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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「少年悪魔公爵、淫魔に憑かれる」沙野風結子 (シャレード文庫 )



沙野さんと同じくこの作風は「アリ」に一票。
楽しく読了。
魔王の窮地を救うため、勇者討伐の旅に出掛けたポンコツパーティ。
魔王の人選が意図的だったかどうかは疑わしいと思っているけど、
結果的にはアルトにとっていくつものプラスの作用を及ぼすことになる。
まぁ、悪魔的にそれがプラスかどうかも疑わしいけど。(笑)
そして、悪魔と手を結ぼうとした国王の理由もさることながら、
魔導士の交換条件もまた、なんじゃそりゃ!?感半端ない。
巻き込まれた魔界の面々がなんだかお気の毒。
とはいえ。
愉快な仲間たちとの間で今後も交流が続いて良かったね。


登場人物の名前はすべて音楽関連用語なのはわかりやすかったけど、
「ナーハハル」の意味だけわからなくて、調べてしまった。
作家さんには「こうしなければならない」枠に捕らわれず、
書きたいものを自由に書いてもらいたい。


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「囀る鳥は羽ばたかない 8 」ヨネダコウ(H&C Comics ihr HertZシリーズ)



二年待ってこのスロー展開。
なんの焦らしプレイですか?という想いと、
それ以上にずっと緊張感を孕んだままこの作品を読み続けることができる僥倖を噛みしめる想いと。
ただ、ため息。
どんなに距離を置こうとしても、会わなかった期間が4年あったとしても。
顔を見てしまえば、その存在を傍らに感じていまえば、
相手の存在からもはや目を逸らすことは不可能で。
内面の想いに惑乱することになる。
禁断の知恵の実が象徴するのは、どんな想いなのか。
矢代は抗い、百目鬼は多分腹をくくっている。
前巻に続き今回もまた、そこで終わるんですかー!?と心の中で絶叫して読了。

ずっと息をつめて読み続け、読了してようやく息を吐く。
そんな感じ。
この緊張感、なんだろう?
百目鬼の表情が本当に変わらなくて、なんだかいたたまれない気持ちになる。
彼も、そして矢代も。
心の底から笑える日がくるといい。


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「王室護衛官に欠かせない接待」水壬楓子 (キャラ文庫)



【再読】
とっても楽しく読了。
この一冊だけでも読める内容だけど、
前作を踏まえて読むと、作品世界により深みが増すと思う。
そして水壬さんの作品世界の構成力の安定感。
二国間での陰謀めいた探り合いや、その過程で構築される人間関係、
解き明かされる真実等々、どっぷりハマって読み進め、
トリスタンが自分の居場所を確立するシーンでは
嬉しさが込みあげて泣きそうになってみました。
よかったね。
そしてワンチームの素晴らしさ。
WBC熱が燻っているタイミングでもあり、
仲間っていいなーとしみじみ思ったわ。

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「王室護衛官を拝命しました」水壬楓子(キャラ文庫)



あなたの本当に欲しいものはなんですか?
他人の欲するものと自分の欲するものが合致するとは限らない。
勝手に同じだと決めつけて動くから、その計画は破綻する。
戦後間もない国内において、
陰で何かしてるんだろうなぁ、とは思うものの、
表面的には昼行燈みたいな行動しか見えてこない、
戦時下の英雄、ディオン王子。
そんな彼が真に欲したものは王座ではなく、彼の護衛官ファンレイ。
明らかになったディオンの真意と行動に感動した後の
こどもか!?というプロポーズ(?)に爆笑。
それも彼ら二人が共に築いてきた年月の長さの証なんだろうね。


電子限定版の書き下ろし番外編「第五王子の忍耐が試されています」。
タイトルだけでとっても気になる。
電子は買わないけど……だけど気になる。
スカーレットナインと言われる王室護衛官の9人。
実はこの作品には続編があって私は先にそちらを読みました。
9人の名前はほぼ覚えてる。
覚えてるんだけど……肝心な内容が全く頭に入っていなかったという残念な事実が発覚。
楽しく再読できますね~。(←ザ・ポジティブ・笑)

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「創竜伝(2) 摩天楼の四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



自分たちの欲望を満たすために他人を手段や道具のように使おうとする輩と、
そんな輩の好きに扱われるのはごめん被る四兄弟の壮大な追いかけっこ。
そのとばっちりを受け、都心の有名な建物が豪快にぶっ壊されていく巻。
え、二巻目にしてここまでいろんなものが破壊されてたんだっけ?と、
記憶が薄らぼんやりしている割には、
気持ち悪いオッサンのことは覚えている残念な自分。
う~、生理的に無理無理無理。
破壊と追いかけっこと暴力が繰り返される中、
後の布石となるようなワードもちらちらと。
それにしても……この頃の田中さん、勢いがあったなぁ。

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「創竜伝(1) 超能力四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



