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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「継承者の印~傭兵代理店」渡辺裕之 (祥伝社文庫)



推し、というわけではないけれども。
巻頭の「主な登場人物」の欄に、真っ先に探した人の名前がない。
え?前作でお亡くなりにはなっていないはず。
どこいった!?
と、読む前から小さな一波乱。
読み進めてみると、なるほどな展開。
むくつけき男たちのアクションバトル。
ずば抜けておもしろいか?と問われれば、まだその域には達せず。
けど、読み始めたら頁を捲る手を止められるか?と問われれば、答えはノー。
なんだろう、この不思議な面白さ。
今回はバトルと宝探しがミックスされていて、二方面から楽しめた。
でも、ミャンマー情勢のことを思うと、真顔になってしまいます。

コードネーム「リベンジャー」。
これが脳内で「アベンジャー」と混線してプチ混乱したわけですが。
なんでだろう?と思ったら映画の『アベンジャーズ』と混ざっちゃったんだね。

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「猫の遊ぶ庭―気まぐれ者達の楽園」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



前作で初めて恋を知った杜司。
今作では無自覚に嫉妬を覚え、自覚したその想いに静かに懊悩する。
その嫉妬が外に向かう前に事件が起き、そこから噴出した怒りからの……
なんて言ったらいいのか……凛とした雰囲気が甘く崩れる感じがとても良い。
織田に対する想いを幼い言葉ながらもまっすぐに伝える可愛らしい一面も、
寮内でやりたい放題の三人組を黙らせる冷ややかな無双っぷりも好き。
織田の穏やかでやさしい懐の深さも好ましい。
今はまだ歯が立たない三人組に、いずれ一泡吹かせてほしいわ。(笑)
今回も山田さんのイラストがとても素敵。特に口絵。








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「希望の地図 3・11から始まる物語」重松清 (幻冬舎文庫)



その過程を見てきたからこそ。
「希望」の言葉が胸に刺さる。
たとえ、前に進む以外に選択肢がなかったのだとしても。
何もかもが破壊されつくされた場所に、人々は建物を作った。
雇用を守った。或いは、生み出した。
生活の基盤を再生し、今なお、その先を見据えて頑張っている。
だから足を運ぶ。
閖上に、南三陸に、気仙沼に。
時には少し足を延ばして岩手や福島に。
大袈裟な使命感はない。
その土地のものを食べに、自然を満喫しに。
作中に出てきた様々な場所を自分が訪れたのはある程度整備されてからで、
それまでの人々の頑張りを知れることが心強い。

3.11には震災関連本を。
これからも続けていきたいマイ・イベント。
今年は新しくオープンした南三陸の道の駅に行くことと、
震災後初めて浄土ヶ浜に行ってみることは確定済。
楽しみ。
本の内容とは関係ないけど、震災ごみの処理に関して書かれた記事を貼っておきます。
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/article/6242

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「猫の遊ぶ庭」かわい有美子 (幻冬舎ルチル文庫)



とても限られた世界の中で、
人ではなく研究の世界と向き合って生きてきたら、
こんなにも純粋培養みたいな人ができあがってしまうんだろうなぁ、と、
杜司をみているとつくづく思う。
自分でさえつかみあぐねた恋情の
たどたどしい伝え方が、とてもいとけない。
でも、彼の中には脆弱さはなくて、しなやかな柳のような強さがある。
自ら手を伸ばしたシーンがとても好き。
言葉の使い方がとてもかわいさんらしい。
一方、一目惚れ状態で杜司への想いを深めていった織田。
杜司に対する丁寧な接し方は好印象。
数年後、めっちゃハイスペックな男に成長していそう。

特筆すべきは表紙が山田さんだってこと!
素敵~。
大学寮ってあんな感じだよなーと、遊びに行った寮の雰囲気を懐かしく思い出してみました。
自分は寮に住んだことはないけど、
通った大学にはいくつか寮があって、その寮風も様々。
この前に読んだ五條さん作品でも大学のことを想起させられて、
敢えてこの本を選んだわけじゃないけど、
本が本を呼んだ不思議な感じ。(笑)

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「瓦礫の矜持」五條瑛 (中公文庫)





「個」が腐っているからと言って
組織全体すべてが腐っていると決めつけるのは極論。
そもそも。
警察に対する恨みつらみを述べる者たちの言い分だって、
納得できるものもあれば、自業自得だったり身勝手だったりするものもある。
あなたが悪いから罰せられたんだよね?と。
結果的に、志の部分に大きな違いがある者たちのにわか組織は
連携」という意味でうまく機能しない。
けれども。それも計算の内。
章タイトルにあるように、一人一人の過去と生き様にスポットをあてて
大きな流れを描く構成は、個性的な人たちの魅力も相まって、おもしろかった。

東京、千葉、京都。と、リアル地が名出てるのに、
舞台となった都市は架空の街、仙水。
地元民としてはあっちもこっちも、あそこね、ここね、と思えてしまうので、
そこ、そのままリアル地名で良くない?と思ってしまった。
良く知っている街の描写だけに、「仙水」と出てくるたびに違和感。
だったんだけど。
ラストまで読んでみて、架空の街で良かったのかな?と、納得気味。



