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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ウバールの悪魔 上巻」ジェームズ・ロリンズ(竹書房文庫)



アメリカ、イギリス、そしてアフリカ・オマーンへ。
砂漠のアトランティス。
その言葉だけでも気持ちが躍り出しそうなくらい魅力的なのに、
「ウバール」と検索して、出てきた画像の美しさに息を呑む。
砂漠に眠る都市に隠された謎を巡り、
繰り広げられる命がけの戦い。
彼らを戦いへと突き動かすものは、国家に与えられた使命か、愛しい人への想いなのか。
歴史・科学・謎・アクションそして、恋愛。
美味しい要素がテンコ盛りで、頁をめくる手が止まらなくなる。
に見える敵と、見えざる敵と。
白馬が彼らに幸運をもたらしてくれることを私も願いつつ、
謎がすべて持ち越された次巻へ。

1作目の『マギの聖骨』を手に取って以来、今でも新刊が出るたびに買い続けるも、
何故かこの『ウバールの悪魔』で読むのを中断してしまっていたシグマフォースシリーズ。
「反物質」はなんぞや?と途中でひっかかり、
調べみたところで理解することを放棄したものの、
そんなことはニュアンス理解で軽くスルー(笑)
読み始めたら一気読みの面白さでした。
やっぱり好きだわ~、このシリーズ。

内容(「BOOK」データベースより)

激しい雷雨に見舞われた深夜の大英博物館で起きた爆破事件により、一人の警備員が犠牲になった。博物館の学芸員のサフィア・アル=マーズ、サフィアの幼馴染みで大富豪のキャラ・ケンジントン、サフィアの元恋人の考古学者オマハ・ダンは、爆破事件がキャラの父の死の謎と関連があると知り、調査のためにオマーンの砂漠の失われた都市「ウバール」へと向かう。一方、米国の秘密特殊部隊シグマフォースのペインター・クロウ隊長も、爆発の陰に無尽蔵のエネルギーを持つ反物質が存在していることをつかみ、身分を隠してサフィアたちに同行する。だが、テロ組織ギルドも反物質を入手しようと狙っていた。ギルドがペインターたちに差し向けた刺客は、ペインターのことを公私ともに知り尽くした人物だった。

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「横顔と虹彩~イエスかノーか半分か番外篇~」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



仕事に対する各々のシビアな姿勢にこちらの背筋も伸びる。
彼らの真摯な姿は、多分、どんな仕事にだって当てはまる。
仕事を介して出逢った竜起と深。
正反対な性格の二人の仕事上での、そしてプライベートな面での
距離の縮め方がとても好き。
気付けば相手のことを考え、
いつしかなくてはならない存在になっていく。
その絶妙さをきっちり書いてくれる一穂さんの作品が、私、大好きです。
竜起の最初の仕事と、深の最後の仕事。
この二つは、二人の成長が垣間見れて、意味合いが深かった。
他愛もない会話からのベッドでの行為がとても優しい。
笑ったり涙ぐんだりしながら幸せに読了。



「愚民」「泣いてひれ伏せ」に、ああ、計だ。と安心するあたり、私もどうかと。(笑)
設楽×栄あり?ねぇ、あり?と、ぐるぐるした私もどうかと。(爆)
ねぇ、あり??←しつこい(笑)



内容(「BOOK」データベースより)

人気バラエティ番組「ゴーゴーダッシュ」でADを務める深。同局の夜ニュースの現場にも入ることになり、スポーツ担当のアナウンサー・皆川竜起と知り合う。竜起はやけに声が大きく強い目をした男だった。苦手なタイプのはずなのに、生き生きと喋る竜起から深は目が離せなくなる。心酔するP・栄のもとで大好きな「ゴーゴー」に関わっていられれば幸せだった深だが、竜起はぐいぐい距離を縮めてきて…?

