きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「頭文字D・1」しげの秀一 (ヤングマガジンコミックス)
どハマリしたのは20年くらい前。
イニD関連でサイト作って、いろんなイベントに参加して、
今でも各地から集まって一緒に飲んでいる友だちができて。
色々やり尽くして落ち着いて読めるかと思ったんだけど。
改めて読んでみたら心臓跳ね上がりました。
涼兄ィと啓ちゃんの並び立つ姿に。
半端なくカッコいい!
ロータリーサウンドのエンジン音が耳に、というよりも、胸に響いて蘇るわ。
深夜のタイムアタック。
噂でしかなかったハチロクが、待ち受ける彼らの前に姿を現す。
ドライバーの動機は車の一日レンタルとガソリン満タン。
役者がそろったところで次巻へ。
懐かしいなー。
読友さんの感想に触発されて
大好きだったなーと思って手に取ったけど、今でも大好きでした(笑)
さすが「私を構成する5つのマンガ」の一角。
続きはまたの機会に。
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「朧小路の恋の花」かわい有美子 (Holly NOVELS)
京都の花街を舞台にした恋の物語。
しっとりと読ませる作品。とても良かった。
昔堅気な職人気質の板前・吉澤と、人あしらいに長けたカフェバー店長の光希。
偶然の再会から互いの日常に根付いた仕事の部分を介して近づいていく距離感。
思惑のある光希と意図不明な吉澤の逢瀬の積み重ねを追っていくことがとても楽しかった。
関係が拗れかけた時に吉澤の見せた強引さがカッコよくて、
安心して甘えることのできる彼の男前っぷりにときめいていたわけですが。
ラスト、気まぐれな猫のようだった光希のデレた可愛らしさに射抜かれて、
その後の吉澤の行為にさらに悶絶して読了。
もう少し読みつづけていたかった。
甘くてくすぐったい感じの読後感を反芻してなんだか幸せ気分。
宮城さんのイラスト、特に表紙と口絵のカラーが秀逸。
そして、ホット・バタード・ラムを呑む前に冬が終わってしまったことに気付いてみました。
来年こそ!←そもそも、どこに行ったら呑めるのかがわかっていない(笑)
「あどけない熱」久我有加(ディアプラス文庫)
聖の想いは純粋でまっすぐで歪みがない。
けれども。
14歳という年齢では、どうしたらいいのかがわかってはいても、
それを実行に移すだけの手段がないのが歯がゆい。
諦観を抱えて逃げ続けたカイネが初めて示した抵抗。
結果、呪縛からは逃れられたけど、その後彼らの歩んだ道はやさしいものではなかった。
それでも。
果たされた約束に安堵する。
細やかに描かれる心理描写で、互いが互いを想い続けた10年の時が知れる。
再会してからも本当の意味で寄り添うために必要だった時間が切ないながらも尊い。
どんな話?と聞かれたら、綺麗な話!と答えたくなるような作品。
親の意向で良い大学を目指して、それを子どもが苦痛に思っている場合。
良い大学に入ることだけが子どもの幸せじゃないんだよー、
と、真に子どもの幸せを願っている親になら伝えたいけれども、
彼らのように自分のことや体裁しか考えていない親には
何を言っても無駄なのかな?という気持になる。
聖の両親はどうよ?って言いたくなる人たちだったけど、
祖父が味方になってくれてよかった。
「ベルリン飛行指令」佐々木譲 (新潮文庫)
目指すは一路、ベルリンへ。
この美しい機体を届けるために。
彼らは何故、その極秘の任務を諾としたのか。
その理由に胸が震える。
付随する数多くの困難が示されるからこそ、
任務を全うすべく選ばれた軍人らしからぬ男たちの存在に期待値が高まる。
と同時に、それが困難であるからこその不安に苛まれる。
地上で根回しをした人たちの尽力にも胸が熱くなる。
と同時に、理不尽に憤りが募る。
彼らが飛び立った時の高揚感は、読後に寂寞感に塗り替えられ、胸が疼く。
読了後に第一部に立ち返り、
硬い表情の男の心情を思って涙。
余韻に浸った後、『エトロフ急発進』へ。
「軍人である前に飛行機乗りなのです」
彼はそう言ったけれども。
戦時下において、軍人であったからこそ、乗ることができた飛行機。
飛ぶことに対する純粋な想いが伝わってくるだけに、
時代がやるせない。
「GIANTKILLING 54」ツジトモ(モーニング KC)
卓越した技術を持った孤高の存在であった花森が、
代表チームの頂きたるに相応しい牽引力を見せる。
ハーフタイムで花森の口から出たまさかの言葉。
ブランのチームに召集された彼の成長に胸が熱くなる。
共に戦う仲間たちに響かないわけないよね。
試合は膠着したまま後半へ。
オーストラリアもチーム内に抱えた問題を
この試合で修正していくことになるんだろうね。
それにしても、今回も決着つかないのか。
そろそろ国内リーグの試合が見たいよ~、と、気落ちしかけたところで
ラスト、爆笑して読了。(多分笑う所ではない)
何この愉快な期待感。
レビューをあげ始めたのは29巻から。
そっか。
国内試合が見たければ、最初から読み返せばいいんだ!
