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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「愛とは言えない 3」榎田尤利 (B-BOY NOVELS)



自分を罰するのも、自分の恋愛にルールを課すのもそれはそれでありだと思う。
人生はひとそれぞれ。
そうしなければ息ができない人も確かにいる。
だけど。だ~け~ど~~!
それを盾に誰かを傷つけていいってことには絶対にならない。
橘高の気持ちを分かった上でのサガンの選択。
皆が言っているけど、それはやっぱり貴方の傲慢。
橘高、よく諦めないなぁ、と、むしろ感心するわ。
この人たち、大人なんだか子どもなんだか、
もはやよくわからなくなってきた。
年下の英の方がよっぽど物事をまっすぐに捉えて見ている。
そして、しなやかで強い。
改めて、淳平の傷も深いなぁと思う。
見届けるために最終巻へ。


久々に本を読みながらストレスフル。
これ、初読の時耐えられなくて途中で放り出したんだわ。
で、漫画読んですっきりした(笑)
でも、ちゃんと最終巻も買ってた私、さすが。
……というわけで、小説の最終巻だけはまだ読んでいなかったということに、
今気づきました。
ビックリ。


すっきりするために漫画も小説も最終巻へ☆

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「三国志 6 ~陣車の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)



何故劉備は人材に恵まれる?
羨んだところで、曹操は劉備には成りえない。
己のやり方で道を究めるしかない。
「覇業」という言葉が相応しい男の辿る道は、孤独が付き物だ。
漸く軍師を得た劉備。
ここにきて明確に発せられた「力が欲しい」という言葉。
雌伏の時は終わったのだと、震えが走る。
旧き者たちは去り、新しい力が頭角を現し始める時流の中で、
守るべきものを守りきり、
未来ある若者が命を落としたことがやるせない。
そして、足場を固め、現状を見極め、慎重に時を計る孫権。
天下三分に向けて本格的に動き始めた乱世から目が離せない。

孔明が劉備たちの陣に加わったことで、
これからの蜀の動きがとても楽しみ。
孔明好きの友だちはこの巻から買いそろえていました。
おかげで私は北方三国志は6巻まで!という
誤った認識を植え付けられたことがあります。
正しくは、彼女が買った北方三国志は6巻から!
本棚を見て「なんで北方三国志、ウチにはこんなにあるのかしら?(13巻完結)」と
ビックリした記憶があります(笑)

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「恋とは呼べない 2」町屋はとこ/榎田尤利(ビーボーイコミックス)



淳平が呑まれかけた闇の中から、
英の存在によって引き上げられる一転した光の描写があまりにも綺麗すぎてため息。
まさに、「世界が変わった」瞬間。
胸の中に芽生えた想いを自覚し始めた淳平と英。
順調に行くかと思った二人の糸も、縺れて絡まってこんがらがる。
えっと……その原因は、やっぱり橘高だよね?
そして、淳平の言葉にサガンが傷ついたのなら、
それはサガンの自業自得。
頑なに過ぎるサガンの態度に橘高も疲れたのかなぁ、と。
とはいえ、やっていいことと悪いことがある。
この辺りの橘高とサガンの心理は小説編で。
大人カップルよ。
若いカップルに悪影響を及ぼさないで~~。

一瞬のタイミングで明暗を分ける事って、
リアルでもありますよね~。
橘高、英に何すんのよ!→淳平誤解→サガン巻き込まれる。
という、見事な連鎖。
でも、もともとはサガンの蒔いた種でもあるようなないような……?