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「草祭」恒川光太郎(新潮文庫)



現の中に混在する夢幻。
いや、確かにそれは、そこに在る。
人知れず、けれども、当たり前のようにそこに在る。
誰もが辿りつけるわけではない。
だけど、誰かが誘われる空間がある。
迷い込むのか、導かれるのか、偶然の悪戯なのか。
自らの意思のあずかり知らぬところで、
ある時、ある瞬間に、この世ならざる不思議に出会う場所。
それが、美奥。
その町で起こった不思議を綴った5つの短編連作。
綴られる美しい情景に想いを馳せているうちに、
いつしか彷徨いこんだその町で、そっと息を潜める自分がいる。
パタン、と本を閉じた瞬間に零れるのは安堵の吐息。
私は、ここにいる。

「けものはら」あちら側とこちら側に分かたれた二人の少年の会話がとても印象深い。
「天下の宿」鬼の見送りに、やさしい気持ちになった。
流れる時の中で、5つの世界は、つながっている。
5つの物語で、1つの美しい世界が構築された作品だった。


内容(「BOOK」データベースより)

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。理由も分らずたどりつく、この世界のひとつ奥にある美しい町“美奥”。母親から無理心中を強いられた少年、いじめの標的にされた少女、壮絶な結婚生活の終焉をむかえた女…。ふとした瞬間迷い込み、その土地に染みこんだ深い因果に触れた者だけが知る、生きる不思議、死ぬ不思議。神妙な命の流転を描く、圧倒的傑作。

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「放水開始!~許可証をください!6」烏城あきら(シャレード文庫)



ISO取得のために奮闘する巻であり、自分の交際相手について親に打ち明ける巻でもある。
お仕事小説としても、恋愛小説としても、読み応えがありました。
慣れない書類やPCと格闘するオジサマたちがとてもツボ。
阿久津、愛されてるね。
同じ出来事が起こっても、心に余裕がある時とない時じゃ、
受け止められるか潰れるかって違ってくる。
わかるわ~、と、身につまされました。
煮詰まった阿久津に対する前原の対応は、とってもオトコマエ。
惚れ直しました。私が(笑)
息子たちにカムアウトされたあとのそれぞれの親御さんの言葉も胸にジンときました。
青空を思い描きながら、清々しく読了!

大東亜との取引がどうなるのかが、社会人としては一番気になるところ。
BL読みとしてはもちろん「大団円」という著者の言葉にわくわくしながら次巻=最終巻
を待ってていいんだよね?
出るんだよね??
とにかく続きが読みたいので、出ると信じて待っていますよ~~!





内容(「BOOK」データベースより)

取引先である大東亜有機の要請でISOの取得に乗り出した喜美津化学。実質的な先導役を務める弘はその膨大な作業に追われているが、悩みの種は遅々として進まない製造部の文書作成。ところが当の本人たちは弘の目を盗み、時を同じくして行われる消火競技会の練習に熱中。しかもプライベートでは前原が母・佐知子に弘との関係を明かしたことで、弘と佐知子は口もきけない気まずい状況が続いていて…。次々持ち上がる難題に煮詰まった弘に前原が施した解決方法とは。

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「頭の打ち所が悪かった熊の話」安東みきえ(新潮文庫)



熊が頭の打ち所が悪くなるような憂き目にあった原因にビックリの表題。
トラと旅人の対話はラスト一文にぞぞぞぞ、となるも、少し先の話で顚末が知れてほっとした。
表裏オッケー、ってところで、ヘビ、すごいな、と感心し、
カラスは幸せになれない鳥なんだとちょっと淋しくなる。
幸せは、すぐ目の前にあるのにね。
オタマジャクシとヤゴの友情物語。
お互いのために集めた小花と葉っぱ。
そっと捨てたのは成長の証。
シカ……悩みすぎるとハゲるよ。
そして最後はツキノワグマ。
グサグサくる話もある中、とっても可愛らしい物語で終幕。

文中で何気なく放られる言葉の遊び心とセンスの良さに唸る。
これは手に取って開いたときの心理状況で、
どの物語が一番心に響くか変わってきそう。
自分では多分、手に取ることがなかったであろう本。
ゆずって下さった読友様に感謝。ありがとうございます。
出逢えて良かった一冊です。



内容(「BOOK」データベースより)

