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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「リスク」水壬楓子(リンクスロマンス)




久賀の真意がわからずに、誘われるまま高森を抱いてしまった城島。
城島の不安をわかっていながら、余裕の態度を崩さない久賀。
高森もすべてをわかった上で始めた関係。
大人の駆け引き……とはいえ、ちょっと不実じゃない!?
と、もやっとしたものを引きずったまま読み進め……
このクソジジィ、カッコイイじゃないの、と、
城島と同じく、久賀の手管にまんまと乗せられてしまった感満載で読了。
高森の引き際は半端なくカッコよかったけど。
胸中を思うとちょっとやるせない。
大人ムード満載だった表題から一転、同時収録には大笑いしながら読了。
気持ちはわかる。とてもわかるけど……
寝てる人の髭、勝手に剃っちゃったら駄目だと思います。
そんないたずらっ子には納得のお仕置きでした。

前作「スキャンダル」の作中での事件を別の視点から追っていく感じが楽しかった。
それでいて、しっかり彼らの物語になっている。
同時収録の話があまにも楽しすぎて。
読後の感想は「馬鹿だわ、この人たち」
この一言に尽きました。
30代と50代のカプ。何やってるんだか……(笑)




内容(「BOOK」データベースより)

捜査二課に身を置く城島高由は、政財界にかなりの影響力を持つ政治家の久賀清匡と8年前から身体の関係を持っていた。先も見えず、愛されている実感も持てない愛人という立場―進展のない二人の関係に心痛を覚え始めた城島は、誘われるまま、上司でキャリアの管理官・高森一穂を抱いてしまう。その後も度々誘いを受け、好意を向けられるが、片時も久賀のことが頭から離れずにいた。そんな中、城島は久賀が他の男を抱いたことを知ってしまい―。

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「進撃の巨人 22」諫山創(マガジンコミックス)



「自由」ってなんだろう?と、漠然と思いながら、泣きたくなった読後。
希求した海にたどり着いたところで彼らの戦いは終わりではなく、
肩を並べていた仲間たちの多くは、そこにはいない。
ここにきて多くの謎が明らかにされていくけれども、
果てのない虚無感とこの先の世界の不透明さに苛まれる。
あなたたちが希望。
あなたたちが導き出した世界が真実。
そう、思っていていいのかな?
「名は、進撃の巨人」
ここで、そう来る!?、と、物語の構想の緻密さに、震えが走った。
嘘予告の「進撃のスクールカースト」
これ、シリーズで読みたい(笑)

最も真実を知りたかったであろう人が、そこにはいない。
それがとてもとても淋しい。

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「スキャンダル 下」水壬楓子(リンクスロマンス)



久賀の導いた落としどころは、厳しいけど理にはかなっているよなぁ、と納得。
凌辱を受けること、見られること。
相手の立場に立ってみなければ、その気持ちはわからない。
祥彰と佑士の二人だけだったら蟠りを解くのにもう少し時間がかかったかもしれない。
トラウマを克服するため、そして、気持ちを改めて確かめ合う為のセックス。
瑞妃が目にした幸せな光景のイラストでのエンドは申し分なし。
後半は政界の重鎮久賀と刑事城島の物語。
18歳の歳の差はあれど、安定の大人カプ。
久賀の策士っぷりと余裕と貫禄が大変素晴らしい。
年上が年下を甘やかす話は好物です。

某バンドのギターの方のおかげで「城島」と見かければ読み方は「ジョウシマ」。
今作の「城島」は「キジマ」さんでした。


内容(「BOOK」データベースより)

養父である代議士・秋津祥彰の政敵に誘拐され、輪姦・凌辱されつづけていた佑士は、祥彰の手によってようやく助け出された。しかし、ぎこちない祥彰の態度を誤解した佑士はこれ以上迷惑をかけたくないと家を出てしまい…。互いに相手を想いながらも擦れ違う、切ない恋を描いたスキャンダル・ラブ、遂に完結!捜査二課の城島高由が、政界の重鎮・久賀清匡に翻弄されるリスク・ラブ『プロローグ』に、佑士と祥彰の書き下ろし掌編も収録。

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「スキャンダル 上」水壬楓子(リンクスロマンス)



我が身を振り返って落ち込んで反省するくらいなら、
最初から手を出すな。
そこは、内心の葛藤を呑み込んで、ぎゅっと抱きしめるとこだよね!?とは、
当事者じゃないから言えることかな。
ああ、でも祥彰!
なんであそこで佑士のことあんな抱き方しちゃったのよ~、と、
叫びたくなってみました。
お互いに好きあってるのに自己完結しちゃってるから気持ちが伝わらない。
でも、言えない気持ちもわかる、と、私がジタバタしました。
瑞妃の存在が本当に光。
とてもバランスの良い三人だと思うのです。
過去形の呟きに泣きそうになりながら、次巻へ。

『スキャンダル上・下』→『リスク』→『ルール』。
シリーズ物は初めから。途中からは読まない!が鉄板のはずの私の手元に何故か『ルール』だけがあったので(いつ、何故買ったかも覚えていないダメパターン・笑)
シリーズ全部揃えて読み始めましたが☆
これ、下巻が手元になかったら、続きが気になって眠れなくなるところでした。
私、グッジョブ(笑)





