きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「酒と涙と男とニャンコ」小野ユーレイ (角川コミックス)
ダンディなおじ様たちの織りなす不思議テイストな物語。
ハードボイルド臭ぷんぷんで、男の色気むんむん。
バイオレンスあり、謎解きときあり、そしてコメディチックな笑いも忘れずに。
だけど、肝心な物語はなんだかほろ苦い。
一読では飲み下しきれないほど、いろんな要素盛りだくさん。
なんだけど。
この作品の主役は猫のダンディです!(私見)
ああ、ホントにダンディ可愛いいんですけど!
そして窓辺に佇む背中が切ないんですけど!
小野寺とダンディの交わした約束に涙。
こちらも読めば読むほど味が出てくるスルメ本。
小野浜こわしさんの別名義一般作品。
初読で内容を汲み切れずに?となっても、読み返してもらいたい。
おもしろさがジワジワ沁みてきます。
そしてウルっと泣きたくなる。
で。ダンディ可愛い♡の無限ループ。
「猫に笑い、猫に泣き、猫に振り回される男達!」の帯に嘘偽りなし。
だけど、それだけじゃないおもしろさがあります。
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「Ghostdog」小野浜こわし (Melty Bullet)
青年の瑞々しく粗削りな男の色気と、
壮年の円熟した深みのある男の色気。
そして、老齢の男の一途な恋心と悲哀。
意味深な会話。
カクテルに込められた想い。
血塗れの手に縛り付けられた銃。
画面から駄々洩れるエロティックな色気が半端なくて
何処を見ても眼福。
一人の男の死を起点に動き出す運命。
何かを諦めてしまった男たちの背負った覚悟が重く、
命さえ投げうったやり場のない想いがやるせない。
すべての柵を断ち切ったのは大輔の若さ……かな。
再読すると彼らの一言一言に込められた想いが汲めてぐっとくる。
小野ユーレイ氏の別名義でのBL初コミック。
いやーん。出たらいいなーと思っていたけど、まさか本当に拝めるとは!
裏設定もあるとのことなので、気長に期待して待っています♡
「後宮の烏」白川紺子 (集英社オレンジ文庫)
全巻手元にあるので勝手に長編だと思って読み始め、短編連作であったことにちょっと戸惑った……のも一瞬。
引き込まれて一気に読んでしまったけど、一日一話ずつ、じっくり読み進めるのもありだなぁ。
孤独に生きてきた雪寿を気遣う高峻もまた、孤独と傷を抱えて生きてきた。
孤独であるということは、身分も立場も関係なく、等しく寂しいものなんだと思う。
重い宿命を背負った二人ではあるけれども。
反発したり、不器用に思いやり合ったり、憤ったり、歩み寄ったりと、
次第に距離を縮める雪寿と高峻。
物語はまだ序章。
この先ぐっと深みを増して面白くなることを期待しての読了。
鶏(正確には化鳥)生意気~~!
全力で攻撃的してくる凶暴な鶏に追いかけまわされたことがあるので軽くトラウマ。
でも鶏、飼ってたこともあるんだよね。
手作りで小屋まで作ってたけど、懐いてくれなかった(笑)
友だちが全巻まとめてプレゼントしてくれた作品。
「霧のむこうのふしぎな町 (新装版)」柏葉幸子 (講談社青い鳥文庫)
何とも微笑ましいひと夏の体験。
心あたたまる出来事を彼女は繰り返し思い出し、大人になっていく。
年を経るごとにその出来事の詳細はぼんやりと霞んでしまったとしても、
楽しかったことはずっとずっと心に残っていくんだろうなぁ、と思える読後。
僅かな滞在期間の間に、はたらくことを通じてふしぎな町の住人たちから
様々なことを学んだリナ。
と同時に、彼等もリナから与えてもらったものがたくさんあったのだろう。
滞在を終え、自宅へと帰るリナへ町の人たちが託した贈り物が本当にやさしい。
口の悪いオウムからのプレゼントになんかホロッとしてしまった。
お友だちからのお勧め本。
未読の作品だったので、下の姪っ子ちゃんに渡す前にまず自分が楽しく読了。
誰にプレゼントをするにしても、自分が読んで面白いと思った本をあげたい派。
なので未読の児童書に関してはいちいち古本で買って
読んで面白かったら新品を買って渡してと非効率的なことをやっていました。
一般書はお勧めしたい作品が膨大にあるので、色々渡せるよ!とはりきっていたのですが。
上の姪っ子ちゃんは最近はもっぱら読書時間よりスマホ時間。
まぁ、仕方ないんだろうけどね。
このまま読書離れはしてほしくないなーと密かに思うのでありました。
「天国より野蛮」かわい有美子 (リンクスロマンス)
悪魔、天使、堕天、天使九階級。
誰もが知るモチーフが見事にかわいさん色に仕上げられた作品。
特にオスカー。かっこいいなぁ。
かわいさん、めっちゃ楽しく書いていたんだろうなぁ、と思ったら、
案の定のあとがきでした。
うん。私も楽しかった。
そのワードに胸がときめくのは、いつか通ってきた道だから。(笑)
そして本編にぐっと深みを持たせる書き下ろしが秀逸。
それを踏まえて改めて本編を読むと色々深い。
悠久の時を越えて成就した恋物語。
今までの分を補って余りある幸せをかみしめてほしい。
あとがきでテンション爆上がりしたのはまさかのオスカー・フォン・ロイエンタールの名前が出てきたから!
