きままに読書★
読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。
「オッサンの異世界は、何故かハードモード。 」画狼(Ruby collection)
私にしては珍しいタイトル買い。
そして、どんな理由でも直感的に買った本は基本的に外さない。
…というわけで、とても楽しく読了。
オッサンの楽観的思考、素晴らしい。
悲観的な状況に投げやりになっているわけではなく、
経験値と本来の性格からくる前向きな人生観。
彼の存在は周囲の者たちに光をもたらす。
そりゃあ、どん底から救い上げてもらった人たちは執着するし、
光を失ったら世界も終わる。
再び巡り合えてよかったね。
個人的には。
背筋のピンと張った心の鞭、フランシア女史がとても好き。
出自に囚われず、己の生まれ持った才覚と重ねてきた努力が認められての現在の地位。
カッコいい。
一冊で一気に読み切っちゃうのはなんだかもったいないから
二冊に分けてもらえるとお楽しみが分割されるようで嬉しい……かな。
先が気になると読み急いじゃうんだよね。
二度読みすればいいんだろうけど、同じ本を繰り返し読む時間がない。
まー、でも手元に置いておけば、いつかの再読のお楽しみになるわね。
PR
「獣はかくしてまぐわう」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
その対処の仕方に甘いな、と、思えるところもあるんだけど。
それが鹿倉が鹿倉たる所以。
その甘さに救われる者がいて、甘さを抱えているからこそ彼自身が強く在れる。
そもそも、刑事である彼が貫いてきた正義がブレたら進めなくなってしまう。
一方で、裏社会でその力を蓄えてきたゼロは刃を振るうことを厭わない。
鹿倉がゼロに殺人を犯させたくなかったという気持ちはわかるなぁ。
前作から追っていた東野が姿を現したけど、
そのヒトデナシっぷりは予想以上だった。ヤだわ~。
彼に心酔する手負いの獣・煉条がどう動くのか興味がある。
次巻で決着、かな?
特典のイラストカードが素晴らしすぎて眼福♡
本文イラストはどれを見てもうっとり。
沙野さんと小山田さん、本当に相性いいなー。
次作はまずは雑誌掲載。
うーん。文庫化待つ?買う?とチラリと悩んで詳細見に行ったら……
そうだった。菅野さんのシリーズ最終回前編掲載なんだわ。
買わねば!
「獣はかくして交わる」沙野風結子 (ディアプラス文庫)
【再読】
組対の刑事と鹿倉と無国籍の男たちを束ねるゼロ。
「情報」を餌に飼うか飼われるか。
互いに探り合いながら対峙する大型の肉食獣は
いつしか飼って飼われる関係に。
……という展開にドキドキワクワクしたのは初読時。
今回は肉食獣の間を悠々と歩く変質的なカメレオン(検事)の頭に
王冠が見えたんですけど?(大丈夫か?私)
そして、そんな彼らの間でキューキュー鳴いているカワウソ(刑事)。
その二人の印象が強烈だったけど、ラストの香水の件で肉食獣に戻って安堵。
同じ香水をつけて香りを堪能しあうってなんだか淫靡。
未回収な事案も残っているので、続編が楽しみ。
そして小山田さんのイラストが素敵すぎて、ずっと眺めていられそう。
画集!画集出してください。
喜んで購入します!
「汗血公路: アルスラーン戦記4」田中芳樹 (光文社文庫)
多極化した勢力のそれぞれの視点から語られる物語。
故に、壮大な歴史絵巻を見ているようで面白い。
加えてファンタジー要素も見え隠れするからなんだか贅沢。
言葉は違えども、人と人ならわかりあえるのかな?という思いを打ち砕くのは宗教という壁。
だが、アルスラーンの陣営に民族や崇める神の異なる者たちが少しずつ加わり、
周囲と軋轢なく生活を共にしていっている。
それは彼らが人種や宗教で他者を区別しないから。
ある意味、国のあるべき姿だと思えてならない。
アルスラーンの元に依ったパルスの者たちが上げた反撃の狼煙。
だが、王都で逆転劇が起こったことを彼らはまだ知らない。
なんか展開早いな、と思ったけど。
一冊一冊発刊を待って読んでいたころに比べたら、
一気読みをしているんだから、それは早いよね。
というわけで、王子二人に王が加わって、
ややこしさ倍増しの展開に。
「落日悲歌―アルスラーン戦記〈3〉」田中芳樹 (光文社文庫)
あんなのが国王で大丈夫ですか?と思う国と。
後継者あんぽんたんだけど大丈夫なの?と思う国と。
そしてパルスの王は獄中で、王子たちの出自は行方不明。
こうなってくると、
「国」に仕えるのではなく、アルスラーンという「人」に仕えると言い切った
彼らの想いが、何より正しい気がしてくる。
より良い国を築いていくための拠り所になるのは人。
何故アルスラーンの周囲には才気溢れる者たちが集まるのか。
ヒルメスには一生わからないだろうね。
巻を重ねるごとに増える登場人物。
それぞれが個性的で面白い。
そんな彼らがだんだん減っていくのが怖いのよ。(田中さんだから)
明日会社行きたくないわー、と久々に思う。
読書していたいから。(笑)
再読なのにグイグイ読まされてしまう。
「王子二人―アルスラーン戦記〈2〉」田中芳樹 (光文社文庫)
テンポよく展開していく第二巻。
途中で長い間停滞するとは予想できなかったよね。
だけど、解説にもあるように、時間と空間を経ても輝きを失わない物語。
これには全面賛成。だって今読んでもこんなにも面白い。
仮面を被って敵国に通じ、自国に血の雨を降らした当人を、
その血筋だけで誰が歓迎するだろうか?
