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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「涙(上)」乃南アサ(新潮文庫)



結婚を間近に控えた恋人にかけられた殺人の嫌疑。
電話で告げられた別れの言葉。そして失踪。
幸せな花嫁になるはずだった萄子の絶望と苦悩。
だけど、彼女は諦めなかった。
高度経済成長の波に乗る世情の熱気と勢いを感じさせる情景描写には、
人々のざわめきが聞こえてきそうな臨場感がある。
一方、失踪した恋人を懸命に探す萄子の固い決意と悲壮な覚悟は
そんな世情とはかけ離れていて、切実な思いが伝わってくる。
娘を殺された韮山との情報共有は今後どう展開するのか。
プロローグの位置づけが絶妙だなーと思いつつ。
謎だらけのまま次巻へ。

『飢餓海峡』長らく積んでる~!
いつかの読書のために、もうしばらくあっためておきます。
コツコツ積読を減らしてきた今年ですが。
最近地味に積読を増やしてしまった……
買うときは複数冊まとめて買っちゃうから一気に読了数<購入数になっちゃうんだよね。
お楽しみがいっぱいってことで(笑)

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「創竜伝(3) 逆襲の四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



日本の若者を、そして未来を皮肉る著者の言葉が痛烈。
反論したい部分と、納得してしまう部分と。
そして、この頃はまだ「ソ連」だったんだなぁ、としみじみと思いつつ、
匿名で他者を叩く行為や集団心理の怖さはこの頃から変わってないのね、と慄く。
それにしたってよ、ここまで大騒ぎになっていて、
色々隠蔽できるわけないでしょ!と言いたい。
まぁ、そこはスルーしないと話が進まないんだけど、
もやっとするのは日本国民、そこまで愚昧じゃないよ!
という思いがあるからだろうなぁ。
何も考えずに楽しく読めていた10代の自分が懐かしい。(笑)


この巻からからようやく本文の挿絵も天野さんに。
表紙の絵と中身の絵が違うと、脳が混乱します。


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「黒を纏う紫」五條瑛 (徳間文庫)



わかってはいても、途中で一度確認してしまった。
この本の出版って東日本大震災の前であってるよね?と。
「不夜城」と言われるほどの膨大な電力を要する夜の街。
その電力はどうやって生み出されているのか?
供給源を動かすための物資の運搬はどうやってなされている?
相変わらず視点は鋭いし、提示された問題は重いし、色々気になるしで
ドキドキしながら読み進めたものの、
途中で中だるみしたのは繰り返される性描写に辟易したため。
とはいえ、突っ込みどころはあるけど、考えさせられるところもあって、
後半は失速することなく一気読み。
二人には最後まで足掻いてほしい。

【作家買い】有明。お台場。
足が遠のきすぎて、懐かしいなぁ…と思う地名になってしまった(笑)
あんなに通ったのに。

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「アクション 捜査一課 刈谷杏奈の事件簿 」榎本憲男(幻冬舎文庫 え 14-1)



過去の事件が要因で閑職に追いやられた内藤と、
その捜査方法から煙たがられて主だった事件から外された杏奈。
はぶられコンビが本気を出せば、相乗効果でとんでもない展開に!?
時事問題を絶妙な感じで取り入れた、ザ・エンタメ。
一気読み必須の面白さ。
事件の真相解明への過程と、杏奈のプライベートの描写がバランスが良く、
更には田舎に飛ばされた内藤がめっちゃいい味出している。
やる気ゼロどころかマイナスからたどり着いた真実。
このコンビ、まだまだ見たい。
過去の事件の核心が曖昧なままなので、これは続編があるかな?と期待大。


作家買い。
榎本さんやっぱりおもしろいなー。
タイトルの『アクション』が「そこできたか!」と思った瞬間、テンションが上がりました。



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「少年悪魔公爵、淫魔に憑かれる」沙野風結子 (シャレード文庫 )



沙野さんと同じくこの作風は「アリ」に一票。
楽しく読了。
魔王の窮地を救うため、勇者討伐の旅に出掛けたポンコツパーティ。
魔王の人選が意図的だったかどうかは疑わしいと思っているけど、
結果的にはアルトにとっていくつものプラスの作用を及ぼすことになる。
まぁ、悪魔的にそれがプラスかどうかも疑わしいけど。(笑)
そして、悪魔と手を結ぼうとした国王の理由もさることながら、
魔導士の交換条件もまた、なんじゃそりゃ!?感半端ない。
巻き込まれた魔界の面々がなんだかお気の毒。
とはいえ。
愉快な仲間たちとの間で今後も交流が続いて良かったね。


登場人物の名前はすべて音楽関連用語なのはわかりやすかったけど、
「ナーハハル」の意味だけわからなくて、調べてしまった。
作家さんには「こうしなければならない」枠に捕らわれず、
書きたいものを自由に書いてもらいたい。