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「鍵のかかった部屋」ポール・オースター (白水Uブックス―海外小説の誘惑)



彼の著作。
彼の妻。
彼の子供。
そして、彼の想い。
全てを引き受け、いまはここにはいない彼・ファンショーの人生を追跡するうちに、
次第に自分の脚元を見失っていく僕。
その作業にのめり込むほどに彼と自分との境目が曖昧になり、いつしか僕も
「鍵のかかった部屋」の内側に閉じこもった彼と同じ道を行くのかと思ったけれども。
そうはならなかったことに目を瞠る。
三部作を読んできて、あ、と思った瞬間。
ファンショーとの決別は、ようやく得ることのできた自我の確立。
いや、妻に「帰る」と伝えた時点で、僕は既にファンショーの影と決別し、
自らの脚で立っていたのだと思う。
ソフィーがいてくれたことに感謝だよ。

【ガーディアン必読 10-3/1000冊】『ニューヨーク三部作』三作目。
『ガラスの街』『幽霊たち』と、自分の立ち位置としてはずっと
物語全体を俯瞰するような感じで読んできたけど、
ここにきてようやく物語の中に入れてもらえた気がする。
各々独立しても読めるとはあるけれども、その感動(?)を噛みしめるためにも、
個人的には順番に読んでいっていただきたい作品。


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「愛とは言えない 2」榎田尤利 (B-BOY NOVELS)



橘高と恋愛関係になることを頑なに拒むサガン。
だけど、気持ちは橘高に惹かれていることが明白で、
いっそ素直になっちゃった方が楽になると思うよ?と思うこと屡。
サガンへの想いをてらいなく口にする橘高と
いい加減恋に落ちちゃいなよ!
と、思うわけだけど、過去編を紐解いてみれば、
そもそもの懐疑の根底には一番最初に関係を持った時の
橘高の態度にあるような気がしないでもない。
勢いで突っ走ることができるのは若者の特権。
経験値の分だけ大人は慎重に、そして臆病になる。
大人ならではの拗れっぷりと、徹底的な魔の悪さに阻まれた二人の関係。
これからどうなる?

サンタのそりから落ちたでっかいプレゼントが淳平。
この発想、とても好き。



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「愛とは言えない 1」榎田尤利 (ビーボーイノベルズ)



「孤独の中でひとりで死ぬ」と。
期せずして人生観に置いて共通の想いを抱いていた橘高とサガンだけれども、
恋愛に対するスタンスは全く相容れないふたり。
10数年ぶりの再会。
どちらも紆余曲折な人生を歩んで30半ばの今に至るわけだけど、
サガンの癒えない傷が辛い。
自らが断罪されることを望んできたけれど、当事者全員に咎がある。
事の真相が明らかになったことで、前に進めるといい。
ラストの橘高が運命を自覚した瞬間がとても好き。
拘ってきたもののルーツがそこって、やっぱりサガンとの恋に落ちるしかないよね。
拗れまくった大人の恋愛模様はまだ愛には至らないのです。

漫画との連動が見事にハマっていて、うまいなーと。
この日の後に、こんなことが!とか、ああ、あのときはこう思っていたのね!とか、
瞬時にリンクできちゃうからおもしろい。
漫画だと橘高はもう少しスマートでいい人な印象なんだけど、
小説を読むと人間味がぐっと増す。

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「三国志 5 ~八魁の星」北方謙三 (ハルキ文庫―時代小説文庫)



帰趨の決していない乱世に生きる男たち。
戦いの最中にありながら、きっちりと描かれる人間模様に魅せられる。
妻を得、子を成し、時に友と語らい、或は己の未熟に嘆く。
乱世に生まれた男が描く夢。
即ち、天下。
そこに至る道は数多あれども、手にすることができる者はただ一人。
数年後を見据えての、駆け引き。
自分に在るものと欠けているもの。
自覚しているからこその強さが確かにある。
曹操が計略を巡らせなかったら、劉備と彼の人との出逢いは果たしてあったのか?
ゾワっとするところで次巻へ。
本当の始まりはここから……って、言い過ぎ?(笑)

失敗を人のせいにはしない彼らの潔さがとても好き。
北方三国志における張飛の在り方は、本当にかっこいいと思う。←イチオシは違う人だけど。
ここで初めて見せた孫権の無謀さ。
無事だったから言えることだけど、周瑜と同じく、好ましいものだと思う。
周瑜と孔明。
こうして名前を並べるとこどうしても私設が読みたくて仕方なくなる。

