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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「タイタロスの目覚め(上)」 (シグマフォースシリーズ14)ロリンズ(竹書房)



今回の歴史的なワードは『イリアス』『オデュッセイア』『トロイアの遺跡』。
これリアル?アンリアル?と読みながら引っかかった単語を調べると
リアル率が高い。
そこに作者ならではのフィクションの肉付けがされて、
展開されていく物語は相変わらず面白い。
いつもの歴史蘊蓄や謎解き・アクションの他に、
恋愛と子育てに関する悩みや一変した生活から得られる幸せや戸惑い等々も盛り込まれていて
読みどころ満載。
セーチャンは本当に良い方に変わったわ。
いつだって誰かが満身創痍の物語。
必ず潜む裏切者。
そして事件は謎だらけのまま上巻読了。



わー、前作までの流れから不吉なフラグがチラチラしてる気がしてドキドキする。
ちょっとした不吉はともかく、
最悪な不吉は回避してくれることを願うわ。
下巻をパラパラ捲って色々確認したいところだけど、そこはぐっと我慢。
一頁目から読み進めます。

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「ヴァムピール・アリトス 聖者は街にやって来ない」榎田尤利 (角川ビーンズ文庫)



第二弾も表紙のイメージと内容のヘビーさとの乖離が半端ない。
他人を攻撃するために向けられる人間の悪意ってホント気持ち悪い。
満身創痍になってたけど、みんなよく戦ったよー。
永遠ともとれる時を彷徨うヴァムピール・アリトスと人間・優人との
考え方のすれ違い。
擦り合わせて近く寄ることはできても、
根本的なところで真に理解しあうのは難しそうな気がする。
ああ、でも人と人ともそうやって歩み寄りながら関係性を築いていくのかな。
クラスメイトの鴨川・久保居・斉藤たちと優人とのより深い友情の構築は微笑ましい。
残り一冊。
どう展開する?



2003年の本。
作中に「コロナウイルス」の文字表記があって、ちょっとドキッとしました。
♪もーろびとーこぞりてー
私の友だちは「主は気焦り~、主は気焦り~」と覚えていて、
クリスマスになって気持ちが焦る神様の歌だと思っていたそうです。
年の瀬ってことで師走と混同してるようないないような(笑)






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「イギリス人の患者」オンダーチェ (新潮文庫)



激動する時代から取り残されたかのような廃墟で暮らす四人の男女。
年齢も国籍も異なる彼らをそこに集めたのは、戦争。
そんな彼らの生活を壊したのも、やはり戦争。
それぞれの視点で語られる過去。
とりとめもなく、やさしく、時にやるせなく。
時間も国も状況も事なるその物語が、次第にとある真実を浮かび上がらせていく。
いずれは終わると思っていた歪な四人の時間。
けれども。
終焉の引き金を弾いた要因は私の想像の範疇外ながら
あまりにもよく知ったもので、愕然とする。
黙々と爆弾を処理してきた男の絶望と混乱を思うとやりきれない。
美しく、そして残酷な物語。良作。


ガーディアンチャレンジをしていなければ、
絶対に手に取らなかったと思う本がいくつもある。
その中から、チャレンジしていたからこそ出会えてよかったと
心から思う本も出てくるわけで、この本もそのうちの一つ。
夜の静寂の中で静かに読み進めるのが相応しい作品。
絶版になっていることが残念でならない。
そして自分がいつから積んでいたのか全く分からないところも残念でならない……←
【ガーディアン必読108/1000冊】

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「ヴァムピール・アリトス 丘の上の愚者」榎田尤利 (角川ビーンズ文庫)



ラノベ感覚でサラッと読める話かと思ったら、
会話は軽妙なれども扱ってるテーマは重くて真摯。
「作り上げた自分」を演じる優人の高校生活に、
突如乱入してきた吸血鬼、アリトス。
ファンタジックな存在だけれども、
突き付けてくるものは胸に刺さる現実問題。
人は、生まれてきたからには必ず死ぬ。
北方の生死感も一貫してるけど、
榎田さんの生死感も一貫してる。
息苦しい日常の中で生きていくことの大変さを思う一方で、
自分と肩を並べてくれる友だちの存在の心強さを実感する。
そしておばあさまの優しさと懐の広さがじわっと染みる。


私の中での永遠のダンピールはD。
途中で読むのをやめてしまったシリーズではあるけど、
ダンピールと言えば『ヴァンパイアハンターD』。
手元にある分だけでも読み返したくなるわ。



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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身Ⅲ」 香月美夜



最初から最後まで暗雲立ち込める物語展開。
スカッと笑える晴れ空が恋しい。
思考の誘導って恐ろしいね。
言葉で巧みに相手の意図する方に誘われるのも怖いし、
最初に間違った方向に踏み出したら自発的にズルズル変な方向に行っちゃうのも怖い。
ヴィルフリート大丈夫かしら?
ちっとも大丈夫じゃなさそー。
本人にその気がまったくないにもかかわらず、権力を欲してると思われるのは大迷惑。
自分の趣味に没頭したい人は、いくら才があっても自ら率先してそんなもの望まないのよ。
価値観が違うとまったく分かり合えない悲劇。
そんな輩に人生引っ掻き回されるのは癪に障るので、彼らには戦ってほしい。



