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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「傷痕」北方謙三(集英社文庫)



爪を研ぎ、牙を磨く。
武器を手にし、沈黙の中で鋭く周囲を探る。
自らが、生き延びるために。
戦後直後の混乱の中にある東京。
家もなく、親もいない子供たち。
それでも彼らは、生きていかなければならなかった。
子供達の集団の中にあって、子供のままではいられなかった良夫と幸太。
男になりたいと、小さな身体で必死で頑張った和也。
理不尽には抗い、結束し、どんなにうまく立ち回ったかに見えても。
大人の狡さと汚さには抗いきれなかった。
どうしても報いなければならない一矢がある。
そして、決別。
ああ、と。
理不尽さに天を仰ぎたくなるけれども。
幸太の選択はとても正しい。
何故なら、彼らは何よりも強い絆で結びついていたから。

岡本の存在が鮮烈に印象に残っている。
命を捨てたも同然の男が浮かべる狂気を孕んだ微笑。
彼が何を考え、何故そうしたのか。
推し量る術はない。
そして、小さな和也の姿にただただ涙を零し続けました。

内容(「BOOK」データベースより)

孔雀城―無頼の少年たちは、自分たちの寝ぐらをそう呼んだ。戦争直後の東京、焼けくずれた工場の跡地である。隠匿物資を盗み出し、闇市で売りさばくことを覚えた良文とその仲間にとって、最大の敵は浮浪児狩りと暴力団だった。幼い良文は野獣のように生き抜いてゆく。「老いぼれ犬」高樹刑事の壮絶な小年時代。

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