きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「凍る月~瑠璃色の夜明け~」夜光花 (ラヴァーズ文庫)
完結巻。
人も、獣人も。
そして、人の中にあっても、獣人の中にあっても。
それぞれの寄る辺があって、それぞれの正義がある。
だから争いが起きるし、こうして歩み寄ることもできる。
そして、対話と駆け引きの果たす役割の重要性。
見事に書ききってくれたと思う。
迷わず手首を切り落とそうとした巴の行為には、
傷つけられることが日常にあった彼の過去が透けて痛々しかった。
ラスト間際の深刻なシーンでの光陽の発言には、
え?そうくる!?と、緊張しっぱなしだった気持ちが笑いでほっとゆるんだ。
光陽らしくていい。
闘い抜いた彼らが手にした瑠璃色の夜明け。
楽しく読了!
私、夜光さんは「花シリーズ」で(エロ過多すぎて)なんじゃこりゃ!?ってなって
しばらく遠ざかっていて。(でもドナってない・笑)
「薔薇シリーズ」をお友達が貸してくれてすごい面白い!ってなって。
結局自分で今回の「凍る月のシリーズ」を買い揃え……という流れに至っています(笑)
「花シリーズ」で終わらなくて本当によかった。
面白かった。
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「凍る月~七色の攻防~」夜光花 (ラヴァーズ文庫)
殺伐とした展開が続く中、
光陽がひたすら心の癒しだった。
あの状況で戦いを回避することを訴え続けることは簡単じゃない。
だけど、それを貫いた光陽は強い。
一方で、銀のやり方は納得できない。
望んで集ってくる人は率先して巻き込めばいい。
だけど、あんな形で他人を戦いに巻きこんじゃいけない。
自分のやらかしたことの結果をどう受け止めているのかな?
光陽の言い分に全く耳を貸さなかった銀とは違って、
須王たちは話を聞いたうえで妥協案を示してくれた。
だけど、動き始めてしまった事態は加速度的に悪い方へ。
スケールの大きさに圧倒されて、最終巻へ。
帰ってきた亨の頼もしさに安堵。←彼も癒しだった。
梁井はちょっとヘタレてるくらいがカッコイイと思います。←褒めてる。
須王には変わらずにいてほしい。←大好き。だから銀に対して厳しくなるのかな?
どっちかの息の根を止めるしかない獣人vs獣人の幕引きよりは、
獣人vs人間の方が上手い着地点が見い出せる気がするんだけど、どうだろう?
続が気になりすぎてドキドキするわ。
「日本に自衛隊がいてよかった 自衛隊の東日本大震災 」(産経新聞出版)
誰も予測なんてできなかった。
だからこその未曽有の災害。
津波に襲われ、或は原発事故が起こった現場で
人々の救助にあたった自衛隊の方々。
彼らだって被災者だった。
けれども、自らのことを後回しにして
懸命に救助にあたってくれた彼らの存在を忘れてはいけない。
「訓練」という日々の彼らの努力の積み重ねがあったからこそ、
ここまでの対応ができたのだということも。
だからこそ、最後に突きつけられた大きな問題が胸に刺さる。
目を背けることも、目をつむることも許されないだろう。
私たちは考え続けなければいけない。
日本という国の国民として。
梁山泊で繰り返し行われていた調練。
そして後方部隊の者たちが懸命に確保しようとした兵站。
戦いに勝つために、すべて必要なこと。
逆に、どちらかが欠ければ、勝機を失う。
この本を読みながらそれらのことが頭を過った。
災害だけではない。
問われる日本の防衛力。
何もできなくても、せめて、問題を見据えることだけは忘れないようにしたい。
色々なことを突きつけられた本でした。
「緋色の研究」コナン・ドイル (新潮文庫)
この項数でのこの読み応え。
シリーズ第一作目にあたる本作品では、
ホームズとワトソンの出逢いが描かれるのと同時に、
一人の男の悲劇的な人生が描かれている。
第一部から第二部への見事な暗転。
イギリスのベーカー街からゴールドラッシュのアメリカへ。
そして再び舞台はイギリスへ。
唸るしかない構成だった。
胸に抱いた想いを遂げるために膨大な時を費やした男の人生が
とてもやるせない。
ホームズの観察眼に基づいた推理力には、
ワトソンと一緒に驚き、感心するばかり。
良いコンビっぷりを発揮しはじめた二人のこの先の物語を追いかけたくなった。
最初に『奇岩城』を読んでしまったばっかりにアンチ・ホームズになってしまい、
アルセーヌ・ルパンはほぼ読破したものの、ホームズはほぼ手つかず。
……だったことに感謝。
今、こんなにわくわくしながら読めるから!
