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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「名残り火」藤原伊織(文春文庫)



何故彼は、そして彼女は死ななければならなかったのか。
彼らの穏やかな日常を奪った犯人の
あまりにも身勝手で理不尽な動機を思えば思うほど、ただひたすらに口惜しい。
心を許した友のために犯人を探し出していく堀江の手法は
決して褒められたものではないだろうけれども、私は嫌いではない。
最初に法を犯したのは犯人たちの方なのだから。
事実を知った奈緒子のけじめのつけ方はあまりにも壮絶で悲壮すぎた。
危うさを孕んだ堀江のことをきちんと見てくれている人たちがいる。
そんな事実がなんとなく嬉しくなった本作でした。

今回登場の三上社長がかなり癒しになったわ。
素敵なおじ様です!かっこいい~~!





内容(「BOOK」データベースより)

飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいかない堀江は詳細を調べるうち、事件そのものに疑問を覚える。これは単なる“オヤジ狩り”ではなく、背景には柿島が最後に在籍した流通業界が絡んでいるのではないか―。著者最後の長篇。

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「花扇」剛しいら(白泉社)



初助師匠の純愛物語。
『座布団』でつかみどころのなかった初助の人となりが胸に迫ります。
生涯をかけて想いを貫くことの幸いと切なさがジワリと滲み、
人が人を想うときの情の深さを見事に感じさせてくれた話でした。
初助と寺田。そして要と寒也。
「一人で笑ろうて暮らすより、二人涙で暮らしたい」
その言葉通り、たとえ目の前にどんな辛い現実があろうとも、
生涯想いを寄せ続ける相手と出会えた彼らは幸せだと思います。
全編を通して漂う雰囲気が本当に粋で素敵。
初助師匠の一途さも良かったし、寺田さんがかっこよすぎました。


内容(「BOOK」データベースより)

何の未練もなく男を使い捨てた師匠・山九亭初助。落語の道一筋に孤独な生涯を送ったかに見えたその裏には、真を貫いた驚きの愛情物語が。

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「座布団」剛しいら(白泉社)



芸に対してはどこまでも誇り高く真摯に向き合い、
芸の為で在るが故に、人に対しては冷酷な鬼にもなれる。
初助師匠のその生き様に魅入られ、虜になった数多の男たちの姿が、
師匠の肩越しに見え隠れするところがたまらなく艶めかしい。
芸に生きた初助はどこまでも孤高の存在だった。
浮世離れしたその姿と対照的な、要と寒也の日常のやりとりにほっとさせられる。
要もまた、噺家としての自分に初助とはまた違った意味合いでの誇りを持っている。
寒也と支えあいながら、その道を歩き続けていくのだろう。
粋に生きる。
この形容がこんなにも似合う登場人物たちは、そうざらにはいない。

内容(「BOOK」データベースより)

師匠である落語家・山九亭初助の死を知った山九亭感謝。その胸のうちに、厳しく誇り高い芸人だった師匠への想いが去来する…。

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「シリウスの道 下」藤原伊織(文春文庫)



【満足に自己満足以外の満足があるんですか】

最初に浮かぶのは、世の中ってそういうものだよね、という諦観。
決して爽快な読後じゃないけど、それも悪くない。
それは多分、皆が必死で頑張ったから。そして間違ったことをしていないから。
浅井の手助けを得て脅迫の件は片がつき、社内の害悪も排除することができた。
残るプレゼンに関しては、戸塚の成長が著しくて、
頑張っている姿に心からエールを送りたくなる。
最後の馬鹿社長に対して毅然と答えた彼を責める者は誰もいない。
それでもプレゼンは通らない。
そのことに納得していまう程度には、私も年齢と経験を重ねたってことなんだろなぁ。
今夜は静かにお酒が飲みたい気分です。

内容(「BOOK」データベースより)

新規クライアントの広告コンペに向け、辰村や戸塚らは全力を傾注する。そんな中、3通目の脅迫状が明子の夫の許に届いた。そして勝哉らしき人物が上野近辺にいることを突き止めた辰村は、ついに行動を起こす!広告業界の熾烈な競争と、男たちの矜持を描くビジネス・ハードボイルドの結末は。

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「シリウスの道 上」藤原伊織(文春文庫)



【なにかを選べるってだけで、恵まれてるさ】

生きるということは、こんなに切ないことだったかしら、と、やるせない想いを噛みしめる。
生きてきた年数分いろいろあるわけで、誰もが大なり小なり悩みや厄介事を抱えている。
一社会人としてはとても充実した仕事をしている日々を送っているように見える彼らも
私生活ではどこか疲弊してしまっている。
安らいでほしいと、お節介にも思ってしまう。
コンペの結果はこれからだし、脅迫者の姿もわからない。
そして、かつての幼馴染の人生はこの先どう交わっていくのか。
やきもきしながら下巻へ。
「テロリストのパラソル」とのリンクが嬉しいのとこっちも切ないのと半々。



内容(「BOOK」データベースより)

大手広告代理店・東邦広告に勤める辰村祐介には、明子、勝哉という2人の幼馴染がいた。この3人の間には、決して人には言えない、ある秘密があった。その過去が25年の月日を経た今、何者かによって察知された…。緊迫した18億円の広告コンペの内幕を主軸に展開するビジネス・ハードボイルドの決定版ここに登場。