ということに、今更ながらに気付いてみた。
「水の中の犬」木内一裕 (講談社文庫)
ヤバイ。渋くて熱くてカッコイイ。
そして、どこか哀しい。
その街には、泥の中を這いずり回っているような探偵がいた。
持ち込まれた依頼の調査で鼻が潰れ、アバラを折っても、
真相を探ることを、或は、途中で巻き込まれた事案を
どうにかすることを諦めない。
依頼人の抱えた困難に潜む果てのない闇。
理不尽に襲いかかる暴力。
そして一人、また一人。
彼の手によって命を失った者がいる。
けれども。
その手によって救われた者もいる。
探偵矢能の誕生秘話と情報屋の借金にムネアツ。
だから彼らは忘れない。
名もなき探偵を。
木内一裕。
他の作品も追いかけてみようと思います。
少しずつ揃えていくのも楽しみですね~☆
『ドッグレース』はそろそろ文庫化にならないかな?
読書の楽しみが増えました♪
「上海金魚」かわい有美子 (CROSS NOVELS)
妻子ある人と不倫をしている時点で「この人と幸せになりたい」は通用しない。
不倫相手の「妻とは別れるから」は、実際に別れるまで信じてはいけない。
一年半も不倫関係を続けて「いつ別れるの?」と詰め寄ることができないのなら、
浮気相手としての立場を受け入れるか、別れるかしかないと思う。
それを思えば、あの時点で伊藤と縁を切ることができたのは、
水端にとって、結果的には幸せな事だったと思う。
傷ついて苦しかった時に傍に滝乃がいたことも。
スマートで屈託のない滝乃のリードからは、その手を取って間違いないよ!
という安心感が伝わってきた。
順番的には『上海金魚』→『透過性恋愛装置』→『月一滴』。
でも、この作品を一番最初に読んでいたら、
え?ちょっとここからでしょ!と、前のめりになってジタバタしていたと思うので、
この先の二人を知っていてよかった(笑)
そして手元には『恋は遠い日の花火ではなく』があるので、ワクワクしながら読みます。
「月一滴」かわい有美子 (クロスノベルス)
人と人がどんなふうに向き合って、
どんな関係性を築いていくのか。
そういうところをきちんと書き上げてくれるから、かわいさんの作品がとても好き。
先行する悪意ある噂のせいで、負のループに絡み取られそうになっていた橋本を救い上げ、
甘やかすでも諭すでもなく、きちんと前を向けるように導いた嵯上。
断れない人に断ればいいじゃん、と言うことは酷。
そこから抜け出すための手段を示した余裕のある大人かと思いきや、
テンパって橋本を家に連れ帰った嵯上の人間味が好ましい。
そこからの告白シーンとても好き。
二人で月を見上げる穏やかな日々が続きますように。
そんな橋本に天災のように係ってきた北嶋の愉快な破壊力。
あれでギリギリ許されてるから、人生得してるなーと思う。
まわりは大変だと主けど。
「十歩ぐらい離れていると面白いけど、そばに来るともう十歩ぐらい離れたくなる」
嵯上の北嶋に対する評価に納得。
牧田にチョコレートをあげた女子に目くじら立てた理由に脱力。
バカ可愛い←褒めてる(笑)
「チャタレイ夫人の恋人」ロレンス(新潮文庫)
600頁近くの作品を読み切って、尚且つ込み上げる「あともうちょっと!」感。
その後を想像する楽しみよりも、想像するしかないもどかしさ。
後半、一気にのめり込んでしまった。
作中で繰り返されるディスカッションは欧米的だなぁ、と思いつつ、
その主張に同調できたり、違うと思ったりで楽しめた。
でも、そんな毎日ばっかりだと息が詰まる。
開放的な森の中でメラーズと逢瀬を重ねるコニー。
二人がどんなふうに愛しあったのか。
どんなふうに互いを必要としたのか。
生き生きと描かれている。
主に上流階級の人たちの目線で語られる中、
終始揺らがなかった労働者であるメラーズの在り様は潔いと思う。
それにしても、メラーズの元妻、怖い。
何時何処から何が飛んでくるかわからない
奇行で挑んでくる相手に対する対策は立てようがないよなぁ。
さっさと離婚していればよかったのに。
そして、メラーズの娘のその後が気になってみた。
【ガーディアン必読 92/1000】
「モネ・マーダーズ」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)
前作のラストから良い雰囲気の二人を期待して読み始めたら、
サムのあんまりな塩対応に切なさマックス。
え?
ちょっと!
どういうことよ!
二人の想いとは無関係に事件は進行する。
殺人事件の真相に近づくためのドキドキと、
サムとジェイソンの関係が気になってのドキドキと、
居たたまれない想いを抱きながら読み進める。
どんなに自分を律しようと頑張ったところで、気持ちに嘘はつけない。
何都合の良いこと言ってるの?と思いもしたけど、
ツンが崩壊したサムが心に抱えていたのは、
ジェイソンに対する真摯な想い。
糖度過多なカフスの件に身悶えて読了。
サム(46歳)にはどこの高校生ですか!?と突っ込みたい。
でも、過去を未だに胸に刻んだまま生きている姿はどこか痛々しい。
それでもジェイソンを欲した。
その気持ちを認めたところからが第一歩。
……というわけで、次作の翻訳を楽しみにしています。