オッド・アイの持ち主の名前がオスカーだったことは、彼に由来していたんですね。
ああ、かわいさんハグしたい!←大迷惑(笑)
ロイエンタール様、今でも変わらず大好きです♡
「涙 下巻」乃南アサ(新潮文庫)
理不尽な暴力によって人生を壊された人たちの涙は、
やるせなくてやりきれない。
警察も韮山も、そして萄子も。
三者三様のやり方で真実を追い求め、それぞれが核心に迫っていく。
真実が知りたい。
ただその一心で日本全国を渡り歩いた萄子の想いが引き出した事件の真相は
理不尽極まりないものだった。
警察よりも早く真実に辿り着いた彼女の決意と行動力は称賛に値する。
時間は巻き戻らない。
壊されてしまったものは元には戻らない。
理不尽に屈しないためには、そこから新しく築くしかないのだ。
やるせなさを噛みしめる読後。
淳の告白に泣きそうになった。作中で感じた唯一の感動の涙。
駅の「伝言板」にロマンを感じてしまった。
今はもうないよね。
沖縄の食文化は私大好きで。
特にゴーヤは好きな野菜トップスリーに入ります。
トップスリーの内訳は、ゴーヤ、レンコンは不動であと一枠は流動的。
ちなみに好きな果物トップスリーは葡萄、デコポンが不動であと一枠が流動的。
「涙(上)」乃南アサ(新潮文庫)
結婚を間近に控えた恋人にかけられた殺人の嫌疑。
電話で告げられた別れの言葉。そして失踪。
幸せな花嫁になるはずだった萄子の絶望と苦悩。
だけど、彼女は諦めなかった。
高度経済成長の波に乗る世情の熱気と勢いを感じさせる情景描写には、
人々のざわめきが聞こえてきそうな臨場感がある。
一方、失踪した恋人を懸命に探す萄子の固い決意と悲壮な覚悟は
そんな世情とはかけ離れていて、切実な思いが伝わってくる。
娘を殺された韮山との情報共有は今後どう展開するのか。
プロローグの位置づけが絶妙だなーと思いつつ。
謎だらけのまま次巻へ。
『飢餓海峡』長らく積んでる~!
いつかの読書のために、もうしばらくあっためておきます。
コツコツ積読を減らしてきた今年ですが。
最近地味に積読を増やしてしまった……
買うときは複数冊まとめて買っちゃうから一気に読了数<購入数になっちゃうんだよね。
お楽しみがいっぱいってことで(笑)
「黒を纏う紫」五條瑛 (徳間文庫)
わかってはいても、途中で一度確認してしまった。
この本の出版って東日本大震災の前であってるよね?と。
「不夜城」と言われるほどの膨大な電力を要する夜の街。
その電力はどうやって生み出されているのか?
供給源を動かすための物資の運搬はどうやってなされている?
相変わらず視点は鋭いし、提示された問題は重いし、色々気になるしで
ドキドキしながら読み進めたものの、
途中で中だるみしたのは繰り返される性描写に辟易したため。
とはいえ、突っ込みどころはあるけど、考えさせられるところもあって、
後半は失速することなく一気読み。
二人には最後まで足掻いてほしい。
【作家買い】有明。お台場。
足が遠のきすぎて、懐かしいなぁ…と思う地名になってしまった(笑)
あんなに通ったのに。
「アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿 」榎本憲男(幻冬舎文庫 え 14-1)
過去の事件が要因で閑職に追いやられた内藤と、
その捜査方法から煙たがられて主だった事件から外された杏奈。
はぶられコンビが本気を出せば、相乗効果でとんでもない展開に!?
時事問題を絶妙な感じで取り入れた、ザ・エンタメ。
一気読み必須の面白さ。
事件の真相解明への過程と、杏奈のプライベートの描写がバランスが良く、
更には田舎に飛ばされた内藤がめっちゃいい味出している。
やる気ゼロどころかマイナスからたどり着いた真実。
このコンビ、まだまだ見たい。
過去の事件の核心が曖昧なままなので、これは続編があるかな?と期待大。
作家買い。
榎本さんやっぱりおもしろいなー。
タイトルの『アクション』が「そこできたか!」と思った瞬間、テンションが上がりました。