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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「スウィーパーはときどき笑う」榎田尤利(SYHノベルズ)



【仕事ってそういうもんだ。
 いろんな我慢が給料のうちに入っている】

このシリーズの人たちは、本当にひたむきに前を向いて生きていて、
自分も頑張ろうっていう気持ちにさせてもらえます。
自分は悪く言われてもいい。
でも友達を侮辱されるのは耐えられない。
そんな気概をみんなが持っている。
スピンオフのこの話は、威勢のいい狂犬チワワとそんなチワワが大好きな大型犬の物語。
トモが自分の欠点に気付いて、それを払拭しようとする頑張る姿がとても可愛い。
バイトを始めた動機もそうだし、ツルカメコンビに友達宣言するシーンも良い。
キヨの過去はとても重いけど、池田が愛情を持ってキヨに接してくれたことが伝わってくる。
だから序文を読みかえして泣いて、ラストの文との対比の見事さに唸りました。
榎田さんさすがです!


内容(「BOOK」データベースより)

芽吹ネゴオフィスのアルバイト、美村紀宵は好きな相手がいる。『可愛い』と『小さい』は禁句だけど、ちっちゃくて、可愛くて、でも『狂犬チワワ』と呼ばれたこもある橋田智紀だ。紀宵にとって智紀は『可愛い』のカタマリだけど、男とは恐れられなければならないと信じている智紀は、紀宵の好意を知りつつも、素直になれずにいる。そんなある日、紀宵の本業の特殊清掃業のアルバイトに参加した智紀は、誰も住んでいないはずの物置小屋で眠っている子供を見つけて―。

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「銀河英雄伝説9 回天篇」田中芳樹(創元SF文庫)



【だがせめて、おれが敬愛したごく少数の人々には、
 より美しい死がおとずれんことを。】

譲れない矜持。曲げられないプライド。
ままならない状況に陥れられながらも、一切の弁明を断って叛旗を翻したロイエンタール。
金銀妖瞳を有する男の右目の呟きと、左目の反論。
刻まれる歴史は、誰もが痛みを抱えるしかなかった宇宙の悲劇。
彼が心の底から望んだものは、果たして何だったのだろう?
彼自身にも答えることができない問いかけかもしれない。
全てを受け入れたロイエンタールに悔いはないだろう。
ああ、だけど、彼の最期の願いは叶って欲しかった。
ほんの一瞬でいいから、間に合ってほしかった。
双璧は最後の瞬間まで双璧であったと思います。

ミッターマイヤーの言動が終始胸に刺さり、
ここまできたら彼の手を取ることのできないロイエンタールの想いも理解でき……
結局途中から最後まで泣きっぱなし。
初読の時は戦いを求めたラインハルトに憤りを感じたけど、
これはロイエンタール自身も納得して始めたこと。
だから責任は彼にもある。
確かに、戦いを回避する機会はあったのだから。
だけど、敢えて修羅の道を選んだロイエンタールが私は本当に大好きです。(号泣)


内容(「BOOK」データベースより)

前指導者の遺志を継ぎ、共和政府を樹立した不正規隊の面々。司令官職を引き受けたユリアンは、周囲の助力を得て、責任を全うすべく奔走する。帝国では皇帝暗殺未遂事件が発生、暗殺者の正体を知ったラインハルトは過去に犯した罪業に直面し、苦悩する。そして新領土総督ロイエンタール謀叛の噂が流れるなか、敢えて彼の地に向かうラインハルトを、次なる衝撃が待ち受けていた。

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「交渉人は愛される」榎田尤利(SHYノベルズ)



【おまえを必要としている俺を信じて生きていきたい】

思いがけない人物からの依頼による交渉を成立させるために
奔走する芽吹がとにかくかっこいい。
痛々しさと裏腹なのは変わらないけど、
兵頭に対する想いを自覚したからか、危うさがない。
真和会幹部が集う席に乗り込んだ芽吹の啖呵は鳥肌モノでした。
傷を負いながらも、その場に芽吹を行かせた兵頭。
互いの仕事を理解し、信頼する二人。
兵頭と再会し、色々な出来事を経て、
兵頭に傾いていく芽吹の想いがとても丁寧に描かれていたのもよかった。
「信じたい」と終始言い続けた芽吹の病室での独白は胸に沁みました。
ラストシーンの綺麗さと口絵がイメージぴったりでため息。
終始楽しく読めたシリーズでした。大好き!

