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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「生かされて。」イマキュレー(PHP研究所)



やさしくてやわらかな言葉で綴られる、
残虐で残酷な殺戮行為。
隣人が斧や銃を手にし、親しく係わりあってきた人々をためらいもなく殺す。
そんなふうに人々を扇動したプロパガンダ。
大本を正せば、植民地支配が招いた悲劇。
右へ倣えの群集心理はこうも人々を悪魔に変える。
積み重ねられる死体を前にして、
声をあげられる状況ではなかったのだろう。
これは、ルワンダの大虐殺を生き延びた、一人の女性の手記。
いや、『生かされて。』という言葉こそが相応しい。
善意の人々によって。
そして、信仰によって。
彼女の胸に宿った許し。
その想いが、彼女の精神をも救ったのだと思う。


1994年の虐殺で人口の10~20%の人々が殺されたルワンダ。
そして、それを上回る数の難民が流出した。
現在のルワンダは?と思って調べてみると、
アフリカの中でも比較的治安の良い国として紹介されている。
写真の街並がとても美しい。
ちなみに私が一番最初に浮かべたルワンダのイメージはマウンテンゴリラだった。
この本を買った理由は思い出せないけど(積んでる間によく忘れる)
読めて良かった。


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「宝石商リチャード氏の謎鑑定」辻村七子 (集英社オレンジ文庫)



短編4編+α。
一話目の正義と祖母のエピソード……というよりも、
祖母が抱え続けた思いが刺さる。
そして正義の母の思いも。
どんな事情故の行為だったとしても
取り返しのつかない事ってどうしてもある。
それをそうと言い切った正義の母は強いと思った。
無神経と紙一重な正義のまっすぐさは正直癇に障るけど、
踏み込まれることによって救われる人もいることも確か。
ど直球で褒め言葉を口にできるってすごいと思うんだ。
そんな彼に振り回されるリチャードの「悟りを開いたような表情」を想像し、
心情を汲むと笑える。
導入的な一巻目。まずは次巻へ。

ミネラルショー……そういえば、お友だちが行ってたなぁ。
と、読んだ内容と以前見聞したことと繋がるとちょっと嬉しくなる。
敢えて類似を探すつもりはないんだけど、
初野さんの『ハルチカシリーズ』や似鳥さんの『動物園シリーズ』に
ストーリーの展開の仕方は似てるかな?という印象。
そういえば、上記シリーズはどちらも最新刊を積んだまま、まだ読んでないなぁ。
特にハルチカは最初から読み返すか悩んでいるうちに時が過ぎてしまった(笑)


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「undercover アンダーカバー」水壬楓子(SHY NOVELS)



秘密裏に暗躍するのはICPOの軍事版にあたる組織、メリッサ。
麻薬組織を撲滅するための潜入捜査。
ガッツリと描かれるミッションとアクション。
本気出せば出来るおっさんながらも、ヘタレな攻・榊。
メンタルではガッツリマウント取ってるひんやりとした美貌の女王様受・南雲。
どれもこれも好みど真ん中で楽しさ増し増し。
南雲が素性を明かしてからの榊との会話は、
榊のヘタレさ全開で爆笑もの。
こういうノリ、好きだわ~。
今回のエピソードは綺麗に完結しつつも、
次のステップへ進むための素地を十分に残したエンド。
シリーズ化してくれたらとても嬉しい。

手元にある水壬さんの作品はほとんどがシリーズ物で
(しかも読了数より積んである本の冊数の方が多いような??
知りたくないから数えないけど・笑)
単発のこの作品が積んであったことがイレギュラー。
だけど、大正解でした☆

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「モーセの災い(下)」 (シグマフォースシリーズ11)ロリンズ(竹書房)



シグマの災い……と言ってもいいくらい。
彼らの行くところに災厄あり。
巻き添えくらって破壊された建造物や自然、
そして命を落とした人はこれまでも数知れない。
が、さらに本をただせばよからぬ悪だくみをする輩がいることが
そもそもな問題なわけで、シグマの面々が身体を張ってそれを阻止しなければ
地球規模での災厄が起きかねない。
凄い仕事だなー。
このシリーズの中での動物の描写にはぐっとくるものが多いんだけど、
今回はゾウ。そしてライオン。
特にゾウたちの顛末にものすごくハラハラした。
古代から現代に伝承された記憶に端を発した物語。
楽しく読了。

展開はワンパターンなんだけど、
投入されるアイテムが毎回違う上に、
歴史上のリアルが首尾よく盛り込まれるので楽しく読めるシリーズ。
そしてどこの国が舞台になるのかもお楽しみの一つ。

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「進撃の巨人 31」諫山創 (週刊少年マガジンコミックス)



バラバラになった仲間たち。
絶望に支配されかけたこの世界で、どう行動すべきか。
眼前に対峙する人々と、どうあるべきか。
それぞれの置かれた状況で、それぞれの立場で。
誰に頼るわけでもなく、自分自身の意志で考える。
自ずと導き出された結論が、今共に在る者と肩を並べて戦うこと。
即ち、マーレ人とエルディア人との共闘。
慟哭のようなエレンの叫びが引き金となっての、彼らの決断。
どこまでがエレンの意図したものだったのだろう?
ラストシーン。彼らの出したシンプルな答えに奮い立つ。
皆、たまらなく良い表情してるよ。→

やっぱ立体起動装置かっこいいなぁ。
そしてピクシス司令の雄姿に痺れる。
天光寺輝彦・伊集院隼人(海坊主)・双六一。
私のスキンヘッドトップスリーは今の所揺るがないけど、
司令も次点に加えることにします(笑)

