きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第二部「神殿の巫女見習いⅠ」」香月美夜
マインの神殿での奮闘と、ルッツの家族問題に焦点の当てられた巻。
山積する問題と、それに対する解決策がお見事。
ガミガミ怒鳴りながらマインに色々なことを指南してくれるベンノだったけれども。
ルッツに関してはルッツの父・ディードの言い分に納得。
とは言え、拗れに拗れた家族問題はディードの言葉不足が原因。
うん。
いくら家族だって、ちゃんと言葉にしないと思いは全く伝わらないんだよ。
マインは口にしすぎて自爆してるけど。
神官長曰くの「もめ事をジャッジするときは全ての言い分を詳らかにする」
忘れがちだけど、改めて胸に刻みました。
家族はちゃんと分かりあえてるのが一番。
挿絵のベンノのカッコ良さに、全く違和感を感じなくなってみました。
よかったよかった。
すぐに次巻に手を出せる状態ではないので、一応問題に決着がついたところでのエンドに一安心。
うがー!つづきーー!と気になる引きじゃなくてよかった(笑)
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「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘Ⅲ」」香月美夜
シリーズを読んできて初めて、この子(マイン)馬鹿なの?思った巻。
もうちょっと廻りのことを考えよう。
でも、この世界の常識と仕組みを知らなかったら仕方がないのかな?とも。
自分の興味があるものにしか食指が動かない心理はよく理解できるし、
それがこの世界で生きる彼女の原動力でもある。
そして、家族の絆と愛情をまざまざと感じさせられた巻。
まさに「父ちゃん、かっこいい!」である。@グランディス←あ、世代が…(笑)
第一部完でありながら思いもよらない方向へ作品世界は広がり、
今後に対する布石もたくさん。
わくわくしながら第二部へ。
描き下ろしではギルド長の全く伝わっていない善意が不憫で笑える。←おい。
この人、いけ好かないおじいちゃんってわけじゃなかったのね。
ベンノは大人げなさ全開で愉快。
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘Ⅱ」」香月美夜
「オレのマインはおまえでいいよ」
ヤバイ。6歳児の言葉に射抜かれてしまった。カッコイイよ、ルッツ。
7歳になったら見習いとはいえ仕事につくこの世界の子たちの職業意識は高い。
商人になる道を目指すルッツと、
実利(我欲?笑)を絡ませつつ手助けするマイン。
目標に向かって試行錯誤するこの二人のコンビがとてもいい。
そして子供相手にも容赦ない商人のベンノ。
彼の存在は確実に二人の成長を促す引き金になっている。
彼らの交渉や駆け引き、編み出した手段ににこちらも思わず学んでいる気持になる。
マインが抱えた「身食い」という病にどう立ち向かっていくのか。
とても気になる。
一番最初にベンノをイカツイおっさんイメージで想像してしまったおかげで、
挿絵で出てくるたびに「誰?このイケメン??」となる私の脳内映像。
いい加減、イケメンに慣れよう(笑)
描き下ろしでマインの変化に母親が気付かなかった(気付いていてもスルーできた)
理由が書かれていて納得。
まさかそんな理由だったとは!
仕方ないね、と思っていいのかどうかは謎(笑)
「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~第一部「兵士の娘I」」香月美夜
異世界もの。
現代日本で就職が決まっていた女子大生が、異世界で5歳児として転生(でいいのか?)していたことに気付くところから始まる物語。
成人知識を持ったままの幼児生活。
どうしてもどうしても気になることがあって、
誰もそれに突っ込まないからどうなってるんだ?と思いながら読み進めていたんだけど。
それに気付いていた人がいたことと、プラスαの腑に落ちる要素があって、
俄然読み続ける気持ちになってみた。
着眼点が面白い。
それを物語として広げるだけの想像力と知識は持ち合わせている。
では、この先どう展開していくのか?
気になるので次巻へ。
「一冊目が微妙だと思っても、次の巻までは読んでみて」というのが友達からの助言。
途中までは微妙どころか読みつづけられるのかと思いながら読んでたけど、
そこを過ぎると面白くなってきて、次巻を読もう、むしろ気になる、という感じになってくる。
既刊23冊か……どこまで読み続けられるかな?(笑)
「教団X」中村文則(集英社)
人生に惑い、生き様を模索する人たちがここにはいた。
癒えずに抱えた過去の傷が膿んで痛んで仕方なくて、
知らず、拠り所を求める人たちが。
「生きる」ということはどういうことなのか。
問いかけられ、思考する端々にぶっこまれてくる国家の在り様。
なるほど、と思い、或は反発する。
考えること。
是と非を見極めること。
多分それは、生きている限り、停滞してはいけない。
文章が俗っぽくなった?と思って読み進めたけど、
著者が常々語りかけてきた言葉に作中で行き当たって泣きたくなった。
彼の伝えたいことは変わってはいない。
カルトに突出した作品かと思って読み始め、方向性が違っていてちょっと戸惑う。
初期作品に比べるとよっぽどエンタメに寄っているのでとっつきやすいとは思うけど、
エロ描写がしつこいので気軽くおススメしにくい。
読書はどこからとりかかってもいいものだけど、
中村作品はここから読み始めるのではなく、やはり順番に追っていってもらいたい気がする。
これは私の我儘。
文庫版でのあとがきがとてもとても気になるので、そのうちそちらも読んでみるつもり。
「竜頭町三丁目帯刀家の徒然日記 毎日晴天! 番外編」菅野彰 (キャラ文庫)
シリーズ通算19冊目は彼らの日常が散りばめられた短編集。
21年間付き合ってきた彼らは、何だかもう作品世界の人ではなく
その辺りで生活していそうな人……くらいの距離感(笑)
彼らの賑やかな日常に笑っていると、不意を突かれたように胸に刺さってくるものがある。
大事な人と食べるご飯は美味しいこと。
大切な人の誕生日を祝うことの大事さ。
庇護されていた者の手から離れる事、或は手を離すことの寂寞。
大好きな人と一緒にいられることの幸せ。
そう。
締め括りは幸せなエンド。
だけど、何故か泣きたくなっての読了。
書き続けてくれる限り、ついていきます!
