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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「氷雪の王子と神の心臓」尾上与一 (キャラ文庫)



出自に縛られた二人の王子の思わぬ出会い。
決して先行きの明るくない自らの運命を受け入れた二人が、語り合うのは見果てぬ夢。
抗うつもりなどなかったのだけれども。
国のため。愛する者のため。
運命に立ち向かった瞬間から、彼らの人生が激変する。
二人とも流されるだけで終わってしまう器ではなかった。
だけど、自分のためには戦わなかったと思う。
備えていたのは、猛々しいのではなく、しなやかな強さ。
共に在ることを、そして国を守ることを諦めなかった彼らの在り様を
追っていくのがとても楽しかった。



欲を言えば。
銀狼のゲルダともっともっと絡んでほしかった。
せっかくのモフモフ~~。
夏に読んでいるのに思わず寒さを感じてしまいそうな筆力はさすが。
脳内で氷の塊がビシバシ飛んでいました(笑)



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「イングランドを想え」KJ・チャールズ (モノクローム・ロマンス文庫)



20世紀初頭の英国。
戦場で起きた事件の真相を探るため、
敵地と思われる屋敷に赴いたカーティス。
そこで出会ったダ・シルヴァもまた、
とある秘密を探るために屋敷に入り込んでいた。
ミステリアスな物語進行と同時に語られる、
同性愛が禁忌とみなされた時代の二人の想い。
心強い味方となったお嬢様方二人もよき。
数多い登場人物に混乱することなく、
綺麗に着地するかと思いきや!
え?続編あるよね?と言いたくなる幕引きはずるい。
ようやく相手とまっすぐに向き合った二人。
今後の活躍を是非!




どこまでも続く地面に掘られた人一人分の幅の穴に次々に人が落とされて行って、
底までたどり着いたらあとは上から落ちてきた人につぶされて圧死……
という、恐怖に慄く夢を見たことを思い出して軽く鳥肌。
怖かった。
そんな穴、あったんですねー。近寄らないようにしよう。←そんな機会はない。


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「デコトラの夜 (2)」 (ウィングス・コミックス)



この巻でぐっと存在感を表した美晴さん、好き。
祐一との結婚生活を送りながらも、
彼女もきっと、ただ流されるように生きていたんだと思う。
タイヨーが表れて、祐一と美晴と七千子との生活に関わるようになって。
考えることや気づきがあって、ありのままの自分らしく振舞うことができるようになったことはプラスの変化。
彼ら四人と晴太の五人は、
傍から見れば奇妙な関係性かもしれないけれども、彼らは間違いなく家族だ。
誰が欠けても幸せが欠ける。
みんなが慣れていない幸せ。
だったらこれから慣れていけばいい。
互いのぬくもりを傍らに感じながら。

一巻と二巻の表紙を並べると、とても素敵な夜空が広がっている。
花巻温泉、いいところだよね。また行きたいなぁ。
浄土ヶ浜は大昔に体力勝負の日帰りドライブで強行したけど、
今なら一泊でゆとりをもって訪れたい。


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「デコトラの夜(1)」 (ウィングス・コミックス)



菅野さん原作の山田さん作品。
カーチェイスに銃撃戦。
現実味に欠ける展開ながらも、提起される問題は深刻で根が深い。
そこはとてもリアルな部分だから。
あたかもそこにいるかのように、笑顔でハナと七千子のことを話すタイヨー。
彼らの真実を知れば、その笑顔が辛くなる。
自らの生きている意味を見いだせずにいた祐一は、
非現実の中に放り込まれて自身を見つめなおす。
覚醒剤。育児に関わることの無知。それを周知することのできない社会。
彼らはこの先、どんな未来を歩んでいくのか。


読メ開始時から何度か登録しようと思って読み返しては、
二冊一気読みして読み終わって満足して……の繰り返しだった作品。
何度目かのチャレンジでのレビューアップ(笑)




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「恋愛映画のように、は」 (ウィングス・コミックス)



菅野さん原作の山田作品。2編収録。
『夏の声』
二度と戻ることのない高校時代。
息苦しかったり、生きづらかったり。
そんなこともあったけれども。
今も縁の続く友だちと楽しく過ごした特別な空間。
そしてとても貴重な時間。
気持ちがしんみりしたところで続けて表題へ。
この作品とても好き。
ちょっとノスタルジックな気分になっていた気持ちを
別角度からがっつり抉られて泣きたくなって読了。
こういうとこ、菅野さんの感性だなーって思う。
人生、必ずしも思う通りにはいかない。
だけど、肩ひじ張らずに生きていければ楽しいことがある。
きっと。

10年以上ぶりの再読。
今もこういう作品で胸が震える感性が持ててよかったなーと。
ずっつずっと抱えていきたい。
横溝作品、読んだことないけど……いつか読んでみようかな?←まだ無理(笑)




