なで寂しい心が、解きほぐされていく。
とてもやさしくて暖かさに満ちた物語。
だけど抗えない運命に切なくなる。
私的には銀色のカードはいつまでもユーリスの胸で揺れていればハピエン。
あああああ、惜しいっ!となりました。
ホント、惜しい。
そうじゃないの。
一度きりの人生はやりなおしがきかないの。
だからこそ、最近沙野さんの作品のレビューでも言及したばっかりだけど、
キャッツアイのトシのラストのセリフなの。
まぁ、個人的な見解ではありますが、そうじゃないんだよー。
ラスト直前までがとてもとても良かっただけに残念。
目標達成率99.8%で「もうそれ以上は無理」と思ったときのことを思い出しました。
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