と言い切りたいところだけど、ひれ伏す者がいることに驚き。
正義は星の数ほどあるというけれども、
私の正義と彼らの正義もまた違う。
己の出自を突きつけられた少年は、この先、どんな選択をし、どんな道を辿るのか。
気にならないわけがない。
魔導士が七人いたことはすっかり忘却の彼方だったけど。
私にとっての『七人の魔導士』は『グイン・サーガ』なのです。
角川文庫の方のあとがきには「ちゃんと結末が決まっている」と田中さん自身のあとがきが。
ああ、これもグインと一緒。
グインはいまだ最終巻を拝めていませんが(栗本女史執筆移行の巻は私は読んでいません)
アルスラーンは簡潔してくれて本当に良かった。
「王都炎上―アルスラーン戦記〈1〉」田中芳樹 (光文社文庫)
1986年の第1巻発売から読み始め、あまりの続刊の出なささと、
度重なるレーベル変更に、2008年の13巻で一時中断。
完結したら読むよ!と決めて、めでたく完結したのが2017年。
そこからさらに時を経て、ようやく着手。
長かった……(笑)
とはいえ。
読み始めれば一気に時が撒き戻り、彼らの傍らに寄り添うことができました。
久しぶり!
戦闘シーンから始まる物語。
14歳の少年に課せられた過酷な運命。
彼の元に集った稀有の才を持つ者たちと共に、どう道を切り開いていくのか。
そして誰が最後まで生き残るのか。
ネタバレなしで完走しますよー!
読み始めると、繰り返し聴いたカセットブック(時代がわかる……笑)での音声で
物語がぶわっと脳内再現。
大木民夫氏のナレーションの重々しいこと。
収集を一度挫折した経緯は……
角川文庫で買い始めた本作品は途中でカッパノベルズに。
大きさ違うじゃん!並べたらおかしいじゃん!でも続き読みたいし!と
渋々続きを買いつづけたら、今度は光文社文庫で1巻から文庫化。
え?どういうことよ?最初から文庫で良かったじゃん!
しかも、その時はちゃんと完結するとはちっとも思えず、
これはもう、完結まで待つわ、長期戦だわ、となりました。(笑)
「極道転生: シルバー・オクトパシー」五條瑛 (徳間文庫)
「月に代わってSMよ」から「思わず撃っちゃった」の件が面白すぎて爆笑。
サオリの破壊力が半端なさ過ぎて、一瞬、それまでの話がぶっ飛んだよね。
私も気が遠くなりかけたわ。
アクの強すぎる亡八のメンツの中にあると、
殺人罪で16年の刑期を終えたヤクザが、彼らの言葉を借りれば「ウブ」に思えてくる不思議。
昔気質のヤクザが自由奔放でとんちきな彼らに振り回される様はお気の毒でもあり、微笑ましくもある。
ビジネスライクに徹しているようで、
情も見え隠れするシルバー・オクトパシーの面々。
結果的には彼等の意図する方向に事態が転がっての閉幕。
その手腕はお見事。
刑務所に収監されたことはありませんが。
以前、刑務所に入れられる夢をみて、それがまた色々リアルで
超怖かった思い出。
超豪華な中華料理を並べてもらって、
食べる直前で目が覚めてしまったという、漫画みたいな夢を見たこともあったなぁ。
せっかく見るならハッピーな夢希望。