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「囀る鳥は羽ばたかない 8 」ヨネダコウ(H&C Comics ihr HertZシリーズ)



二年待ってこのスロー展開。
なんの焦らしプレイですか?という想いと、
それ以上にずっと緊張感を孕んだままこの作品を読み続けることができる僥倖を噛みしめる想いと。
ただ、ため息。
どんなに距離を置こうとしても、会わなかった期間が4年あったとしても。
顔を見てしまえば、その存在を傍らに感じていまえば、
相手の存在からもはや目を逸らすことは不可能で。
内面の想いに惑乱することになる。
禁断の知恵の実が象徴するのは、どんな想いなのか。
矢代は抗い、百目鬼は多分腹をくくっている。
前巻に続き今回もまた、そこで終わるんですかー!?と心の中で絶叫して読了。

ずっと息をつめて読み続け、読了してようやく息を吐く。
そんな感じ。
この緊張感、なんだろう?
百目鬼の表情が本当に変わらなくて、なんだかいたたまれない気持ちになる。
彼も、そして矢代も。
心の底から笑える日がくるといい。


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「王室護衛官に欠かせない接待」水壬楓子 (キャラ文庫)



【再読】
とっても楽しく読了。
この一冊だけでも読める内容だけど、
前作を踏まえて読むと、作品世界により深みが増すと思う。
そして水壬さんの作品世界の構成力の安定感。
二国間での陰謀めいた探り合いや、その過程で構築される人間関係、
解き明かされる真実等々、どっぷりハマって読み進め、
トリスタンが自分の居場所を確立するシーンでは
嬉しさが込みあげて泣きそうになってみました。
よかったね。
そしてワンチームの素晴らしさ。
WBC熱が燻っているタイミングでもあり、
仲間っていいなーとしみじみ思ったわ。

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「王室護衛官を拝命しました」水壬楓子(キャラ文庫)



あなたの本当に欲しいものはなんですか?
他人の欲するものと自分の欲するものが合致するとは限らない。
勝手に同じだと決めつけて動くから、その計画は破綻する。
戦後間もない国内において、
陰で何かしてるんだろうなぁ、とは思うものの、
表面的には昼行燈みたいな行動しか見えてこない、
戦時下の英雄、ディオン王子。
そんな彼が真に欲したものは王座ではなく、彼の護衛官ファンレイ。
明らかになったディオンの真意と行動に感動した後の
こどもか!?というプロポーズ(?)に爆笑。
それも彼ら二人が共に築いてきた年月の長さの証なんだろうね。


電子限定版の書き下ろし番外編「第五王子の忍耐が試されています」。
タイトルだけでとっても気になる。
電子は買わないけど……だけど気になる。
スカーレットナインと言われる王室護衛官の9人。
実はこの作品には続編があって私は先にそちらを読みました。
9人の名前はほぼ覚えてる。
覚えてるんだけど……肝心な内容が全く頭に入っていなかったという残念な事実が発覚。
楽しく再読できますね~。(←ザ・ポジティブ・笑)

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「創竜伝(2) 摩天楼の四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



自分たちの欲望を満たすために他人を手段や道具のように使おうとする輩と、
そんな輩の好きに扱われるのはごめん被る四兄弟の壮大な追いかけっこ。
そのとばっちりを受け、都心の有名な建物が豪快にぶっ壊されていく巻。
え、二巻目にしてここまでいろんなものが破壊されてたんだっけ?と、
記憶が薄らぼんやりしている割には、
気持ち悪いオッサンのことは覚えている残念な自分。
う~、生理的に無理無理無理。
破壊と追いかけっこと暴力が繰り返される中、
後の布石となるようなワードもちらちらと。
それにしても……この頃の田中さん、勢いがあったなぁ。

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「創竜伝(1) 超能力四兄弟」田中芳樹 (講談社ノベルス)



ん?こんな暴力的なオープニングだったかしら?と思いつつの読み始め。
30年越しの完結の作品に、一巻発刊時からのお付き合い。
始さん、続さん、終くん、余くん、
めっちゃ久しぶり!
とはいえ、途中で発刊が止まったあたりで読むのを頓挫し、
ここにきてようやく全巻読破に着手。
権力に固執する人は、みんながそれを望むものと思いがちだけど。
そんなものに全く興味ない人もいるだよ、と言ったところで理解できないんだろうなぁ。
巻き込まれた方は大迷惑。
おかげで自らの出自が知れたことは利点なのかな?
結末を知らないので、読み進めるのがとても楽しみ。


「人間を殺すものは人間である」
真理。
現在進行中の戦争を目の当たりにし「こんなことをするなんて人間じゃないよ。悪魔だよ」と
口にした知人に対いて「人間だからこんなことをするんだよ」と、心の中で呟いてみました。
人間の歴史は戦争の歴史。


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