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「色悪作家と校正者の初戀」菅野彰 (ディアプラス文庫)



ネガティブイメージの嫉妬。
今回、この嫉妬の呑み下し方がとても良かった。
自分の知らない他者との交流が、相手の人生のプラスに作用している。
故に、嫉妬を相手にぶつけてしまえばその世界を狭めてしまうことを自覚し、
己の内面で留めようと努める大吾と正祐。
それでも消化しきれない想いは、二人の関係を知る篠田に吐き出して収める。
相手の世界を尊重するのも、嫉妬を飲み下すのも、
情人を信じているからこそ。
特に。
大吾の「お前を信頼している」の言葉が嬉しかった。
あとがきを読んで、この先品が今後どう展開していくのかとても気になってみた。


同じ本を読んでその本に対する思いを語り合う。
それが楽しいと言う彼らの心情がよくわかる。
「岳飛伝読み終わったから感想語りたい!」
と連絡をくれる友だちがいることが、ただ嬉しい。
「アルスラーン読み終わってめっちゃ言いたいことあるんだけど!」
と返せることも嬉しい。
読友さんたちと共読本が増えていくこともひたすら嬉しい。
特典のペーパーはラザニア。
好きなんだけど、作ったことないんだよね。
今度チャレンジしてみようかな。

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「デザートにはストロベリィ」 (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ三作目。
このシリーズの共通項は、育ちも考え方も違う二人が
相手のことを想い、その考え方を汲み、歩み寄れる着地点を探るところ。
その過程が丁寧に描かれていて、切なさにも喜びにもとても共感できてしまう。
自分が動かなければ駄目だとジョナサンが決意するシーン。好きだなぁ。
彼が欲しているのは自分が手を伸ばさなければ手に入れられないもの。
気づけて良かったね。
途中でタイトルの意味を深読みして、めっちゃセクシーって思った。
当事者二人とジョナサン父との対話もとても良かった。
二人を理解しようとしてくれたジョナサン父素敵。
大満足の読後。


「家族がいつでもそこにいるとは限らない」
そうだよね。
どんな理由でかはそれぞれだろうけど、いつかは離れる時が来る
だから、一緒にいる間はできること怠けないようにしたいなぁ、と。
その時がきても後悔しないようにね。

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「恋人までのA to Z」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
人と人の出会いが、彼らのその先の運命を変える。
ザックとアンジェロ。
出会ったことによって、アンジェロは苛まれてきた孤独感からの解放への一歩を踏み出し、
ザックもまた、単調で無味乾燥な日々との決別を迎える。
だけど、二人だけではその関係を築くことはできなかっただろう。
マットとジャレド。
彼等と出会うことによって、二人は互いを人生の伴侶として認め合うことになる。
付け加えれば、ザックの寛容さというか、懐の広さがあってこその関係。
呑み込み続けた言葉を口にすることができたアンジェロ。
もっと年を重ねた彼の姿が見てみたい。


それにしても……続刊が出るまでに6年とちょっと。
何年かかっても続きが読めるのは嬉しいのです。
M/M作品好き好き♡
もっともっとたくさん翻訳されるといいなー。
BGMは「朝まで生テレビ」。
田原さんの年齢を検索して感心してしまった。
幾つになってもバリっと元気でいられるといいね。

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「ロング・ゲイン ~君へと続く道~」 (モノクローム・ロマンス文庫)



【再読】
読み進めるほどにじわじわと胸が熱くなる。
自分がストレートであると言い聞かせて生きてきたマットがジャレドに惹かれ、
その想いを認め、そして告げるまでの葛藤。
ゲイであることをオープンにしつつも、マットに惹かれる思いと周囲の偏見に苦悩し、
マットと共に一歩を踏み出すことに躊躇するジャレド。
彼等を見守る、或いは理解しようとしない家族との在り方。
周囲の人たちとの折り合いのつけ方。
丁寧にその先を探っていくセックス。快楽を分かち合うリバ。
コロラドの大自然の描写。
何もかもが良かった。
大満足の読後。

新刊を読む前に既刊再読。
ジャレドの母の言葉が心強い。
「他人の考えていることは変えられない。できるのは自分の人生をどう生きるか。
自分で決断することだけよ。他人のことなんか放っておきなさい」

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「熱氷」五條瑛(講談社文庫)



そんなことにはならないよね、と思いながらも。
え?この作品出版されたのいつ?と発行された年を確認しつつ、
メッチャドキドキした。
五條さん、相変わらず時代の先読み感がすごい。
のめり込んで一気に読ませる群像劇。
始まりは氷山ハンターから。
へぇ、そんな仕事があるんだ!と一つ物知りになったところからスタートして
まさかこんな展開になろうとは。
登場人物たちの曰く在りな過去も、今を生きる姿も魅力的。
決してクリーンな人たちばかりじゃないけど、
逞しく生きる姿はカッコいい。
「あっちで会おう」うん。私もまた、アナタたちに会いたい。→


スキンヘッドの皮膚を爪やすりで直接研ぐ!
という描写に鳥肌。
いーたーいーーー。

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