きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「求愛前夜 恋愛前夜(2)」凪良ゆう(キャラ文庫)
オトコマエなオネエ攻めって個人的に大好きなのですが!
そんな理由で採点甘いことを差し引いても半端なく面白かったお借り本。
30歳のピュアラブ。
漫画家と担当編集。
二人が真摯にお仕事に向き合う姿勢も好印象だし、
自分の言動を顧みて相手を思いやって反省する姿勢も好印象。
立ち位置が違えば、そういう捉え方になるのね、という気づきは、私自身も戒めになる。
コンプレックスの克服って難しいと思うけど、
ヤコ先生、無理やり押し切らずに貢藤の想いを尊重してくれるところがやっぱりオトコマエ。
据え膳を我慢しようとしたところもやっぱりオトコマエ。
と、ヤコ先生を褒めまくりだけど、貢藤推しという着地点。(笑)
スピン元をふっとばしてこちらを読んでしまったけど、
そんなの関係ねぇ!という勢いで楽しかった。
家族から「日本人形のように可愛い」と言われて自分自身「かわいい」と思ってきた貢藤。
わかる、わかるわ!
標準より痩せている家族に「(丸いから)転がったら早いんじゃない?」と言われたことのある(←悪意はない)私は
自分が太ってると思ってずっとずっと育ってきたけど、
実はそうじゃなかったことに気づいたのは大学に入ってからでした。
ちょっと!
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「滅びの前のシャングリラ」凪良ゆう(央公論新社)
明日、地球が滅びるとしたら何をする?
多分、何もできない。
せめて、大好きな人のぬくもりを感じられる場所にいられればいい。
では、一ヶ月後に地球が滅びるとしたら?
考える時間も何かの行動を起こす時間もあるだけに、
それはとても優しくて残酷な一ヶ月だと思う。
それでもやっぱり私は大好きな人と一緒にいたい。
地球がこんなことにならなかったら集うことのなかった四人。
地球の滅亡と引き換えに家族と見紛うばかりの絆を手にすることのできた四人は、
幸せだったのだと思う。
初回限定の小冊子まで読ませてもらえて感謝のお借り本。
無性にマッカーシーの『ザ・ロード』が読みたくなった。
私の中でのNo.1のディストピア。
社内の最年少の子が2000年生まれで。
そうなると聞いてみたくなるクエスチョン。
「ノストラダムスって知ってる?」
「え?何スか?それ?」
うっそーー!!と、軽く驚愕。
私世代ならみんな知ってるノストラダムス。
「あの日、君は何をした」まさきとしか (小学館文庫)
作中で最も罪深いのは誰だろう?
多分、思うところは人それぞれ。
だから、それぞれのアナタの考えをきいてみたい。
私は一人の名前を挙げる。
その人があの人に与えた苦しみこそが、最も罪深いものだと。
子どもを亡くした母親の慟哭。
息子を案ずる母親の狂気。
根底にあるのが愛情である限り、
どんな醜態を晒そうとも、彼女たちを嫌悪する気持ちは沸いてこない。
そして親を亡くした子どもの虚無。
それを埋めるかの如く、繰り返された「なぜ?」が手繰り寄せた真実。
目で見ることのできない人の本質はわからない。
自らを「異常者」と言う言葉の裏に孤独を垣間見た気がして。
哀しくなった。
初読の作家さん。
普段の私だったら買わなかった作品。
同行者がいた手前、BL棚には近寄れず、
それでもせっかく来たから何か買わねば、と思ったときに目に入ったので手に取ったけど、
私の直感に外れはなかった。(笑)
こういう出会いは嬉しいね。
そしてこのコンビに続編があるのは朗報!しかも先月の新刊……私、いいタイミングでこの作品読んだなぁ。←自画自賛。(笑)続編も読まねば。
「サンドリヨンの指輪」綾ちはる (ショコラ文庫)
甘え方を知らない子どもは不憫だと思う。
そして、私だったらあんな父親と和解することは難しいわ、と思ったけど、
それでも見捨てることもできず、歪むことなく育った千尋。
両親の愛情を知らず、寂しさを抱えたまま大人になった彼が、
偽りの愛から真実の愛を手にするまでの物語。
一度は縋った指輪を手放すまでの心理が痛々しい。
一方の赤枝の苦悩も、人間味があって嫌いじゃない。
魔法が解けた後、赤枝自身が想いの在り所を自身に問いかけて、
そして見つけた胸に宿っていた想い。
きっかけはどうであれ、育ち始めた恋。
千尋は赤枝に存分に甘えられるようになるといい。
深夜近く。
自宅へと急ぐ私の視界の端に移ったモノに思わず足を止め、
振り返ってみればそこにいたのはガードレールの間に挟まって横たわっている殿方。
え?具合悪い?酔っ払い?変な人??