2冊連続購入の特典は小冊子。
大河が秀の編集担当から外れたことは、
二人にとって本当に良いことだったんだと、改めて思う。
秀が落ちつくまでは周りに多大な迷惑をかけまくったけど。
逆に秀の現担当の久賀はいらない苦労を背負いこんでる気がするわ。
いや、飲み友達(丈と達也)ができてよかったのか?(笑)
どうでもいいけど、小冊子も文庫と同じサイズにしてもらえるとありがたい。
と思うのは私だけかな?
サイズ違いは並べてしまえないから忘れちゃうのよ~!
「クリスマスの思い出」トルーマン・カポーティ(文藝春秋)
やさしくて、あたたかくて、穏やかな光に満ち溢れる世界。
悪意という言葉の対極にある世界がそこには広がっている。
60歳を超えた彼女と7歳の僕。
無邪気な二人が協力し合って準備をする心温まるクリスマス。
満ち足りた笑顔しか浮かばない、ふたりの世界。
だけど。
僕と彼女との幸せな時間は永遠には続かなかった。
なんだかリアルに現実を突きつけられた気持になる。
ならばせめて、そんなクリスマスを過ごしたことが、
彼にとってかけがえのない思い出となってくれたらいい、と。
そして、残された彼女が寂しくなければいい、と。
心から願ってやまない。
「私はね、今日という日を胸に抱いたまま、
ここでぽっくり死んでしまってもかまわないと思うよ」
満ち足りた時間を過ごせた証のような言葉。
その瞬間に死ねたら幸せなのかな。
その後僕と離されてしまった彼女は、同じ言葉を紡ぐことができただろうか?
そんな問いかけが寂しかった。
「木曜日だった男 一つの悪夢」チェスタトン (光文社古典新訳文庫)
彼が「木曜日」になるまでの過程にぐっと引きつけられる。
この先どうなるの?と高まる期待。ワクワク感。
不可解で魅力的な男たち。
読み進めるうちになんとなく見当がつく彼らの正体。
だけど「何故?」がわからない。
気になる。
気になりすぎて頁を捲る。
捲って捲って……「なんじゃこりゃーー!?」
表題にあるように、私も悪夢(?)に翻弄された気分になる。
「何故」を追求しちゃいけないんだろうな。
曜日になぞらえた七人がキャラ立ちしてるので、
一人一人掘り下げたストーリーを想像するのも面白い。
読むたびに読後の印象が変わりそうな作品。
掴みはメッチャオッケー。むしろ大好き。
で、大風呂敷広げての「なんじゃこりゃー!?」の典型は、私にとっては菊地秀行氏。
Dもエイリアンも魔界都市シリーズも大好き。
大好きなんだけど、突っ込みたいことが多々あってどれもこれもシリーズ完走できてない(笑)
【ガーディアン必読 89/1000】
「マーメイド・マーダーズ 」ジョシュ・ラニヨン(モノクローム・ロマンス文庫)
再読。
読み進めるうちに事件の顛末は、ああ、そうだった!と思いだしたわけだけど。
続刊を読むのに必要なのはそこじゃなく。
ケネディとジェイソンがどんなふうに反発して
どんなふうに気持ちを通わせていったのか。
これがごっそり抜け落ちていて、再読した甲斐あり。
ってか、そこが抜けてるって自分どうよ?と突っ込みつつ、
おかげで、不器用な40代男子がドアの前でモダモダする様を
新鮮な気持で楽めした。
心配でたまらないのにストレートにそう言えないところとか、
ケネディの愛情表現がとても可愛い。
そしてジェイソンが言い当てたケネディの本音が抜群に良い。
今後の二人の関係がどうなっていくのか、とても楽しみ。→
未読の1冊を加えるとトータル29冊のレーベル買い。
作家買いの場合は集めることに意義がある場合があって、
内容に関してはどこかで妥協することがあっても
レーベル買いとなると、面白くなければいずれは作家や作品の内容
で手にする本を選択していくわけで、
すべてを無条件で買い続けることを良しとする
クォリティを維持している作品を出し続けてくれるのがとても嬉しい。
「翳りゆく夏」赤井三尋 (講談社文庫)
事件は解決している。
事の顛末もわかった。
だから、もやっとしているわけではない。
ただ、心底気になって、そして知りたくて仕方がない。
その後彼らがどんな人生を選択したのか、を。
「余韻」という言葉とは全然違う。
ただ気になって気になって仕方のない読後。
自分だったら?のifは
「目の見えない人の不自由さは目を閉じただけではわからない」
という千代の言葉通りでしかない。
だから提示してもらいたい、という思い共に
これはこれで完成形なのだと納得できる部分もある。
ものすごい吸引力のある作品だった。
金額あわせのためにポチッとした作品だけど、
とても良い引きだった。
Amazonのカートの中に300冊近く入っていて、
ブックオフでオーダーする時に送料無料まで金額が足りていないと
そこから見合った金額の本を引っ張ってくる……という買い方をします。
だから、ブックオフではコレが欲しい!と明確に意図して買うものの、
Amazonの方は何でカートに入っているのかもはや分からない作品が多数(笑)