きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「王都奪還: アルスラーン戦記7」田中芳樹 (光文社文庫)
第一部完。
再読のはずなんだけど、見事に色々覚えていない自分にびっくり。
だから楽しい再読。フレッシュ症候群健在。
ヒルメスとアルスラーン。
二人の王子の出自が明らかになり、それぞれの進退と覚悟が問われることになる。
アルスラーンが王座を望む理由に納得。
そうだよね。そういう子だよね。
だから人々は彼についていく。
とかく、周囲が目立っていたけど、
ここにきてアルスラーンの存在感がガツンと増した気がする。
だから第二部が楽しみであり、
田中さん故に全員そろっての結末を迎えられる気がしないので、怖くもある。
「興」があれば「亡」もある。
そんななか、今の時代まで脈々と受け継がれてきた皇室は
やっぱりすごいんだなーと改めて思ってみました。
そして、渦中に置かれた人は自分の立場が把握できないというのには大納得。
東日本大震災の際、津波が押し寄せてきていることを私が知ったのは、
他県の友だちからのメールでした。
停電で、そもそも家に帰るのに必死すぎて何が起こっているのか全く分からなかった。
「竜頭町三丁目帯刀家の暮らしの手帖 毎日晴天!番外編2」菅野彰 (キャラ文庫)
声を出して笑ったり、思わずホロリとしたり。
最初から最後までとてもとても楽しかった。
シリーズも25周年。
ずっと読み続けた彼らはとても身近な存在で、
そこで賑やかに生活をしてくれていることがただ嬉しいし、
作中で経た年数分成長した彼らの在り様が、やっぱり嬉しい。
そして、真弓が思うように、今は一つ屋根の下で暮らしている彼等も、
いずれはバラバラに生活の拠点を築くようになる。
そのことが、少し寂しい。
菅野さんの中では終わりが見えてるのかな。
私も最後までついていきます!
家族に向ける家の中での顔と、
仕事や友人に向ける外での顔。
同じ自分でありながら、やっぱり違いってあるよね。
社会人としての悩みに直面した勇太に対する、
社会人先輩としての大河のアドバイス。
この件、ととても印象的だった。
合間に刺し挟まれた菅野さんのコラム、載せてくれてありがとう!
そして……コミックスのどこに大河の本気のトトロが描かれているのか。
瞬時に思い出せないので、そのうち読み返しながら探します。
「風塵乱舞: アルスラーン戦記6」田中芳樹 (光文社文庫)
戦に必要なものは人と装備と物資。
揃えるために必要なものはお金。
なるほど、そのための港町。
……と、言い切っていいかどうかは置いておいて。
ギランの町で兵を募るアルスラーンたち。
その采配に、アルスラーンの周囲に人が集まる理由が、ここでも垣間見られる。
更に、面白い二人組が一行との合流を目指す。
一方の侵略者側である王弟ギスカール。
いっそ王を置きざりにして国に帰った方が彼にとって良いのでは?と思えてならない。
まぁ、引っ込みがつかないか。
王や王弟が長期不在でルシタニアの国内はどうなってるんだろうね。
三方から王都を目指すパルス人たち。
次巻、どうなる!?
戦に必要なものは人と装備と物資。
加えて調練。
と、北方水滸伝を読んできた者としては付け加えたい。
「オッサンの異世界は、何故かハードモード。 」画狼(Ruby collection)
私にしては珍しいタイトル買い。
そして、どんな理由でも直感的に買った本は基本的に外さない。
…というわけで、とても楽しく読了。
オッサンの楽観的思考、素晴らしい。
悲観的な状況に投げやりになっているわけではなく、
経験値と本来の性格からくる前向きな人生観。
彼の存在は周囲の者たちに光をもたらす。
そりゃあ、どん底から救い上げてもらった人たちは執着するし、
光を失ったら世界も終わる。
再び巡り合えてよかったね。
個人的には。
背筋のピンと張った心の鞭、フランシア女史がとても好き。
出自に囚われず、己の生まれ持った才覚と重ねてきた努力が認められての現在の地位。
カッコいい。
一冊で一気に読み切っちゃうのはなんだかもったいないから
二冊に分けてもらえるとお楽しみが分割されるようで嬉しい……かな。
先が気になると読み急いじゃうんだよね。
二度読みすればいいんだろうけど、同じ本を繰り返し読む時間がない。
まー、でも手元に置いておけば、いつかの再読のお楽しみになるわね。
「獣はかくしてまぐわう」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
その対処の仕方に甘いな、と、思えるところもあるんだけど。
それが鹿倉が鹿倉たる所以。
その甘さに救われる者がいて、甘さを抱えているからこそ彼自身が強く在れる。
そもそも、刑事である彼が貫いてきた正義がブレたら進めなくなってしまう。
一方で、裏社会でその力を蓄えてきたゼロは刃を振るうことを厭わない。
鹿倉がゼロに殺人を犯させたくなかったという気持ちはわかるなぁ。
前作から追っていた東野が姿を現したけど、
そのヒトデナシっぷりは予想以上だった。ヤだわ~。
彼に心酔する手負いの獣・煉条がどう動くのか興味がある。
次巻で決着、かな?
