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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「背中を預けるには 2」小綱実波 (Ruby collection)



貴方の愛する人は誰?
それが明確になったことが、ただ、嬉しい。
あの子の存在を彼がしっかりと認識してくれていることが。
ハンデを自覚しつつも、自分の力で生きていくために
懸命なレオリーノが尊い。
先を急がず、彼らの間に介在する問題としっかりと向き合って
想いを伝えたクラヴィスはカッコ良い。
溺愛と独占欲はご愛敬。
そしてレオリーノの無垢さとクラヴィスの年上の余裕と手管が絶妙に絡み合った
閨事がなんてたって良い。
作者の言葉の選択センスが素晴らしい。
抱えた秘密をようやく吐き出すことのできたレオリーノ。
裏切者を暴け。

一巻は買ったけど読んでないしなー、二巻目どうしようかなーと、
迷っている間に二巻目の小冊子付が売り切れたので、三冊目は迷わず小冊子付を予約ゲット。
直感で一巻を買った時点でその本は面白いんだよね。
迷っちゃダメだった。(笑)

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「背中を預けるには 1」小綱実波 (Ruby collection)



永遠を掴み損なった18年前。
宙に浮いたまま燻りつづけた想いを受けとめる相手は、もう、いない。
けれども。
“彼”の稀有な瞳とその記憶を宿す者に出会ってしまったら?
その子は“彼”じゃない。
当たり前のことを認識できなかったルーカスは最低。
そして、揺らぐグラヴィスとレオリーノの関係は?
家族のだれからも愛され、大切に大切に育てられ、浮世離れしたレオリーノ。
彼の容姿と乖離した純朴な性格が愛おしい。
そんな彼が、庇護される存在から
羽化した瞬間の、思わず息を呑むような描写はお見事。
どうか彼らが幸せになれますように。→

予想以上の面白さで大満足の読み応え。
まだ読んでないけど、一冊目買ったからには続きも買わなきゃ!と
三冊目までちゃんと手元にそろえていた自分を褒めたたえます(笑)
こんなに続きが気になる作品は久々~。

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「上陸」五條瑛 (講談社文庫)



訳ありの男三人がアパートの一部屋に身を寄せ合い、
日雇い仕事でのその日暮らし。
絶えない喧嘩もコミュニケーションの一環。
そこに悪意が感じられない言い合いは、いっそ小気味よい。
「趣味の悪いボンタン」と言われ「悔しかったら着てみろ」と言い返せる安二の
愛すべき馬鹿さ加減。
自分の生活が崩壊するとわかっていても、罪を看過することのできなかったアキム。
常にクールで頼れる兄貴だった金満。
後ろ暗い秘密を持つ彼らは、いずれその暮らしが終焉を迎える日が来ることをわかっていた。
それでも計り知れない喪失は否めない。
だからこそ、どんな形であれ、再び彼らが繋がることができたのは奇跡。

金髪にピンクの作業服、青い腹巻、赤のタオルの安二。
いや、もうどんなセンス?(笑)
以前、金髪ロン毛見た目強面の現場仕事のお兄ちゃんが
間違いなくその長い金髪のせいで
「うさぎちゃんだ!ねぇ、うさぎちゃんやって!」と小さな子供にねだられ
困り果ててツインテールのまねごとをしてあげていた時は
笑っていいやらお気の毒やらだったことを思い出してみました。


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「Manner of Death」sammon(kadokawa)



とにかく山場がどこなのかがわからない。
山が来たかと思ったらそこに謎があって、
次の山が来ても事件解決には至らない。
気になるから手を止めずに読み進める。
そして事件解決の後に残る最後のクエスチョンの真実は……え?
そうきましたか、と、案外拍子抜けなんだけど、
逆にそれが斬新な感じで楽しく読了。
構成のうまさに最後まで引っ張られた感じ。
事件と恋愛要素とがバランスよく融合していて見どころ満載。
主役二人にお兄ちゃんがイイ感じで絡んでたなぁ。
ちょっとウザいけど愉快。


新刊は新刊のうちに
読んだつもりが発売後半年近く経っていたことにびっくり。
光陰矢の如し。
個人的にこの表紙とても好き。
カッコいいなぁ。

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「GIANTKILLING 58」ツジトモ(モーニング KC)



サッカーは一人で戦う競技ではないのだということが、
至るところから伝わってくる。
選手、監督、スタッフ、サポーター、家族。
それぞれの思いが、そして個人がそれぞれ積み重ねてきたものが、
今現在の自分に何らかの影響を及ぼすことがある。
代表で大きな挫折を経験した椿。
お帰り、と。
思わずウルっとなったのは二番目の感情。
一番目は「きゃーーー!ジーノかっこいい!!」だった自分、ぶれてない(笑)
そこにどんと構える村越がいて、個人的には大満足。
「お前の周りには俺達がいる」
頼もしい大黒柱なのです。

試合が終わったかのような満足感を抱えて読み終わってみたけど、
まだ笛は鳴ってなかった(笑)


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「旅をする木」星野道夫 (文春文庫)



遮蔽物の一切ない広大な自然の中へと誘ってくれる一冊。
澄んだ空気、凛とした静寂、そこに佇む大地、厳しい自然の中で生活する人々、
そして様々な動物たち。
紡がれる言葉からその情景を思い浮かべることが出来るのは、
彼の撮った写真を見てきたからだろう。
命のきらめきまでもが宿った写真を。
先を急いで読む本ではない。
一篇一篇頁を捲りながら彼のやさしく飾らない言葉をゆっくりとなぞり、
彼の見てきた情景へと思いを馳せれば、心が少し、自由になれる気がする。


