きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「楊令伝2 辺烽の章」北方謙三(集英社文庫)
彼の人を断ったその剣で、その者の抱えた業を断つ。
そして彼は、新しく生き始めることができるのだ。
躊躇いもなくやり遂げた楊令の器の大きさを、男たちと共に噛みしめる。
張平、花飛麟、秦容。
育ちも年齢も全く違う子供たちが、
王進の元でまっすぐに育っていく様が微笑ましい。
潜んでいた時期を無駄に過ごした者は一人としておらず、
それぞれの立場で出来る準備をしてきたからこそ、
今ここにきて時は一気に動き出す。
本体に合流しての項充の涙には、胸が熱くなった。
「思い出してしまう人間を持った、俺たちが幸せなんだ」
私もあなたたちに出逢えて幸せです!
この巻にもよく喋るようになった御仁が一人。
喰らった拳……めっちゃ硬そうなんですけど!!
味より硬さが気になって仕方がない。
出来る男、宣賛。
なのに、場所に名前を付けるセンスが壊滅的なところがイイ。
皆で素敵な名前を考えるといい。
彼等の塞は、そうしてかけがえのない拠り所になっていくのだ。
内容(「BOOK」データベースより)
耐えよ、わが友。北方、紅塵が舞いて南方、緋流に染まり、替天旗の揚がる、その日まで。
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「AKIRA 2」大友克洋(講談社)
「未来は一方向だけに進んでる訳ではないワ。私達が選択出来る未来もあるはずよ」
物語全編を通して一番好きな台詞。
自由とは程遠い場所にいるキヨコのこの言葉は、
漲る力と希望を与えてくれる。
運命に流されて生きるんじゃない。
未来は、自らの手で切り開くことができるのだと。
自ら選択した結果ならば、まだ納得できるはず。
様々な策を弄する大人たちの思惑を他所に、
少年たちはただ目の前の障害物を排除して駆けつづける。
物語の全容は全く見えないまま、一コマも目を離せない。
それにしても。
アキラ。金田。鉄雄。
個々の名前がこれほどまでに印象深く胸に刻まれる漫画って他にあったかしら?
ちょっと思いつかない。
画力が半端ないんだけど、特に建物の描写が好き。
ビル群とかホントたまらない。
そして私、大佐が嫌いじゃないです。
「くろねこのなみだ」夏乃穂足(ショコラ文庫)
黒猫クロの、一途で純真な恋物語。
猫として克己に愛されていたクロ。
ひょんなことから人間の瑞樹と身体が入れ替わってしまったクロの、
人間になっても猫でいた時と同じように克己に愛されたいと思うが故の
一生懸命な言動や、気持ちのすれ違いが切ない。
求めることを諦め、克己の幸せだけをひたすら願うクロの言葉に、たまらず涙。
人生を諦めてしまった瑞樹の絶望も哀しいし、
事情を知らない克己の己を律しようとする苦悩もお気の毒。
それでも、バラバラだった彼らの想いが徐々にまとまっていく。
あたたかな家。抱きしめてくれる腕。大好きなあなた。
孤独だった彼らがひとつ屋根の下に集って手にすることができた幸せを
噛みしめて読了。
強面ヤクザの小暮と美人猫マリアンの組み合わせがお気に入り。
そして、仔猫のラッキーにとてもとても癒される。
瑞樹が猫としてでも「生きたい」と思えるようになって良かった。
内容(「BOOK」データベースより)
人間不信の黒猫は、ケガをしたところを獣医の犬飼克己に保護され、クロと名づけられる。人には無愛想だが動物には優しい克己のそばは心地良く、このまま一緒に暮らすのも悪くない―そう思った矢先、散歩中に猫殺しに襲われ瀕死の状態に。なんとか克己の元に帰りたいと願いながらも意識を失ったクロが次に目覚めた時、その心は見知らぬ青年の体の中に入っていた…。人間に恋した黒猫のピュアラブストーリー。
「楊令伝1 玄旗の章」北方謙三(集英社文庫)
あれから三年。
潜伏した漢たちは志を胸に抱き、
その時が来ることを信じて黙々と準備を進めていた。
時が満ちていく気配が濃密に漂っていく中、
欠けたるもの、幻の王を求めて、北へ、そして北へ。
「この時機が来てしまったのだな」
果たさた邂逅。雌伏の時は終わった。
それは、託された旗を抱いての、新しい時代の始まり。
過ごした三年という時の分だけ何かを抱え込んだ懐かしい面々との再会に感無量。
そして、王進の住まう変わらぬ子午山の佇まいに安堵する。
散っていった男たちは、今を生きる男たちの胸で生きている。
そして、彼らの子供たちもまた、大きく羽ばたこうとしている。
期待感に胸を膨らませて、次巻へ。
まさか、この物語の中に「日本」という国が登場するとは!
