忍者ブログ

きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「星を編む」凪良ゆう(講談社)

失われた命は取り戻すことはできない。
わかっているからこそ、こみ上げる想いは呑み込むしかない。
櫂の遺した作品を世に生み出すために尽力した編集者・植木と二階堂の姿に、
彼等のやり遂げたことに涙が滲んだ。
たくさんの後悔を抱えていたんだろうなぁ。
思っていた以上に重いものを背負っていた北原。
彼と暁海のゆるやかな愛の育み方が、素敵だと思う。
愛の形は色々あって。
思うところは人それぞれで。
抱えた想いは言葉にしなければ、理解し合えない。
人は、完璧ではいられない。
だから、許し合い、そして支え合う。
胸を抉った物語。とても良かった。

夭逝の天才。
このフレーズと、癌というワードから、伊藤計劃が頭を過ぎった。
『汝、星のごとく』から貸してくれた友だちに感謝。
復習してからの本編でがっつり浸れて抉られたよ。

拍手

PR

「VIP 桎梏」高岡ミズミ (講談社X文庫)

第一部番外編。というか宮原編。
正直、現時点ではアルフレッドには全く興味も共感も持てず。
結果的に宮原を直撃したトラブルは「アルフレッドのせい!」以外の何物でもなく、
そもそも、強引に宮原を英国に呼びつけたやり方も気に入らなく、
好きなら好きでもっとやり方があっただろうに、と、
文句たらたらで読了。
お坊ちゃまアルフレッドには「馬鹿なの?」と、言ってやりたい。
まぁ、宮原が許してるから、それでいいのかな。
和孝たちの登場にテンションが上がったあたり、私は彼等の出番を待っていたのだと思い知る。
第二部、どんな展開になるんだろう?

拍手

「夜愁 上」サラ・ウォーターズ (創元推理文庫)

1947年。第二次世界大戦直後のイギリスで暮らす人々の物語。
それぞれが過去に負った傷や抱えた何かに縛られながら、時を過ごしている。
前に向かって進む彼等の足を、その傷が、時に引っ張るように感じられるのは、
その傷がいまだに癒えていないからだろう。
「幸せ?」との問いに「幸せなふりをしているだけ」との答えが切ない。
彼等の暮らしぶりを追いながら、過去に一体何があったのか、という思いが膨らんでいき、
絶妙なタイミングで時間軸は過去絵と遡る。
1944年。
そこには、戦禍の中、日々を生きる彼らがいた。
先の予測がまったくつかないまま下巻へ。


そうそう。
サラッと読み進めることができないこの感じ、
ガーディアンよね~、と、手ごたえに懐かしさを覚えつつ、上巻読了。
病院の待ち時間に読もうと思って本書を持って行くも、待ち時間1時間半とのこと。
ギューギューの待合室で待つのも何だし、と一回外に出てカフェで読もうと思ったら、
その店が閉店。
じゃあ、こっち……と移動したカフェでは駐車場が満車で店に入るのを断念。
そうこうするうちに時間がなくなって、結局ドライブしただけで再び待合室へ。
おとなしく待合室で読み始めました。(笑)
【ガーディアン必読117/1000冊】

拍手

「VIP 残月」高岡ミズミ (講談社X文庫)

シリーズ第一部完。
前巻から三年ぶりって……あそこで三年待たなきゃいけなかったのって苦行。
一気読み出来て良かった。
火災現場のあの状況下で火の中に飛び込んでいくのは多分私には無理。
それが正しいかどうかはわからはいけど、和孝は行っちゃうんだよね。
今回は久遠の和孝に対する想いが明確に聞けて良かった。
そして和孝の口からも迷いのない想いが聞けて良かった。
二人の互いに対愛情は揺らがなくて、
それでも慣れ合わない二人が好き。
和孝にとっては新たな一歩の始まりとなる巻。
しっくりくる彼の選択は、これまできちんと彼の成長が描かれていたからなんだろうな。





個人的にリアタイで追いかけていて「次巻に続く」となったところで、
人生において一番「はああぁぁぁ!??」と絶叫したのは
『炎の蜃気楼』の『わだつみの楊貴妃』。
発売を待って次巻を手に取るまでの間がホントきつかった。
二番目も掘り起こせば『炎の蜃気楼』だと思う。(苦笑)
一気読み万歳☆彡



拍手

「VIP 聖域」高岡ミズミ (講談社X文庫)

襲撃された、という情報は入ってくる。
だが、怪我の度合いもその生死すらわからない。
繋がらない電話。
不安で押しつぶされそうなところをあんな方法で強引に連れ去られたら……文句の一つや二つ、言いたくなるわ。
ってか、殴ってもいいと思う。
だけど。
無事であったことの安堵の方が計り知れない。
心配だったからこそ、怒りは持続しないようね。
何か事があるたびに、絆を深めていく久遠と和孝。
何か事があっても、離れることは念頭にない二人の在り様に、気持ちが和らぐ。
このまま、いつもの日常に戻るかと思ったのに。
うそでしょ?と二度見したところで次巻へ。




拍手

「あなたが殺したのは誰」まさきとしか (小学館文庫)