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「モーセの災い(上)」 (シグマフォースシリーズ11)ロリンズ(竹書房)



紀元前1324年。
生きながらミイラになった彼女は、現代に何を伝えるのか?
響きだけはロマンチックなニュアンスがあるけれども。
現代で蔓延りつつある脅威はパンデミック。
時代の波(?)に乗った選書になってしまった。
そして、名誉欲と虚栄心に満ち満ちた男のはた迷惑な野望。
モーセの十戒。
余りにも耳慣れたワードをキーポイントに、
砂漠から北極諸島へと展開していく物語。
司令官が最前線の現場に自ら赴くって、立場的にどうなの?と思いつつ。
個人的にはこれから彼の活躍が見られるかと思うとわくわくする。
謎だらけのまま、次巻へ。


冒頭の短編ではセイチャンとコワルスキの異色のコンビの活躍を描く。
ゾンビめいた人々の姿にゾクリとするけれども。
よく考えると墜落する飛行機をギリギリで海に不時着させ、
結構な衝撃を喰らっても全員無事な彼らもすごい。




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「嘘の欠片」栗城偲 (カクテルキス文庫)



その言葉は誰に向けられたものなのか?
意味を取り違え、誤解を抱えたまま、10年に及んだ擦れ違い。
後悔を抱えたままの別れだったからこそ、燻り続けた想い。
再会を果たし、想いは募る一方なのに、
過去の傷が癒えていないからこそ、不用意に相手に踏み込めない。
この関係を壊すのが怖い。
そんな呉村と峯井の間で愉快犯みたいに立ち回った鳥屋野がマイベスト。
楽しそうだなー。
いや、楽しかったんだろうな。
彼がいたからややこしくなり、彼のおかげで進展した二人。
ペーパーのオチに爆笑。
この三人にはずっとそのスタンスでいてほしい。


抗がん剤後の右腕は採血しづらいことこの上ないのは経験済み。
私も1度の採血で10回以上刺されたことあるわー、と振り返り。
でも、看護師の皆様に不快な思いをさせられたことは一度もなかったな。
点滴のルートが取れなくて、結局足から点滴しながら手術したこともあったわー。
お世話になりました。
入院時は快適だった思い出しかなくて、
それもこれもお世話になった医師や看護師の皆様のおかげだと思っています。
まぁ、そもそも寝て食べて本読んでスマホで遊んで……というルーティンで許される環境が不快な訳がないのです(笑)

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「父と子」ツルゲーネフ(新潮文庫)



父と子。兄と弟。姉と妹。友人。恋人。主従。
関係性はどうであれ、今ここに在る以上、彼らは時を共有している。
だが、思想までを共有することは難しい。
古い貴族的文化と新しい民主的文化のが入り混じる時代に生きた人々の物語。
暑苦しい程の親世代の愛情や期待と誇り。
それをありがたいものとして受け止めるには子世代はまだ青臭く、
新しい風を取り入れた自論が正義という井の中の蛙感が抜けきっていない。
だが、親たちと生活を共にしていく上で、見えてくるもの、感じるものがある。
出逢いと別れを経て、二人の若者が選択したそれぞれの道。
明暗が分かれてしまった親たちの想いがやるせない。


「香水をふりかけた口髭」
普通にたしなみとしてそういう習慣があったってこと……だよね?
どの程度香る香水だったんだろう?
食事の邪魔にはならない??と、ちょっと気になってみました。
【ガーディアン必読 96/1000】





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「ラストノート―きみといた季節」飯田雪子 (ハルキ文庫)



正直、文香の考え方には最後まで相容れなかったけど、
それは私が彼女じゃないから。
洋祐と文香が別れた後も3年間想いを引きずったのは、泉が指摘したように、
二人が幸せな恋をしたから。
一方、泉のかつての恋がどんなものだったか。
分かった瞬間、泉のその言葉が重みを増す。
そして亮。
彼の内面に私は一番寄り添える。
楽に息をつける場所って必要だよね。
この先の彼らがどんな人生を歩んでいくのかはわからないけれども。
今繋いだその手をずっと離さずにいてほしい。
「思い出は幸せな方がいい」
彼らが幾つもの幸せを積み重ねていけますように。

そもそもは、着物を持ってるけど着る機会がない!
と友だちが言ったので。
じゃ、正装してホテルランチしようよ!
とノリと勢いでドレスコードありのランチ会を言いだし、
場所の指定は丸投げしたら、友だちチョイスは椿山荘。
関東圏内の友だちは正しく読めていたけれども、
北の私や西の友だちは「「つばきやまそう」」と
信じて疑っていなかった大笑いな出来事。
楽しかったなー。
またやりたい(笑)





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「夏空に、きみと見た夢」飯田雪子 (ヴィレッジブックス)



決して始まることのない恋。
いままでも。
これからも。
だから、接点を持てたことが奇跡。
屈託のない天也の想いに包まれて、
いつしか悠里は気付いていく。
自分を大事に思ってくれている人のたちの想いに。
意固地になって自分を囲っていたフィルターを取っ払ってしまったら、
周囲の人たちの想いはこんなにもあたたかい。
そのことに気付かせてくれた天也を抱きしめることができないのがとてもやるせない。
だけど、彼はおだたかに笑っている。
決して結ばれることのない永遠の愛を口にして。
切ないんだけどやさしい。
哀しいんだけどあたたかい。
飯田さんらしい作品。

出来過ぎたファンタジー。
だけど、久々に再読して泣きすぎて目が痛い。
初読の時ってこんなに泣かなかった気がする。
飯田さんの作品ももう少し大人になった姪っ子ちゃん用の本棚に。




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