きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「リナリアのナミダ」崎谷はるひ(ルチル文庫)
シリーズの中で一番好きな話になりました。
読後にいろんな感情がジワジワと染みてきて、思わず涙が零れてしまった。
辛さや困難から逃げ、闇に堕ちかけた佐光の手を引いて、
間違わないように、迷わないように、懸命に進むべき道へと導いた高間。
迷いの中にいた佐光が、周りの人たちの助けを得て、
ひとりの男として成長していく様が、とても自然に納得のいく形で描かれていました。
どうしようもない男だったけれども、高間の躰にその想いを刻んだ廉。
ただ高間を振り回しただけの存在だと思われていた彼の、死した後に伝わる切なる想い。
そんな廉の想いを読み解き、高間の過去ごと抱きしめられる男に成長した佐光は
心の底からカッコいいと思います!
ああ、ホント良い話でした!
内容(「BOOK」データベースより)
佐光正廣は、不運が重なり三年連続で受験に失敗し、二十一歳にして専門学校に入学した、いわゆる仮面浪人。荒んだ気分で煙草を吸う佐光に、「ここは禁煙」と学校の売店店員・高間一栄が注意してきた。以来、声をかけてくる高間を不愉快に思いながらもなぜか気になる佐光。ある夜、高間に助けられた佐光は次第に心を開き始め…。
「狐笛のかなた」上橋菜穂子(新潮文庫)
【どうしようもない思いってあるよね。
その思いを守るために、人から見たら、
ばかだなぁと思うようなことをしてしまうことも、あるよね。】
特別な能力を持った少女・小夜と、呪者の使い魔である霊狐・野火の物語。
権力や政治、そして恨みと妬み。
隣り合う国の大人たちの思惑に翻弄されながらも、
決して揺るがず、自らの想いを貫いた二人の生き様の、なんと潔いことか。
小夜と野火の想いはどこまでもやさしい。やさしくて強い。
その思いは、長年にわたる二国の諍いの火種を消してしまうほどの凛とした強さを秘めていた。
孤独の中に生きてきた二人が、よりそって生きる姿には思わず涙が出そうになりました。
私、逆だと思ってたんですけどね(笑)
読後にほんのり気持ちがあたたかくなる、純粋でとてもきれいな物語です。
内容(「BOOK」データベースより)
小夜は12歳。人の心が聞こえる“聞き耳”の力を亡き母から受け継いだ。ある日の夕暮れ、犬に追われる子狐を助けたが、狐はこの世と神の世の“あわい”に棲む霊狐・野火だった。隣り合う二つの国の争いに巻き込まれ、呪いを避けて森陰屋敷に閉じ込められている少年・小春丸をめぐり、小夜と野火の、孤独でけなげな愛が燃え上がる…愛のために身を捨てたとき、もう恐ろしいものは何もない。野間児童文芸賞受賞作。
「海は涸いていた」白川道(新潮文庫)
【どこなんだ? その海の向こうってのは?】
誰かを守りたいと思う気持ちの、哀しいまでの負の連鎖。
哲郎の妹、薫を守るために、彼女を脅かす存在を殺めた慎二と千佳子。
妹と友人を守るため、哲郎はすべての罪を自らが被るべく、命を賭した行動に出る。
「生きることを諦めてはいない」という言葉の裏に滲む、諦念が哀しい。
妹と友人の幸せと安寧を願うだけの哲郎を、どうか放ってあげておいてほしいという、
私の想いは聞き届けられるはずもなく、彼は警察に追い詰められていく。
息子の眠る丘で、愛した女と大切な人たちに囲まれて、眸を閉じた哲郎。
行かせてあげたかった。彼の希求したペルーへ。
内容(「BOOK」データベースより)
都内に高級クラブ等を所有する伊勢商事社長、36歳の伊勢孝昭は暴力団に会社の経営を任されていた。彼には殺人の過去があったが、事件は迷宮入りしていた。しかし、孤児院時代の親友が犯した新たな殺人が、その過去を呼びおこし、警視庁・佐古警部が捜査に当たる。そんな折、伊勢はヤクザ同士の抗争に巻き込まれて―。天才音楽家の妹と友人を同時に守るため、男は最後の賭に出た。
「逃走」 薬丸岳(講談社文庫)
【相手がどんなに手を放そうとしても、
おまえが絶対に放さなければお互いにひとりぼっちにはならない】
明確な殺意を抱いていなくとも、罪を犯してしまう人たちがいる。
この物語で罪を犯した人たちは、皆、家族のために手を汚さざるを得なかった。
それが、哀しい。
どんな事情があっても、犯した罪は償わなくてはならない。
だが、その前にどうしても母親を探し出したかった裕輔。
そのための「逃走」。
そして、彼の切なる思いは、思いもよらない真実を皆に知らしめることになる。
すべては、妹を守るため。
一生彼女に会えなくなることを覚悟した裕輔に、
自分は守られるだけの存在じゃないと叫んだ彼女の想いがしっかりと伝わっていると、信じたい。
内容(「BOOK」データベースより)
死んだはずのあの男がいた。小さかった妹とふたりで懸命に生きてきた21年間はなんだったんだ?傷害致死で指名手配されたのは妹思いで正義感が強い青年。だが罪が重くなるとわかっていても彼は逃げ続ける。なんのために?誰のために?渾身の全面大改稿、ほぼ書下ろしの秀逸ノンストップ・エンタメ!