内容(「BOOK」データベースより)

養護施設で孤独に暮らしていた中野佑士は、セックスの相手をするかわりに不自由ない生活を手に入れる―そんな取引で代議士・秋津祥彰の養子となった。無垢な身体を開かれ蹂躙されながらも、どこかやさしい祥彰の腕に孤独だった佑士の心は癒されていく。祥彰との生活にも馴染み始めていたある時、佑士は祥彰の政敵に誘拐されてしまう。見知らぬ男達から輪姦・凌辱され、佑士は祥彰の政治生命を断つために嘘の証言を迫られるが…。

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「楊令伝 3 盤紆の章 」北方謙三(集英社文庫)



かつての彼らは、宋だけを見据え、相対してきた。
大きな敗戦を経験した今、宋のみならず、遼、金という国の情勢までも見据えて、
立ち上がろうとしている。
起するところは「梁山泊」。
掲げられる旗。
そうだよね、と、心が震える瞬間。
この巻まできて、長い長い序章を終えてようやく動き始めたという感慨深さ。
今回は子午山での場面がとても印象深い。
かつて、この地で暮らした者達の名を挙げていけば、
王進あっての梁山泊という思いが湧く。
今回旅立った花飛麟や張平のこれからに期待。
食事や船での脱糞。
日常が描かれることで、彼らがぐっと身近になる。
戦禍の中を、彼らと共に駆け抜けるのだ。

完全再読だった水滸伝とは違い、楊令伝は途中から未読。
結末を知らずに読み進めるワクワク感を味わっています。
未読の方は是非『楊家将』→『血涙』を!と心からおススメしたくなる巻。
世界は繋がっているのです。


内容(「BOOK」データベースより)

楊令は、幻王として金軍を率いながら、梁山泊の重装備部隊とも連携し、遼に侵攻した。呉用が潜入する江南では方臘の叛乱が拡大し、宋地方軍に大きな痛手を与えている。一方で聞煥章は、帝の悲願の地である燕雲十六州に、ある野望を抱いていた。ついに宋禁軍に出動の勅命が下り、童貫は岳飛を伴い江南へ出陣する。宋、遼、金国、方臘と入り乱れての闘いの火蓋が切られた。楊令伝、擾乱の第三巻。

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「AKIRA 3」大友克洋(講談社)



交差する追う者と追われる者の視点。
アキラの名を叫びながら、追いかけて、追いかけられて。
疾走感と緊迫感に駆り立てられながら頁を捲る。
駆ける理由は人それぞれ。
苦々しく、清々しく、そして痛々しく。
焦点を合わせる者によって、感情もめまぐるしく動いていく。
騒動の渦中にありながら、沈黙し続けていたアキラ。
大人たちが恐れていたのは彼の覚醒。
物言わぬアキラが叫んだ時、東京の街が倒壊する。
台詞の一切ない崩壊の連続に鳥肌が立つ。
食い入るように見つめ続けたその先にあるのは、
あまりにも神々しい二人の邂逅。
物語は、どこへ行く。


とにかく崩れゆく都会の描写が美しすぎて。←言葉、間違っていません(笑)
ビル群を真似てひたすら描いていた過去があります、私。
圧倒的な迫力を持って訴えかけてくる崩れゆく美しい世界をずっと眺めていたいという思いと、
とにかく続きを読みたいという思いと。
私の胸中がカオス。
金田のまっすぐな生命力が見てて気持ちがいいんだよね。
そして割烹着のおばさまが無敵すぎてカッコいい。





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「真夜中の喝采 きんぴか3」浅田次郎(光文社文庫)



やだ、寂しい!
と、読後に思いがけずしんみりとしてしまった。
馬鹿みたいに楽しい時間が、ずっと続いてほしいと思っていた。
だけど、あの暮らし自体が夢のような時間。
いつかは現実の中に立ち返って行かなければならない。
それぞれひきずってきた過去と向き合い、或は乗り越え、未来へ。
「バイバイ、バディ」
このタイトルを見てしまった瞬間から、覚悟はできてた。
やだ、でも泣きそう。←想定外。
時代の波に全く乗れていない男が三人寄り集まれば、
こんなにも愉快で人情味あふれた物語になる。
脳内BGMは何故か長淵剛の「乾杯」。
ピスケン、軍曹、ヒデさん、貴方達に幸あれ!

どこにでもいる普通の主婦かと思っていた克也の奥様。
さすがヤクザ若頭の女房。啖呵の切り方が半端なくカッコよかった。
改めて、プレゼントしてくださった読友さんに感謝。
ありがとうございます!