私、私そこにいる!と、ミーハー気分で嬉しくなってしまった。
時代が全然違うことは承知しております
なんだかよく喋るようになってしまっていた御仁が一人。
それも良い変化なのかな?
三年間抱え続けた楊令の想い。
「晁蓋と宋江を合わせたような人間だ」
彼が背負わなければならない運命の重さを感じさせる言葉だ。
「雪を摑み、蔡福は口に入れた。それで、黙ることができた」
この言い回し、北方だなぁ、と、とても印象深かった。
しばらくは彼らと一緒に一喜一憂する日々。
先行した読友さんたちの後を追いかけます!
改めて感想拝見するのがとても楽しみ!
内容(「BOOK」データベースより)
梁山泊炎から三年―。宋との戦に敗れた漢たちは各地に潜伏し、再起の秋を待ち続けていた。燕青は、梁山湖に沈められていた軍資金の銀を引き上げる。呼延灼、張青、史進は各地で流浪の軍を組織していた。青蓮寺による残党狩りが熾烈を極めるなか、梁山泊軍には「替天行道」の旗を託された男、青面獣・楊令の帰還が待ち望まれていた。漢たちの熱き志を刻む「北方水滸」の続編、待望の文庫化。
「AKIRA 1」大友克洋(講談社)
時は、2019年。
オリンピック開催前年のネオ東京。
夜の街を笑いながらバイクで疾走する少年達。
謎の少年との出逢いとそれによって引き起こされた事故が、
彼らの未来を大きく変える。
身勝手な大人によって身体を作り変えられた鉄雄。
だが、自らの欲求に従ってその力を他者に向けてしまった瞬間から、
彼はもう、後戻りはできない。
行く先々で事件の核心に近い部分に巻き込まれる金田もまた、
引くに引けない所に徐々に追い込まれていく。
破壊される物の描写に圧倒されつつ、何が何だかわからないまま次巻へ。
この勢い、この迫力、この緻密さ。
日本が世界に誇れる漫画たる所以。
お気に入りの映画ベストファイブに入るのが、この「AKIRA」。
他ですか?
「シンドラーのリスト」「カサブランカ」「愛と宿命の泉」「銀河鉄道999」
考えずにタイトルが浮かぶのがこの5本。
統一性がまったくないのは、私的にはもう、お約束。
「AKIRA」はサントラも半端なくカッコよかった。
そして、この漫画の装丁もやっぱりとてもカッコいい。
近未来なのに、どこか漂う昭和臭がとても心地よい。
映画を観すぎて、漫画を読みながらも台詞が音声付で脳内を流れていきます。
一方の漫画は、多分一度読んだきり、本棚の飾りになっていたんですよね~。
次巻はミヤコ様の登場です。私じゃありませんよ?←皆知ってる(笑)
「檻」烏城あきら(キャラ文庫)
設定のわりにはドロドロ感ないなぁ
(自分がドロドロしたの読みすぎてきた自覚はあります・笑)
と思っていたら、最後の最後でキタコレ!というゾワゾワ感が味わえました。
互いを選んだのは自分の意志に基づいた行為であることには違いないんだろうけど、
「あげたかったの」のリフレインが怖くて印象深い。
誰も彼もが「檻」に捕らわれたまま、
破壊することも逃げ出すことも選択肢に入れられずにその場に留まる人々。
その中で手にした彼らの幸せは、私には計り知れないモノがあるけれども。
係わる人たちが納得しているなら、それでいいんだろうな。
読んでる最中は恒川光太郎さんだったら、この閉塞感をどう表現するんだろう?