舎弟たち主催の反省会がなんとも愉快(笑)。
兵頭の部屋で拗ねてる芽吹も可愛いけど、あんたと一緒にいたいだけだ、
と、素直に口にする兵頭も可愛い。
スピンオフ読んだらやっと100冊記念の本が読める喜び☆
他のシリーズの人たち目当てで買って、ずっと積みっぱなしでした(笑)


内容(「BOOK」データベースより)

下町は両国に芽吹ネゴオフィスの事務所を構える民間の交渉人・芽吹章の恋人は、泣く子も黙ると評判の周防組の若頭・兵頭寿悦だ。いくつもの試練を乗り越え、強い絆を持つようになったふたりだが、芽吹には芽吹の兵頭には兵頭の仕事があり、交渉人とヤクザであるふたりの考えが相容れるはずがなかった。そんなある日、芽吹はある男の依頼を受けるのだが、それは兵頭を相手に交渉することでもあった!?恋人でありながら、時には敵対するふたりが手に入れた結末とは―。

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「銀河英雄伝説8 乱離編」田中芳樹(創元SF文庫)



【生きていてほしかった。たとえ連戦連敗でもいいから】

一つの時代が終わりを告げた。
凶弾に斃れた魔術師。
だが、それですべての混乱と戦いに終止符が打たれたわけではなく、
混沌を抱いたまま、時は変わらずに刻まれ続ける。
残された者達に悲哀に暮れる暇は許されず、
彼らは生きていかなければならないのだ。
ムライの引き際はあまりにもお見事でした。
一人ではヤンに成り変わることはできなくても、
力を合わせて懸命に道を探る不正規隊。
この場合「遺志を継ぐ」という言葉があまりにも妥当でないところが
何とも遣る瀬無い。
始めからヤンは戦いなど望んではいなかったのだから。
双璧の来るべき未来を示した一文が、個人的には一番耐え難いものでした。
次巻……もちろん読むけど、読みたくないわぁ。

「彼の味方に絶望を、彼の敵に失望を」
うん。
でもラインハルトの失望はちょっと身勝手だと思うの。
そして人を陥れる策略を巡らす有象無象の足元には大きな穴が開いてしまえばいい……


内容(「BOOK」データベースより)

宿敵ヤン・ウェンリーと雌雄を決するべく、帝国軍の総力をイゼルローン回廊に結集させた皇帝ラインハルト。ついに“常勝”と“不敗”、最後の決戦の火蓋が切って落とされた。激戦に次ぐ激戦の中、帝国軍、不正規隊双方の名将が相次いで斃れる。ようやく停戦の契機が訪れたその時、予想し得ぬ「事件」が勃発し、両陣営に激しい衝撃を与えた。銀河英雄叙事詩の雄編、怒涛の急展開。

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「交渉人は諦めない」榎田尤利(SHYノベルズ)



【もう、俺に触れるのは嫌ですか…………】

痛みや挫折を知っている人ほど、強く在れる。
信じるものを持っている人ほど、土壇場で踏ん張れる。
身を削られるような思いをしながら環をやりこめた芽吹は
皆の協力があったからこそ、戦い切ることができた。
環との一件を一切言い訳しなかった兵頭。
その一件を「しかたなかった」と呑みこまず、感情をぶつけた芽吹。
このやりとりは胸が軋むけどすごく好き。
いろんな感情を揺さぶられながら読みつづけて、ラスト一文に涙が滲みました。
芽吹が過去を乗り越えた瞬間を垣間見た気がします。
幸せか不幸せかを決めるのは自分自身。
その通りだよね。
この先芽吹の見る夢が安らかでありますように。

ヒョウドウとシメノが付き合ってる!?
ゲームの中だからこそ大爆笑でした。
やっぱりこの二人、なんだかんだおもしろいコンビだと思います。



内容(「BOOK」データベースより)

