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きままに読書★

読んで思ったことを徒然に。ゆるーくまったり運営中。

   

「ロイヤル・フェイバリット」ライラ・ペース (モノクローム・ロマンス文庫)



英国皇太子とニュース記者との恋。
じっくり読ませる作品だった。
その恋を公表することで職までも失い、
自由気ままに暮らしてきたこれまでとは
激変した生活を送ることになったベンの苦悩。
セクシャリティの件は公表したものの、
生まれついての王族であることの柵に直面して苦悩するジェイムス。
当人同士にかかわる問題だけではなく、
周囲の人々や国の将来等すべてを俯瞰しながら
二人の最良の在り方を模索する姿に、全力で応援したくなる。
生じた種々の問題を乗り越えての円満な着地に幸せな読後。
三組のカップルに祝福を。

イギリス王室と教会の関係が興味深かった。
常に他人の目を気にしながらの生活は……大変そうで想像もしたくないなぁ。
行きたいときに行きたいところに行って、欲しい時に欲しいものが買えることって
とても幸せなことなんだなぁ、としみじみ思う。

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「こちら歌舞伎町、ほしぞら保育園」三津留ゆう (富士見L文庫)



夜間保育を営む訳アリの二人と、夜の街で働く保護者たち。
そして、彼らの愛らしい子供たちとの人情味あふれる優しい物語。
総括したらそうなんだけど、
仕事とボランティアは違うんだよ?というところが、途中気になってね。
まぁ、高校生の子どもの言うことだから仕方ないよなーとも思うんだけど。
対価としてお金をもらい、仕事として子どもを預かっているプロフェッショナルに、
気軽く善意の無償の預かりを頼んじゃいけない。
万一、何かあったときの責任の所在も問題になる。
なんとかしてあげたいという思いもわかるだけに、複雑。


新宿で保育園と言えばハナちゃん!
そして彼を思えば練に直結するわけで……
練の話の続編はどうなったのだろう?
続きが読みたいがために、張り切ってアンケート答えたよ!
あきらめないで待ってるよ!

「もね、2さいのおねえさんだから!」が個人的にツボ。
可愛い~~♡

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「GIANT KILLING(61)」ツジトモ (モーニング KC)



肝心の試合はまだ始まっていないけど、
とうとうここまできたか……と、感慨深いものがこみ上げる61巻。
「同じビジョンを共有しているチームこそ強い」
これ、仕事にも当てはまるよなー。
同じ方向を向いてこその目標達成。
個々人の間に温度差が生じてもダメ。
そういう意味では、この2チーム、みんなのテンションが同じで心強い。
鹿島は鹿島なりの、ETUはETUなりの、試合前の事前準備。
監督の影響力ってこういうところにも出てくるんだと伺えるところが面白い。
選手のモチベーションもサポーターの気合も最高潮。
あとは全力で戦うのみ。

今日は勝ってほしいよー、と思っていたベガルタは引き分けでした。
むむ。
勝ち点3欲しかった!

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「フェア・チャンス」ジョシュ・ラニヨン (モノクローム・ロマンス文庫)



シリーズ完結巻。
エリオットに執拗にまとわりつき、悩ませていた事件の解決。
タッカーとエリオットとが直面した親との間の問題の解消or歩み寄り。
そして多くのぶつかり合いや困難を経てより深く結びついたタッカーとエリオット。
自分の意見をしっかり持ちつつも、相手を尊重しあう二人の在り様がとても素敵。
命の危機に陥りながらも「大丈夫になるから」と言い切ったタッカーが頼もしかった。
そして大活躍して同居人となったボーダーコリーがとても可愛い。
彼らと一緒にドキドキはらはらしつつ、たどり着いたのはとてもきれいな幕引き。
まさに「ゲーム・オーバー」。