「かわいくないひと」キャラ文庫(菅野彰)
透明で純度の高い切なさとやさしさ。そして痛みと愛しさ。
ちりばめられた繊細な感情が痛くて心地よくて。
読後に思わず吐息がこぼれました。もちろん満足の吐息☆
どこか浮世離れした雨宮の人生に深い影響を与える二人の男、深海と瀬尾。
全く違うアプローチで雨宮の人生に関わろうとして、結局は瀬尾が雨宮に寄り添うことになる。
閉じた世界での安寧ではなく、開かれた世界での幸い。
一方的だと思い込んでいた瀬尾の想いを雨宮がきちんと汲んでくれていて、
雨宮もまた瀬尾を思ってくれていたことがうれしかった。
瀬尾も懐の広い男だと思うけど、年齢も下の名前もわからなくとも、
瀬尾という存在を受け入れて愛した雨宮もまた、実はすごいと思ったわ(笑)
やっぱり私、菅野さんの描く世界が大好きです!
内容(「BOOK」データベースより)
口が悪くて暴君なのに、どうしてデザインは美しいんだろう―。建築デザイナーの友也が密かに想いを寄せるのは、3歳年上の先輩・雨宮・天才肌の才能と繊細な美貌を併せ持つ、友也の仕事上のパートナーだ。けれど雨宮は自分の才能に無関心で、信頼している同期の意見にしか耳を傾けない。雨宮の作品にも惚れている友也は、嫉妬と悔しさで毎日辞めてやると思いつつ、傍を離れられなくて!?
「ミントのクチビル」崎谷はるひ(ルチル文庫)
砂糖菓子みたいにふわふわした桜哉と見た目は王子様だけど、意外と短気で喧嘩っ早い邦海。
ロクでもない男を好きになったという共通項も、
そのおかげで出会えたと思えばマイナスにはならないよね。
桜哉が徹底的に甘やかされる、糖度マックスなお話でした(笑)
いや、もう、ホント甘々。
そして邦海が正しく美形王子様。
ショートで入っていた伊勢と昭生の話良かったなー。
この大人カプ、やっぱ好きだわ。
内容(「BOOK」データベースより)
夢見がちな姫路桜哉は、初恋の人・徳井にはじめてを捧げた朝、当の徳井から心身ともに傷つけられる。そこへ颯爽と踏み込んでかばってくれたのは、その瞬間まで徳井の恋人だった小島邦海。彼は徳井に絶縁を突け付け、桜哉には優しいキスをくれた。王子様のような邦海から大切にされ、自分がいかに酷く扱われてきたかを思い知った桜哉は、まずはお試しで邦海とつきあうことになり…。
「午後からはワニ日和」似鳥鶏(文春文庫)
登場人物が個性的で魅力的。
桃君と服部君は二人セットの会話が面白い。
鴇先生のかっこよさは憧れるなー。
とはいえ。
他人様の家にピッキングして勝手に上り込むのは無謀極まりないと思う。
不法侵入だし、何より相手が悪人なら危険極まりないわけだし。
感情的には動物は盗まれるより殺される方が罪が重いと思ってしまうけど、
法律的にはそうじゃないんだね……
日常の中でこんなふうに知らないことってたくさんあるんだなーと
自分の知識不足を顧みてしまった。
飼育員さんたちの動物たちに対する愛情があふれている作品でした。
内容(「BOOK」データベースより)
「イリエワニ一頭を頂戴しました。怪盗ソロモン」凶暴なクロコダイルをどうやって?続いて今度はミニブタが盗まれた。楓ヶ丘動物園の飼育員である僕(桃本)は解決に乗り出す。獣医の鴇先生や動物園のアイドル七森さん、ミステリ好きの変人・服部君など、動物よりもさらに個性豊かなメンバーが活躍する愉快な動物園ミステリ。