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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「恋は異なもの味なもの」かわい有美子 (ビーボーイノベルズ)



ゲーム感覚で相手を落としは、綺麗に別れた!と自負するチャラ男、丹羽。
アプローチしても自分には決して靡かなかった柏葉を攻略しようと思った発端は遊び心。
だけど、柏葉の人となりを知るにつれ、自分の軽薄さを省み、
だんだんと彼に対して本気になっていく。
一方で丹羽を受け入れつつも、柏葉の彼に対するスタンスが終始変わらなくて、
そのままいくのかな?と思ったけど。
初めて身体の関係を持ち、迎えた朝の柏葉が!
思いっ切り小悪魔で個人的にどツボ。
確実に逆らえない丹羽が愉快。
いつかリバって欲しい二人。
丹羽、受け身の快楽にも弱そうなんだよね。


「彼女とハワイにいったんでしょ!」「え?誰だよその女!」
と冷やかされていた男友達が
「ちげーよ!っつか、俺いねーだろ、彼女。男と一緒だよ!」と返していましたが☆
数年後。
全く別ルートの友だち主催の飲み会に急遽引っ張られていって、
同席していた初対面の子たちの中に、
なんとその彼と一緒にハワイに行っていたという女の子がいたミラクル。
メッチャ当時の彼氏自慢してたけど、
彼は何で隠してたんだろ?と、素朴な疑問。
あーー!って言いたかったけど、
とりあえず何も知らないフリして話を聞いてた私、大人な対応(笑)

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「その犬の歩むところ」ボストン・テラン(文春文庫)



ギヴ。
彼に降りかかる運命の過酷さに息が詰まる。
アメリカを生きる犬の物語であり、
アメリカを生きる人々の物語でもあり、
激動のアメリカそのものの物語でもある。
父親が辿りついた安住の地で生まれ、
アンナの愛情を一身に浴びてのびのびと育っていたギヴの身に降りかかった災厄。
劣悪な環境に置かれようとも、彼が人間に対する信頼と愛情を失わなかったのは、
彼と係った人たちが、彼ら自身が心に大きな傷を負っていたにも関わらず、
惜しみない愛情を彼に与え続けたから。
お互いに補いう合う所もあったんだと思う。
強く生きるってそういうことだよな、と、教えられた気がする。


個人的に「アメリカを生きる」というワードで連想するのが
ちょっと時代が違うけど『怒りの葡萄』。
あれほど圧倒されたアメリカの物語は今のところないかな?




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「墨と雪」かわい有美子(リンクスロマンス)



経済的にも精神的にも余裕のあるアラフォー黒澤。
駆け引きめいた会話とつかず離れずの距離感を楽しみながら
懐かない猫のような篠口を手中に落とす話かと思いきや。
暗雲立ち込める急展開。
不測の事態に陥った時の対処方法を知っていることと、
実際にそんな事態に直面するのとでは訳が違う。
サイコパス袴田、怖いし気持ち悪い。
篠口に対する追い詰め方がリアルに迫ってきて、ぞっとする。
窮地を脱した傷だらけの篠口に対する黒澤の寄り添い方が
半端なく素敵!と思ったんだけど。どーー!
読みたいのはそこから先!先なのよ!というところでエンド。
続きいつですか!?

あとがきでかわいさんが続編はある、と断言していらっしゃるので、
期待に胸を膨らませて待つわ。
今年出してくれたらメッチャ嬉しい。

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「Zwei」かわい有美子 (リンクスロマンス)



読み応えのある警察小説。
であると同時に、とても綺麗に花開いた再会愛を描いた作品。
「好きだ」という言葉に「俺も」と返すことのできない切なさに抉られる。
お互いが想いあっていることが如実に伝わってくるだけにやるせない。
失った信頼。
取り戻すためは相手のことを信じてただひたすら待つこと。
再会した時には疲弊しきっていた二人が
逢瀬を重ねるたびに覇気を取り戻していく様は心地よかった。
全体的に派手さはないけど、そこがいい。
男たちが苦悩したり葛藤したりしながら自分の答えを見出していく様が
人間味あふれていて沁みる良作。

屈強なアラサー男、宮津と峯神のトナカイ姿。
想像するだけで楽しくなる。
そういえば、クリスマスにコスって久しくしてないなぁ。
シリーズ最初から読み返したくなるけど、そこはぐっと我慢。
次『墨と雪』へ。


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d「甘い水 2」かわい有美子 (リンクスロマンス)



ここにきて、タイトルの意味がガツンと胸に刺さる。
乗り越えたとか癒えたとか、決してそんなふうに言うことのできない傷を抱えた遠藤。
だけど、それを表に見せない、そしてそれに囚われてはいないタフさが眩しい。
そんな遠藤に対する思慕の念を全く隠さなくなった神宮寺。
デリカシーのない二人の言葉のやりとりが気の毒で愉快。
遠藤が神宮寺を選んだ理由。
その遠藤の想いに応えることの出来る神宮寺。
どちらも壮絶。
でも、根底にあるのが惜しみない愛情と信頼だから、
やるせなさを凌駕する揺るぎのない安心感。
どっしりとした読み応えとしっとりとした色気。
良作。

「おまえなんか…」に続く遠藤の言葉に悶絶。
彼にしか言えない殺し文句。
男前受を存分に楽しませてもらいました。大好き!