あと二冊読んだら既刊読破。
そこからは新刊の発売待ちで、完結巻は遠い……
わー、このモヤモヤ展開で待たされるのは精神衛生上よろしくないので、
読むのはここでストップ。
完結後一気読みにシフトチェンジします。
読めるのいつかしら?でも楽しみ待つよ。

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「進撃の巨人 11」諌山創(マガジンコミックス)



彼らの対話により謎がさらに深まり、物語自体もぐっと深みが増す。
つまり、もともと面白かった物語がさらに面白くなる11巻。
すごい作品を読んでいると、つくづく思う。
「なんでもない日々」のありがたみを知るのは、いつだってそれが崩れ去った後。
壊れたものを元に戻すのは不可能で、ならば突き進むしかない。
ミカサの願いが切ないなぁ。
彼らの日常を破壊した元凶自身の記憶の改ざんは都合よすぎるよ。
懺悔はいらない。
たとえどんな罵声を浴びたとしても、
自分のしでかしたことの顛末は両目を見開いて見届けて。



12巻以降は都度レビューをUPしていたので、
これで既刊全部のレビュー投稿完了。
あとは一気に33巻まで読んで最終巻待機。
終わっちゃうのは淋しくもあるけど、やっぱり楽しみ~~!

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「進撃の巨人 10」諌山創(マガジンコミックス)



向けられた言葉は「裏切者」。
それが露見した瞬間、彼らは「殺戮者」となり果てる。
彼らには彼らの正義があるけれども、だとしても、流した血の量は多すぎた。
「結婚したい」の脳内音声に笑っていられるうちは良かったんだけど、
こうなってくると笑えない。
ユミルの決意と覚悟。
それを受けとめたクリスタの想い。
ミカサは本当に絶妙のタイミングで飛び込んできた。
104期兵、色々ありすぎる。
多くの命を奪い、仲間を偽ってまで「果たすべき責任」って何?
逆か。責務があったからこそ紛れ込んだ彼ら。
ベクトルが一致しないことがホント、やるせない。



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「夏空白花」須賀しのぶ(ポプラ社)



戦争で中止となっていた夏の高校野球。
終戦後一年で大会を復活させるために奔走した人々の物語。
ラスト、感動と感激の余韻で震えた。
戦後の混乱・困窮した時代の中、よくも一年で復活させられたものだと思う。
開催を諦めることなく駆けずり回った彼らの熱意失くしてはありえなかったが、
同時に彼らの思いに賛同して参加する人々がいなければ成り立たなかった。
敗戦と言う事実と向き合い、そこから這い上がるために必要な希望……だったのかもしれない。
アメリカ軍との駆け引きや交流にもぐっとくるものがある。
彼らの尽力の先に今年の大会がある。
そう思いながら夏を待つ。


登録1800冊目。
1600冊目『革命前夜』と1700冊目『また、桜の国で』は無意識に須賀さんの作品でしたが、
今回は意図的に積読の中から須賀さんチョイス。
間違いない選書。
読後に反芻するタイトルの意味と表紙が素晴らしい。
去年はコロナ禍で開催されることのなかった大会。
去年高3だった球児たちが、全員で野球を辞めるか全員で続けるかの二択で
散々に議論した結果、結局は全員で秋の大会に出て、バラバラの大学ながらも
それぞれが野球道具を持って旅立っていきました。
苦楽を共にした仲間との繋がりって、一生ものだよね。


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「進撃の巨人 9」諌山創(マガジンコミックス)



「戦い続ける限りはまだ負けてはいない」
個人は巨大な敵に喰われた瞬間、人生は終わる。
だから、続ける戦いは「個人」ではなく「人類」のための戦い。
ならば、人類は一致団結……といかないところが歯痒いしやるせない。
未来を生きるためにどうすべきか。
サシャの父の言葉は説得力を持って胸に刺さる。
地に足をつけて生きるってそういうことなんだろうね。
ここにきて突き付けられる数多の疑問。
これまでの常識が通用しない巨人。
消えた村人。
芽生え始めた疑問。
それをはぐらかす者の胸の内は?
再読でもドキドキしながら次巻へ。

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第五部「女神の化身Ⅱ」 香月美夜



どんなに欲しいと思っても、当人の意思など関係なく、
特段努力するわけでもなく、力づくで奪おうという思考回路に
ちっとも共感できない。
そして、あっちもこっちも欲しがってるけど、
私は別にローゼマインが欲しくないので
まったく感情移入することのないまま頁をめくる。
それでもぐいぐい読ませる物語展開ってすごいと思う。
ハンネローレに芽生えた淡い想い。
戦う力があったのに戦わなかった彼女と、
そんな彼女を純粋に案じたヴィルフリート。
なんだかとっても微笑ましい。
今回の騒ぎの黒幕は誰なのか?
とっても気になる。

個人的なクライマックスは次回予告。
やっぱり貴方がいないと物足りません!
そして毎回思うけど、ペーパーは本編にぶっこんであってもおかしくないくらいの
情報量と読み応え。

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