1枚の写真に魅せられ、アラスカの小さな村の村長に手紙を書き、
単身でアラスカを訪れることを決意した時の彼は19歳。
広い世界に飛び出していった彼とは真逆で、
19歳の私は生きることの意味を必死に自分の内面に問いかけていた。
そして、この本の池澤氏の解説を読み、自分の根底にあるもののひとつが
ソクラテスの言葉にあることを再認識する。
「いちばん大切なことは単に生きるのではなく、善く生きることである」
旅を続けてきた彼が、アラスカに根を下ろすことを決めた矢先での急逝。
それでも彼は、彼にしかなし得ない、濃密な人生を駆け抜けたのだと思う。


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「シュガーギルド」一穂ミチ (ディアプラス文庫)



いろんな意味で興味深くとても楽しく読了!
お仕事面はぐいぐい引き込まれる。
達生の砂糖に対するこだわりもそうだし、仁科の仕事に対するパワーがすごい。
一緒に仕事したら楽しいだろうなぁ。
この二人の掛け合いは楽しかった。
地理的には実際に行った場所、いつか見たいものがふんだんに描かれていて、
リアルに想像できることが楽しいし、いつかを思い描いてワクワクする。
僅か1日の間に芽生えた想いを大切に大切に抱え続けた和。
一方、再会することで忘れ去っていた過去を思い出した達生。
固かった和のガードが解け、抱え続けた思いを吐露するシーン、とても好き。


徳島の紅葉の話は、実際に現地に案内してもらって話をきかせてもらって。
ものすごく感銘を受けた。
道東は札幌から行くよりも東京から!
うん。私もそのチョイス。
仙台から行ったときも東京経由して女満別に飛びました。
流氷はいつか必ず見に行きたい。
真夏の流氷館で誓って帰ってきたわ。
そして知床、もう一度行きたい。←ここだけは本作品に関係ないです(笑)

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「ヴァムピール・アリトス 秒針を止める放浪者」榎田尤利 (角川ビーンズ文庫)



アリトスが花嫁を望んだ理由がやるせない。
良くも悪くも、彼が望んだ展開になる率、低いと思うんだよね。
でも彼はそれを理解したうえでで、花嫁を求め続けている。
それが彼の業なのかな。……って、宗教違うか。
だったら、優人たちと過ごす時間は、
彼にとっての癒し時間だったらいい。
それが、長い長い年月のうちの、ほんのひと時であっても。
とはいえ、異端の者を吸い寄せる優人の周囲は不穏な出来事のオンパレード。
安らぎとは程遠いドタバタの中、優人、鴨川、久保居、斉藤の成長がとても好ましかった。
シリーズ楽しく読了。


個人的にはあんなにも早い再会はなくてもよかったんだけど。
出会ったからには賑やかに過ごして欲しいと思うわ。




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「星野道夫の宇宙」 (図録)



一頁一頁ゆっくりと丁寧に捲りながら、
パネルで見た時のような息を呑むような迫力と臨場感とはまた違った思いを噛みしめる。
それらの写真が訴えかけてくるものはそこに確かにあって、
私の心に漣が立つ。
そして、写真に添えて綴られた飾らない言葉の一つ一つが胸に刺さる。
写真の素晴らしさはいつ見ても変わらない。
だけど、何を感じるか、受け止めるかは多分その時々によって違ってくるものかもしれない。
前回この写真集を眺めた後の私の経験値は知床の自然を実際に目にしたこと。
スケールは全く違うけど、あの時見たヒグマやオジロワシの姿が脳裏に浮かんだ。
「たった一度のかけがえのない一生」
だから、悔いがないように。


20年近く前に会社帰りに星野氏の写真展を見に行った。
写真が語り掛けてくる雄大さと美しさと厳しさ。
感動に震えて思わず涙がこぼれてあわてて取り出そうとしたハンカチが……
ない!
こんな日に限って忘れてくるタイミングの悪さ。
そして感動のままにこの図録を購入して家に帰ったら
数日前に先に見に行っていた妹が「あ、私もそれ買った!」
言って!そういう大事なこと、先に言って!
とはいえ。妹は家を出るときに図録も持って行ったので、
自分の分は自分で確保しておいてよかったっていう話(笑)
時々眺めては、そのたびに心が震えます。

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「タイタロスの目覚め(下)」 (シグマフォースシリーズ14)ロリンズ(竹書房)



ノンストップでアクション展開な下巻。
世界に脅威をもたらすものを排除する……というよりも、
謎を解明しようと突き進むうちに、
意図したわけじゃないけどぶっ壊してしまう彼らのお仕事スタイルは健在。
ハリウッドで映画化の話どうなったのかなー。
基本的に本で読んで想像を巡らせて満足するタイプなので、
視覚的に観てみたい!とここまで思うのは唯一このシリーズのみ。
あ、でも蘊蓄語らせるのは大変そうかな?
ラスト、久しぶりの再会に微笑ましい思いでいたものの、
指摘された事実に、ああ、やっぱり……と覚悟を要する。
でもまだ悲嘆に暮れる時期じゃない。
今しばらく、幸せな時間を。

チンパンジーのマーサ、ゴリラのバーコ。
そして今作のサルのアギー。
名前がしっかりインプットされるくらい魅力的に描かれてるのがすごいわ。
犬のケインもそうか。
動物さんたち、密かに大活躍。
次巻の翻訳は来年の夏。
楽しみに待ってるわ。






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