下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だった、ほんの少し前までは…いまや兵頭は芽吹の敵でもある天才詐欺師・環の恋人となり、痛めつけられる芽吹を見ても顔色ひとつ変えない。仕事も恋もうまくいかず、傷心の日々を送る芽吹だが、人を信じることをやめようとしない。そんな芽吹に、環は苛立ちを隠さず…!?俺は俺を信じる。人を信じていこうとしてる、自分を信じる!すべてを懸けて、芽吹の反撃が始まる。

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「交渉人は嵌められる」榎田尤利(SHYノベルズ)



【ものすごくがんばって生きている人だからね。
 ときどき心配になるんだよ】

過去にケリをつけようと必死で頑張る芽吹と
組の不利益を排除しようとする兵頭との擦れ違い。
どちにも譲れない一線があって、妥協できないところがキツイ。
他人にできるのは手を差し伸べて、力を貸すところまで。
乗り越えるのは、自分自身でしかない。
今、まさに過去を乗り越えようとしている芽吹の痛みと苦しみ。
芽吹の過去に対して何もすることができない兵頭の絶望と苦悩。
兵頭のつぶやきが胸に刺さる。
芽吹の世界を変えた若林。
芽吹をこちら側に引き留めた七五三野。
兵頭の立ち位置が確定するのは次巻以降ですね。
環のやり口は容赦なくて怖いわ~


内容(「BOOK」データベースより)

下町は両国に芽吹ネゴオフィスとして事務所を構える芽吹章は、嫁姑問題以外ならなんでもござれの交渉人だ。そんな芽吹の恋人は泣く子も黙ると評判のヤクザ兵頭寿悦だ。仕事も恋も順調!のはずの毎日だったが、ひとりの男が現れたことにより、芽吹の過去が露になっていく。それはかつて自分を救ってくれた親友への罪悪感であり、芽吹の忘れることのできない傷でもある。俺を選ぶのか、それとも―芽吹と兵頭が選んだものは…。

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「迷いアルパカ拾いました」似鳥鶏(文春文庫)



【魔法を期待してはいけない。
 今あるものでなんとかするべきなのだ。】

楽をするのはいい。
でも、違法なことに手を伸ばしてまで楽をしたらダメだよね。
アルパカやカピバラの仕草や描写がとても可愛くて、癒されるわ~、なんて思っていたら。
当の彼らは人間の手によってとんでもない目にあわされていました。
楽しいだけの読後で終わらないところがこのシリーズ。
「実績はいかにしてつくるのか」
自分の仕事にも当てはまる言葉に背筋が伸びました。
楓ケ丘動物園の愉快な仲間たちの活躍っぷりはこの巻でも健在。
変態・服部くんの実生活がとっても気になります。
彼のオトコマエ度が上がっている気がするのは私の気のせいでしょうか?
ラブロマンスの始まりをチラリと匂わせて、この巻は終了。
鴇先生が思いのほか可愛かった!

服部くんのロングコート姿がどストライク。


内容(「BOOK」データベースより)

「ちょっとここで、アルパカ拾いまして」―楓ケ丘動物園のアイドル飼育員・七森さんの友人が失踪した。行方を探る鍵はアルパカ?ハムスター?それとも…飼育員仲間の桃くん、ツンデレ獣医の鴇先生、アイドル飼育員の七森さんや変態・服部君らおなじみの面々が大活躍する、大人気動物園ミステリーシリーズ第3弾!

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「交渉人は振り返る」榎田尤利(SHYノベルズ)



【肝心なのは、間違えないことじゃない。
 間違いに気がついたときに、修正できるかどうかなのだと俺は思う】

少しずつ明かされる芽吹の過去。
過去に傷ついた心に追い打ちをかけるような現実。
人間は弱い。
時に他者を傷つけるその弱さがやるせなかった。
誰かを信じたいと強く願ってみたところで、
時に信頼は手ひどいしっぺ返しで打ち砕かれる。
けれども、その時自分を抱きしめてくれる誰かが傍にいてくれることは、
とても心強いことだと思う。
心理的にも物理的にも距離の縮まった兵頭と芽吹。
「どんなあんただって手放す気はねぇ」
兵頭の示す執着は、いっそ心地よい。
兵頭に惹かれているのは認めつつも、その想いをなんと形容していいのかわからない芽吹。
彼が自分の気持ちにどう折り合いをつけるのか、楽しみ。