頭を打ってすべてを忘れてしまった熊が探しはじめたのは、愛するパートナー、レディベアだった。彼女は乱暴だったけど、熊はそんな彼女に会いたかったのだ―動物世間のよもやま話に奇妙で不思議な現実がみえ隠れ、これって、私たちのこと?生き物世界の不条理がキュンと胸にしみる、シュールで痛快、スパイシーな7つの寓話集。イラスト全14点収録。話題のベストセラーを文庫化。

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「殺人者は隣で眠る」サンドラ・ブラウン(集英社文庫)



え?あとちょっと!あとちょっとでいいから、その先が読みたいのよ~~!!
と、心の中で絶叫して読了。
最初から最後まで面白かった。
誰が敵なのか?頼れる味方は誰なのか?
緊迫した状況が続く中、主人公カップルだけではなく、
何組かのラブ・ストーリーも展開される物語。
亡き夫、エディ。
そして、オナーの人生に強制的に割り込んできたコバーン。
彼女の二人の男との向き合い方と恋愛の仕方、素敵だわ。
そんなオナーの亡夫が残したメッセージの場所と意味にもぐっときました。
そして、愛娘のエミリーがとても可愛い。
ラスト。
その先に続くシーンを思い描くことは、とても容易だけれども。
だからこそ、彼女の文章で読みたかった!

読友さんからのプレゼント本。
海外ロマンスは胸毛がデフォだということは理解しました(笑)。
事あるごとに言ってるけど、自分の意思で行動して戦える女子は眩しいです。
とっても楽しく読了です。
ありがとうございました!
続きを妄想しながら寝たら、夢で見れるかしら?←わりと本気。


内容(「BOOK」データベースより)

庭に倒れていた男を助けたオナー。しかし、男は前夜起きた大量殺人事件の容疑者だった。彼がオナー母娘の家に来たのは、オナーの亡き警察官の夫が残した“何か”を手に入れるため。が、それは見つからず、男は追っ手をかわすため母娘に一緒に逃げるよう強要する。途上オナーは、夫の親友や義父と裏社会との繋がりをほのめかされ…。男の正体は?NYタイムズ紙No.1ベストセラー作家、待望の新刊。

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「いちばんしあわせなおくりもの」宮野聡子




絵が愛らしくて、色彩があたたかくて。
とても可愛らしいこりすとくまくんの友情物語。
二匹の気持ちがとてもやさしくてまっすぐで純真で。
ほっこりする話のはずが、心が洗われすぎて、
うっかり泣きそうになった人がここに。(笑)
大好きなくまくんに贈り物をしたいこりす。
何が欲しいのかな?
何が嬉しいのかな?
尋ねてみても、くまくんの返事はいつも一緒。
ねぇ、きみは何が欲しいの?
途方にくれたこりすにくまくんは笑って答えます。
そして二匹がみつけた一番幸せな贈り物は?
絵を眺めているだけでも癒されるのに、この素敵な物語!大好きな一冊。


内容(「BOOK」データベースより)

もりのはずれに、ふたつのいえがありました。こりすはくまくんのことがだいすきで、くまくんにおくりものをしたいけれど…好きという気持ちがいっぱい。心温まる絵本。

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「車輪の下」ヘルマン・ヘッセ(新潮文庫)



澄んだ空気が伝わってくるかのような自然描写がただただ美しく、
そして彼の辿った人生がただただ哀しい。
何故生きるのか。
何のために生きるのか。
根本的な問いを突き付けられたところで、答えは人それぞれ。
でも、生きる道に自分の意思がなければ、頑張れないと思う。
息苦しさから結果的に逃れることのできなかったハンス。
私も最後まで息苦しかった。
当人は在るべき場所に在ることができず、
一部の大人もまた、指し示すべき方向が的確ではなかったといったところだろうか?
とはいえ、彼の周囲には理解者も、友となれるはずの者もいなかったわけではない。
だからこそ、やるせなさいっぱいの読後感。


10代の頃、『春の嵐』→『デミアン』→『車輪の下』と読み進めていったヘッセ。
私、ヘッセが大好きですが、『車輪の下』から読み始めたら、なかなか次の作品に
手を出そうとは思わなかったかも?という当時の印象は変わらず。
この作品の読了後、あの頃は憤っていたけど、今はただ苦しい。


