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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「毒を喰らわば皿まで ~竜の子は竜~」十河 (アンダルシュノベルズ)



シリーズ四作目。
プロローグの回収事案が素晴らしい。
これは「悪の宰相」の物語。
そうこなくっちゃね。
そして孵化した竜の子が可愛すぎて悶絶。
仔竜を描写するあの表現力、素晴らしい。
今回はヨルガの記憶が何者かに奪われたことに端を欲する冒険譚。
相手が人ならざるものであったとしても。
アンドリムの「目には目を」のハンムラビな考え方がとても好き。
新キャラの加入に加えて、これまで関わってきた人たちの成長が垣間見れるのも
シリーズ読みの醍醐味。
残された時間は10年を切ったけど。
もう少し、彼らの日常に触れていたい。

アンドリムの絵心が知れる特典SS。
まさかのウシノコクマイリに爆笑。
リア友ときゃーきゃー感想を言い合いたくて、とりあえず1冊目を貸してみました。
銀英にはじまって大水滸伝やシグマフォースと諸々共有してきた友だちなので。
ハマってくれるといいなー。






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「末っ子、就活はじめました 毎日晴天!19 」菅野彰(キャラ文庫)



エアコン取付騒動で大笑いしていたら。
その後超ヘビーな話が待ち受けて、笑いが引っ込む。
真弓の就職活動。
そこまでビジョンが見えないなら、
深く考えずに決めてしまうのも一つの手だとは思うけど。
悩んで悩みぬいて決めるのも、また道。
だけど、自分の苦悩に他の人の人生の一端まで担って悩んでしまうから、真弓は余計に苦しい。
滲む勇太への想いが胸に刺さる。
心がどんなに揺らいで迷走しても、受け止めてくれる人がいる。
帰る家がある。
それを忘れないで。
真弓の成長をしっかりと見届けられる選択で在ることを信じて次巻を待つ。
ドキドキする……

自分の就活どうだったかしら?
と思えば、真弓ほど真剣には向き合っていなかったな―。
二度就活したけど、二度とも結果オーライだったのは幸い。
ずっと続いている今の仕事が天職だと思っているかと言うとそうでもない。
仕事の内容以上に自分がこだわっている条件があって、
一社目はそこを逸脱したから辞めて、二社目はその範囲内に収まっているから続いている。

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「アキラとあきら 下」池井戸潤 (集英社文庫)



自らの招いたことの尻拭いを他人に押し付けようとする輩にイラっとしながら読み進める。
血縁だからこそのめんどくささってあるよね。
殿様な顧客対応をしていれば、取引先を失うのは自明。
身勝手な要求を突っぱねる選択肢もあっただろうけれども。
手を差し伸べることを選んだ彬。
傾きかけた会社をどう立て直すのか。
紆余曲折ありつつも、
彼等が考えに考えた対策と手腕、そしてその成果を追っていくのは興味深かった。
アキラとあきら。
どちらのあきらにとっても父親の存在は大きい。
テンポよく展開していく物語。一気に読了。

「引き際」を見極める事ってとっても大事。

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「アキラとあきら 上」池井戸潤 (集英社文庫)



経営者が無能なこともヘッポコなこともあるだろう。
先読みのできなさや無策が自身に跳ね返ってくるだけならいいけれども。
巻き添えになって苦しむ社員がいるとやりきれないよね。
二人のバカ叔父は自身の無能を認めらず、成功する兄への対抗心であんなことになったんだろうけど。
二人の会社の顛末を知ることがちょっと怖い。
自身の売上利益最優先の銀行員とは公私ともに付き合いたくない。
どこまで親身になって相談にのってくれているのか。
リスク回避のためにも極める目は持っていたい。
二人のあきらの人生を交互に描いてきた上巻。
下巻でどう交わるのかな?
色々楽しみ。

友だちの卒論テーマが「粉飾決算」だったなー。
経済学部の友だちと文学部(西洋史)の私。
畑違いの卒論を互いに読み合ってどこまで内容を理解できるのか。
提出前にそんなことを検証しあった思い出。

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「君と僕と夜の猫」かわい有美子(幻冬舎)



とてもかわいさんらしい作品。
あまりにも心地よすぎるが故に、変わってしまうことを怖れ、
その先に踏み込むことのなかった智明と夏生の関係。
そこに第三者が絡むことによって、その関係性が変わっていくのはあるあるだけど、
あるある展開の中にもかわいさんらしさがめっちゃ感じられて、良いわ~~、と、感じ入る読後。
……と言いたかったんだけど。
ここで名前の誤植が入ってしまって、え?アナタいつのまに!?とびっくりして終わってしまった。(笑)
もったいない。
笠井さんの表紙も挿絵も作品世界と見事にマッチングして素晴らしい。

羊羹。
そう。重いのよ。
まとめて何本も持たされると、捨ててしまいたくなるような重さになるのよね。
私、仙台から大阪までお使いを仰せつかって2万円分の羊羹運んだんだけど。
店員さんが持ち上げた時に「うっ」って呻いて、受け取った瞬間、私も「うわっ」ってなって。
二度と頼まれるまい、って思ったよ。(笑)



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「うたかたモザイク」一穂ミチ(講談社)



13の短編が詰まった作品集。
なんだけど。
うわ、怖っ、と声が出たり、思わず笑ってしまったり、よかったね、と嬉しくなったり、
そして泣いてしまったり。
1作1作作りこまれた世界観がそこにはあって、読了後の満足度が半端なかったお借り本。
短編の1つが読み応えあるっていうんじゃなくて、全部がうまいなぁ、って思ってしまう。
『Droppin' Drops』『Still love me?』『神さまはそない優しない』が特に好き。
『透子』は自分の既読本のタイトルが出てくると嬉しくなるね。
テイストの違った13の作品が見事に融合して1冊を作り上げている。
そんな印象の本だった。→

一穂さんは前作までコンプしていて、前作の『光のとこにいてね』を読んだ結果、
一穂さんはBLだけにしよう!と思ってたんだけど。
この本は手元に置いておきたい。
やっぱ一穂さん好きだわ~~。
貸してくれたお友だちにめっちゃ感謝。
ありがとう!

