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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「傭兵の男が女神と呼ばれる世界2」野原耳子 (アンダルシュノベルズ)



相変わらず世界の状況は厳しくて、彼らに優しくないけれども。
身内の人間関係は良い方向に流れて行っていると思う。
王たる自覚を持ったノアの言動の成長ぶりが素晴らしい。
その一方で雄一郎に対してはワンコ一直線なところが可愛い。
そしてテメレアの献身的ともいえる愛情。
周囲に感化されるように、頑なだった雄一郎の心も少しずつ解れていく。
そんな中、一人心配なゴートの所在。
中だるみすることなくグイグイ読ませて、
全ての謎解きも事態の決着も次巻持ち越し。
わー、気になる。
シリアスな本編と打って変わって
巻末の番外編がとても楽しかった。
酔っ払い最高(笑)


「3巻を出せるかが2巻にかかっております!」と野原さんはおっしゃっておりますが。
え?出るよね?と当たり前のように言いたい。
ここまで出たら間違いなく3巻は出ます。←私が断言(笑)



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「傭兵の男が女神と呼ばれる世界」野原耳子 (アンダルシュノベルズ)



【再読】
フリーの傭兵として戦地を渡り歩いていた雄一郎が
ある日飛ばされた異世界で女神と奉られることに。
とはいえ、傭兵は異世界に行っても傭兵。
金銭を対価に戦うことを承諾した雄一郎の容赦の無い戦いぶりが素晴らしい。
共に戦う一癖も二癖もある男たちも魅力的。
血なまぐさい戦闘が続く一方で、骨肉の争いの渦中にあるノアと
神託に巻き込まれたテメレア、この両者と雄一郎との関係性の変化も読み応えあり。
オトコマエ受、最高です。大好きです。
心に傷を負った彼らが出会ったことで、少しでも癒される部分があるといい。
まずは敵の殲滅!次巻へ。

続刊が発売されたことに大喜びしつつの再読。
続きが読めることの幸せをかみしめる。
この世界観、大好きだわ。


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「機龍警察 狼眼殺手」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



【再読】
前線で身体を張れる上司には、そりゃあ部下はついていくよね、とつくづく思う。
誰が敵か?を探ることも必要だけど、
誰を信じるか?に私は重きを置きたい。
この人なら、と懸けられる人との出会いは、ある意味行幸。
特捜部以外の部署の面々の言動の幼稚さにがっかりしつつも、
少しは歩み寄れてるかな?と思う面も。
そして様々な事件と対峙してきた特捜部の面々の
内面の変化と成長がビシバシと伝わってきて感慨深い。
こういうのはシリーズ物の醍醐味。
さて。そろそろ明かして欲しい「敵」の正体。
しょぼかったら暴れるけどそれは杞憂かな?


ライザと緑の関係。
沖津の置かれた状況。
「敵」の輪郭。
「キモノ」不在。
好き作品の再読だけあって色々覚えていたけど、
「狼眼殺手」の意味するところをきれいさっぱり忘れていた自分にびっくり。
興味のありどころ……と片付けるには、重要ポイントすぎ。
タイトルですけどー。
まぁ、何度も読んで楽しめばいいよね。

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「雪降る王子と春のめざめ」尾上与一 (キャラ文庫)




眼前に立ちはだかる困難に命がけで立ち向かう。
すべては愛しい人のために。
彼の人の統治する国のために。
読み応え抜群の壮大なファンタジー。
BLカテゴリーに留めて読者層が限定されちゃうのが惜しい気がする。
まぁ、濡れ場ありなので気軽くお勧めはしづらいけどね。
息子の危機に身を細らせて寝込む魔法国の王に比べて、
武強国の王たちの頼もしく逞しいこと。
惚れ惚れするわ。
その王に嫁いだ魔法国の王妃(王子)たちも自力で戦う術を心得ている。
王と王妃(王子)たちの愛と絆の深さがホント素晴らしい。
幸せな結婚で良かったと心底思う。


長兄のスピンを希望する私的には特典の小冊子はご褒美だった。
イスハン絶対に私好み。
イドとカルカの距離が縮まっていて、やっぱりねー、とニヤリ。
この二人のスピンもないかな?

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「花降る王子の婚礼」尾上与一 (キャラ文庫)



それぞれが国の存亡を、そして自らの命をかけるほどの大きな秘密を抱えて迎えた
婚礼の儀。
偽りだらけの婚姻の中に滲む精一杯の誠意。
リディルの抱えた覚悟と悲壮感。
グシオンの抱えた孤独と絶望。
歩み寄りとすれ違いの果てにたどり着いた真実の愛。
綺麗で濁りのない彼らの想いが胸に染みて、涙が零れる。
己の主に懸命に使える側近たちの姿も人間味溢れて微笑ましい。
そしてフクロウがとても可愛い。
幸せな想いに呼応するように指先から零れ落ちる色とりどりの花。
素敵だね。
どこまでもきれいでやさしい物語。
とても良かった。