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「エアー2.0 」榎本憲男(小学館文庫)



夢のような物語。
東日本大震災という未曽有の大災害に見舞われた福島を、
いや、福島に限らずこんなふうに復興できたら。
とても素敵。
そして、自分がその事業に携わることができたのなら。
想像すれば、ますます胸が高鳴る。
夢物語であることはわかっているけれども。
その夢をみたくなる。
そんな作品。
とてもとても楽しかった。
現状の政治や経済の在り様にも言及していて、
いろいろと考えさせられる。
死に際にこれだけ見事な花を咲かせることのできた彼本望だろう。
あとは彼らが引き継ぐ。
確実に。
そう思えることが嬉しい読後。

毎年毎年南三陸と気仙沼に行ってしまう。
そして、とても楽しく帰ってくる。
着実に未来に向かっている被災地。
いつだっていつまでも応援したい。

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「ロイヤル・フェイバリット」ライラ・ペース (モノクローム・ロマンス文庫)



英国皇太子とニュース記者との恋。
じっくり読ませる作品だった。
その恋を公表することで職までも失い、
自由気ままに暮らしてきたこれまでとは
激変した生活を送ることになったベンの苦悩。
セクシャリティの件は公表したものの、
生まれついての王族であることの柵に直面して苦悩するジェイムス。
当人同士にかかわる問題だけではなく、
周囲の人々や国の将来等すべてを俯瞰しながら
二人の最良の在り方を模索する姿に、全力で応援したくなる。
生じた種々の問題を乗り越えての円満な着地に幸せな読後。
三組のカップルに祝福を。

イギリス王室と教会の関係が興味深かった。
常に他人の目を気にしながらの生活は……大変そうで想像もしたくないなぁ。
行きたいときに行きたいところに行って、欲しい時に欲しいものが買えることって
とても幸せなことなんだなぁ、としみじみ思う。

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「こちら歌舞伎町、ほしぞら保育園」三津留ゆう (富士見L文庫)



夜間保育を営む訳アリの二人と、夜の街で働く保護者たち。
そして、彼らの愛らしい子供たちとの人情味あふれる優しい物語。
総括したらそうなんだけど、
仕事とボランティアは違うんだよ?というところが、途中気になってね。
まぁ、高校生の子どもの言うことだから仕方ないよなーとも思うんだけど。
対価としてお金をもらい、仕事として子どもを預かっているプロフェッショナルに、
気軽く善意の無償の預かりを頼んじゃいけない。
万一、何かあったときの責任の所在も問題になる。
なんとかしてあげたいという思いもわかるだけに、複雑。


新宿で保育園と言えばハナちゃん!
そして彼を思えば練に直結するわけで……
練の話の続編はどうなったのだろう?
続きが読みたいがために、張り切ってアンケート答えたよ!
あきらめないで待ってるよ!

「もね、2さいのおねえさんだから!」が個人的にツボ。
可愛い~~♡

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「GIANT KILLING(61)」ツジトモ (モーニング KC)



肝心の試合はまだ始まっていないけど、
とうとうここまできたか……と、感慨深いものがこみ上げる61巻。
「同じビジョンを共有しているチームこそ強い」
これ、仕事にも当てはまるよなー。
同じ方向を向いてこその目標達成。
個々人の間に温度差が生じてもダメ。
そういう意味では、この2チーム、みんなのテンションが同じで心強い。
鹿島は鹿島なりの、ETUはETUなりの、試合前の事前準備。
監督の影響力ってこういうところにも出てくるんだと伺えるところが面白い。
選手のモチベーションもサポーターの気合も最高潮。
あとは全力で戦うのみ。

今日は勝ってほしいよー、と思っていたベガルタは引き分けでした。
むむ。
勝ち点3欲しかった!

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「フェア・チャンス」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ完結巻。
エリオットに執拗にまとわりつき、悩ませていた事件の解決。
タッカーとエリオットとが直面した親との間の問題の解消or歩み寄り。
そして多くのぶつかり合いや困難を経てより深く結びついたタッカーとエリオット。
自分の意見をしっかり持ちつつも、相手を尊重しあう二人の在り様がとても素敵。
命の危機に陥りながらも「大丈夫になるから」と言い切ったタッカーが頼もしかった。
そして大活躍して同居人となったボーダーコリーがとても可愛い。
彼らと一緒にドキドキはらはらしつつ、たどり着いたのはとてもきれいな幕引き。
まさに「ゲーム・オーバー」。

別シリーズの誰かさんの名前が出てきて、ひとりニヤニヤ。
作家読みのお楽しみですね。
モノクローム・ロマンス文庫のレーベル買いの始まりはまさにこのシリーズから。
無理なく買える発刊ペースで今のところ外れなしでどれも楽しく読めているのが素晴らしい。
積んでいる本は今年中に読了を目指します。

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