以前酔っ払いを助けて足を捻挫したことを思い出し、
すぐに駆け戻ることができず、暫し逡巡している間に後からきたご婦人が
「ちょっと!こんなところで寝てたら風邪ひくよ」と声をかけてくれていて、
あとはよろしくお願いします、と、立ち去ったことを何となく思い出しました。
道端で転がっているのは心臓に悪いからやめて。
「なれの果ての、その先に」沙野風結子 (キャラ文庫) 文庫
考えて自分の意思で選択して生きる事って大事なんだな、と。
無自覚のうちに他人の思考に呑み込まれて
洗脳されていくって怖いわ~。
ならば自覚して堕ちていく方がまだ納得できる。
過去の出来事から心に傷を負ったタスクと、挫折して人生のどん底にいた基彬。
一人では立ち直ることのできなかった二人が、
互いを知り、心を通わせることによって、人生を立て直していく。
かなり硬派な政治テーマが盛り込まれていて、
BL抜きでもガッツリ社会派な話が書ける作家さんだと思う。
だけど、そこにぶちこまれたモットーが沙野さんが沙野さんたる所以。
後書きで爆笑。
今回の裏テーマは出てきた瞬間、コレだな、と思ったけど、
そこにたどり着くために話を積み上げたとは思わなかったよ、沙野さん(笑)
個人的にはリバでもオッケー。
「武士とジェントルマン」榎田ユウリ(KADOKAWA)
彼らが心に抱えた「後悔」と言う名の傷は、
他人が「あなたは悪くない」と言ったところで癒えるものではなく。
おそらく彼らはその傷を一生抱えたまま生きていくだろう。
自らが放った言葉の、或いは見えぬふりをした行為の返し刃は、
自らの心を深く抉る。
だけど、寄り添ってくれる人がいる限り、
自らの足で地を踏みしめて、明日へ踏み出すことができる。
笑える日がきっと来る。
そして、周囲の人たちもまた、それぞれの問題を抱え、
その問題と向き合いながら各々の人生を懸命に歩んでいる。
時に厳しくも、あたたかくて優しい物語。
がんばって。そして、がんばろう。
関ヶ原まで赴いて、観光すべきポイントを聞きに行った観光案内所にて。
「東軍と西軍、どちらが好きですか?」と聞かれ、
「どちらが東軍でどちらが西軍ですか?」と尋ね、
(え、ここまで来て何言ってんの?)的な顔をされたのは私です。(笑)
仕方ない。日本史は選択しなかったのよ。(←開き直り)
この作品で榎田ユウリ作品コンプ。
と同時に、榎田尤利・榎田ユウリオールコンプです。
「藍より甘く」一穂ミチ (幻冬舎ルチル文庫)
貴方に恋人がいないから好きになるわけでも、
自分を好きになってくれそうだから好きになるわけでもない。
貴方が貴方であるが故に好きになった。
報われたいわけじゃない。
ただ、好きでいたい。傍にいたい。
けれども。
唐突であったかのような告白の裏に隠された事情と押し殺された想いが垣間見えるにつれ、
やるせなくなる。
遥の想いはどこまでも透明で一途。
そして揺らいで迷って戸惑いながらも、
遥の想いとまっすぐに向き合い続けていつしか生まれた暁行の想い。
友だちから恋人へ。
二人の気持ちの距離の詰め方がとても良かった。
個人的には真希ちゃんの恋も応援したかったんだけどね。
まぁ、こればっかりは仕方ない。
とはいえ、人づてに伝えられる彼女の結婚報告は
彼女の幸せ報告と言うよりも
暁行を擁護するかのようなとってつけた感がぬぐえなくて私的には不要。
「パラソルでパラシュート」一穂ミチ(講談社)
今日の延長の明日。
そんなふうに予定調和だった明日を予測不可の方向へ押し出すきっかけは、
何処に転がっているかわからない。
気づくか気づかないか。
乗るか乗らないか。
それによって未来が変わる。
亨に出会ったことで変化した美雨の日常。
栄治に出会って亨の道は開かれ、
そんな亨を弓彦は見つけた。
日々を綴る言葉の中に時折混ざる痛みややるせなさの躓きが心地よい。
迷いながら、それでも自分の意思で未来を模索する人たちの物語。
「魔法はかけられるんじゃなくて自分でかかるもの」
望んだ通りの未来に着地できるかはわからないけれども。
「日本三大嬢」のひとつが「受付嬢」。
あと二つは?
瞬発的に浮かんだ私のアンサーは「ウグイス嬢」と「ドジョウ」。
種族が違う(笑)
「GIANTKILLING 59」ツジトモ(モーニング KC)
発売日に読んだものの、レビュー書かずにあっためてたら、
地元チームの降格が決まって冒頭の言葉が刺さる刺さる。
思えばジャイキリ連載開始時も降格中だった……。
閑話休題。
自分の出ているスポーツニュースを観ながら電話で話す選手、と言う構図も、
選手同士リスペクトしつつ、ライバル視しつつ、互いに高めあっていくんだなーというのが伺えるのも微笑ましい。
そして試合は因縁めいた対戦へ。
ETUの選手たちの変化と言うか成長が心強い。
そしてあそこまで戻った王子の頑張りに拍手喝采。(笑)
スタジアムのどよめきが気になりつつ……次巻を待つ。
「勝ちたい」っていう気持ちはいくつになっても変わらないんだなーと。
逆にそうじゃないと勝負事の世界にはいられない。
地元チームの一部復帰を信じてる。