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「恋とは呼べない 1」町屋はとこ/榎田尤利(ビーボーイコミックス)



「恋は落ちるもんだよ」
とても素敵な笑顔で語る英。
そんな英が恋に落ちた相手がクソなところが、
本当にいたたまれない。
だけど、何もかもを理解した上で、関係をきっちり清算できる強さがあるから大丈夫。
クリスマスイブの日に傷心の英に文字通り「拾われた」淳平。
「恋は二度としない」と自らに言い聞かせる彼は、
過去の恋で負った傷に苦しんでいる。
傷ついても苦しんでも、優しさと笑顔を失ってはいない彼らの物語。
コラボしている小説サイドの橘高とサガンも加えての恋愛模様。
一筋縄ではいかない人たちばっかりだけど、だからこその読み応え。


何度読んでも、やきのりちゃん(猫)可愛い~~~(*≧▽≦*)!!
と、心の中で叫んでしまう。
「記念日が来るたびに恋人に捨てられたことを思い出すのか」
と泣く英の姿に、かつて
「恋人の誕生日に彼の歳の数だけプレゼントを用意して一個ずつ全部渡して
最後にサヨナラって別れてきたの。彼、予想外すぎて大泣きしてたわ」
と語っていたクラブのママを思い出す。
詳しく事情を聞いたなら、私の思いも違ったかもしれないけど、
言われた言葉だけを受け止めたら、鬼だなぁ、としか思えなかった(^^;

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「幽霊たち」ポール・オースター (新潮文庫)



奇妙な依頼に端を欲した単調な毎日。
他者の為に費やされる膨大な時間。
他者の影を追う生活に、自分の人生はない。
それが、探偵である自分が受けた仕事である以上、
全うしなければならない任務。
けれども。
次第に膨らむ疑念。
果たして、真に監視されているのは一体誰なのか?
自分の書いた報告書は誰の手に渡っている?
自分はなんのためにここに在る?
息が詰まりそうな閉塞的な世界は、彼が傍観者から当事者に成り変った瞬間に崩壊する。
そして、私こそが幽霊たちの影を掴み損ねたかのような想いに包まれるのだ。
現実味を欠いた浮遊感に呑み込まれたまま。


【ガーディアン必読 10-2/1000冊】
『ニューヨーク三部作』の二作目。
そうそう、この感じがオースター。
と。
久々に彼の描く不思議な世界を浮遊してきました。
そう。
「浮遊する」
オースターの作品を読んだ時の感覚は、この言葉が自分的には一番しっくりきます。
作中で劇的な何かが起こるわけではないけれども、とても印象深い何かがそこにはある。
だけど、それはあくまでも感覚的なもので、特に何が、と具体的に語ることは難しい。


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「普通のひと」榎田尤利(SHY NOVELS)



離婚歴のある的場と、彼女と別れて間もない花島。
どこにでもいる所謂ノンケの男子二人が
日常の中で出逢い、やがて惹かれあって恋に落ちる物語。
同性との恋はお互いに初めて。
それ故に生じる葛藤や惑いがとても丁寧に描かれていて、
彼らと一緒になって一喜一憂してしまう。
良き相談相手となった周囲面々の助言は的確で、頷くことしきり。
理性のメーターを振り切って感情的になった二人。
剥き出しの感情でぶつかってはじめて届く本音。
「欠点を思いついても好きでたまらない」
素敵なノロケ。
人生をいつまでも共に歩み続ける二人を想いながらの読了。

彼らの仕事に対する向き合い方から学ぶところが多々あった。
今日の自分を顧みて反省するところも。
本部長に止められなければガチでゴング鳴らすところだったわ。
相手を詰問する前によく考えよう、私。
縁切ってもイイ勢いで喧嘩腰になるのは自分都合。
会社の利益にはならないのよ~。

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