きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「B.B. con game」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
庇護される者ではなく、共に戦い並び立つ者へ。
出たよ、私の大好きな「双璧」が。
先にその結論に達していた真砂。
直情型なだけに回り道しないところがイイね。
一方、その関係の心地の良さに気付くまで回り道した千郷。
気付かせるに至るまでの事件の縺れっぷりと男たちの立ち回りは
とても面白かった。
ここからが、二人で紡ぎだす物語の始まり。
ある意味、先代の腕の中からの巣立ち。
お互いに言いたいことを言いあって、全力でぶつかればいい。
新しく築きあげられた二人の関係をもうちょっと見ていたかったなーと、
名残惜しい思いで読了。
艶やかでゴージャスで妖艶。
朝倉の全力の女装、イラストで見たかった。
とても見たかった!
迫力ある美女、大好きです☆
PR
「B.B. baddie buddy」水壬楓子 (ガッシュ文庫)
見た目は眼光鋭い大型獰猛犬。ガチ武闘派の本格ヤクザ。
腕っ節も十分で、暴力沙汰もお手のもの。
なのに。
なーのーに!
一つのカップを二人で分けあう夜明けのコーヒーに胸キュンですって!?
何なの、この可愛いイキモノ……というわけで、私が真砂に対してキュンとしました。(笑)
亡くなった先代の存在抜きに語ることのできない千郷の現在。
「這い上がれよ」
「自慢の男になれよ」
その言葉通り、ここまでの地位を築いたのは自らの才覚。
改めて極道として生きていく盃を交わした千郷と、極道以外の道などないであろう真砂。
最良のbuddyとして上り詰めてほしい。
漫画のカバー下すら確認することを怠ることがよくある私が。
小説のカバー下なんて確認したことがなく。
何気に捲ったら現れたとても楽しいSS……あら。
今からウチの膨大な小説のカバーを一冊一冊捲っていく根性はないよ~~(涙目)
「死の泉」皆川博子 (ハヤカワ文庫JA)
「生きる」ということが、とてもとても息苦しい世界を生きた彼ら。
それでも、精一杯運命に抗い、持てる力と知恵を振り絞って生きてきた子どもたち。
あらゆる事象を諦念と共に受け入れ、ひっそりと息をするしかなかった彼。
自らを「死人」と称する子ども。
護ろうと必死で伸ばした腕の無力さに打ちのめされる大人。
自らの思い描く歪んだ世界のなかで力を振り翳す男。
点と点が不可思議な文様を描く線で繋がれ、絡まりあっていく。
もはや、幸せを願う余地がどこにもないほど、捻じれてしまった彼らの人生。
だけど、生きようと躍動する命が眩しくて哀しい。
20歳そこそこの私の人生観に大きな一石を投じた「白バラ」。
ゾフィー・ショル。貴女にまたここで出逢うなんて、と。
本筋と関係ないところで泣いてしまった。
若くして散ったあなたたちは、永遠に私の痛みであり、宝でもある。
思いがけない邂逅に、皆川女史に感謝。
ありがとう。
「ラグナロク:Re 1.月下に吼える獣」安井健太郎 (オーバーラップ文庫)
久々に読んだガチンコのバトルアクションファンタジー。
物語的にはまだ謎だらけだけど、キャラが半端なく魅力的で、楽しく読了。
因縁をつけられたら相手が死ぬまで徹底的に叩きのめす。
男女の区別なく容赦ないけど、子どもには無条件で優しいリロイ。
彼の戦う理由は単純明快で良い。
そんな彼の剣であるラグナロクの視点で語られる物語。
相棒であるリロイに対するラグナロクの言葉が辛辣で容赦ないんだけど、
リロイのことが大好きなのね、
ということが伝わってくるツン具合にニヤニヤ。
久々に発売日を楽しみに待つ本になるかな?
まずは次巻へ。→
魅力的な男子キャラがもう少し増えてくれると、個人的には嬉しいかな。
マグナルおじ様がとても素敵。
戦闘シーンの描写がとても緻密で、適当に流された感じがないのが良い。
もう少し若かったら前のめりではまったんだろうなぁ……と思うとちょっと惜しい。
でも、速攻で次巻をポチッとしました。
とても楽しみ♪
「黙示録3174年」ウォルター・M・ミラー・ジュニア (創元SF文庫)
とてつもないスケールの時空の旅からの帰還。
読了後、ため息と共に我に返るまで暫しの時間を要した。
繰り返される歴史。再び訪れる終末世界。
リーボウィッツ修道院を起点に語られる世界の変遷。
そこには繰り返される中世があり、現代があり、未来がある。
その未来に人類が同じ愚を犯すのは著者の警告なのか、或いは絶望なのか。
飛び去った星船に希望を託したい所だけど
「行ったら戻っては来ない」の言葉がやるせない。
地球上の鮫が、そして人間がお腹いっぱいになれた未来は訪れたのかな?
各章ごとの主要人物の死に様は胸に迫るものがあった。→
充実した読書時間。
頁数の多さより文字の細かさの方に戦きつつ、
読み始めたら途中で放り出せない読みごたえとおもしろさでした。
SFというジャンルに囚われず、普遍的に読み次いでいってもらいたい作品。
【ガーディアン必読 73/1000】
「神様のビオトープ」凪良ゆう(講談社タイガ)
5組……否、6組の愛の物語。
寒気がしたり、微笑ましかったり、切なかったり。
愛の形は様々で、想いは人それぞれ。でも、みんな真剣で嘘がない。
そして幸せの形にも定義なんてなくて、やっぱり人それぞれ。
誰にも迷惑をかけなければ、自分が幸せだと思う道を貫けばいい。
そういう意味では千花の選択には賛同できないかな?