芽吹を助けに向かう兵頭と七五三野は
反りが合わないだなんだかんだといがみ合う割には
良いコンビだと思いました(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

元検事で元弁護士、そして優秀な頭脳と口八丁を駆使する美貌の男、芽吹章は、弱き立場の人を救うため、国際紛争と嫁姑問題以外はなんでもござれの交渉人として、『芽吹ネゴオフィス』を経営している。そんな芽吹が泣く子も黙ると評判のヤクザ、兵頭寿悦と深い関係になり、この頃では互いの存在に慣れつつあった。だが、生き方も違えば考え方もまるきり違う、おまけにヤクザなんて大嫌いだ、それなのに寝ている…ということに戸惑いがあるのも事実だった。そんなとき、芽吹はかつて関わっていたある青年と再会して…。

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「死日記」桂望実(小学館文庫)



【でも母さんが望んでいるなら。
 僕を生んでくれたのは母さんだし、大好きだから】

抱きしめてあげることができないなら。
子供を守ることができないのなら。
最初から生む資格なんてない。
ただ抱かれるだけの女であればいい。
友だち、友だちの両親、先生、隣人、親戚、バイトの雇い主。
誰もが潤を気にかけ、そして愛していた。
けれども、彼の心は満たされることはなかった。
誰よりも愛してほしかった母親の愛情を得ることができなかったから。
それでも彼は母親を愛した。彼女の幸せを願った。
大好きだから。
そう言いながらも、
自分がいなくなったら淋しがる人の名前に母親の名前を書くことができなかった潤。
それでも彼は母親の幸せを願い、母親を守りたいと思った。
母が望むなら、たとえそれが自分の死であっても受け入れようとした彼の気持ちが、とても哀しい。

声をあげて泣きました。
どうして彼は、そこまであんな母親を愛することができたのだろう?
と、思うも、なんとなくわかる気がします。
だからこそ、やるせなくて涙が溢れて仕方がありませんでした。


内容(「BOOK」データベースより)

田口潤は、14歳の中学生。3年への進級を機に、日記をつけ始めた。毎日彼が記すのは、実の父親の死後、母親の新しい恋人になった加瀬という男と3人での同居生活。仕事をせず、次第に母親に暴力をふるうようになった加瀬と、恋人に盲目的に尽くす母親。理解できない彼らの関係に怒りを覚えつつも、ただ母親の幸せを願う潤だったが、やがて彼は不吉な事件に巻き込まれていく―。事件を追う刑事が、少年が綴った日記から明らかにしていく衝撃の真実とは?家庭に潜む暗闇を抉り出した、桂望実渾身のデビュー作。

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「交渉人は疑わない」榎田尤利(SHYノベルズ)



【結局、人間なんて常に自分に暗示をかけ、騙し
 なんとか取り繕って生きているだけなんじゃないかと思う】

交渉人の仕事のすごさを教えられた巻。
頭の回転がよくないと、できない仕事だわ。
いざコトに及ぶ段になっての兵頭と芽吹のやりとりが個人的にとても好き。
芽吹の腹の括りっぷりと、心配事の中身がどこまでも男らしくて、
情緒の欠落っぷりに兵頭がお気の毒様。
でも最初に条件提示したのは兵頭だよね。お馬鹿さん。
とはいえ、本気で寝たいと思ってないなら抱かない!という兵頭がとっても男前でした。
さゆりさん視点の後日談がとても良い。
サラリと零れる本音ってあるよね。
笑いあり、ホロリとさせるシーンあり、ドキドキあり……
最初から最後まで「読ませる」物語でした。
次巻も楽しみ!

「掘削」という芽吹の心の呟きに爆笑。
そして、携帯待ち受け画像がとっても素敵☆


内容(「BOOK」データベースより)

元検事で元弁護士、そのうえ美貌と才能まで持ち合わせた男、芽吹章は、弱き立場の人を救うため、国際紛争と嫁姑関係以外はなんでもござれの交渉人として、『芽吹ネゴオフィス』を経営している。ところが、ひょんなことから高校時代の後輩で、現在は立派な(!?)ヤクザとなった兵頭寿悦となぜか深い関係になっている。嫌いではない、どちらかといえば、好き…かもしれない、だがしかし!!焦れったいふたりの前に、ある日、兵頭の過去を知る男が現れて。

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