内容(「BOOK」データベースより)

ひたむきな自然児であるだけに傷つきやすい少年ハンスは、周囲の人々の期待にこたえようとひたすら勉強にうちこみ、神学校の入学試験に通った。だが、そこでの生活は少年の心を踏みにじる規則ずくめなものだった。少年らしい反抗に駆りたてられた彼は、学校を去って見習い工として出なおそうとする…。子どもの心と生活とを自らの文学のふるさととするヘッセの代表的自伝小説である。

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「君にもわかるISO~許可証をください!5~」烏城あきら(二見シャレード文庫)



従来のやり方を変えて新しいことに取り組むのって、
とても労力がいるし、めんどくさい。
だけど、お互いの意見をきちんとぶつけ合って、
より良い方向に変えていこうとする彼らの姿が、とても素敵。
そんな中、思わぬことから前原の父親(中尾氏)に関係の知られてしまった二人。
「別れる」ことを切り出された二人が、それぞれで考え、中尾氏に対して伝えた想い。
どちらの出した答えも「らしく」て。
ちょっとやそっとじゃ揺らがない想いをはっきりと見せられて。
なんだか気持ちがあったかくなりました。
尊敬と競争心と恋情とを抱えて、この先彼らはどこまで成長していくのか。
考えるとワクワクします。

弘がテレフォンセックスに応じない子でよかった。
電話切った瞬間、私がガッツポーズ。
正直、前原は好きだけど、前原のセックスは体力勝負過ぎて疲れる。←ぶっちゃけすぎ?
ミスは隠してもロクなことにならない。
後からばれる方が倍怒られるしめんどくさい、に同感。
とりあえず、何かあったら速攻偉い人に報告しに行きます。
後ヨロシク!私知らない!的な。
でも、それがミエミエなのは自分でなんとかしなさいね?って返されます。
楽したいだけで持ってきた案件か、本当に困っているのか。
何故かばれるんだよね。(笑)



内容(「BOOK」データベースより)

工場がISO規格を取得することになり、大忙しの弘。中でも昔ながらのやり方で製品を作り続けている製造部の説得には大苦戦。前原はといえば、大学卒業資格取得のためのスクーリングで東京へ。そこに突然現れたのが前原の父と名乗る中尾だった。娘の結婚に差し障るから同性同士のつきあいは解消するべきだ、と弘に告げる中尾の真意は果たして…。一方、取得期限のあるISOを多少強引にでも推し進めようとする弘に対し、東京から戻った前原は時間が必要だと訴え、意見は真っ向から対立してしまう。二つの難題を抱えた弘の出した答えとは。同志で恋人―真剣に向き合うからこそ分かち合える熱い思いが極まる、許可証シリーズ第五弾!書き下ろしは、弘の奔走の裏での前原と現場サイドの内情が明かされる『理由』。

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「紅はこべ」バロネス・オルツィ(創元推理文庫)



フランス革命時のフランスで横行する貴族の処刑。
動乱の最中のフランスからの貴族の亡命を指揮するイギリス人たちの秘密結社「紅はこべ」。
この物語は、彼らの活躍を描いた冒険活劇であり、パーシーとマルグリートの恋愛物語でもある。
というまとめ方に、誇張はないはず。
ならば、息をつく間もない緊迫の展開か!?と思いきや。
物語はゆる~く、なんだかほのぼのしく進行します。
敵役ですら、対応が甘い。
そのゆるさが楽しめれば、極上の娯楽。
迷惑と紙一重なマルグリートの一途さも、最後は許容できてしまう不思議。
行動を起こせる女子と甲斐性のある男子に喝采を。


私だけの王子様!的な感じで、パーシーのような男子に憧れる時期って、
どこかに絶対あると思う。
高校生の頃の私のこの本の感想は「パーシー、カッコイイ!」でした。軽い。(笑)
今回はそこまでのトキメキは残念ながらなかったわ~。
手元にあったのが西村氏の翻訳だったので、素直にそちらで読みましたが。
村岡花子女史の翻訳で読んでみたいわ!と思ったことを付け加えておきます。


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