きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「風葬」北方謙三(集英社文庫)
友との再会。
そして目覚めた獣。
決別した時に分かたれた道は、決して重なることはない。
それでも、彼らは覚えている。
老犬トレーのメロディを。
共に生きたあの日々を。
道は違えども、互いにかけがえのない友だった。
心の内をすべてわかりあえる友だった。
「会ってよかったのかどうか、俺にゃわからねぇ」
再会した時は、既に事は動き出していた。
どう足掻いても、運命は変えられなかっただろう。
だからこそ、彼らは出会えてよかったのだ。
「淋しければいつも一緒にふるえ合える相手を求める」
幸太と別れた後の高樹の孤独を象徴するような言葉。
二人で一緒に生きてこれたなら。
淋しければ一緒にあたため合える相手を求められたのかな?
物語のラストとタイトルのはまり具合がたまりません。
涙の出ない高樹のかわりに、私が号泣でした。
そしてものすごーーく久しぶりに口笛を吹こうとしてスカスカッぷりにがっかり。
大人しくピアノの鍵盤叩くことにします。
内容(「BOOK」データベースより)
刑事となった良文は、抜群の検挙率をあげた。ある夜、連続殺人事件の捜査で、少年時代の親友・幸太に会い、彼が事件に関係していることを知った。いつものように走り、獲物を追う。その結果手に入れた真実の味は?昭和35年、高度成長前夜の東京。27歳の『老いぼれ犬』高樹良文は悲しみで一杯の獣だった。
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