別シリーズの誰かさんの名前が出てきて、ひとりニヤニヤ。
作家読みのお楽しみですね。
モノクローム・ロマンス文庫のレーベル買いの始まりはまさにこのシリーズから。
無理なく買える発刊ペースで今のところ外れなしでどれも楽しく読めているのが素晴らしい。
積んでいる本は今年中に読了を目指します。

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「パンダ「浜家」のファミリーヒストリー 」東京書籍



NHKのファミリーヒストリーで取り上げられた、まさかの人外、パンダ。
そして初の番組書籍化。
アドベンチャーワールドにやってきたパンダ「浜家」の歴史と、
パンダたちを支えた人々の努力と苦労と喜びがつづられた一冊。
どこを開いても「かわいい」しか出てこない癒し本。
サイズはA5くらいなんだけど、倍でもいいよ。
というか、もっと大きなサイズを勝手に想像していました。(笑)
パンダにも一頭一頭性格があって、育ち方もそれぞれ。
愛くるしい写真とともに丁寧に紹介されています。
利き手があることは初めて知ったわ~。
ますます行きたい想いが募るアドベンチャーワールド。


アドベンチャーワールドに行きたい行きたいと騒いでいたら、
来月遊びに来る予定の姪っ子ちゃんから「パンダのぬいぐるみ持っていくからね!」という
可愛いお手紙をもらいました。
姪っ子ちゃん、可愛すぎるんですけどーー!!!

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「喪国」五條瑛 (双葉文庫) 



見果てぬ夢。
多分彼は、どれだけの金を手にしても心が満たされることはないのだろう。
彼が求めるものは、もうこの世界のどこにもなく、
この先も手に入れることはできないのだから。
彼が気まぐれに手を差し伸べた者たちの歩んだ人生の明暗。
身を持ち崩した者たちの末路は壮絶だし、
うまく立ち回った者たちは時代の変化に逞しく順応する。
改憲。自衛隊。宗教。政治。
今に通じる問題が提起され、革命の火種がくすぶり続けたまま、物語は幕を閉じる。
否。
閉じてはいない。
雑多な新宿という街の中に取り残されたまま、
その後の彼らの行方に思いを馳せるのだ。


著者は日本の未来に希望を抱いていたのか、絶望していたのか。
尋ねてみたい気がする。
とてつもない問題提起と熱量を孕んだシリーズ。
没頭したまま帰ってこれなくなって、ノンストップで読み切りました。


本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「Blue and Red, BLOOD」。
自分の国はなくならない。と思っているけれども。
絶対に?と問われると、Yesと言い切れないと唸ってしまう世界情勢。
世界にとってサーシャという男の存在は大迷惑。
だけど。
それ故に、彼に魅了されてやまない人間は多数いるのかもしれない。


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「屍界」五條瑛 (双葉文庫)



なんで「大丈夫」だと思えるのだろう。
彼らのそれは根拠なき願望。
逃がそうとしたばかりに、多くの血が流れる。
裏切りを繰り返してきた男を何故受け入れようと思うのか。
欲が勝ったばかりに失われる命。
彼らの甘さに溜息しか出ない。
なんかもう、余計なお世話だって言いたい。
過去の亡霊みたいな者たちの思惑に振り回されたくない。
今この国で生きる者たちにすべてを委ねるがいい。
その先の未来がどうなったって、それはその者たちの選択だ。
uk-xやモーリンに未来を託そうとする鳩に思いは近い。
異国で育つ命に祝福を。
誰だって生まれてくるときは無垢で純真なのにね。

あと一冊。どんなふうに着地するのかを想像しても意味がないので(←わからないから)
ただ物語の中に没入するのみ!