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「てのひらの闇」藤原伊織(文春文庫)



勤務する会社の会長の突然の自殺の理由を解き明かそうと、動き出した堀江。
調べれば調べるほど、会長の周囲にはきな臭い雰囲気が漂っていて、
これ、一介のサラリーマンの手に負えるの?と、ふと過った思いは、
堀江の持つ別の一面を鮮烈に突きつけられることによって霧散する。
肝の座り方、手段の容赦なさ、腕っぷしの強さが半端なくカッコいい。
堅気とは言い難い方法で真実にたどり着きながらも、
同僚たちには最後まで「堀江課長」であり続けた彼の人となりが良い。
彼の周囲の男たちもまた、漢気あふれる魅力的な人物ばかりで、
読後、しばらく心が痺れていました。


内容(「BOOK」データベースより)

飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診されるが、それがCG合成である事を見抜き、指摘する。その夜、会長は自殺した!!堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、その死の謎を解明すべく動き出すが…。

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「テロリストのパラソル」藤原伊織



【きょう、友だちをなくした】

いま在るこの場所は、必ずしも、自分が思い描いていた通りの場所ではないかもしれない。
だが、そこでどう生きるかは、自分次第だ。
その結果が桑野にとってはテロであり、破滅であった。
島村も浅井も、望んでこの場所に流れ着いたわけではないだろう。
だが、彼らは奥底に熱いものを抱えたまま、自分なりの矜持を持って生きている。
島村の静かな生活は、桑野によって掻き回された。
だが、彼は桑野に対して恨み言は言わないだろう。
浅野も然り、だ。
この二人のコンビ(?)好きだなぁ…
渇いた文体で描かれる男たちの世界。
暫し浸っていたい心地よさです。

藤原伊織再読祭り。ここから開幕です

内容(「BOOK」データベースより)

アル中のバーテン・島村は、ある朝いつものように新宿の公園でウイスキーを呷った。ほどなく、爆弾テロ事件が発生。全共闘運動に身を投じ指名手配された過去を持つ島村は、犠牲者の中にかつての仲間の名を見つけ、事件の真相を追う―。乱歩賞&直木賞を史上初めてダブル受賞した傑作。

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「悪の経典 下」貴志祐介(文春文庫)



中学生の時の殺人は看破され、アメリカでの悪事も露呈した。
ばれてますよ?イロイロ。
自分が思っているほど完璧でも天才でもないことに、気づかないお馬鹿さん。
そんな蓮実の犠牲になった人たちに対しては、言葉もありません。
ギリギリのところで生き延びた雄一郎と怜花。
でも、彼らが心から笑える日が来るのはいつだろう?
蓮実には共感も同調もできなくていいし、そもそも彼には感情が欠落しているから
こちらの感情が揺さぶられるわけもない。
極限状態の中にあっても、自分が助かる道を探るためにクラスメイトを犠牲にした渡会の方が
その心理がわからなくもないだけに、嫌な気分にさせられた気がする。
以下辛口。

せっかく読んだけど、残念なくらい読後に何も残らない話でした(苦笑)


内容(「BOOK」データベースより)

圧倒的人気を誇る教師、ハスミンこと蓮実聖司は問題解決のために裏で巧妙な細工と犯罪を重ねていた。三人の生徒が蓮実の真の貌に気づくが時すでに遅く、学園祭の準備に集まったクラスを襲う、血塗られた恐怖の一夜。蓮実による狂気の殺戮が始まった!ミステリー界の話題を攫った超弩級エンターテインメント。

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「恋愛操作 4」蓮川愛(SBBC)



薙と恵の期間限定遠距離恋愛。
仕事優先だから思い通りに会えないことに焦れて苛立ちを隠せなかった薙が、
式に一括いれられてちょっと大人になりました(笑)
恵を気遣いわがままを口にしなくなった薙に、それはそれで不安を感じ始める恵。
ありがちな空廻りと擦れ違い。
でも、最後は恵が年上らしくビシッと決めてくれました。
その後の短編見てても、うまい感じにおさまったなーと。
一発かました式、素敵。
奥村と啓の携帯ゲーム話も可愛くてよかったけど、ボリュームのある話も読みたかったなぁ。
次巻期待していいのかしら?

限定の小冊子。
ちょっと不思議な話だけど、啓がどこまでも啓らしくてすごくよかった。



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「悪の経典 上」貴志祐介(文春文庫)



蓮見の殺人の動機は、我儘を押し通す子供のような幼稚な思考に基づいている。
気に入らないものは排除してしまえばいい。
邪魔になるものは壊して捨ててしまえばいい。
そうして思いついた殺人を実行出来るだけの知能と幸運を備えていたことが、
巻込まれた人たちにとっての不幸だった。
蓮見の築き上げようとしている王国は、いびつに歪んだ砂の城。
一見、完璧に積み上げられているようでも、生じた綻びから一気に瓦解する脆さを持っている。
既に彼の異質さに気付いている人たちがいる。
彼の小さな王国はこの先どうなるのか?
とりあえず次巻へ。

表紙のカラス。
何かの象徴なのかしら?と思ったら、まさかあんな目にあわされているとは(ФωФ)!

内容(「BOOK」データベースより)

晨光学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇いなく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムに、サイコパスが紛れこんだとき―。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。

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