内容(「BOOK」データベースより)

草壁明夫が殺された。広橋をスケープゴートにした大物政治家・山内龍造の悪行を報道した、あの気鋭のジャーナリストが…。訃報を耳にした広橋は凍りつき、草壁に伝え忘れたセリフを口にするために立ち上がる。一方ピスケンと軍曹は、ヤクザと悪徳政治家が自己弁護と保身に走るなか、正義の暴走を敢行する。三悪漢の破天荒な物語、ひとまず完結。

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「隣人は二度チャイムを鳴らす」中原一也(シャレード文庫)



出逢えたことで、再び「生きる」ことに意味を見出した二人。
手を伸ばしたことで、闇に堕ちる寸前で「間に合った」二人。
少しずつ距離が縮まっていく二人の間に差し挟まれるアイテムが
食事だったり、6缶パックのビールだったり、散らかった部屋だったり。
ありふれた日常の光景なのが安心感満載でとても好き。
過去に負った心の傷の癒えない坂梨を受け止める
青柳の懐の深さというか、包容力の大きさが半端なくカッコいい。
だからこそ、凶器を手にするに至った闇の深さに胸が痛んだ。
そこから青柳を引っ張り出した坂梨の叫び。
「ご飯食べましょう」で私の張りつめていた想いが安堵に変わりました。
うん。日常の営みって大事!
笑顔が戻った二人に胸をなでおろして読了。

え?そこ、許すって言っちゃうんだ?というのが個人的引っかかりポイント。
ものっすごくイラっとした一場面。
人の気持ちに絶対なんてなくて。
好きで好きで付き合いはじめたって、別れるカップルは山のようにいる。
だから、別れたこと自体が問題じゃないんだよね。
納得いかないのは元カレのやったことっていうか、言ったことっていうか。
彼の場合、そこ、人としてどうなの!?という部分で根本的にダメだと思うのです。
とりあえず元カレがいなかったら成立しない話ではあるので、
存在は許容しますけど。←上目線(笑)
ないわ~~。
とはいえ、この作品自体はとても良かった。




内容(「BOOK」データベースより)

死んだように、生きていた―。辛い失恋の痛手を抱えたまま静かに生きていた坂梨の前に、青柳という一人の男が現れた。隣の部屋に引っ越してきた青柳は、坂梨の気などお構いなしに生活の中に入ってくる。ぐうたらでだらしなさそうに見えるが、うまく距離を計りながら少しずつ歩み寄ってくれる青柳と過ごす時間は、次第に坂梨の心を解していく。だが、親しくなるにつれて坂梨の抱えるトラウマが疼く。過去と未来の狭間で葛藤する坂梨だが、ある夜、青柳にキスをされて…。

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「貯金兄弟」竹内 謙礼、青木寿幸 (PHP文庫)



これ、カテゴライズ的には何に当てはまるのかしら?
小説だと思って読み始めたけど、なんか違う感が最後まで拭えず、
貯金や生保やローンの手引きを読んでいるような気分で読了。
兄と弟の金銭感覚が両極すぎて、全く相入れなかったのも
作品世界に入り込めなかった所以かな?
とはいえ。
「小説」としてではなく、「手引書」としてなら
上記のことがとても分かりやすく描かれていて、お勉強になると思います。
お金の感覚は人それぞれ。
私が以前お世話になったFPの先生の
「老後資金は大事。でも、パンの耳生活を送ってまでお金を貯める必要はない」
という言葉が私の胸には刻まれています。
ま、だから何事も計画的に!ということなんですけど。

途中から、この生い立ち、この職業、この設定でBL書いたら
おもしろいんじゃない!と横道に逸れた時点で、私、アウトでした。(笑)

内容(「BOOK」データベースより)

大卒で広告代理店に勤める浪費家の兄と高卒で消防士になった節約家の弟。幼くして母を亡くしたため、互いに助け合う仲のいい兄弟だったが、人生設計も金銭感覚も正反対。さらに、ある事件をきっかけに、兄は弟に嫉妬と憎悪を募らせていき…。両極端の2人にみるお金との賢いつきあい方とは?貯金からカードローン、住宅ローン、保険、老後資金までがわかるマネー戦略ノベル。

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「楊令伝2 辺烽の章」北方謙三(集英社文庫)



彼の人を断ったその剣で、その者の抱えた業を断つ。
そして彼は、新しく生き始めることができるのだ。
躊躇いもなくやり遂げた楊令の器の大きさを、男たちと共に噛みしめる。
張平、花飛麟、秦容。
育ちも年齢も全く違う子供たちが、
王進の元でまっすぐに育っていく様が微笑ましい。
潜んでいた時期を無駄に過ごした者は一人としておらず、
それぞれの立場で出来る準備をしてきたからこそ、
今ここにきて時は一気に動き出す。
本体に合流しての項充の涙には、胸が熱くなった。
「思い出してしまう人間を持った、俺たちが幸せなんだ」
私もあなたたちに出逢えて幸せです!


この巻にもよく喋るようになった御仁が一人。
喰らった拳……めっちゃ硬そうなんですけど!!
味より硬さが気になって仕方がない。
出来る男、宣賛。
なのに、場所に名前を付けるセンスが壊滅的なところがイイ。
皆で素敵な名前を考えるといい。
彼等の塞は、そうしてかけがえのない拠り所になっていくのだ。



内容(「BOOK」データベースより)

耐えよ、わが友。北方、紅塵が舞いて南方、緋流に染まり、替天旗の揚がる、その日まで。

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