「いいよ、ホームズ」と、いま言えるのも、きっと過去からの積み重ね。
だから読書っておもしろい。
【ガーディアン必読 65/1000】
「ロング・ゲイン ~君へと続く道~」マリー・セクストン (モノクローム・ロマンス文庫)
深みのある良作。
しっとりと読ませる。
もともとゲイとして自覚のあったジャレドと、
ジャレドと出会い、自らの性癖に直面したマット。
ゲイであること、世間の目、偏見、同僚、そして家族。
とても閉鎖的な町の中で、それらから目を背けることなく、
戸惑いながらも自らの想いとまっすぐに向き合ったジャレドとマット。
抱える孤独感。友情から愛情への転換。
家族からの理解や、或は埋まらない隔たり。
漂うリアリティが半端なくて彼らと一緒に一喜一憂。
惑いを吹っ切ったマットが職場の同僚にジャレドを認めさせた一件は
ふたりともカッコよかった。
愛情いっぱいのリバも素敵。
「ギャランドゥ」という言葉を久々に思い出しました。
これだけセクシーなギャランドゥ描写は、日本の小説ではあまりお目にかかったことないかも~。
ふふ。ホント素敵でした。
モノクローム・ロマンス文庫。
ホント外れないですね~。
これはスピンもあるので読むのがとても楽しみ。
【モノクローム・ロマンス文庫 14/22】
「三国志 2 参旗の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
英雄の元には豪傑が集まる。
曹操、劉備、孫策。
彼らの志に賛同した者、人柄にひかれた者、或は打算もあるだろう。
思惑は違えど、彼らの元には着々と人が集まり、
次第に強固な力を築きあげていく。
それぞれが掲げる将来的なビジョンが明確に見えてきて、面白さも際立つ。
そんな中にあって呂布の在り方は異質。
彼の望んだものは妻・遥と赤兎との平穏な暮らし。
いや、戦うことも望みの中に入っているから、平穏ではないか。
遥のように愛されたら、とても幸せだなぁと思う。
だから心無い言葉に振り回された彼女の嘆きと、その後の呂布の悲哀が切ない。
目の前に在るものに満足して生きていくのが一番楽なのかもしれない。
だけど、漢たちはそんな人生は望まない。
どの陣営にも気になる御仁がいて、読んでいてとても楽しい。
そして、赤兎馬を買いに行かないといけない気分になるのは私だけ?
「サバイバルな同棲」洸 (キャラ文庫)
真のスパダリって、ダグラスみたいな人のことを言うんだろうなぁ。
甘やかすのとはちょっとちがうやさしさと、あの行動力と包容力。
まかせて安心なカッコよさなんだけど、
俺俺じゃなくて、相手の自主性をちゃんと重んじてくれる。
なんかもう、褒め言葉しか出てこない(笑)
自分の想いが決して叶うことのない一方通行だと思い続けたレオ。
ダグラスに対して憎まれ口をたたく頑なな態度を貫いていたけれども
お釈迦様の手の中の孫悟空が想起されて、なんだか微笑ましい。
とはいえ、本人的にはたくさん悩んできたことがわかるから、
ダグラスからの言葉は本当に嬉しかった。
祭り囃子のメンバーの作品の中で一番冊数を読んできたのは義月さんだけど、
一番好きなのは洸さん。
ということを思い出しました。
甘々好きさんにはおススメ~☆
「銀月夜 凍る月シリーズ」夜光花 (ラヴァーズ文庫)
佐倉うざっ!超うざっ!
主人公カプなのに、最後の最後まで肩入れできなかった。
ああ、もうっ!
組織に反旗を翻す理由が子どもがダダこねてるみたいだし、
自分じゃなにもできなくて他力本願なのに大口叩いてるし。
一度梁山泊に入山して、ガッチガチに鍛えられて出直してくるといいと思います!
←私の言い分も大概……(笑)
一方、何があっても流されずに佐倉をあしらい続けた銀の態度はもう、お見事。
とは言え、須王も、そして梁井だって戦いを望んでなんかいないのに、
何で巻き込もうとするかな?
銀の戦いの趣旨が微妙に変わったけど、わかってるかな?
それは獣の言い分だよ。
このもやっとしたストレスフリー感!
次巻を読めばスカッと解消されることを期待します!
そして私は光陽にいろんな意味で期待大。
「三国志 1 天狼の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
治世が乱れ、群雄が割拠する時代。
我こそが、天下を。
心に思い描く者が少数なら、
その夢のために邁進できる者はもっと数少ない。
立場、環境、手段は違えど、天下を目指した男が三人。
その男たちの周囲に集った歴戦の猛者たち。
或は、これから頭角を現してくるであろう男たち。
魅力的過ぎてわくわくする。
人物紹介的な巻だったよなぁ、と、のんびり構えて読んでいたら、
最後の最後できゃーー!と涙目になりました。←再読。
ここから北方の中国史が始まったかと思うと感慨深い。
文体がなんだか若いなーと生意気なことを思ってみたり。
さて。
懐かしい面々との再会に心弾ませて次巻へ。
男同士策略を巡らせあうのはいいけど、
女心の弱みに付け込む男はちょっと許せないんですけど!
と、イラッとしましたが。
むむ。
それも戦術の一つだって言われると仕方ないのかなー。
誰もかれもが扈三娘や李師師みたいに戦える女子でないのよ~!
「花の慟哭」夜光花(ラヴァーズ文庫)
圧倒的な読み応え。
胸を抉るやるせなさがたまらない。
救出されるまでの巴の置かれていた状況がとても辛い。というか、痛い。
須王を盲信するあまり、道を誤ってしまったヨハン。
最後の最後まで軌道修正ができなかった。
馬鹿だなぁ……
そこまでの想いがあったら、他にやりようもあったかもしれないのに。
悪夢に苛まれながらも、巴はとても頑張ったと思う。
「許す」ことってとても尊い。
強く在り続けなければいけない須王の立場もしんどいよね。
取り戻した愛。
彼らに訪れた優しい夜がずっとつづきますように。
これでスピン。
本編に対する期待が高まるのです。
なんかもう、先の展開が気になりすぎて
エッチシーンは読み飛ばしてしまった。
今まで読んできてこの巻が一番好きかなぁ。
まだ三冊残っているので、最終的にはどうなるかわからないけど。