本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「ゴッホの血」。
国立西洋美術館で静かに語り合う二人の男。
話の流れで出てきた狂気の血。
まさか、これから二十年近く後にその血が災禍をまきちらすとは
二人とも思ってもいなかっただろう。

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「誘魔〈Old offender〉」五條瑛 (双葉文庫)



WWⅡのみならず、ベトナム戦争の闇も複雑に絡みつき、事態は混迷を極めていく。
アスラン教団の目の付け所の良さには感心するけれども、えげつないね。
自分が日本に住んでいること。
日本人であること。
日頃改めて意識することはないけれども。
本作を読みながら色々と考えさせられてしまう。
今ある環境は永続するものではなく、また、当たり前のものでもない。
右手で善を成しているからと言って
左手の血濡れた悪事を許容していいはずがない。
だから、迷わず糾弾していい。
彼は、悪だと。
事態の根幹を担っている者たちはいまだ表に出てこないまま。
彼らの悪事は暴かれるのだろうか?

このシリーズ、各巻のタイトルが本当に秀逸。
地下銀行のシステムについてはかなり勉強になった。
……とはいえ、私が利用することはないけれども。
山積する問題の何から解決していけばいいのか。
というか、どの問題を国のどの機関が担当してどう話し合っているのか。
全くわからないところが問題なのかも。



本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「海賊の蕾」
固有名詞は一切ないけれども、この二人が誰なのか想像はできる。
あってるかな?
たぶんあってるはず。
この先の巻で答え合わせができることを期待。
残り二冊。
ドキドキするわ。



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「狂血(immigrant and illegal immigrant, and imposter)」五條瑛 (双葉文庫)



血生臭い巻に相応しいタイトル「狂血」。
各所で燻る不穏な気配と連鎖するかのように、
出会ってしまったことで破滅へと傾いていく彼らの運命がなんとも言い難い。
大きく括ればみな「人類」。
だが、そこに人種や国籍といったモノが付帯することによって、
相容れない存在となってしまう。
相容れなさに拍車をかけているのが「裏口」ルートの入国。
これをどうにかしようとするとワールドワイドな話になるので割愛。
同じ人種でも血で血を洗っているわけで、状態はもはやカオス。
およそ半世紀前から撒かれていた革命の種。
根底にあるのは悪意か、大義か?
いや、それこそ狂気なのか。

櫂にとって釜崎に出会ったことは不運。
だけど、亮司に出会ったことは?どっちだろう。
芸術は人の命と引き換えにしてまで生み出すものではないんだよ。
……と言い切っちゃうのはきれいごとかな?




本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「Love Rose,Love lost」
『恋刃』でひっかきまわされたプロローグの余波がここでもガツンと。
そして謎が判明する。
おまえかー!
想定外だったよ。
いや、ほんとこのプロローグ構成すごいわ~。

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「純棘(Thorn)」五條瑛 (双葉文庫)



ここにきて気持ちの悪い登場人物が増えて嫌な気分になる。
天誅はその身に降りかかるがいい。
自らこそがその刀の露となり果てるがいい。(ハンムラビで)
終戦間際の出来事が非常に興味深い。
それが弱みになるようでは、彼らはその後の地位を築いていない気がする。
人の弱みを突いてのし上ろうとする輩は、所詮上に立つ器ではないのだ。
明確な意図を持ち、ひっそりと撒かれた種。
人知れず育ったその芽は不穏な気配をまき散らす。
熱帯夜の如く、息苦しい狂乱。
だけど。
嵐はまだ始まったばかり。
「この国に革命は必要ないのか?」
物語の行き着く先がわからない。
ただ平穏であることを希う。

ドラッグの副作用出ましたねー。怖っ。
「覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか? 」
かつてのCMのフレーズが蘇る。
めっちゃインパクトのあるCMでした。



本編の感想は単行本の方で投稿済み。
文庫の書下ろし短編のタイトルは「鎌と槌と星」
明確になるサーシャの失くした国。
わかってはいても、その違和感のなさに改めて納得。
サーシャは野良猫に例えられているけれども。
ネコ科であっても、猫よりも大きくて野性味のあふれる動物イメージだなぁ。
あ、でもそうなると、人が住む家には寄り付かないか。

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