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「ROMES06: まどろみの月桃」 五條瑛 (徳間文庫)



ただ己の幸せを探求することができたなら。
彼は違った人生を歩むことができたのだろう。
けれども。
荒波を乗り越えて尚、生を繋いだ彼には、それはできなかった。
故郷で苦しむ同胞たちのことを忘れることなどできなかった。
どうにかならないものかと思いつつ、どうにもできないことが世界には溢れている。
やるせないね。
一作目ではROMESのシステムのあらましを知る。
二作目では空港内でそれがどんな風に機能するのかを目の当たりにし、
三作目では空港外で起こった事件との連携を垣間見る。
この先も警備システムROMESとセキュリティセンターの彼らの成長と働きを観てみたいという名残惜しい想いを抱えつつ、シリーズ読了。

また関空に行く機会があったらこの作品のことを思い浮かべながらウロウロしたい。
これで五條さんの紙媒体での作品はコンプリート。
電子で購入しているのがいくつかあるので、お楽しみはまだ少し残っています。
Kindle放置しすぎて、さっき開こうとしたらパスワードから聞かれて、
ん?ん~???となりました。(笑)
五條さんの新作を……せめて『ソウル・キャッツアイ』を読める日が来るといいなぁ、という想いは抱き続けたいと思います。

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「太陽はいっぱいなんかじゃない 」菅野彰(ディアプラス文庫)



幸せな死。
強制的に命を絶つことを幸いと思えるほどに追い込まれた二人に背筋が凍る。
死は回避したものの、
淀んだ澱の中に漬かったまま、停滞してしまった時間。
二人だけではどこにも踏み出すことができなかった。
だから。
身を切られるような別離が必要だったとしても、
二人がそれぞれ愛を囁き合える人に出会えた幸いに泣きたくなる。
英知の抱えた罪悪感を根気強く丁寧に引きはがしていった四郎。
想いを育んだ二人が辿り着いた、ペーパーで描かれた情景。
それが嬉しくて、胸がいっぱいになる。
虐待の呪縛から逃れることのできた英知。
彼の心が空っぽになることが、二度とありませんように。



コロナ禍で出歩けなかった時のことを思うと。
今、飛行機や新幹線に乗って移動できる幸いをしみじみと噛みしめる。
それらの交通機関がいつも通りに動かなかった時期を乗り越えて
お仕事に携わってくださっている皆様に感謝を。
そして。
菅野さん同様、私も彼らが大好きです!

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「GIANT KILLING(62)」 (モーニング KC)



一年以上ぶりの新刊。
書店で表紙を見た瞬間、え?ええぇ?とテンションが上がり、
家で読みながら試合展開に没入しすぎて叫んでたよね、私。
村越、王子、赤崎。
推し三人が(大本命は王子・笑)あっちでもこっちでも全力プレイで、
そりゃあ、私も力入ります。リアル試合さながらに声も出ます。
そして、相変わらずな松ちゃんの扱いに笑う。
優勝を知っているチームのプラスαの強みは確かにある。
だけど、どん底から這い上がってきたチームのハングリーさも侮ってはいけない。
試合はまだこれから。
簡単に勝てる相手ではないけれども。
最後まで勝利を信じて!

このドキドキワクワク感がたまらなく良い。
そして王子が最高にカッコいい。
でも今回は村越に軍配かな。
いや、やっぱ王子。(笑)
一瞬絶望しかけたけど、赤崎超ナイス。
読み終わった勢いでレビューアップしたけど、
表紙の書影がまだ出ていないがっかり感。
早く~~~!


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「ROMES 06 誘惑の女神 」五條瑛(徳間文庫)



何を根拠に「完璧な計画」と言い切れるのか。
それは多分、すべてが計画通りに遂行したときに言えるんだろうね。
施設警備システムROMES(&成嶋たち)VSテロリスト(強盗)集団。
奇しくも「問題があるのは人間の方」と言った成嶋の言葉を、
犯人側がその行動によって顕示することになってしまったお粗末さ。
こうなると、完璧を誇った本物のアウレリオの犯罪を垣間見たくなってしまう。
気持ちが「恋」に走ってしまったあとに知った相手の素性。
一方通行じゃなかったことが救い。
成嶋から「愛」と言う言葉を引き出した彼女に、ささやかな幸あらんことを。

空港を舞台にしたシリーズを読んでいる時に、
自分が空港を訪れることができたタイミングの良さ。
あちこち見て回りたい気持ちはあったものの、
行きも帰りもギリギリの時間の駆け込みあったおかげで、
ゆっくり空港散策する余裕がなかったのが残念!
またの機会に☆彡




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