隣の席の部長がフクロウを飼おうとして、数日間のトライアルにチャレンジ。
先住の飼い猫と折り合いがつかず、夜中の大運動会に発展し、
奥様が一日で根をあげた話を思い出しました。
「今すぐ返してきてって菓子折り渡されてさー。わかりましたっていう以外なかった」
部長は未練たらたら(笑)
個人的にイド×カルカありだと思うんだけどなー。
お互いにツンツンしながら距離を近づけていってもらいたい。
わー、とても楽しそう。





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「機龍警察 火宅」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



【再読】短編八作。
作品タイトルと内容のリンク具合が秀逸で、
作品→タイトルなのか、タイトルありきだったのか気になるところ。
既刊を踏まえたうえで読むからこそ、
登場人物たちのイメージがより深まり、人間味が増す。
これまで扱われてきた事件の補完になる部分があったり、
後日談が描かれているのも楽しいし、
彼らが今まで覗かせることのなかった表情が知れて、親近感が増したりもする。
どうしても抜きにして語ることのできない「敵」の存在が
ここでも生々しく突き付けられ、次巻へと逸る気持ちを掻き立てられる構成はうまいしずるいと思う。





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「Calling」かわい有美子 (花丸文庫BLACK)



BLACK(レーベル)でかわいさん?
え?どんな作品?
と、新世界を期待して読み始めたけど意外性はまったくなく、
安定のいつものかわいさんでした。
とはいえ、BLACK選択の理由に納得。
後書きでこういう出版事情が知れるのは面白い。
そして、SF要素をふんだんに盛り込みつつ、
17年越しの再会を果たした彼らの過去や内面に踏み込みつつ
……という内容を一冊で破綻なくまとめたところが凄い。
でも個人的にはもっとガッツリ掘り下げて読みたかった。
かわいさんにはそれだけの力量があるってわかってるから。
彼らの物語がとても楽しかったからこその物足りなさを感じつつの読了。


贅沢なキャララフを見せられると色々想像しちゃうよねー。

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「高い城の男」ディック(ハヤカワ文庫)



もしもWWⅡで枢軸国側の勝利に終わったら?
ドイツと日本が支配する世界の中で、
「易経」が人種を問わずにはびこっていることに驚く。
勝者の入れ替わりはテーマ的に面白いけど、
個人的には「易経」を抜きにしたその世界を読みたかった。
私に易経の知識がほぼないことも理由の一つだけど、
自身の選択や結果を易経に求める感覚に相容れない。
自己責任!
というか、私と言う「個」の選択に胸を張りたい。
自分が決めて掴み取った未来なんだと。
それでも、様々な階級や立場の人たちが
右往左往しつつ懸命に生きる姿は追っていて楽しかった。


先が気になって一気に読ませるだけの吸引力がありながらも、
読後にどこかで置いてけぼり感を感じてしまった感覚は
カフカの『城』に近い。
まぁ、「高い城の男」にはちゃんと出会えたけど(笑)
【ガーディアン必読110/1000冊】

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「死神と弟子とかなり残念な小説家。」榎田ユウリ (新潮文庫 )



オムニバス式の短編3編収録。
新米の死神・ナナの死神としての成長ぶりを楽しく追いながらの展開。
一話目と二話目はとても面白かった。
三話目も途中まではとても楽しかったんだけど。
結果的にはタイトルにもシンクロしたかなり残念な読後感。
あ、そんな感じに着地しましたか。
「生きる」こと「死ぬ」こと。
読みながら今までビシバシ刺さってきた重さが霧散したというか……
個人の意思で時間軸の流れを変えてしまえるっていうのが釈然としない。
極論だけど、だったら強い想いを持った人が好きに世界変えられちゃうじゃーん。
2話目がとても好きだっただけに、やっぱり残念。


「男の勲章」
さすがにそらで通しでってのは途中が怪しいけど、
歌詞見ながらだったらガッツリ歌えます。

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「機龍警察 未亡旅団」月村了衛 (ハヤカワ・ミステリワールド)



【再読】
武器を手に取ること以外、彼女たちが生き延びる術はあっただろうか?
多分、否。
だけど、結果的にはその武器が彼女たちを殺した。
シーラを頼らなければ生き抜くことができなかった女たちは数多いただろう。
だけど、そのシーラが彼女たちを殺した。
私怨に走った時点で完全アウトだけど、
導火線に火を点けたのは無知なる優しさってのがうすら寒い。
自己満足に近い余計なことはしない方がいい。
テロ組織との戦いを描きつつ、
特捜側の捜査員、城木と由紀谷の過去が詳らかになる。
今後の懸念材料に不安を抱きつつ、最後の言葉には安堵。


今回のバトルはキモノ同士の戦いではなく生身の白兵戦での決着で、
読み応えがありすぎた。
そして日本警察も身体張って命削って頑張ってるんだよ!
と、主張したくなるくらい、殉職者の数が多すぎた。

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