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「甘い水」かわい有美子 (リンクスロマンス)



後輩の神宮寺に対して一方的な苦手意識を抱いていた遠藤。
一方の神宮寺は遠藤に対する想いが空まわっていただけかと思いきや。
遠藤も気付いていなかったけれども、職場で一緒になる以前から
遠藤を知り、想い続けたという、筋金入りの遠藤フリークだった(笑)。
一見器用そうな神宮寺が遠藤に対しては上手く立ち回れていないところが、
逆に彼の本気度が知れて面白い。
漢気のある遠藤が神宮寺の気持ちに気付いてからの立ち回りも
意外性がありすぎて面白かった。
遠藤が恋愛事を避けてきた事情がとても切ない。
オトコマエすぎる誘い受け。
どツボ過ぎて最高でした。

再読のはずなんだけど。
このあとの篠口と遠藤がどんなふうになったのかが
全く思い出せないww
この病こそ「フレッシュ症候群」。
わくわくしながら次巻へ。

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「ひと月の夏」J.L.カー (白水Uブックス―海外小説の誘惑)



仕事で訪れた田舎町で、青年が過ごしたひと月の夏。
彼の過ごした日常が淡々と描かれている中に差し込まれる数年後の彼の想いから、
この町で過ごした時期の幸いが伺える。
と同時に、町の人たちとどれほど親しくなろうとも、
この町が居心地の良い町であったとしても、
仕事を終えれば、彼は予定通りこの町を去ることも。
それがわかっていても、読後に込み上げた強烈な寂寞感。
その時を過ごした人たちとの徹底的な決別。
故に、鮮烈に胸に残る当時のままの記憶。
二度と戻れないからこそ、心に美しく刻まれた時。
ラストの息を呑むような鐘楼でのシーンは秀逸。



その読後感からなんとなく『日の名残り』を思い出しました。
そういえばあちらもイギリス文学。
読み返すたびにジワジワ胸に染み入ってきそうな作品。
映画化もされているんですね~。
視覚的に観てもとても美しいに違いない。
いつか観てみたいな。
【ガーディアン必読 93/1000】

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「仁義なき愛妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



もはや「仁義なき」とか言ってる場合ではなく、
タイトルは『愛はヤクザを変える』で良い気がしてきた三作目。
健吾と佳月の結婚生活は糖度増し増し。
健吾の嫁として暮らす佳月の自称は「珍妙な生き物」だけど、
周りの評価が全く違うところがおもしろい。
行き着いたところは「逆ハーレム」。
良い男独り占め(笑)
佳月が裏表なく他人に対して一生懸命で漢気があるからこそ。
健吾の開き直った惚気っぷりは清々しくてお見事。
ああなっちゃうとからかい甲斐がないのよね。
凌也と亜月がガルガル唸りあってるのが可愛い。
ストレスフリーで楽しく読了。

豪華客船の貸切展望風呂ってメチャメチャ贅沢!
周囲に灯りのないところで星空を眺めるもよし。
夜景を眺めるもよし。
あ、朝日もありか。
ちょっと風変わりで印象深いお風呂は「ホテル浦島」の洞窟風呂。
改装オープンした今年、アドベンチャーワールドと抱き合わせで行くつもりだったのに!
のに~~~!!!
目途が全く立たないのが残念なのです。



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「仁義なき新妻生活」朝香りく(ガッシュ文庫)



佳月が健吾の嫁として暮らし始めてから半年。
二人の関係的には順風満帆。
そんな二人の生活に健吾の従弟・凌也が介入することで、
気付けなかったことに気付いたり、
嫉妬で揉めたり、その流れで主に健吾側に反省と賢者タイムがあったりとひと波乱。
そこに佳月が攫われるという一大事が。
窮地にあっても相手のことを思って自分の行動を反省する健吾と佳月からは
お互いが本当に大切なんだなぁということが伝わってくる。
佳月にとって気の置けない友人となった凌也と
佳月の弟・亜月も交えた四つ巴の晩餐会がとても好き。
個人的には凌也が好みドストライクだったのでとてもとても楽しかった♪

愛妻弁当を携えて出勤(?)するヤクザ。
キャラ弁を恥ずかしいとは言えずに美味しくいただくヤクザ。
微笑ましい。
今まで味わうことのなかった家庭のあたたかさとやさしさを
健吾は存分に味わうといいと思う。

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「藁の楯」木内一裕 (講談社文庫)



著者の小説デビュー作は、私が既読の他の木内作品のような読後の爽快感はどこにもなく、
もやっとした不快感が広がっての読了。
日本全国民を巻き込んだ挙句、
最後の最後で心が挫けるなら、最初から大風呂敷広げるな。
おかげで失われた命。
誰かの命を犠牲にしてまでその男を守る必要はどこにもなかったのに。
発想も展開も前半が面白かっただけに、後半、え?ちょっと都合よすぎない?
という部分で嵌りきれなかったのが惜しい。
葛藤しつつも任務を全うした銘苅。
彼の在り方は間違ってはいない。
だけど、彼のもやっと感は私なんかの比じゃないと思う。→


個人的には清丸のような罪を犯した男に対する刑罰は、
ハンムラビで良いと思っています。
目には目を、歯には歯を。

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