と、ありえないことを考えていましたが。
読後は榊原姿保美(榊原史保美)さんの作品を読み返したくなりました。
コンプリ作家さん。『雪うさぎ』が大好き。
バイトでやりくりしていた学生時代にハードカバーの本をせっせと買うくらい
好きな作家さんでした。
内容(「BOOK」データベースより)
封印されたあの庭には、決して入ってはいけない―。幼い頃から憧れていた、優しい従兄の宗司と同居することになった稔。けれど、日毎に募る仄暗い想いを持て余した稔は、ある夜禁断の庭へ足を踏み入れてしまう。ところが、庭の茶屋で自慰に耽る稔を目撃した宗司は、様子が一変!!「なぜここにいる」と猛々しく稔を抱いてきた!!宗司の激情に、稔は歓喜と恍惚の中で陵辱されるが。
「血まみれのマリア きんぴか2」浅田次郎(光文社文庫)
浅田氏の描く家族の姿が好き。
広い邸宅で卓袱台を囲んで豪華な夕食を取るヤクザの若頭福島克也と
その妻子の姿にほっこりする。
破天荒な三人組と親玉は健在。
表題はガチでロシアンルーレットをかます男・ピスケンの一途な恋。
マリアの血で汚れた髪を洗ってあげるシーンが好き。
仕事に命かけてる女にあのプロポーズは頂けない。
だけど、彼の愛に応えられる女は幸せだろうなぁ、と思った。
脳みそ筋肉の軍曹もほんのり恋バナ。
いや、あれはもう親心?
暑苦しくて鬱陶しいけど、軍曹、良い人。
「天使の休日」これはタイトルが深い。
楽しく読了☆
「人間は不幸の分だけ幸せになる権利がある」
軍曹のこの言葉は、名言だと思うの。
内容(「BOOK」データベースより)
ピスケンが恋をした。お相手は、「血まみれのマリア」こと阿部まりあ。泣く子も黙る救急救命センターの看護婦長で、今まさに息絶えんとする重体患者を救うこと数知れず、の奇跡を呼ぶ女だ。あまりに意外な組み合わせに、驚きのあまり絶句する軍曹とヒデさん。一途で不器用なピスケンは、マリアのもとに通いつめるが…。悪漢小説の金字塔、佳境の第2幕。
「なんか、淫魔が恋しちゃったんですけど」松雪奈々(シャレード文庫)
オヤジ妖精にとり憑かれ、
生きるか死ぬかの瀬戸際のセックスから始まった美和と渡瀬の関係。
そりゃあ、山積するよね、という気持ちの問題が双方から噴出し、
美和の決断と渡瀬の叫びにまさかうっかり泣きそうになるとは!
でも、今回の騒動を通して美和と渡瀬の想いは、
揺るぎないものになったと思うの。
わからないことをわかったふりしない美和のスタンスが好き。
そして、わかってくれ、と押し付けなかった渡瀬もカッコいい。
オヤジ妖精の恋はまさかの展開。
橋詰は私の想像をはるかに上回るスケールの男でした。(笑)
なんとなく篠澤が哀れに思えるあのイラストは反則。
最後は笑って大団円。楽しく読了。
オヤジ妖精に喰いついてくださった皆様。
ありがとうございました。(笑)
内容(「BOOK」データベースより)
二度あることは三度ある!?はたまた三度目の正直か―!?温泉で別れたはずのオヤジ妖精がまたしても美和の前に現れた。どうやら美和の同期にして超イケメンの橋詰にマジ恋したらしい。美和を橋詰に接触させたくない渡瀬とは喧嘩してしまうし、身勝手なオヤジは性懲りもなく美和にとり憑くしで事態は複雑化。そんな中、三日に一度の性交を強いられる美和のため、渡瀬は鬱屈した思いを抱えながらも協力しようとするが…。なんと渡瀬が原因不明のEDに…!?美和最大のピンチが訪れる。
