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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」ジェイ・マキナニー (新潮文庫)



「きみはそんな男ではない」
印象的な書き出し。
やわらかな二人称の語り掛けに引き込まれるように、
物語世界を浮遊する自分がいる。
意にそぐわない仕事。
出て行ってしまった妻。
自堕落な遊びに誘う友。断れないきみ。
現状に不満を感じ、居心地の悪さを感じているくせに、
その現状を変えようとする努力の見えないきみ。
それどころか仕事放棄。
それじゃあ、何も変わらないよね、と冷めた思いで見てしまう私。
これまでの生活をぶち壊したきみが、
夜明けの光の中でパンを口にするシーンが印象的。
だけど、本当にやり直せるの?
懐疑的な私。

「性格を知りたかったら、その人間の蔵書を調べてみるのが一番いい」
なるほど。
蔵書を読メの読了本に置き換えても同じことを言えるのかな?と
ふと思ってみました。
【ガーディアン必読102/1000冊】

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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅲ」



文武両道な上に帝王学まで。
人様が1コースのところを
3コース制覇したフェルディナンドの超人ぶりがすばらしい。
だけど、何故そこまで頑張らなければならなかったのかという
生い立ちを思うと、称賛してばかりもいられない。
貴族社会はつくづく窮屈だわ。
そんな貴族社会で奮闘するローゼマイン。
すがることのできない家族のぬくもりの代わりに
父のマントにくるまる姿が痛々しくて涙出そう。
そして、押し寄せてくるカエルの大群に遭遇しても涙出そうだわ。←意味が違う。
今回は職人の世界の在り様が知れる。
モノづくりの職人さんたちがいることで世界は成り立ってる。

転生前に成人だっただけあって、
子どもたちのやる気に対する火のつけ方はうまいなー。
「モチベーションは自分であげるものだ」と言い切った
ウチの会社の偉い人、ちょっと見習ってください。
時にヘルプも飴も必要!






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本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第三部「領主の養女Ⅱ」



領主の養女・ローゼマインが果たすべき職務と自らの目的のために奮闘する一方で、
領主、何やってんの?とイラっとする。
自分の後を継ぐべき子どもをきっちり教育せずに野放し。
それは優しさでもなんでもない。
環境が人を育てるということをつくづく実感する。
親子共々、まだやり直せる時にその根性を叩き直されたことを感謝するといい。
ローゼマインの常識と、フェルディナンドたちの世界での常識。
その乖離と擦り合わせの仕方が本当にうまいと思う。
間にベンノたちが入って説明役になっているのが良いバランス。
著者が構築した世界観の隙のなさがすごいと思う。

最強で最高はエイターに。
そして、最強で最凶はフェルディナンドに。




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「愚者の毒」宇佐美まこと (祥伝社文庫)



極悪非道な人間を、まっとうに糾弾することのできないもどかしさ。
今日を過ごすために耐え忍ぶしかない劣悪な状況下で彼らが修羅の道を選んだのは、
守るべき者のため。
それなのに……と、やるせなさで胸が痛い。
迫るのは、大切な人の人生を呑み込まんとする害悪。
ギリギリのところでその決断をせざるを得なかった彼らに
他にやり様はなかった。
それでも、彼らは帳尻を合わせないといけなかったのだろうか?
ならば、彼もまた、その責を負わねばなるまい。
幸せになる権利は彼にこそあったのに。
与えられた愛情が伝わっていたことが嬉しくて、そして哀しい。

読了後の時間の経過とともにジワジワと痛みが増す。
ウチのちびっこたちをぎゅっと抱きしめたくなりました。
いっぱい笑ってすくすくと育ってほしいなー。

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「最凶の恋人(7)―組員日記―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



これまでの作中での出来事が
組の下っ端構成員の日記形式で語られる。
既得の出来事を違った目線で追えるのは、なかなか面白い。
それはそれで本音なんだけど。
特に興味のないキャラの日記はどうでもいいから本編!
という気持ちもなくはない。←正直者。
柾鷹のブツのクローン製作過程はバカすぎて笑う。
けど、アレを一人で無言で作ってたらドン引きするから、
みんなで大騒ぎしながら作る方向でよいと思う。
歯医者は私、張り切っていくんだけどなー。
「麻酔をかけずにそのまま抜いてくれ」は北方のキャラが言いそうだわ。←北方脳。







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「命の砦」五十嵐貴久(祥伝社)



「あなたは間違っています」
まさにこの一言に尽きる。
彼女だけじゃない。
犯行に加担した人間は、誰も彼もが間違っている。
その主張の仕方が。
承認欲求の吐き出し方が。
そんな彼らが生み出した炎を鎮めるために、
命を懸けなければならなかった人たちがいる理不尽。
怯まず炎に立ち向かっていった彼らの職務に対する意識の高さ。
故に彼らは人々の命を救い、自らの命を失った。
そのことに対してどう思っているのか。
犯人たちに問い正したい。
アカウントを削除したら簡単に関係の断ち切れる存在。
そんなものの言葉に乗って人生を賭ける選択ができることが恐ろしい。