秋くんと春くんには泣きそうになった。
高校生は素直に応援したい。
プロローグから私が想像した結末を、良い意味で見事に覆してくれた。
それこそが彼女の幸せ。彼女の信じる彼女の愛。
心に染み入るお借り本。とてもよかった。→
「試練に打ち勝てる人にのみ神は試練を与える」
的な記述が直前に読んだ本にもあって。
放射能の苦痛に呻く人に何言ってんの?と、思っていたわけですが。
私の求める答えがこの本にありました。
「そんな神さまこそ消えればいい」極論でも納得。
「ずっとここできみと」月村奎 (ディアプラス文庫)
幼馴染同士の一途な恋物語。
二人の恋が叶うまでと、二人の恋を周囲にカミングアウトするまでの二編。
後者が圧倒的に面白かった。
というか。
柾矢の家族の反応が想定外に突き抜けていて、
微笑ましいというか、あったかいというか。
その翌日、友人にもサラリと二人の関係を口にすることができた理玖。
良かったね。
他人の気持ちを勝手に慮ってはいけない。
見当違いな、悩まなくても良いことで悩む羽目になる。
でも、考えちゃうよね。
相手を傷つけたくないから。自分が傷つきたくないから。
関係が壊れてしまうのが怖いから。
だからきちんと想いを告げる言葉って大事。
「ずっとずっと、ずっと」
この言葉がとてもお似合いだと思える二人。
とてもかわいらしいお借り本。
幼馴染でBL……というかJUNEと言えば真っ先に浮かぶのは吉原さんの『幼馴染み』。
今の時代はそうでもないんだろうけど、当時は色々と衝撃的だったなぁ。
そもそも私が若かった(笑)
「三国志 9~軍市の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)
どこまでも潔く真っ直ぐであったが故に、調略に掬われた星。
「帰還できず」
この言葉に号泣。
逢わせてあげたかった、と思うのは、私の感傷。
ああ、だけど。
一人で逝かせてほしくなかった。
張魯の呪縛からようやく解き放たれた張衛。
いっそ張魯を切ってしまえと何度も思ったけど、遅きに失したということはない。
張衛に対する張魯の言葉に私も切ってしまえという思いは失せた。
上立つ者はそれぞれの立場での苦悩がある。
漸く解放された力。
張衛と馬超は良いコンビだと思う。
雪原に散った血の花。
蜀にいる者たちの胸の内を思うと、心底やるせない。
馬超がスカールとイメージが被るんだよね。
必然的に馬綝とリー・ファ。
好きにならずにいられない。(笑)
基本的のは読了直後に感想打ち込む派だけど、
これ、直後に打ったら恐ろしく感情的な感想になりそうだったので、
ちょっとクールダウンしてみました。
響く本って、再読でも心乱されるんだよね。
わかってても涙出る。
で、わかっててもこんちくしょう!ってなる。
曹操が苛烈さを失ってしまったことがちょっと残念。
とはいえ、私は劉備にも曹操にも孫権にも。
魅力を感じているわけではないのよね。
孫権に至ってはこんちくしょう!って思ってるから。←冷静さ、どこ?
「色悪作家と校正者の貞節」菅野彰 (ディアプラス文庫)
黙って手を引いて、道を指し示すことの方が楽な場合もある。
だけど、大吾はそれをしない。
正祐とまっすぐに向き合い、彼を一人の人間と尊重し、
その意思を持って選んでほしいと。
そう言える大人の男の余裕と懐のひろさがカッコいいわ。
生まれて初めての恋情に翻弄される正祐は、
理不尽を理不尽と知りつつ、ままならない感情に振り回される。
文学に関しては対等に語り合える二人でも、
恋愛に関してはまるで大人と子供。
そんな二人の距離感の詰め方と交わされる会話がとても心地よい。
私も時々言語機能が狂うので、ちょっと反省しました。
うん。気をつけよう。
言葉の通じない宇宙人かと思った宙人は、素直でまっすぐな子だった。
この子の一生懸命さって絆されるなぁ。
正祐のまわりをずっとぐるぐる空回っていてほしい。←(笑)
芥川の『奉教人の死』がとても気になったので、そのうちチャレンジしたい。
「雪の花」吉村昭 (新潮文庫)
それはワクチンであり、冷凍という保存方法があり、
空輸や電車という移送手段がある。
だけど、それらが見出され、整備されるまでは、
祈りや眉唾の療法しかなく、保存の効かないそれを、
一か八かで運ぶか、人から人へと植え付けていかなければならなかった。
現在の私たちの生活は、
先人たちの努力や献身によってなりたっているのだと、
改めて噛みしめると共に、切り開くまでの道のりの余りの理不尽さに憤りで震えた。
天然痘予防のために生涯を捧げ、
石をぶつけられても、福井の為に、という思いを最後まで捨てなかった良策。
彼の想いの強さと純真さに敬意を。
保守的で利己的な者たちの妨害や嫌がらせはどの時代でもあるんだな、と、
妙に納得してしまえると同時にイラッとする。
深い積雪の峠越えは鬼気迫るものがあった。
援助なしであそこまでやりきった良作に対して、
藩はすぐにでも支援するべきだったんだよ。
読友さんたちと行った秋田で、
解体新書の挿絵を描いた「小野田直武」を知ったことを思い出し、
なんとなくニヤニヤ。
色々調べていたらさるぼぼが赤い色をしている由来に行き当たり、
おお!となりました。