ん?こんな暴力的なオープニングだったかしら?と思いつつの読み始め。
30年越しの完結の作品に、一巻発刊時からのお付き合い。
始さん、続さん、終くん、余くん、
めっちゃ久しぶり!
とはいえ、途中で発刊が止まったあたりで読むのを頓挫し、
ここにきてようやく全巻読破に着手。
権力に固執する人は、みんながそれを望むものと思いがちだけど。
そんなものに全く興味ない人もいるだよ、と言ったところで理解できないんだろうなぁ。
巻き込まれた方は大迷惑。
おかげで自らの出自が知れたことは利点なのかな?
結末を知らないので、読み進めるのがとても楽しみ。


「人間を殺すものは人間である」
真理。
現在進行中の戦争を目の当たりにし「こんなことをするなんて人間じゃないよ。悪魔だよ」と
口にした知人に対いて「人間だからこんなことをするんだよ」と、心の中で呟いてみました。
人間の歴史は戦争の歴史。


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「継承者の印~傭兵代理店」渡辺裕之 (祥伝社文庫)



推し、というわけではないけれども。
巻頭の「主な登場人物」の欄に、真っ先に探した人の名前がない。
え?前作でお亡くなりにはなっていないはず。
どこいった!?
と、読む前から小さな一波乱。
読み進めてみると、なるほどな展開。
むくつけき男たちのアクションバトル。
ずば抜けておもしろいか?と問われれば、まだその域には達せず。
けど、読み始めたら頁を捲る手を止められるか?と問われれば、答えはノー。
なんだろう、この不思議な面白さ。
今回はバトルと宝探しがミックスされていて、二方面から楽しめた。
でも、ミャンマー情勢のことを思うと、真顔になってしまいます。

コードネーム「リベンジャー」。
これが脳内で「アベンジャー」と混線してプチ混乱したわけですが。
なんでだろう?と思ったら映画の『アベンジャーズ』と混ざっちゃったんだね。

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「猫の遊ぶ庭―気まぐれ者達の楽園」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



前作で初めて恋を知った杜司。
今作では無自覚に嫉妬を覚え、自覚したその想いに静かに懊悩する。
その嫉妬が外に向かう前に事件が起き、そこから噴出した怒りからの……
なんて言ったらいいのか……凛とした雰囲気が甘く崩れる感じがとても良い。
織田に対する想いを幼い言葉ながらもまっすぐに伝える可愛らしい一面も、
寮内でやりたい放題の三人組を黙らせる冷ややかな無双っぷりも好き。
織田の穏やかでやさしい懐の深さも好ましい。
今はまだ歯が立たない三人組に、いずれ一泡吹かせてほしいわ。(笑)
今回も山田さんのイラストがとても素敵。特に口絵。








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「希望の地図 3・11から始まる物語」重松清 (幻冬舎文庫)



その過程を見てきたからこそ。
「希望」の言葉が胸に刺さる。
たとえ、前に進む以外に選択肢がなかったのだとしても。
何もかもが破壊されつくされた場所に、人々は建物を作った。
雇用を守った。或いは、生み出した。
生活の基盤を再生し、今なお、その先を見据えて頑張っている。
だから足を運ぶ。
閖上に、南三陸に、気仙沼に。
時には少し足を延ばして岩手や福島に。
大袈裟な使命感はない。
その土地のものを食べに、自然を満喫しに。
作中に出てきた様々な場所を自分が訪れたのはある程度整備されてからで、
それまでの人々の頑張りを知れることが心強い。

3.11には震災関連本を。
これからも続けていきたいマイ・イベント。
今年は新しくオープンした南三陸の道の駅に行くことと、
震災後初めて浄土ヶ浜に行ってみることは確定済。
楽しみ。
本の内容とは関係ないけど、震災ごみの処理に関して書かれた記事を貼っておきます。
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/6242

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「猫の遊ぶ庭」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



とても限られた世界の中で、
人ではなく研究の世界と向き合って生きてきたら、
こんなにも純粋培養みたいな人ができあがってしまうんだろうなぁ、と、
杜司をみているとつくづく思う。
自分でさえつかみあぐねた恋情の
たどたどしい伝え方が、とてもいとけない。
でも、彼の中には脆弱さはなくて、しなやかな柳のような強さがある。
自ら手を伸ばしたシーンがとても好き。
言葉の使い方がとてもかわいさんらしい。
一方、一目惚れ状態で杜司への想いを深めていった織田。
杜司に対する丁寧な接し方は好印象。
数年後、めっちゃハイスペックな男に成長していそう。

特筆すべきは表紙が山田さんだってこと!
素敵~。
大学寮ってあんな感じだよなーと、遊びに行った寮の雰囲気を懐かしく思い出してみました。
自分は寮に住んだことはないけど、
通った大学にはいくつか寮があって、その寮風も様々。
この前に読んだ五條さん作品でも大学のことを想起させられて、
敢えてこの本を選んだわけじゃないけど、
本が本を呼んだ不思議な感じ。(笑)

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