現在の東京で起こった事件。
過去の北海道の離島での出来事。
同時に進行していく二つの物語。
いずれ、重なることはわかっている。
発端は北海道での出来事にあるのだろう。
だけど、どう、つながる?
どうにも抗えないものに翻弄される彼等の生活が、ただただ苦しく、
もつれあった糸が解けて明るみに出た真実が、哀しい。
そして、彼が捨てることのできなかった執念がやるせない。
一気に読み切って、抱えた想いが胸の中でぐるぐる渦巻いて、消化しきれない読後。
ああ、もう!とジタバタしたい。
著者の筆力に呑み込まれた感が拭えない。

とりあえずどよーんとした気持ちから浮上するために笑える動画見ておこう。
と、気持ちをリセットしてからレビューを打っていますが。
内容を反芻してまたどよーんとなりかけています。
このシリーズ、ホント癖になる。
次作も間違いなく読むよ。

拍手

「VIP 情動」高岡ミズミ (講談社X文庫)

規則正しい生活は心身を健やかに保つ効果は少なからずあると思う。
冴島の元で生活をしながらの和孝の変化がそれを如実に物語っている。
慣れない料理に奮闘する姿は微笑ましいし、
何より日常での基本的な挨拶がきちんとできるようになっていることが嬉しい。
お互いに好きあっているのに、一緒に生活することを諾としない久遠と和孝。
久遠の事情もあるし、和孝側の意地と拘りによるところが大きいんだろうけど。
いつか一緒に暮らせる日が来るはず!と信じて、先に進みます。
今回は久遠と和孝の電話のやり取りがとても好き。
「来いよ」の響きがめっちゃ甘い。
本格的にきな臭くなりそうな跡目争い。気になる~!

わかってはいつつも……
他の作業をしていて、
あ、今火止めるの無理!とお味噌汁を沸騰させることが稀にある私は
冴島先生に叱られると思う。
気にしなーい。(笑)
和孝の父と義母に関しては正直私の理解の範疇を越える。
病の治療をするのに何故今まで放置しつづけていた和孝からの言葉が必要なのだろう?

拍手

「夢色十夜 3の巻」かわいゆみこ (パレット文庫)

5話収録。
ん?5話?
『夢色十夜』2巻までで6話。
3巻目に4話収録で計10話での完結かと思ったけど、1話多い。
その理由は最後まで読んで「あぁ、そうきたか」からの「え?そっち!?」。
夢と現の曖昧な境目。
自分の立ち位置の不明確さ。それがこの物語には相応しい。
落としどころがうまいなーと感心してしまった。
妖と人が関わる話よりも人と人が関わる話の方が好き。
故に、この巻の中では『横櫛』が一番好き。
玲子さんに自分で幸せを掴み取る強さがあったことが嬉しい。
どの状況下でも倉橋と鷹司が一緒にいることも嬉しい。
この二人の距離感最高だね。

漱石の『夢十夜』を読みたくなったんだけど……あれ?見当たらない。
持ってると思ったんだけどなぁ。
『坊ちゃん』しか出てこなかった。
『坊ちゃん』は全国47都道府県読書リレーをしようと思った時に買ったんだよね。
というか、私、47都道府県にちなんだ本集めたんです。
なのに、結局リレーしなかったという……わはははは。

拍手

「ましろのおと」羅川真里茂

途中で手放してしまったので私の中で彼等の時間は止まってしまっていたけれども。
今回友だちにお借りして全巻一気読み。
津軽三味線を通して切磋琢磨しながら苦悩し、絆を深め、大きく成長していく若者たちの
人生を描いた物語。
青森は幼少期に住んでいたので、津軽の言葉の表記でイントネーションが懐かしく過ぎる。
そして迫力のある津軽三味線の音が響いてくるような紙面での表現力の素晴らしさに感嘆する。
彼等と一緒に笑ったり苦しくなったり嬉しくなったりしながらも、結局はじわりと染みる人の優しさに幸せな気持ちになれる作品。
大満足の読後。

コミックスを買っていた時に入手した特典のCDを聴きつつレビュー打っています。
これはこれで良いけれども、震える空気感とどーんと胸に響く音が堪能できるのはやっぱり生のステージ。
機会があったらまた聴きに行きたいなぁ。

拍手

「夏くゆる好色男の宿」akabeko(ディアプラス・コミックス)

藤男が都内にマンションを持っていたことに納得。
そうだよねー。
そして美晴がヲタだったことにびっくり&ジャンルが違えど親近感。
大分行ってないけど、ビッグサイトの居心地の良さはわかってるよ!
セックスに関しては百戦錬磨なのに、恋愛となると不器用な藤男が
何だか新鮮だった。
個人的には志賀子さん、好き好き。
彼女の愛情はちゃんと藤男に伝わている。
だからこそハイエナ(笑)二人がタッグを組んだ温泉街再建系計画。
なんだかんだ実家のことをちゃんと考えてくれているのが嬉しい。
美晴と一緒に温泉旅館を盛り立てていって欲しい。


コミケ久しく行ってないなー。
本作ってないなー。
と、ちょっと懐かしくなってしまった。
春・夏ときたら秋・冬と続くのだろうか?
好きシリーズなだけに続いて欲しいなぁ。
akabekoさんの絵は特に好みってわけじゃないんだけど、
ストーリーがとても好きで新刊が出るたびに買ってしまう。

拍手

  

カレンダー

10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 5 6 7 8
11 12 13 15 16
18 19 21 23
24 25 26 27 28 29 30

フリーエリア

プロフィール

HN:
みやこ
性別:
非公開

バーコード

ブログ内検索

P R

Copyright ©  -- きままに読書★ --  All Rights Reserved

Design by CriCri / material by DragonArtz Desighns / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]