新宿サブナードにお気に入りのショップがあって、
何度も何度もあの一帯に足を運んだ身としては、
新宿の地下が燃え盛る様子を想像してゾクリとしてしまったお借り本。
災害が起きた場合は救助の妨げになるような行為をしては絶対にいけない。
と、改めて肝に銘じてみました。

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「最凶の恋人(6)―例会にて―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



読み進めるほどに面白くなっていくシリーズ。
窮地にあって尚、遥を表に出さずに守ろうとする柾鷹と、
自らの意志でその場に赴き、柾鷹を煩わせる問題を解決した遥。
ヤクザではない遥が示した男気が半端なくかっこいい。
そして柾鷹が守ろうとしている遥の立ち位置が知れて、柾鷹を見直す。
ヤクザ相手に啖呵きれる梓ちゃんもカッコいい。
この子には遥とずっとこうやってつるんでいてほしいなぁ。
同録は生野と千紘。
腹の底はどうであれ、同級生のために骨を折った二人。
この子たちも読み進めるほどに印象良くなっていくんだよなぁ。
でも、あっちこっちで盛るのはやめよう(笑)


存じ上げている方々がぞろぞろ出てきて、
再読したいリンク作品が増えるって……時間が全く足りてない。
そのうちね。そのうち。
それにしても、表紙の指定って誰がどんな感じでしてるんだろう?
これじゃない!感が半端ないんですけどー。どー。←エコー。

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「最凶の恋人(5)―ある一つの賭け―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



前巻で柾鷹と共に生きていく覚悟を決めた遥。
今回遥が随所で伺わせたのは「自信」かな。
柾鷹に愛されているという自信。
それをナチュラルに滲ませている感じが、なんかいいなーと思う。
柾鷹に対する信頼は、遥の柾鷹に対する深い想いの表れ。
なのに、遥は絶対にデレない。
最後まで読み切って、ささやかな家電量販店デートで幸せをかみしめる柾鷹が
ちょっとだけ不憫だと思った。
まぁ、好き勝手やっている柾鷹にデレたら余計にめんどくさくなるかな?
拉致された遥を巡ってのやり取りに、
二人の揺るぎない想いが明確に伝わってきたのがすっごく良かった。


友だちと『氷刃の雫』の話をしたのが昨日。
そしたら本作の会話の中で秀島の名前がでてきて、テンションがあがりました。
作品の世界観がリンクしていると、こういうお楽しみがあります♪

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「AIの魔女(下)」 (シグマフォースシリーズ13)ロリンズ(竹書房)



前巻あたりでワンパターンを脱却してきたなぁ、と思ったけど。
今回は新たな引き出し開けてくれたな、ロリンズ!という感じの展開で、
ラストでは圧倒されすぎてポカーン、と。←褒めてる。
あんまりに荒唐無稽すぎない?と思った事象も
科学的根拠がある!と断言され、あ、そうなんだ……と受け入れ態勢。
なんかいろいろすごかった。←語彙(笑)
特に聖遺物の秘密が!
母になったセーチャンがどんな子育てをしていくのか。
良い方向に変化をしてきているのがわかるだけに、とても興味深い。
男女問わず、堂々と銃床にキスする仕草はセクシーだと思う。


ロープレみたいにつけたした「もう一つの結末」は個人的にはいらなかった。
問題提起をしたいなら、そっちの方向で書ききればよかったんじゃないかな?
翻訳されているのはシリーズ14作+外伝2作。すべて上下巻で合計32冊。
巻数が膨大すぎて気軽くお勧めできないのが残念。

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「最凶の恋人(4)―覚悟の日―」水壬楓子 (ビーボーイスラッシュノベルズ)



自分自身では何も変わらないつもりでも。
生活環境が変わり、立場が変わり、
周囲からの自分に対する対応がその立場に見合ったものへと変われば、
自ずと自分自身も変わってくる。
そんな遥の変化が伝わってくる。
そして、その変化の過程の中で遥が自らの意志で心に抱いた覚悟。
それを強いたわけではない柾鷹の度量の広さを改めて思う。
駄犬並みのかまってぶりがうざくても。
遥のことが大好きなのが全力で伝わってくるから憎めない。
やくざに雇用されるデイトレーダー……確かにリスク高すぎてなり手いないのは納得。
でも、相場が読めたら楽しいだろうなぁ、とは思わなくもない。

ディーラーから連想するのは石田衣良の『波のうえの魔術師』。
友だちに貸したら彼女の会社の上司の方も読みたいと。
気軽くお貸ししたら図書カードで返却されてきました。
彼曰く。
「真剣に読んでたら赤線引っ張っちゃった!ごめんなさい」
私はむしろ、どこに赤線を引いたのかが知りたかった(笑)
音痴な組長にデジャブ。
黒羽も音痴だったよね。
花郎さんは谷地さん表紙の『禽獣の系譜』が神作品。
そのうちレビューあげたい。

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