特典のイラストカードが素晴らしすぎて眼福♡
本文イラストはどれを見てもうっとり。
沙野さんと小山田さん、本当に相性いいなー。
次作はまずは雑誌掲載。
うーん。文庫化待つ?買う?とチラリと悩んで詳細見に行ったら……
そうだった。菅野さんのシリーズ最終回前編掲載なんだわ。
買わねば!
「獣はかくして交わる」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
【再読】
組対の刑事と鹿倉と無国籍の男たちを束ねるゼロ。
「情報」を餌に飼うか飼われるか。
互いに探り合いながら対峙する大型の肉食獣は
いつしか飼って飼われる関係に。
……という展開にドキドキワクワクしたのは初読時。
今回は肉食獣の間を悠々と歩く変質的なカメレオン(検事)の頭に
王冠が見えたんですけど?(大丈夫か?私)
そして、そんな彼らの間でキューキュー鳴いているカワウソ(刑事)。
その二人の印象が強烈だったけど、ラストの香水の件で肉食獣に戻って安堵。
同じ香水をつけて香りを堪能しあうってなんだか淫靡。
未回収な事案も残っているので、続編が楽しみ。
そして小山田さんのイラストが素敵すぎて、ずっと眺めていられそう。
画集!画集出してください。
喜んで購入します!
「汗血公路: アルスラーン戦記4」田中芳樹 (光文社文庫)
多極化した勢力のそれぞれの視点から語られる物語。
故に、壮大な歴史絵巻を見ているようで面白い。
加えてファンタジー要素も見え隠れするからなんだか贅沢。
言葉は違えども、人と人ならわかりあえるのかな?という思いを打ち砕くのは宗教という壁。
だが、アルスラーンの陣営に民族や崇める神の異なる者たちが少しずつ加わり、
周囲と軋轢なく生活を共にしていっている。
それは彼らが人種や宗教で他者を区別しないから。
ある意味、国のあるべき姿だと思えてならない。
アルスラーンの元に依ったパルスの者たちが上げた反撃の狼煙。
だが、王都で逆転劇が起こったことを彼らはまだ知らない。
なんか展開早いな、と思ったけど。
一冊一冊発刊を待って読んでいたころに比べたら、
一気読みをしているんだから、それは早いよね。
というわけで、王子二人に王が加わって、
ややこしさ倍増しの展開に。
「落日悲歌―アルスラーン戦記〈3〉」田中芳樹 (光文社文庫)
あんなのが国王で大丈夫ですか?と思う国と。
後継者あんぽんたんだけど大丈夫なの?と思う国と。
そしてパルスの王は獄中で、王子たちの出自は行方不明。
こうなってくると、
「国」に仕えるのではなく、アルスラーンという「人」に仕えると言い切った
彼らの想いが、何より正しい気がしてくる。
より良い国を築いていくための拠り所になるのは人。
何故アルスラーンの周囲には才気溢れる者たちが集まるのか。
ヒルメスには一生わからないだろうね。
巻を重ねるごとに増える登場人物。
それぞれが個性的で面白い。
そんな彼らがだんだん減っていくのが怖いのよ。(田中さんだから)
明日会社行きたくないわー、と久々に思う。
読書していたいから。(笑)
再読なのにグイグイ読まされてしまう。